一目均衡表についての基礎知識

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一目均衡表とは

一目均衡表は、マーケットで非常に人気のある純国産のテクニカル分析です。名前の由来は、株式評論家の細田悟一氏がペンネーム「一目山人」として戦前に発表したもので、ひと目見てわかるという意味です。

外国のFXトレーダーにも東洋の神秘と評され、ローソク足チャートとともに世界的に有名になりました。この一目均衡表の考え方は「レートの値動きは時間による影響を受けている」とし、縦軸はレート価格、横軸は時間の2次元的表示になっています。

 

また、横軸が単純に時間とともの進むだけでなく、過去の値動きの支配下におかれ、現在の値動きが未来に影響を与えると考えます。

この時間の流れには、リズム性や起承転結があり、時間とFX変動の関係を日柄として体系化したものがこの一目均衡表です。

 

他のテクニカル指標と大きく異なるのは、レートや平均値に関して未来や過去にずらすことで、雲や遅行線が表されて売り買いの判断に使われるところでしょう。

二次元チャートですが、過去や未来を示す雲・遅行線を描くという発想は世界でもこの表だけです。

 

<図1>一目均衡表サンプル

考案者

一目均衡表は、細田悟一(ペンネーム一目山人/いちもくさんじん・1898年~1982年)が1935年に発表した指標です。

彼は都新聞の商況部部長であり、相場の神髄を掴みたいために、自ら研究所を設立しました。その研究所で学生2,000人を使い、ほぼ7年の歳月をかけて考案したテクニカル指標が一目均衡表だと言われています。

現在は、細田一族が経営する株式会社経済変動総研の登録商標となっています。

 

計算式

他のテクニカル指標と同様に、一目均衡表でもある一定期間の高値と安値の中間の値という平均値のようなものに注目していきます。

  • 転換線=(過去9日間の最高値+最安値)÷2=過去9日間の高値と安値の中間値
  • 基準線=(過去26日間の最高値+最安値)÷2=過去26日の高値と安値の中心値
  • 先行スパン1=(転換値+基準値)÷2=転換線と基準線の中間値を26日先に記入
  • 先行スパン2=(過去52日の最高値+最安値)÷2=52日間の高値と安値の中間値を26日先に記入
  • 遅行スパン=当日の終値を26日前に記入(遡ります)

<図2>一目均衡表サンプル

解説

マーケットの方向性は基準線が示す

マーケットの方向性は基準線が示し、横ばいの時は方向感がなく、上昇すれば上昇トレンド、下降すれば下降トレンドとして変化します。

基準線の上昇が伴わない上昇は、短命だとも言われています。

 

転換線と基準線の2本の線がクロス「好転」と「逆転」

転換線と基準線がクロスした時、重要な意味が発生すると言われています。

基準線の下にあった転換線が上昇して基準線を下から上に上抜けた時を「好転」、逆に上から下に下抜ける時を「逆転」と呼びます。

好転は上昇トレンド、逆転は下降トレンドになったことを意味します。

 

先行スパン1と先行スパン2との間に構成される「雲」

上記図2の、先行スパン1とスパン2の間に構成されているブルーの部分を雲と呼んでいます。この雲は、価格のレジスタンスラインやサポートラインになります。

もう少し分かりやすく解説すると、FX価格を飛行機とし、先行スパンを雲とします。

飛行機が雲より上にいると高度が下がっても雲がクッションのように支持し、飛行機が雲の下にいると上昇しようとしても雲がレジスタンスラインとなって覆いかぶさります。

価格が雲より上なら上昇トレンド、価格が雲より下なら下降トレンドというように判断します。

 

「雲」は、先行スパン1と先行スパン2の計算が基になっている

雲は、先行スパン1と先行スパン2の計算が基になります。この二つを比べると、先行スパン1は短期の動向を示し、先行スパン1が現物の価格の動きに近づきます。

 

上昇トレンドで価格が雲の上にいれば、雲は雲の上限ラインが先行スパン1、下限ラインが先行スパン2になります。

調整的下落がある場合は、先行スパン1が雲の上限ラインで止まる場合があります。

下降トレンドの時に価格が雲の下にある時は、雲の上限ラインは先行スパン2、下限ラインが先行スパン1となります(どちらも先行スパン1とスパン2の間に雲は形成される)。

 

上昇トレンドで、先行スパン1が雲の下限ラインの場合は、上昇する力はあまり強くなく、逆に下降トレンドでは、先行スパン1が雲の上限ラインの時、は下降する力はあまり強くないということが分かります。

 

遅行スパンは当日終値を26日前に遡り記入

遅行スパンは、当日終値を26日前に遡り記入します。26日前の価格と当日価格を比較するという意味です。

例えば、当日価格が26日前の価格より高い時は、26日前にその価格を買った人は現在利益が出ているとみなし、マーケットは上昇基調と判断します。

逆に当日価格が26日前より安い時は損が出ているといなし、下降基調と判断します。

遅行スパンが26日前の価格を上回る、下回る、というどちらかによってマーケットの転換を示すという意味になります。

 

