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固定資産税と都市計画税とは?固定資産税の計算方法を徹底解説!

 

固定資産税は、毎年必ず支払わなければならない税金です。

固定費として毎年支出しなければなりませんので、できるだけ固定資産税は安く抑えたいものです。

固定資産税が少しでも安い方が、家計にとっても助かりますので、住宅を購入する際は、毎年の固定資産税のことも考慮して選ぶようにしましょう。

毎年、納付書で確認して初めてわかる固定資産税額ですが、実際はどのように計算されているのか、詳しく見て行きましょう。

目次

固定資産税と都市計画税とは?

固定資産税は、毎年1月1日に土地や家屋を所有する人に対してかかってくる税金で、例外なくすべての人が支払わなければなりません。

それに対して都市計画税とは、対象となる人のみが支払う税金となります。

ですから、住む場所によって、「固定資産税のみで良い人」と、「固定資産税と都市計画税の両方を支払わなければならない人」がいるのです。

一定の基準以上の人口をもち、市街地を形成している区域は「都市計画区域」に定められます。都市計画の観点から、より住みよい街に、より商業が発展しやすい都市に、より快適な環境になるよう、計画的に管理したほうがいいであろうと考えられている区域です。

このうち、三大都市圏やその周辺、一定規模以上の区域については、さらに「市街化区域」と「市街化調整区域」とに線引きされ、その区分がされない区域は「非線引き区域」とされています。

市街化区域は「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」であり、優先的、計画的に市街化を進めていく区域といえます。

既に市街化している区域のほかに、およそ10年以内に市街化をしていく予定の区域も含まれます。

市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」とされます。

開発行為は抑制し、都市施設の整備も原則として行わないとしています。

都市計画税がかかってくるのは、この「都市計画区域」内の「市街化区域」と呼ばれる場所にある不動産になります。

都市計画税は、市町村により税率が違いますが、最大税率が0.3%となっており、固定資産税の標準税率の1.4%と合わせ、最大1.7%の税率になるかもしれないということを意味しています。

固定資産税の計算方法とは?

固定資産税の計算方法は、「課税標準額×1.4%(標準税率)」で算出されます。

ここで使われている「標準税率」ですが、市町村が独自で決めて良いとされています。

1.4%を採用している自治体が多いようですが、自分が住んでいるところの税率を確認するようにしましょう。

「課税標準額」は、固定資産税評価額をもとに計算されています。固定資産税評価額に、軽減の特例などを適用した数値が「課税標準額」となり、税金を計算する基となります。

特例措置とは以下のようになっています。

小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡までの部分)
  • 固定資産税・・・評価額の6分の1
  • 都市計画税・・・評価額の3分の1
一般住宅用地(住宅1戸につき200㎡を越える部分)
  • 固定資産税・・・評価額の3分の1
  • 都市計画税・・・評価額の3分の2
市街化区域農地
  • 固定資産税・・・評価額の3分の1
  • 都市計画税・・・評価額の3分の2

都市計画税にも軽減特例があり、以下のようになっています。

マンション、一戸建てなどのマイホーム、セカンドハウス、賃貸用の住宅用マンションは、都市計画税が減税になります。

土地について

  • 200㎡以内の住宅用土地の場合 は都市計画税は3分の1に減税
  • 200㎡から超過した部分にかかる都市計画税は3分の2に減税

マンションなどの住宅の場合は、敷地全体の面積を、各戸の面積に応じて割って課税対象なる土地の面積を決めます。

建物について

新築住宅、中古住宅ともに、原則として建物の軽減の特例はありません。

しかし、市区町村によっては条例によって設けているところもありますので自分の市町村に問合せをしてみると良いでしょう。

固定資産評価額はどのようにして算出されるの?

課税標準額のおおもとの指標となる「固定資産税評価額」ですが、これはどのようにして決められているのでしょうか。

不動産を評価する場合、「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の三つの方法があり、固定資産税はその「固定資産評価額」に基づいて算出されています。

「固定資産評価額」は、「市町村」が示す土地の値段です。(東京都23区の場合は都税事務所が示す価格となります)。

固定資産の評価は、総務大臣が定めている「固定資産評価基準」に基づいて行われ、東京都23区の場合は都知事、それ以外は市町村長が固定資産評価額を決定することになっています。

この「固定資産評価額」は、固定資産税、不動産取得税、登録免許税など、土地や家屋にかかる税金の基準となっているため、とても重要で、一番身近なものということができるでしょう。

この「固定資産評価額」は不動産の一般取引価格の60%~80%程度とされています。

この価格は毎年ではなく、3年ごとに見直されます。このことを「評価替え」といい、直近では平成27年度が評価替えの年でした。次回は3年後となるので、平成30年が次の評価替えの年となっています。

固定資産税の支払い納期は?

