MENU

固定資産税について理解しよう!固定資産税の基礎知識とは?

 

毎年4月~6月くらいになると、固定資産税の通知が届く頃ですね。

固定資産税はそれなりの金額になります。「もっと少ない金額だったらいいのに」と思う人も多いのではないでしょうか。

固定資産税は国ではなく、市町村が徴収している税金です。固定資産税は、市町村の税収の4割から5割ほどを占めると言われ、自治体にとってはなくてはならない税金なのです。

私たちの日々の生活に役立っている税金というわけです。

納付書が送付されてくるたびに何となく支払っている固定資産税ですが、意外と知らないこともあります。

ここでは、固定資産税の基礎知識について、詳しく解説していきます。

目次

固定資産税とは?

固定資産税とは、土地や一戸建ての家屋、マンション、アパートなど、不動産と呼べる資産に対して課せられる税金のことです。

所得税や贈与税、相続税などは国が徴収していますが、固定資産税は国ではなく、市町村などの地方自治体が徴収している税金です。

毎年1月1日にその土地や建物を所有している人が、自分の居住地の市町村に固定資産税を納めることとなっています。

具体的には、「土地」については、土地登記簿又は土地補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている人、「家屋」については、家屋登記簿又は家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている人、「償却資産」については、償却資産課税台帳に所有者として登録されている人となっています。

償却資産にかかる固定資産税とは?

固定資産税は土地や家にかかってくる税金ですが、土地や家屋以外に「償却資産」にもかかるということはあまり知られていません。

この償却資産税とは、事業に使用する固定資産に課税される税金のことですが、一般に広く認知されている所得税や法人税などとは異なる税金です。

所得税や法人税は国が徴収しますが、この償却資産税は市町村が徴収することになっています。

償却資産税の対象となる資産は、事業の用途に使用する固定資産です。

しかし、全ての固定資産が対象となるわけではなく、土地および家屋、自動車税・軽自動車税の対象となる車両などは課税対象となりませんので注意が必要です。

税金がかかってくるものとしては、具体的には、自営業の方が使用するパソコンや応接セット、工場などで利用している機械装置や工具器具備品などが対象となります。

注意すべき点は、この償却資産税は、所得税法、または法人税法上の所得計算時に減価償却資産として認識される資産のみが対象となっているということです。

よって、パソコンなどが10万円以下で、一度に費用として損金算入したものについては償却資産税がかかりません。

また、10万円以上20万円未満であっても一括償却資産として3年均等償却を選択している場合は、同じように対象とならないとされており、通常の減価償却計算で費用化している場合のみ、償却資産税がかかることになります。

参考に、申告対象となる資産、対象とならない資産を紹介しておきます。

対象となる資産

構築物

舗装路面、門・弊等の外構工事、受変電設備、浄化槽設備、内装・内部造作など

機械及び装置

各製造設備等の機械、太陽光発電設備など

船舶

ボート、漁船、遊覧船など

航空機

飛行機、ヘリコプター、グライダーなど

車両及び運搬具

大型特殊自動車(フォークリフト、レッカー、ブルドーザーなど自動車税及び軽自動車税の課税対象以外)など

工具、器具及び備品

パソコン、コピー機、LAN設備、厨房機器、冷蔵庫、医療機器、理容、美容器具、自動販売機など

対象とならない資産

  • 自動車税、軽自動車税の課税対象となるもの(自動車、小型フォークリフトなど)
  • 無形固定資産(電話加入権、ソフトウエア、特許権など)
  • 繰延資産
  • 棚卸資産
  • 取得価格20万円未満のもので、3年間で損金(経費)に計上したもの(一括償却)

償却資産税は市区町村単位の自治体が徴税を行っており、その年の1月1日時点で償却資産を保有している人が納税義務者となります。

償却資産税は、1月1日時点において保有する償却資産を申告書に記入し、1月31日までに申告を行うことと定められています。

固定資産税の税額は、いつわかる?納付書はいつ送られてくる?

固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産の所有者にかかる税金で、その年の4月1日~翌年3月31日分が課税されます。

市町村にもよりますが、納付期限の10日前までに通知するようにと地方税法で定められていますので、「納税通知書」や「納税明細書」が4月から6月の間に届くようになっています。

一般的には、この書面を見て初めて、自分の固定資産税を把握する人がほとんどだと言えるでしょう。

固定資産税は上がるの?上がる場合はいつから?

