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相続税とは?相続税の仕組みをわかりやすく解説します

 

相続税とは、自分の血縁者などが亡くなった時に、その亡くなった人の財産を配偶者や子供などの親族が引き継ぐことをいいます。

日本は相続税が高い国として有名です。実際相続が起こると、財産を持っている人ほど高い相続税を支払わなければならなくなります。

現金がない場合は、引き継いだ土地などを売却して税金を収めたり、物納したりと、とても大変な思いをすることもあるのです。

今はまだ相続のことを身近に感じられないかもしれませんが、いつかは直面するのが相続というものです。

しっかりした知識をつけておいて損はありません。それでは相続について詳しくみていきましょう。

目次

相続税についての法律である相続税法とは?

相続税法とは、相続税や贈与税のについて定めてある法律です。

相続税をきちんと収められるように、必要な事項を定めてあります。

納税義務者や課税財産の範囲、税額の計算方法、申告方法、納付や還付の方法などについて詳しく決められており、相続税はこの法律にのっとって収めることとなっています。

相続税とは、死亡した人(被相続人)の財産を、相続人が受け継ぐときにかかる税金です。

しかし、相続が発生した場合、誰もが相続税を支払わなければならないというわけではありません。

引き継いだ財産が、相続税の基礎控除額を超えた場合、その超えた分に対して相続税がかかってくることとなります。

超えなかった場合は相続税がかかりません。

相続税が課税された場合は、相続税の申告および納税が必要となります。

被相続人が死亡したことを知った日から10ヶ月以内に申告し、納税を完了しなければならないと定められています。

相続人と、その相続順位とは?

相続人とは、民法で定められており、配偶者や子供などがそれにあたります。

配偶者は必ず相続人となります。配偶者が最優先の相続人であり、それ以外の相続人は順位が定められています。

相続順位第一位:死亡した人の子供

例えば父親(Aさん)が死亡した場合は、その子供(Bさんとする)が相続人となります。

もしも子供(Bさん)が亡くなっていた場合は、その人の直系卑属、つまりBさんの子供や孫となります。

亡くなった人により近い世代の人が優先されますので、Bさんが亡くなっていた場合は、Bさんの孫ではなくてBさんの子供が相続順位第一位となります。

相続順位第二位:死亡した人の直系尊属

順位第二位の人は、第一位の人がいなかった場合に相続人となります。

上記のパターンでは、Aさんが結婚していなくて独身であった場合や、死亡していたBさんに子供や孫がいなかった場合が「相続順位第一位の人がいない」といった状態になります。

この場合、Aさんの直系尊属が相続人となりますが、世代が近い方が優先されるため、父母も祖父母も存命だった場合は父母が第二位の相続人となります。

相続順位第三位:死亡した人の兄弟姉妹

相続順位第一位の人も、第二位の人もいなかった場合に、Aさんの兄弟が相続人となります。

もしもAさんの兄弟が死亡していた場合は、その子供が相続人となります。

夫婦二人で子供がいない場合、どちらかが死亡した場合に備えましょう

夫婦二人で子供がいない場合を考えてみましょう。

もしも夫が先に亡くなった場合、相続の権利は妻だけでなく夫の両親もしくは兄弟にも発生します。

夫は妻にすべて残したいと思っていたとしても、きちんとした遺言書等がないと、夫の父母や兄弟が分割を主張した場合には財産が分散されてしまうのです。

夫の両親や兄弟に財産を分けるために、夫婦で住んでいた自宅を売ったり、老後の資金として貯めていた貯金を譲ったりしなければならなくなります。

このようなことが起こらないためも、特に子供がいない夫婦はきちんとした遺言書を作成しておいた方が良いでしょう。

相続税は中学生などの未成年にも課せられる?

死亡した人の子供は相続順位第一位ですから、親が早くに亡くなってしまった場合などは未成年でも相続人となり、財産を相続することとなります。

しかし、未成年では大人と同じような判断力が備わっていないので、もしも未成年の時に法律行為(相続時においては、遺産の分割など)をした場合、後になってそれを取り消すことができるようになっています。

未成年の時に、何もわからずに言われるままに遺産の分割などの法律行為を行ったとしても、後で成人したときに「あの時の判断は違っていた」と思えば、取り消すことができるようになっていて、法律が未成年者を保護しているということができます。

一般的に、未成年者が法律行為をする場合は、法定代理人(一般的には親がなる)の同意を得ることになります。同意を得て法律行為をした場合は、それが有効と見なされます。

しかし、相続に限っては、親と子供が相続人となり、財産を取り合う関係になってしまいます。

そのような立場の親が相続時の「法定代理人」になることは望ましくないという考えから、未成年者の相続に関しては「特定代理人」を立てる場合もあります。

相続税の基礎控除額は?平成27年度に改正されました

相続税は、財産を受け継いだすべての人にかかってくるわけではなく、課税される相続財産の額が「相続税の基礎控除額を超えた場合」にのみ課税されることとなっています。

基礎控除額は平成27年度から減額され、今までは5000万円+(1000万円×法定相続人)だったものが、3000万円+(600万円×法定相続人)となりました。

約4割ほど減額されたことになります。

今までは、資産価値が1億円以上の人に相続税がかかっていたのですが、この改正により、一般的な四人家族の家庭の場合、5000万円程度の相続財産があれば相続税がかかる、ということになりそうです。

都心で家を持っている場合は、相続財産が5000万円を超える人が多いため、課税される人がかなりの割合で増えることが予想されています。

法定相続分の意味とは?

相続の法定相続分とは、民法で定められた法定分割のことであり、遺言書や話し合いではなく裁判で遺産分割を決めるときの取り分となります。

通常、相続は話し合いで行われることが基本であり、その場合は法定相続分とは関係なく財産を分けることが可能です。

しかし、遺産の分割でもめることも実際は多くあり、どうしても話し合いで決まらない場合は裁判になることもあります。そうなった場合の遺産分割の割合の目安として、法定相続分が参考とされます。

民法で定められた法定相続分は以下となっています。

1.配偶者と子供が相続人である場合

  • 配偶者1/2
  • 子供(2人以上のときは全員で)1/2

2.配偶者と直系尊属が相続人である場合

  • 配偶者2/3 
  • 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3

3.配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合

  • 配偶者3/4
  • 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

子供や直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、男女や年齢に関係なく、原則として均等に分けます。

相続税がかからなくても必ず申告が必要?

相続税の申告は、実際に相続税が発生したときのみでよいと決められています。

相続財産が相続税の基礎控除額を超えず、税金を払う必要がない場合は申告する必要がありません。

まとめ

このように、相続が発生したからといって、必ずしも相続税を収めなければならないというわけではありません。

しかし、平成27年度の基礎控除の変更によって、相続税がより身近なものになってしまったとも言えるでしょう。

できるだけ相続税を回避することができるよう、知識をつけ、相続税対策をすることが必要となってくるでしょう。