正しく覚えておきたい法人クレジットカードのポイント利用法

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法人クレジットカードを使い続ければ、自ずとポイントが貯まっていきます。

ある程度ポイントが貯まってくると気になり出すのが、ポイントの利用方法。

名前に「法人」と付くカードであるだけに、個人向けのカードと同じようにポイントを使っていいのか迷ってしまいますよね。

 

そこで今回は、法人向けクレジットカードで貯めたポイントの税制上の位置づけや、オススメの利用方法などを詳しくご紹介します。

正しくポイントを利用するために、ぜひ目を通してみてください。

貯まったポイントの位置づけはどうなるの?

本文のはじめに、法人向けクレジットカードで貯めたポイントの税制上の位置づけについてご説明します。法的な観点から見たとき、法人カードのポイントはどのように取扱うべきなのでしょうか。

原則「雑収入」という扱いで経理処理をするのがよい

実は、法人向けクレジットカードで貯めたポイントについての税制上の取り決めは、明確に定められていません。

仮に社員がポイントを個人利用したとしても、いきなり何らかの処罰を受ける心配はほとんどないと考えてよいでしょう。

 

ただし、これはあくまで現状での話。今後税制上のポイントの取扱いが明確に決まる可能性はあります。

また厳密にいうと、法人カードで貯めたポイントは雑収入となります。

企業としてポイントを利用する場合は、雑収入として経理処理を行ったほうが無難です。

ポイントは個人として使用するとどうなるの?

先に述べたように、現状では社員が法人カードのポイントを個人利用しても、大きな問題となる可能性はほぼありません。

しかし、経営者や会社の役員がポイントを個人的に利用した場合は、少し注意が必要です。

 

というのも、法人カードのポイントを社長や役員が個人利用すると、役員報酬とみなされて課税対象になる場合があるのです。

この点を詳しく見てみましょう。

 

役員報酬は、決算から3ヶ月以内に決めた定額に納める限りにおいて、非課税とすることができます(定額同額給与)。

しかし、何気なく利用した法人カードのポイントが役員報酬とみなされると、報酬額が定額を超えることになります。

その結果、損金として計上できなくなった役員報酬が、課税対象となってしまうのです。

 

役員報酬が課税対象になれば、ポイントを利用した社長や役員の税金負担が増加する可能性があります。

こうなってしまっては本末転倒。せっかく貯めたポイントを利用して、むざむざ損を被ることになります。

 

また、こうした問題の前に考えておきたいのが、コンプライアンス的な問題。

たとえ社長であっても、会社のためのカードで貯めたポイントを勝手に私的利用してもよいのでしょうか。

 

企業単位で見ると、クレジットカードのポイントの利用は瑣末なことと思うかもしれません。

しかし、細かい点を引き締めてこそ、社内の規律も整うものです。

企業のトップであれば、こうした点も意識しておきたいところですね。

個人事業主であっても、個人での使用はしない方がいい?

企業の経営者が法人クレジットカードのポイントを利用する場合は、あくまで企業としての活用を考えたほうが無難です。では、個人事業主の場合はどうでしょうか。

あくまで個人で仕事を行っているのですから、ポイントを個人利用しても問題なさそうな感じがしますね。

 

しかし、この考えは改めたほうが賢明です。

というのも、個人事業主が法人向けカードで貯めたポイントも、原則として雑収入になるからです。

雑収入である限りは、出納帳にしっかり記帳しておく必要があります。

 

また、法人カードで貯めたポイントは、事業に関するものに使用しておいたほうが無難。

税務署調査が入った場合に、ポイントの私的利用を行っていないことをアピールできます。

個人のカードで支払いを建て替えた場合、ポイントはどうなるの?

業務の都合上、個人として契約しているクレジットカードで経費を立替えることもあるでしょう。

こうした支払いにともなって付与されたポイントは、どのように取扱えばよいのでしょうか。

会社員が個人のクレジットカードで支払いをした場合

会社員が個人のクレジットカードで会社の経費を立替えた場合、付与されたポイントは会社員個人のポイントだとみなすことができます。

個人が年会費を支払っているカードに付与されたポイントですから、会社が利用する権利はないと考えられるのです。

 

そもそも先に述べたように、税制上のポイントの扱いはグレーゾーン。

企業が個人のポイントに対する制約を課すことは、現実的に見て無理があります。

一部の会社や公務員はポイント取得が禁止されていますが、これもあくまで自粛を促す程度のルールです。

実際はポイントを貯めたからといって、処罰を受けるケースはほとんどありません。

 

ただし、経費や仕入れの立替で得たポイントが高額である場合は要注意。税務署の監査が入った際に、現物支給として判断されてしまう可能性があります。

こうなると、社員個人の所得税や社会保険料に影響が出るかもしれません。

個人のクレジットカードでの経費立替は、少額に留めておいたほうが賢明です。

個人事業主が個人のクレジットカードで支払いをした場合

法人と違って、個人事業主は個人用のクレジットカードを事業上の支払いに利用できます。

このため、経費や仕入れの支払いによって、個人用カードのポイントが貯まるケースは多いことでしょう。

 