固定資産税が上がる場合があります。

それには、二つの理由が考えられます。

固定資産税にはいくつかの減額措置があります。

一定の条件を満たすと、新築時から3年度分~7年度分、固定資産税額が減額されます。

それらの適用期間が終わると「固定資産税が上がる」ことになりますね。

減額措置が適用されている人は、適用が終了したときに突然税額が上がって驚かないように「来年からは通常の固定資産税額の請求がくる」と心づもりをしておきましょう。

固定資産税が上がる理由はもう一つあります。

固定資産税評価額が上がった場合です。

固定資産を算出する上での指標になる「固定資産評価額」は3年おきに見直されます。

このことを「評価替え」といいます。次の評価替えの年までに、もしも一般の地価が上がっている場合は、「固定資産評価額」が上がることになりますので、それに伴って「固定資産税も上がる」こととなります。

もしも地価が下がっていたならば、固定資産税は下がることとなります。

次の評価替えの年は平成30年です。平成30年度からの固定資産税額は、変更があるかもしれませんね。

不動産を取得した場合、固定資産税はいつからかかる?

固定資産税は、毎年1月1日にその不動産を所有した人に対してかかってくる税金です。

1月1日より後に不動産を取得したり、住宅を新築した場合は、その年は固定資産税がかかりません。

住宅を建設中の場合も固定資産税がかかりません。極端な話ですが、1月2日に住宅が完成すれば、その年の固定資産税がかからないこととなります。

しかし、マンションなど、売主さんから買った場合は違います。

マンションを売ったあとも、売主がその年の分の固定資産税を支払うのは不公平ですから、引渡し日を基準にして、その年の固定資産税を日割り計算し、清算するのが一般的です。

マンションの一年分の固定資産税を16万円とした場合、ちょうど半年が経過した時点で引渡しを受けると、半分の8万円を売主さんに支払うということです。

土地にかかる固定資産税の算出方法は?その税率とは?

固定資産税の算出方法は、土地の固定資産税額=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)となります。

この標準税率は、どの市町村も一律1.4%となっています。

ただし市町村の判断により、財政上、特に必要があるときはこれを上回った税率を課することもできます。

固定資産税を算出するときは、一般的に売買されている「一般取引価格」ではなく、「固定資産評価基準」によって計算されます。

これは、国ではなく「市町村」が示す土地の値段となります。(東京23区の場合は都税事務所)。

固定資産の評価は、総務大臣が定めている「固定資産評価基準」に基づいて行われ、東京都23区の場合は都知事、それ以外は市町村長が固定資産評価額を決定することになっています。

この「固定資産評価額」は、固定資産税、不動産取得税、登録免許税など、土地や家屋にかかる税金の基準となっているため、重要な指標であると言えるでしょう。

土地と建物、両方を合計した固定資産税額は?簡単に計算できる?

固定資産税は市町村に納める税金であるため、全国一律というわけではありません。

よって、住んでいる市町村によっても変わってきます。

あくまでも目安としての数字ではありますが、土地の課税標準額が購入した値段の60%~70%程度、家屋の課税標準額が、建てた価格の50%~70%程度と思っておけばよいでしょう。

土地と建物の固定資産税の計算方法ですが、土地と建物両方の課税標準額を合計したものに1.4を掛けます。

土地と建物の分を分けて計算することが難しい場合は、ざっくりと、その住宅の購入価格の70%を課税標準額とし、1.4を掛けます。

すると、おおよその固定資産税額が把握できます。軽減措置が適用されている場合はもっと安くなります。

マンションにかかる固定資産税とは?

分譲マンションでの固定資産税の考え方は、一般的な固定資産税とは少し違います。

分譲マンションの場合、自分専用の住宅(専有部分)とは別に他の住人も使う敷地(共用土地)があるからです。

自分専用の部分、つまり専有部分に共用部分も加えて固定資産税を計算する必要があります。

戸建の場合の固定資産税は、土地の割合が高くなっています。

戸建は一般に木造住宅で、減価償却が約24年間です。24年経つと、建物部分の固定資産税はなくなることになります。

しかし、マンションの固定資産税においては、土地の割合が低く建物の割合が高くなっています。

鉄筋コンクリートなので建物がしっかりしており、減価償却期間もほぼ倍にあたる48年間です。

このような理由から、マンションの建物部分の固定資産税は減りにくいといえるでしょう。

新築の住宅には固定資産税の軽減措置があり、新築の建物は120㎡までの部分に対して一般の住宅は3年間、3階建以上の耐火構造または準耐火構造の建物は5年間、固定資産税が2分の1になります。

対象住宅の条件は、居住部分が建物全体の面積の2分の1以上あることとなっています。

こちらは期間が決まっていますので、軽減措置がなくなる期間、つまり、一戸建の場合は4年目、マンションの場合には6年目に税額が上がることとなります。

持ち家を持っている場合、固定資産税は避けては通れない税金です。一戸建てだけではなく、マンションにもしっかりと固定資産税がかかってきます。

不動産業者に聞けば、おおよその固定資産税額を教えてもらうことができます。

物件を購入する前に、毎年の固定費となる「固定資産税」をしっかりと確認し、それも考慮に入れて物件を選んだり、ローンを組むようにしましょう。