「米国の特徴」とFXで重要な通貨ペアである「米ドル/円(USD/JPY)」

目次 ※クリックで開閉します

アメリカは、日本だけでなく世界的にも非常に重要な存在です。

米ドル(USD)は、すべての通貨に影響を与えているといっても過言ではありません。

国際通貨の中でも中心的で、支配的な役割を占めている基軸通貨がドルであることが、すべてを物語っています。

 

基軸通貨というのは、非常に価値の高い存在です。

世界各国で貿易の決裁に、米ドルが使われることを考えれば、その存在感の大きさがわかるでしょう。

逆説的ですが、ドルの偽札が次々に表れるのも、ドルの強さを物語っています。

ここでは、その米国の特徴とFXにおけるドル/円ペアについて解説します。

基軸通貨に選ばれるのは、世界の覇権を握る国

アメリカも短期・長期的に見て、いつも決して順風満帆というわけではありません。

このことは「国際通貨体制は10年以内に大きく変わる」と断言する経済学者もいるほどです。

そして、通貨のステータスがどのように決まるのかを知るためにも、歴史を振り返りつつ、現状を分析してみたいと思います。

 

現在、基軸通貨は米ドルですが、20世紀の初めはイギリスのポンドでした。

その当時「大英帝国が隆盛期を迎えていたから」というのが理由です。世界で優位に立っている国の通貨が、基軸通貨となるのです。

 

ポンドが基軸通貨でいられなくなったのは、大英帝国が衰えていくのと見事に同期してます。

それは、第一次世界大戦で国力を消耗し、1929年の世界恐慌で大量の金が国外に流出したことで、1931年にはそれまで保っていた金本位制を放棄せざるを得なくなったのです。

 

逆にアメリカは、第二次世界大戦を通じて金の保有高を増やし、最大の経済大国となりました。

その後、ニクソンショックや変動相場制への移行など、何度も危機が訪れましたが、基軸通貨の地位は守っています。

サブプライムローンとリーマン・ショックがアメリカへの信頼を低下させた

米ドルが基軸通貨であり続けることができた理由は、アメリカが「世界の警察」であり、世界1位の経済力を持っているからです。

しかし、現在その状況が少しずつ変わってきています。この風向きが変わったきっかけは、イラク戦争とアフガニスタン紛争です。

長期間にわたって軍事費を投入し続けたにもかかわらず、「世界の警察官」としての存在感を示すことができませんでした。

 

同時に追い打ちをかけたのが、2007年末から置きたサブプライムローン問題と、2008年9月に起こったリーマン・ショックです。

サブプライムローン問題は、本来ならばアメリカ国内だけの問題として解決するべきものでしたが、結果的に世界中に経済不安を招き、大手投資銀行だったリーマン・ブラザーズの破綻を招きました。

このことがアメリカに対する信頼を大きく低下させました。

それでも、基軸通貨であり続けられる理由は、未だアメリカの経済力が世界トップであるからに他なりません。

米ドル/円の関係性とは?

米ドルと円の関係性を少し説明しておきます。

かつて、1ドルが360円という固定相場制の時代がありました。

そして、1971年に変動相場制へ移行して、日本も経済成長が進み円高になりました。最も円高だったのは1ドル75.54円(2011年)です。

 

リーマン・ショック以降、ここでもご紹介したように米国経済も不安定になり、政策金利も低く抑えられていました。

通貨価格は、その国の力を示すものなので、米国経済の回復や政策が今後の鍵になります。

 

基軸通貨である米ドルに対して、それ以外の通貨が高いか安いかという判断をしますので、米ドル以外の通貨は通常値動きが連動するものです。

しかし、米ドル/円に限っては、少し違う動きをすることがあります。

それは、米国が日本の企業から考えると大切な輸出先でもあるので、米ドル/円という為替レートの関係で考えると、日本経済には多大な影響があります。

円高が続くと輸出額は減少します。輸出が多ければ多いほど円高によりGDPが下がるということになります。

 

