移動平均(単純移動平均線・指数平滑移動平均線)について

移動平均は、トレンドを掴む方法として長年使われてきました。シンプルに説明すると、時系列データにおけるある一定区間ごとの平均値を求めたものです。

移動平均は、単純な平均価格を計算することで求めることが可能です。具体的に考えると、5日平均であれば、n日は5日として1日目から5日目までの価格を足して5で割れば求めることができます。

n日間の終値の合計÷n=単純移動平均

n=5日とした場合

(10円+20円+30円+40円+50円)÷5=30円

計算日数は色々ありますが、5日・10日・20日などが多く見られています。

移動平均の特性は、短い日数である短期の移動平均線は現物(実際の値動き)の動きに近くなります。長期の移動平均線はゆっくりと現物に追いかけるようになります。

 

<図1>移動平均線例(日足) 緑=10日、赤=25日、ブルー=75日

10日、25日の移動平均は価格の推移に近い動きになっていますが、75日平均は緩やかに下落傾向を示しています。

 

単純移動平均線

特徴

単純移動平均は、所定の期間の終値の平均値です。5日、10日、20日など、そのn日期間の終値の平均値を求めます。

前述でご紹介したように「n日間の終値の合計÷n=単純移動平均」となります。

 

具体例でも示した計算例

(10円+20円+30円+40円+50円)÷5=30円(1日から5日迄)

11日目は60円となり、一日移動させて計算します。(2日から6日迄)

(20円+30円+40円+50円+60円)÷5=40円(シンプルに10円ずつ増えたと仮定)

一日ずつズラして、期間の終値合計を足して平均を出すことから移動平均と呼びます。5日移動平均線は毎日の終値で5日連続して買うことを想定して、その平均的な買いのコストとして考えます。

価格が移動平均線を上回った時は、平均的な買い方に含み益が発生したと考えます。

含み益は、売買確定していない状態での利益(逆は売買確定していないときの損失で含み損)を言います。逆に価格が移動平均線を下回ると平均的買い方に含み損が発生しているとみなします。

 

応用

移動平均線は、ポリンジャーバンドや乖離率で応用されて使われています。

考え方を説明すると、例えば4月の平均気温が20度だとして、実際に4月の平均気温を記録するなら4月15日前後とするでしょう。しかし単純移動平均線では、平均気温は5月1日に記録することになります。

 

ポリンジャーバンド

4月の平均気温が20度の時に、5月1日の気温が25度まで上昇した場合、4月の気温が平均気温20度から+-4度程度で推移していたとするなら、25度は平均気温20度+4度より高いと判断します。

このケースは異常値として判断され、これがポリンジャーバンドの考え方になります。

 

乖離率

4月の平均気温が20度の時、5月1日の気温が25度まで上昇した場合、25度はこれまでの平均気温20度から5度高く乖離しています。

トレンドを逸脱したとみなされ、これが乖離率の考え方になります。

 

短所

単純移動平均線は、過去のn期間の価格の平均値です。なので、上昇や下降トレンドが形成されていると遅れがちになります。

(10円+20円+30円+40円+50円)÷5=30円の場合

5日目の価格は、50円でも移動平均線は30円となります。このような短所が存在するのでそれを補う方法が考えられています。

 

それは最初の価格よりも、最近の価格に重点を置いた移動平均線です。それらは累積加重移動平均線、指数平滑移動平均線などと呼ばれます。

ここで例題として出している5日でもいいでしょうし、さらに短い5日以内などの移動平均線を10日や20日の移動平均線と組み合わせて、短期的なトレンドを見る方法もあります。

 

使い方のポイント

使い方の大きなポイントは二つあります。

まず、トレンドを明確にして確認することです。相場の変動をならして、方向性や流れを明確にして今上昇トレンドなのか(もしくは下降トレンドなのか)どうかを確認します。

次に、サポートライン(支持線)とレジスタンスライン(抵抗線)として使う方法です。移動平均線は上昇トレンドの時はサポートラインとして、下降トレンドではレジスタンスラインとして使います。

 

グランビルの法則

1960年代にウォール街の通信記者であったジョセフ・グランビルが考案したテクニカル分析で、「グランビルの法則」と呼ばれています。

[グランビルの法則による買いシグナル]

  1. ゴールデンクロス:中・長期線が下降して、その後横ばいまたは上昇傾向にある時、短・長期線を下から上に突き抜けた場合
  2. 中・長期線が上昇している時に短・中期線が中・長期線の下に下降した時
  3. 短・中期線が上昇している時に中・長期線の上にあり、中・長期線に向かって下降したが、突き抜けずに再上昇した時
  4. 短・中期線が下落して、下落最中に中・長期線から下大きく乖離した時

[グランビルの法則による売りシグナル]

  1. デッドクロス:中・長期線が上昇して、その後横ばいか下落した時に、短・長期線を下に突き抜けた場合
  2. 中・長期線が下降している時、短・中期線が中・長期線の上に上昇した時
  3. 短・中期線が下降している時、中・長期線の下にあり、中・長期線に向かって上昇しても突き抜けずに再び下降した場合
  4. 短・中期線が上昇して、上昇している最中に中・長期線から上に大きく乖離した時

指数平滑移動平均線

特徴

単純移動平均線の特徴は、すべてのデータを平等に扱い平均値を出すものです。50日の単純移動平均線は、50日前でも昨日でも数字は平等で、合計したものを50で割って計算するものです。

 

一方、指数平滑移動平均線の特徴は、現在以降の相場変動を予想するために、50日前の数字と昨日の数字を平等に扱わず、直近の値動きを重視することにあります。

これは、過去の値動きを多少軽視することで、より精度の高い予想をするためです。

指数平滑移動平均線は、累積加重移動平均法の一種で、単純移動平均線と比べると、直近の数字を重視するので、過去の数字の影響はわずかに残る形なのがポイントです。

 

計算式

指数平滑移動平均を導きだすにはn日間を設定します。

1日目:(C1+C2+C3+C4+C5+…Cn)÷n

2日目:前日の指数平滑移動平均+α×(当日終値-前日指数平滑移動平均)

※Cn=n-1日目の価格 C1=当日価格

※α=平滑化定数=2÷(n+1)

使い方のポイント

指数平滑移動平均線は、当日の平均値が前日平均値と当日終値の間にあります。(下の図をご覧ください)。

指数平滑移動平均線が上向きの時、価格は指数平滑移動平均線の上に位置します。

指数平滑移動平均線が下向きの時、価格は指数平滑移動平均線の下に位置します。

応用

指数平滑移動平均線はMACDに応用されています。

以下は売りと買いのシグナルです。

※実際と異なる場合がありますので例としてご覧ください。

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