FXを始める前に「外国為替の仕組み」をしっかり理解しよう!

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FXは外国為替証拠金取引ですから、FX取引をするなら文字通り外国為替に関する知識が必要不可欠です。

外国為替の役割やその仕組み、外国為替市場とFXとの関係を説明していきますので、この記事の内容をしっかり頭に入れておいてください。

 

外国為替の役割とは?

外国為替は、外国へ商品を輸出したり外国の商品を自国に輸入するのに欠かせないものです

私たちの周りには外国の商品で溢れかえっていることにお気付きでしょうか。車、時計、タブレットなど、普段の生活ではあまり意識しないかもしれませんが、実は外国の商品を多用しているわけです。

 

では、外国の商品を日本に輸入するとき、どのようにお金のやり取りをするのでしょうか? 例えば、スイスの時計を輸入する場合、日本円で代金を払うのでしょうか?それともスイスフランで支払うのでしょうか?

答えは、アメリカドルです。円をアメリカドルに両替し、ドルで支払うことになります。

 

アメリカとの貿易ならば当然アメリカドルで支払いますが、アメリカ以外の国との貿易でも決済はアメリカドルで行なわれるのが一般的です。なぜなら、アメリカドルは基軸通貨だからです。

世界各国の商取引は基軸通貨の米ドルで行なわれるのが原則になっているのですが、それだけアメリカドルへの信用度が高い表れでもあります。

アメリカドルが価値のない紙切れになることは考えにくいため、世界中の商取引で米ドルが用いられているというわけです。

 

このように、外国為替は私たちの生活と密接な関わりがあること、お分かりいただけると思います。

 

為替市場は資本主義ではない国々にも関わりがある

では、外国との往来を限定的とする社会主義国家では外国為替のやり取りは全くないのでしょうか? そうとは言い切れません。

日本やその他先進国は資本主義国家ですから、為替市場で米ドルを調達し外国との商取引を積極的に行なっています。それら資本主義国家と比較すると、確かに社会主義国家の外国為替取引は盛んに行なわれていないと言えます。

 

しかし、そうした国々でも外国の商品が必要になったり、外国との商取引を行なわなければならない状況が必ず生じます。その場合、為替市場でアメリカドルを調達し、アメリカドルで外国との商取引を成功させる必要があるのです。

そう考えると、資本主義国家である先進国でもそうでなくても、必ずと為替市場と関わりを持って国の運営が行なわれてゆくと理解できますね。

 

世界経済の 「通貨覇権争い」

為替市場の中心にいるのが基軸通貨である米ドルであることは、先に挙げました。しかし、基軸通貨というのは何か投票によって決められたとかそういうわけではありません。

世界的に見て、アメリカという国は経済的にも政治的にも圧倒的な力を持っているため、自ずと基軸通貨として利用されているのです。

中東で紛争があるとアメリカが和平のために仲介することが多いですよね。また、「有事のドル買い」という格言があるように、戦争や地震が起こると安全資産とみなされている米ドルに買いが集まります。

こうした背景によって「米ドル=基軸通貨」という現実が生み出されたわけです。

 

しかし、何度も言うように、米ドルが基軸通貨であるというのは規定されたものではなく、あくまでも自然と決められたに過ぎません。

ですから、それに対抗したい、自国通貨を基軸通貨としたい、という通貨覇権争いが生じているのも確かです

アメリカドルの対抗馬として名乗りを上げたのは、EU通貨であるユーロです。2008年のリーマンショック以降、米ドルへの信頼感が弱まり、取って代るユーロに買いが集まりました。

 

しかし、2016年6月、EUに加盟していた英国がEUを離脱することが英国民投票で決まり、EUが衰退化していくのではないかと市場の注目が集まっています。

今後のEUの動向は不透明ですが、少なくともユーロ通貨が今すぐ米ドルを基軸通貨の座から引き下ろすことができるとは言えない状況です。

 

もう一つ、新たな基軸通貨候補として注目されているのが中国の人民元です。現在、中国は日本を抜いてGDP世界第2位となっており、名実ともに経済大国となっています。

しかし、ユーロと同じく、人民元があらたな基軸通貨になることは、少なくとも現時点では現実的な話とは言えません。

2014年以降、中国の経済状況が思わしくなく、景気後退を示す様々な状況が顕著となっています。また、中国は完全に経済市場を開放しておらず、政府が市場を牛耳る場面が多々あることから、中国人民元への信頼度は高くないのが現状です。

人民元が有力な通貨であることに違いはありませんが、今すぐ米ドルに代わって基軸通貨となる土台が据えられているとは考えにくいでしょう。

 

以上の通り、アメリカドルが実質的な通貨覇権を有しており、ユーロや人民元という新たな基軸通貨候補があるのは確かです。しかし、現状を鑑みると、当面米ドルが基軸通貨の座に居座ると考えて間違いありません。

 

通貨のストレートペアとクロスペア

外国為替取引は、一通貨ともう一通貨の通貨交換で成り立っており、交換通貨になる2つの通貨を通貨ペアと言います。たとえば、アメリカドルと円の交換をドル円と言い、この2つの通貨が通貨ペアになるわけです。

 

通貨ペアには2種類あり、一つがストレートペア、もう一つがクロスペアです。

ストレートペア:基軸通貨の米ドルとの通貨ペア

(ユーロ/米ドル、NZドル/米ドル等)

クロスペア:通貨ペアに米ドルが含まれない通貨ペア

(ユーロ/日本円、豪ドル/日本円等)