為替の変動率を見ると、夜のほうが変動率は大きいペアです。

ただし、市場が開いているころを見てみると、そこまで単純ではない場合もあります。

午前5時から7時は営業日が動くので値動きは小さめです。午前9時から10時なると、日本では日中になるので価格変動率は高まります。

お昼から3時位になると、経済指標の発表などが少ないので、値動きは小さめです。

3時から午後6時までは価格変動率は高めになります。

午後7時から8時になると異本では日中とあまり変わらない動きをしていることがあります。

必ずしも、夜は価格変動率がいつも高いとは限らないということです。

アメリカが「世界の警察」をやめたい理由

現在の状況は、ポンドが基軸通貨でいられなくなった第二次大戦前と非常に酷似してると言われています。

例えば、以前のアメリカであれば、「世界の警察」としての圧倒的な軍事力を誇示して強引に地位を維持していたでしょう。

 

ところが、現在のバラク・オバマ大統領は、2016年1月に一般教書演説で「世界の警察官としてではなく、どのように世界をリードし、アメリカの安全を守っていくか」と発言しました。

そして、この発言こそが、イラク戦争やアフガニスタン紛争で疲弊したアメリカの本音を表していることはいうまでもありません。

 

2016年10月時点で、まだアメリカ大統領選挙は終わっていませんが、候補者の一人であるドナルド・トランプは、一国孤立主義ともとれる発言を繰り返し、一定の支持を得ています。

このことは、「世界の警察官である必要はない」と考えだしたアメリカ国民の思いを反映しているとも言えます。

新たな大統領はいずれにしても軍事増強路線?再び「世界の警察」へ

このような事実があるにも関わらず、先にも述べたように、アメリカの経済力はいまだ世界トップです。

2015年の名目GDPは、日本が4兆1232億ドルであるのに対し、アメリカは17兆9470億ドルと4倍以上の差があります。

先行きは不透明ですが、現在FX取引を行ううえで、最重視しなければならない通貨であることは変わりません。

 

また、現在のオバマ大統領は「世界の警察官をやめる」と受け取られる発言をしましたが、未だアメリカの軍事力は世界屈指のレベルです。

政府支出総額と比べた軍事費の割合で見ても、2015年でアメリカは9.2%。割合として少ないと思われるかもしれませんが、金額でいうと5,960億ドルです。第2位の中国が2,150億ドルなので、約3倍となる巨額な数字です。

 

しかも、2016年のアメリカ大統領選挙の有力候補であるヒラリー・クリントンの支持母体のひとつは軍事産業です。

同氏が所属する民主党は、軍事支出を減らして福祉費用を削減する方針ですが、そうした背景があるため、大幅な削減に向かう可能性は低いのではないでしょうか。

 

一方、アメリカ大統領選挙のもう一人の候補者であるドナルド・トランプは、2016年9月に大統領就任後の軍事政策を発表し、軍事拡大路線を示しました。

陸軍の規模を46万人から54万人に、海兵隊は24大隊から36大隊に、海軍の艦船などは300隻から350隻に増やすとしています。

また、国務長官を務めていたヒラリー・クリントンに対しては「オバマ大統領とともに軍事費を大幅に削減し、中東に混乱をもたらした」と批判しています。

 

重視しなければならないのは、ドナルド・トランプのような極端な政策を掲げる人物が、まがりなりにも二大政党の一翼で候補者として指名された事実です。

バラク・オバマは平和路線を突き進みましたが、決してそれがアメリカ国民に支持されているわけではないことを表しているともいえます。

つまり、まだアメリカは「世界の警察官」でいたいとの意志があると判断するべきでしょう。

 

経済が低迷している現況を考えれば、再び世界に威信を示し、「強いアメリカ」を復権したいと考えても何ら不思議ではありません。

「ドルが基軸通貨であり続けられるかどうか」

その瀬戸際だと自覚しているからこその、迷走だと捉えることもできます。

 

そうした意味でも、今回のアメリカ大統領選挙の結果、そして新大統領の一般教書演説には要注目です。

FX取引を有利に進めるためにも、アメリカの情勢は随時チェックし、予測・分析を繰り返しておくことをおすすめします。

PICKUP CONTENTS

トップへ