使い方のポイント

①転換線と基準線の関係

  • 買い時代(上昇トレンド)の時は、基準線が転換線の下にきます。
  • 売り時代(下降トレンド)の時は、基準線が転換線の上にきます。
  • 好転とは、買いシグナルで移動平均線のゴールデンクロスを意味し、転換線が基準線を上抜けます。
  • 逆転とは、売りシグナルで移動平均線のデッドクロスを意味し、転換線が基準線を下抜けます。

 

②基準線の方向

基準線はトレンドの方向を示します。

基準線が上昇すれば上昇トレンド、横ばいなら方向性なし、下降すれば下降トレンドを示します。

 

③遅行スパン

26日前の価格と比較するラインです。

  • 好転すれば買いシグナルで、遅行スパンが上抜けます。
  • 逆転すれば売りシグナルで、遅行スパンが下抜けます。

 

④雲は先行スパン1とスパン2で形成されるレジスタンスライン

  • 好転は買いシグナルで価格が雲を上抜けた時
  • 逆転は売りシグナルで価格が雲を下抜けた時

変化日は、先行スパン1とスパン2が交差した時でトレンドの転換点になりやすいと考えます。変化日に転換しなければ、相場は延長されるか加速されると一目山人は言っています。

また、スパンは橋梁やアーチという意味で支柱間の距離を一目で示すものとも解説しています。

 

⑤三役好転と三役逆転

  • 転換線が基準線の上、価格が雲の上、遅行線が好転した時が三役好転と呼ばれます。
  • 転換線が基準線の下、価格が雲の下、遅行線が逆転した時が三役逆転と呼ばれます。

 

時間論

時間論とは

トレンドの主体は時間であり、価格はその結果であるという考え方です。時間論の中では、基本となるのが基本数値です。

他のテクニカル分析でも色々な元となる数字がありますが、この一目均衡表でも、基本数値と呼ばれる数字があります。

それは「9、17、26」の三つで、これを単純基本数値と呼んでいます。これは9を2倍にして1を引いた場合17になり、9を3倍にして2を引くと26になります。

 

数字を引く理由は、9日上げて9日下がった時、最初の安値から高値を9日と数えて、高値から最後の安値を9日と数えます。高値は同じ日を二度カウントするので、重複分として1日引くという意味です。

このようにして単純基本数値を組み合わせると、「33・42・52・65・76」があり、これらを複合数値と呼びます。

次の項目で基本数値の表がありますのでご覧ください。

 

基本数値

9は一節、17は二節、26を三節とし、三節は一期としています。

三期で一巡(つまり76)、三巡で一環(226)、三環で一循環(676)とします。

 

上昇トレンド

最初の一波動を、一節(9日)とし、中間の押し目と最後の一波動の大底からの一波動を、二節(17日)を基本数値とします。

波動は長くても129か172で転換すると考えます。

※波動に関しては次の項目で解説しています。

 

下降トレンド

第一波動を33日、一節、二節は一時的な止まり値や中間の戻り値として出現すると考えられています。

 

<基本数値>9、17、26(相場の転換点)

基本数値 呼称
単純1 9 一節
単純2 17 二節
単純3 26 一期(三節)
複合5 33 一期一節
複合6 42 一期二節
複合7 65
76 一巡(三期)
複合 129
複合 172
複合 200-257

 

対等数値

基本数値とは別に、対等数値という考え方もあります。過去の変化日と変化日に要した期間が次の変化日の目安になるという考え方です。

これを日柄と呼んでいます。これはわかりやすく言うと、過去の相場の一波動の日数が将来の変化日を示すという考え方です。過去の変化日から要した日数を計算すればいいだけです。

 

波動論

一目均衡表の原理の一つに、三つの基本波動があります。

下に図を示しました。

  • 上げ下げだけのI波動
  • 上げ下げ、下げ上げのV波動
  • 上げ下げ上げ、下げ上げ下げのN波動

I波動は繰り返すことでV波動となり、V波動が繰り返されるとN波動となります。

上昇し始めた価格は、N波動が完成するまでは下降に転じることがなく、下降し始めた価格はN波動を完成するまでは上昇しないという考え方です。

これらは、相場の上下動を波動と捉えて説明するものです。このような波動の動きとしてパターンを分類することでマーケットの動きを予想していくものです。

水準論(値幅観測論)

水準論は、値幅観測論とも呼ばれ、マーケットの値上がり幅、値下がり幅を予想する方法です。

以下に代表的な4つの計算値をご紹介します。

  • V計算値=BからCへの推した分の倍上昇する=B+(B-C)
  • N計算値=AからBへ上昇した後の底値Cから同じだけ上昇する=C+(B-A)
  • E計算値=AからBの上昇分だけBに乗せる=B+(B-A)
  • NT計算値=AからBへ上昇してCまで押した後、AとCの幅だけCに乗せる=C+(C-A)

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