ストレートペアは為替関連ニュースに敏感に反応し、為替レートの動きも“ストレート”だと言われています。

一方で、クロスペアは最新ニュースに鈍感の傾向にあります。たとえば、ユーロ/日本円通貨ペアの場合、日本円を基軸通貨の米ドルに交換し、米ドルをユーロに両替する通貨ペアです。このクロスペアの構造がゆえに、為替レートの反応が鈍くなるのです。

 

外国為替を中心に動く世界経済

基軸通貨の米ドル、米ドルを中心としたストレートペア、そしてクロスペア。それが世界経済とどのように関わっているのでしょうか?それら外国為替は世界経済を動かす中心的存在になっています。例を挙げて考えてみましょう。

 

記憶に新しい2008年のリーマンショック及び100年に一度と言われる世界金融危機。このとき投資家の大部分はリスクを回避するため、相対的に安全資産と言われる日本円を買ったのです。つまり、米ドル/日本円というストレートペアを売ったわけです。

そうなると日本円は円高に向かい、一時期米ドルに対し75円台をマークすることに。大打撃を被ったのは、日本の輸出企業です。円安で利益を得られる輸出企業ですが、円高のときは思うように利益を得られません。

 

完全な皮算用になってしまいますが、当時の首相と日銀総裁がタッグを組み異次元緩和を行なったならば、そこまで不景気に陥らなかった可能性があります。

いずれにしろ、外国為替と世界経済は密接な関係にあり、外国為替の動きが世界経済動向を左右すると考えて間違いありません

 

FXの登場

為替レートは常に変動し、時に上下に激しく動くのが特徴です。レート変動の動きを利用して収益を上げられるようサービスされたのがFX(外国為替証拠金取引)という金融商品です。

 

外為法の改正によって登場した金融商品 「FX」

為替変動の波を利用し為替売買を行なう取引手法、それに加え各国の金利差によるスワップ金利を狙って取引する手法など、取引方法は様々です。

FX取引が日本で解禁となったのは1998年で、現ひまわり証券が最初にFX取引をサービスしました。これは日本の外為法が改正されたため可能になったのです。

 

キモノ・トレーダー

一時期、クロスペアである豪ドル/日本円通貨ペアを買うと、150円ほど(1日、1万通貨につき)のスワップポイントが付与されることがありました。

その影響もあってか日本円が円安に向かったため、為替市場における日本のFX取引者の存在が顕著に。それで日本のFX投資家は「キモノ・トレーダー」と呼ばれていたのです。

今ではキモノ・トレーダーを含めて「ミセス・ワタナベ」と称されることが多いです。

 

ポンドをめぐって、英国中央銀行とヘッジファンドが大攻防戦

FX取引をしていると、興味深い事象に遭遇することも。

たとえば、世界的に有名な投資家ジョージ・ソロス率いるヘッジファンドが巨額の英ポンドを売り浴びせ、英ポンド安を何としても防ごうと英中央銀行が英ポンド買いで対抗するといったことが起きました。

ヘッジファンド対一国の中央銀行という“為替戦争”が勃発し、結果はヘッジファンドの勝利に。もしその時にFXトレードを行ないヘッジファンドの英ポンド売りに乗っていたら、あなたも巨額の富を得ていた可能性があったのです。

 

FXを始めるために必要な、外国為替取引の知識まとめ

最後に、FXを始めるために必要な外国為替取引に関する知識をまとめてみました。今後の参考にしてください。

 

2種類の通貨を交換

外国為替取引は、必ず2種類の通貨の交換になります

日本円を米ドル、ユーロ、英ポンドなど外国の通貨に交換するのが外国為替取引です。日本円から外貨に交換するだけでなく、米ドルとユーロの交換といった外貨と外貨の交換も含まれます。

 

通貨の交換レート(為替レート)

通貨の交換レート、つまり為替レートは常に変動しています。変動要因は様々ですが、景気や政治要因、金利要因など、多数の要因が絡み合って為替レートが形成されていると考えてください。

 

為替レートは2通貨の交換レートになりますので、通貨の価値がもう一方の通貨に対し高いか安いかで為替レートが決まります

たとえば、米ドル/日本円レートにおいて日本円の価値が高くなるならドル安円高になり、逆に米ドルの価値のほうが高いならドル高円安となります。

 

外国為替市場の分類

為替取引は外国為替市場で行なわれますが、細かく分けると2つに分類できます。

インターバンク市場:銀行と銀行の間での為替取引

対顧客市場:銀行が顧客に対して行なう取引

ちなみにFXは、FX業者との為替取引になり、インターバンク市場での直接取引ではありません。

 

為替取引で生じる差益(利益)と差損(損失)

為替取引を行なうと利益または損失が生じますが、FX用語で利益のことを差益、損失の事を差損と言います。たとえば、1万円分米ドルを買って1万1,000円分米ドルを売ったとしたら、1,000円の利益になりますね。

 

さらに理解を深めるために、海外旅行を一例として考えてみましょう。

 

海外旅行へ行った時をイメージして考えてみよう!

渡航先はアメリカ、現地通貨はもちろん米ドルです。出発時に空港で10万円分を米ドルに両替したとします。ドル円レートが1ドル100円ならば、手にすることのできる米ドルは1,000ドルです。

 

仮に旅行中にドル円レートが1ドル90円の円高になると、1,000ドルは9万円分の価値となり、出発時よりも1万円の差損となります。(出国時にこのレートなら約1111ドル手に入れられていたことになります)

 

逆に、ドル円レートが1ドル110円の円安になると、1,000ドルは11万円分の価値となり、出発時よりも1万円の差益となるわけです。(出国時にこのレートなら約909ドルしか手に入れられなかったことになります)

 

1,000米ドルを買って円安のときに売り利益を得る、または1,000米ドルを買って円高のときに売り損失を出す。これをコンピュータの画面上で行なうのがFX取引なのです。

 

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