MACD(Moving Average Convergence Divergence)とは?

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MACD(マックディ)はMoving Average Convergence Divergenceの略で日本語では移動平均収束拡散手法と呼ばれています。

テクニカル分析の一つであり、MACD(Moving Average Convergence Divergence Trading Method)は移動平均の特徴を表した英語の略です。

それぞれを直訳すると移動平均・収束・拡散トレーディング手法であり、それらを総合して「移動平均収束拡散法」と呼ばれています。

MACDは期間の異なる2本の指数平滑移動平均線の価格差(ギャップ)の伸縮を見て、トレンドの方向性と変化を見ようというものです。ここではこのMACDについて解説します。

 

考案者

1960年代にジェラルド・アペル(Gerald Appel)氏が開発しました。彼は1973年にシグナラート・コーポレーションを設立し、現在では5 億ドル以上の顧客資産を運用して、シス テム・アンド・フォーキャストという定期レポートを発行しています。

また彼は、アペル・アセットマネージメントの社長でもあります。2005年には「アペル流テクニカル売買のコツ(日本語タイトル)」(原題:「Technical Analysis : Power Tools for Active Investors」)が出版されました。

 

考え方

MACDは、期間が異なる2本の指数平滑移動平均線の価格差の伸縮を見て、トレンドの方向性を考えるものです。

指数平滑移動平均線は単純移動平均線よりも直近の価格に比重を置く分析手法なので、このMACDは単純移動平均線より早く相場のトレンドの転換を確認することが可能です。

しかしその分、ダマシも多くなるので手法を使う場合は注意する必要があります。指数平滑移動平均線の直近の価格の比重の置き方は、直近の価格に比重を高く反映させて残りの日は影響を低く構成して算出していきます。

 

計算式

単純な移動平均線と異なり、n期前のデータと昨日のデータの比重が同じであるということはなく、それでいてn期(日)前のデータが完全に落とされてしまうということもありません。

なぜそんなことができるかというと、最近の価格だけに比重を置き、過去になればなるほど比重を軽くして平均値を決定するからです。

比重の減少度合は平滑化係数と呼ばれる0と1の間を取る定数α(平滑定数といいます)で決定します。

 

実際の計算式を以下にご紹介します。

指数平滑移動平均線をEMAと言います。それを使い短期・長期のそれぞれを計算します。

MACD=短期12日EMA-長期26日EMA(短期と長期のEMAの乖離幅を見ます)

シグナル=MACDの指数平滑移動平均線

*通常用いる期間として短期は12日、長期は26日、シグナル9日を使います。

このとき、MACDが0になった場合、短期トレンド=長期トレンドという結果になるのでトレンドの転換点と考えます。

+になった場合(>0):短期トレンド>長期トレンドとして上昇トレンドとみなします。

-になった場合(<0):短期トレンド<長期トレンドとして下降トレンドとみなします。

[算出方法]

当日の指数平滑平均=前日の指数平滑平均+α×(当日の終値―前日の指数平滑平均)

または

前日の指数平滑平均×(1-α)+当日の指数×αのどちらでも構いません。

このときα=2÷(n+1)として計算します。

*nは初日の単純平均期間を使います。αは平滑定数、nは平均期間です。

 

トレンドが始まり、短期指数平滑移動線が早めに反応する場合と長期指数平滑移動平均線が遅れて反応すると、トレンドの序盤から中盤にかけてMACDは拡大傾向です(つまり短期>長期)。

トレンドの終盤でMACDが縮小傾向の場合は0となり、短期横ばいで長期継続と考えます。

 

シグナルはこのMACDをさらに移動平均化したものも計算します。このシグナルは単純平均を使うケースが多いのですが、期間はこの項目の冒頭に記した9日が使われます。

 

売買のポイント

[買いシグナル]

  1. MACDがシグナルを上抜けた時:上昇トレンド開始した可能性
  2. MACDが0の上に抜けた時:上昇トレンドの確認(短期>長期)
  3. ダイバージェンス(逆行):相場が下降しているがMACDが下げ渋る

[売りシグナル]

  1. MACDがシグナルを下抜けた時:下降トレンドが開始した可能性
  2. MACDが0の下に抜けた時:下落トレンドの確認(短期>長期)
  3. ダイバージェンス(逆行)・相場が上昇しているのにMACDが上げ渋る

売買のタイミングは上記のMACDとシグナルのゴールデンクロス(下降トレンドから上昇トレンドに株価が騰がりだす)とデッドクロス(上昇トレンドから下降トレンドに株価が下がりだす)の時だと言われています。

この時、MACDの方がシグナルより早く動くので単純にMACDがシグナルを下から上に突き抜けたら買いシグナル、その逆は売りシグナルと判断すればいいのです。

 

それぞれ買い・売りシグナルの時に0を起点にして考える方法も上記でご紹介していますが、例えばMACDがシグナルを下から上に抜けた時買いシグナルを出しますが、これら2本の線が0を上回っているかいないかで上昇トレンドか下降トレンドかを確認する方法です。

これ以外にもMACD2という方法があり、MACDからシグナルを引いただけのシンプルな式です。0になった場合はMACDとシグナルは同値なのでクロスしていることを意味しますが、この数値が0を境に0を下から上に突き抜ければ買いシグナル、上から下に突き抜ければ買いシグナルと判断します。

 

[サンプルチャート図1]

*ブルーライン=MACD 赤いライン=シグナル

*実際のトレードと異なる場合がありますが、例としてご覧ください。

 

問題点

MACDは、オシレーター系と言われるように0ラインから離れれば離れるほど相場の過熱感を実感します。

実際には、上昇トレンド中の0ラインから+0.7500範囲の売りシグナルは無視して、下降トレンド中の0ラインから-0.7500範囲の売りシグナルを無視していきます。過熱感がある場所のMACDのサインを重要視します。

 

また、0ライン付近のクロスに注意して押し目買い、戻り売りのチャンスになることもあります。上昇トレンド中にMACDとシグナルは0よりも上で推移しますが調整局面になった場合一時的にデッドクロス(下降)が発生して0より下に下がります。

そのあとゴールデンクロス(上昇)が発生し、再上昇したら押し目買いとなります。この反対が戻り売りの機会になります。このようにMACDはメリットもありますが、デメリットもあります。

 

それは急激な相場の変動には向かない方法だということです。つまり急激に変動する相場ではシグナルが遅れることがあるということです。

大きく変動する為替相場の中では調整局面を迎えやすいので、損切りしないといけない可能性が出てくるということです。

 

また一定の期間内で推移する相場でもMACDの活用は注意が必要です。

慣れてくればパラメーターを変更して感度を高めて売買することもできますが、サポートライン(下降支持線のこと。底値圏で下落する値段を支えている価格帯)やレジスタンスライン(上値抵抗線。天井圏で上昇する値段の抵抗となっている価格帯)が見える場合は、その近辺でトレードした方が良いこともあります。

 

[サンプルチャート図2]

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