パラボリックの詳細

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パラボリックとはSAR(Stop And Reverse)という指標を用いて、トレンドの転換点を測るトレンド追随型のテクニカル指標です。

大きな特徴は、途中買い・途中売りとも呼ばれて損切オーダーを備えたトレンドフォローシステムです。途転(どてん)を繰り返すことで常に買いか売りのポジションを持ちます。

パラボリックの意味は、「Parabolic Time Price System」の略で時間と価格の関数という意味です。

 

また、途転は買い待ちポジションは売り待ちポジションに転換、売り待ちポジションは買い待ちポジションに転換します。

途転とは、FXなどのポジションを逆転させることを意味し、ただ逆転するだけでなく、ポジション(外貨残高のことです)を決済して、それまでのポジションとは反対のポジションを新たに建てることを意味します。

補足すると、例えばユーロドルなどでユーロが急進して持っていた売りポジションの損切の逆指値(さしね)まで到達した時、この逆指値にヒットすると同時にその値段から買いのポジションを新たに建てることです。

 

<図1>パラボリックの例(赤とブルー部分がSAR)

SARが価格とクロスする点が売買ポイントです(例なので実際と異なる場合があります)。

 

考案者

考案者はJ.W.ワイルダー(John Welles Wilder、1978年~)で、米国のテクニカルトレーディングの第一人者です。テクニカルアナリストであり、投資アドバイザーです。

研究や手法は米国の新聞・雑誌・TV・ラジオなどでも取り上げられて、フォーブス誌でも絶賛されました。数あるトレーディング・システムの中でも彼の開発した指標は世界で最も使われているものの一つです。

既に彼のテクニカル分析は古典ですが、いまだに大きな影響を与え続け、テクニカル指標のバイブルとして今でも改編・改作されて使われ続けています。

 

考え方

パラボリックは、実際にトレーディングする場では、決済して新たにポジションを建てますが、ポジションを持たなくてもトレンドの転換点を測るのに有効な手段となります。

損切オーダーを備えたトレンド・フォローの方法で、冒頭でも説明した「途転(どてん)」を繰り返して常にポジションを持つことです。

 

相場のトレンドが持続する時に有効な方法なので、買いでも売りでもトレンドがあれば大きく利益を出すことも可能になります。

ただし、レンジ相場(一定変動幅の範囲内で価格が上がったり下がったりを何度となく繰り返す相場)のようにトレンドが無い相場では、頻繁にシグナルが出るのでダマシ(売買サインが出たのに相場はそのサインと逆方向に動くこと)が多くなる傾向があります。

 

計算式

SARを使って算出します。

SAR=前日SAR+AFX(EP-前日SAR)

補足①

AFX (Acceleration Factor)とは、加速印紙のことで0.02≦AF≦0.20という大きさの中でパラボリックの感度を決定します。初期値は0.02であり、終値が更新するたびに+0.02ずつ加算されます。

 

EP(Extreme Price)は極大値のことで、前日までの最高値・最安値のことです。ちなみにパラボリックは直訳すると放物線という意味です。

 

補足②

SARのパラボリックの値を考える時、現在のポジションを止めて(Stop)、反対(Reverse)のポジションを取ると売買転換価格となります。

SARは価格と接触することで方向転換して、価格と接触した地点を売買サインとします。<図1>のパラボリックを見るとSARが価格と接触していることがわかります(ブルーの点線と赤い点線が逆転しています)。

それを参考に以下説明をご覧ください。

  1. 上昇トレンドの初期値は前回の下降トレンドの最安値になります。
  2. そのあと1日経過するごとに計算式で数値は変化します。
  3. 下降トレンドの初期値は前回トレンドの時の最高値です。
  4. そのあと1日経過するごとに計算式で数値が変化します。

補足③

EP(Extreme Price)は、上昇トレンドの初期値が初めて上限線を突破した日のザラバ高値です。

ザラバとはザラ場とも書き、ざらによくある場という意味です(寄り付き時点から大引けにかけて普通に取引される場という意味です)。

新高値を更新するとEPになります。逆に下降トレンドの初期値では端円手下限線を突破した日のザラバ安値となり、新安値を更新するとEPになります。

 

*ザラバについて

聞きなれない言葉ですが、寄り付き(一日の最初か後場の最初に取引が成立すること。必ずしも取引開始直後という意味ではありません。)や引け(前場・後場の最後の売買を引けと言います。大引けというと後場の引けを指します。)の間の時間のことを言います。

語源は「ざらにある」ということからですが、「寄り付きから大引けにかけて普通に取引されている」という意味です。

ザラバでは常に価格が変動するので、ザラバで価格が大きく上昇し過去の高値を超えた時「ザラバは高値更新し…」と表現したりします。

 

補足④

AF(Acceleration Factor)は、上昇トレンドや下降トレンドに転じた時に初期値に戻ります。通常初期値は0.02(0.01~0.02)で設定されます。

例えば、上昇トレンドで新高値を更新すればAFは+0.02、下降トレンドで新安値を更新すれば+0.02増加します。

どちらもAFは増加しますが、最大0.2以上にはなりません。

 

取引ルール

売買サインを以下の図2と共に確認しましょう。

SARが価格の上を推移した時は弱気で売り継続

SARが価格の下を推移した時は強気で買い継続

[買いシグナル]

下降しているSARと上昇している価格が接触して上抜けた時

[売りシグナル]

上昇しているSARと下降している価格が接触して下抜けた時

<図2>売買サインの例

*実際の取引と異なる場合がありますのでご注意ください。

 

注意点

パラボリックは、トレンドが大きく変わった時に有効だと言われています。買い・売りのどちらも大きなトレンドに乗り、大きく利益を出すことが可能です。

しかし、レンジ相場では頻繁にシグナルが出るだけでなく、ダマシが多くなるので注意が必要です。レンジ相場の場合は、RSIなどを使い分けるなどして、相場に合わせて指標を使い分けるようにしましょう。

 

また、パラボリックにはAF値という加速因数があり、上昇トレンドでも下降トレンドでも永久に継続しないことを前提に組み込まれています。それはSRAが時間とともに価格に追いつけるようにするためです。

そのため、AF値を大きくすると株価の動きに近くなりますが、ダマシがその分多くなります。小さくするとSARの線は緩やかになりダマシが当然少なくなりますが、タイミングが遅れてしまいます。

ダマシを無くしたい気持ちはわかりますが、その分変化を読み取れず対応が遅れるというデメリットが発生するので気を付けましょう。

 

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