固定資産税は、1月1日に不動産や家屋を所有していた人に対して課税され、1年分が一度に課税されます。

固定資産の納付書が送られてきた後、例えば年の半ば頃に土地や家屋を手放したとしたら、残りの期間の固定資産税は免除されません。そのような場合でも、全額を支払わなければならないのです。

しかし、これでは不公平だということで、不動産会社を通した売買の場合、固定資産税を日割り計算して、買主が売主に支払うのが一般的となっています。

固定資産税は普通徴収です。納付書が送られてきて、それを使って銀行やコンビニなどで納付すれば良いことになっています。

固定資産税の納期は市町村ごとに決められています。大体は年に4回の分割か、一括で支払いを選ぶことができます。

東京都23区内の場合、ある年の固定資産税の納付期間・納付期限は以下の4期となっています。

  • 第1期 6月1日~6月30日/6月30日まで
  • 第2期 9月1日~9月30日/9月30日まで
  • 第3期 12月1日~12月27日/12月27日まで
  • 第4期 2月1日~2月28日/2月28日まで

固定資産税の減免とは?

固定資産税の減免とは、天災やその他の特別な事情により固定資産税・都市計画税を納めることが困難な場合に、軽減もしくは免除を行う制度です。

特別な事情とは、主に低所得者のことをいい、各自治体が定めている減免の条件に当てはまる人は、固定資産税を減額もしくは免除してもらうことができます。

これには審査があることが一般的です。必ず申請が必要なため、書類の取り寄せを含め、問い合わせると良いでしょう。申請は毎年必要であり、審査も毎年行われることとなります。

固定資産税評価証明書とは?

固定資産評価額証明所とは、固定資産評価額を証明するために市町村が発行した証明書です。

固定資産評価額とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて評価した価格を市長が決定し、固定資産課税台帳に登録したものです。

この評価額は、不動産に課税される際の税金の計算に使われたり、土地や建物を売却する際の参考値になったりもする、とても重要な数値です。

不動産を管轄する都税事務所や市区町村役場では、固定資産評価額だけを証明したものを発行しており、それが「固定資産評価証明書」です。

固定資産評価額自体は「課税明細書」を見れば分かるのですが、相続や売買、贈与、財産分与等で不動産の名義を変える登記を申請する際は、この「固定資産評価証明書」が添付書類として必ず必要になってきます。

固定資産の評価額は、毎年算定が行われるのではなく、3年ごとに評価替えが行われますので、基本的に固定資産税額は3年間かわりません。

また、売却等により所有者が変更になっても、固定資産の価格は変更になりません。ただし、新築や増改築等をした家屋及び地目の交換、文筆、合筆等のあった土地については、翌年度に新しい価値が決定されます。

固定資産評価証明書と似たものに「固定資産公課証明書」があります。「固定資産評価証明書」は固定資産の評価額の証明書で、登記を申請する際に登録免許税を計算する根拠などに使用されます。

一方の「固定資産公課証明書」は評価証明書の内容に加えて、課税標準額及び税相当額を記載したものになります。

公課証明書は不動産取引の際に、固定資産税を売主と買主で按分するためなどに使用されます。

固定資産税の算出方法は、不動産の購入価格に1.4%を掛けるのではなく、固定資産税評価額(課税評価額)に1.4%をかけることがポイントです。

固定資産評価額は、大まかな計算では、新築物件の場合は購入価格の7割ほどだと言われていますので、計算式に当てはめて計算してみるとだいたいの固定資産額がわかります(軽減前)。

新築の場合、固定資産税の算出のための調査訪問があり、そこで調査員が物件を調べて固定資産税額を決定します。

しかし、近年、この調査が間違っていて、税金を払いすぎているパターンが増えているようです。調査員も人間ですから、間違えることもあります。

もしも、固定資産税額に疑問を持ったなら、すみやかに市町村に問合せしましょう。

固定資産税は、毎年ずっと支払っていくものですから、疑問を抱えたままにせず、しっかりと説明を求め、納得してから支払いたいものですね。