先に述べたように、個人事業主がクレジットカードの利用で得たポイントは雑収入とみなされます。

これは、個人用のカードでポイントを得た場合も同じです。

となると、次に考えるべきは雑収入の税制上の処理方法。

クレジットカードのポイントを含む雑収入の取扱いは、事業主の収入形態によって異なります。

 

もし事業主に1円でも給与所得があるなら、年間20万円までの雑収入は申告不要です。

通常はポイントだけで20万円を超えることはほぼないので、この場合は税制上の問題はないと考えてよいでしょう。

ただし、事業所得とポイントの合計額が20万円を超える場合は、確定申告が必要となります。

 

次に、事業主が一切給与所得を得ていない場合について。

この場合は獲得したポイントがたとえ1円でも、雑収入として事業所得とともに確定申告する必要があります。

ただし、事業所得とその他雑収入の合計額が38万円を下回る場合は、確定申告は不要です。

法人カードのポイントはどう使うのがいいのか

ここまでに述べてきたように、法人向けクレジットカードのポイント利用には注意点や守るべきルールがあります。

では、実際に法人向けカードのポイントが貯まったら、どのような使い方をすればよいのでしょうか。

会社の事務用品の購入などに使うのが一番オススメ

前述したとおり、法人クレジットカードで貯めたポイントは会社の雑収入とみなされます。

この点を踏まえると、貯まったポイントは業務のために利用するのが一番。

事務用品の購入や福利厚生のためにポイントを使えば、ポイントを経費として計上できます。

 

ただし、ポイント利用とその他の支払方法を併用すると、後々の会計処理が面倒になるので要注意。

高額商品の購入費の一部をポイントでまかなうよりは、安価なものをポイントのみで一括精算することをおすすめします。

具体的には、コピー用紙やボールペンといった消耗品や、社員に配るお菓子などをポイントで入手するとよいでしょう。

実際には、個人で利用しても現状はほとんど問題がない

ここまで目を通していただいた経営者さんの中には、「法人カードのポイントは個人で利用できないのか…」と肩を落としている方も多いかもしれませんね。

そんな経営者さんも、あまりがっかりする必要はありません。

散々脅かすようなことを書いてからいうのもなんですが、個人でポイントを利用したからといって税務署から厳重な指摘を受けるケースはほぼないのが現状です。

 

先にもご説明したように、現時点では法人クレジットカードのポイントに関する会計基準は明確に定まっていません。

そのため、税務署もポイントの個人利用を指摘しようがないのです。

 

もし社員や役員が納得するのであれば、社長が法人クレジットカードのポイントを使って海外旅行を楽しんでもよいでしょう。

旅行の際に社員全員にお土産を買ってあげれば、むしろ喜ばれるかもしれません。

 

また、貯まったポイントを取引先の接待に利用したとしても、ポイントの利用方法に異議を唱えられることはないはずです。

そもそも、法人クレジットカードのポイント利用について気にするのは役員ぐらいのもの。

役員さえ納得するようなら、ポイントを社長が私的利用してもよいのではないでしょうか。

ポイント還元でなくキャッシュバックで利用するのも便利

「法人クレジットカードのポイントを利用したいけど、使いみちに魅力を感じない」なんて経営者さんもいるかもしれませんね。

もし興味を引くポイントの使いみちがないなら、キャッシュバックを利用するのもひとつの手です。

 

利用額に応じたキャッシュバックを用意している法人カードであれば、ポイント還元の代わりに現金を手に入れることができます。

現金であれば、何にでも利用できますね。

 

…と、ここで気になるのが、実際にキャッシュバックを用意している法人クレジットカード。

たとえばJCB法人カードには、「ポイント型」以外に「キャッシュバック型」が用意されています。

 

その名も「JCBビジネスプラス法人カード」

このカードは、特にカード利用額が大きい企業の経営者におすすめです。

というのも、JCBビジネスプラス法人カードのキャッシュバック率は、カード利用額に応じて決定されるからです。

 

たとえば、1ヶ月のカード利用額が5万円であった場合のキャッシュバック率は0.5%。

これに対して1ヶ月の利用額が100万円を超える場合は、キャッシュバック率が3.0%にまで上がります。

 

ただしキャッシュバックが適用されるのは、交通費や出張旅費に対してのみ。

この点は少しややこしいので、以下で整理しておきましょう。

 

  • キャッシュバック率はカード利用額に応じて決まる
  • キャッシュバック金額は“交通費・出張旅費×キャッシュバック率”で算出される

 

仮にある月のカード利用額が50万円だったとします。

この場合のキャッシュバック率は1.5%。

これに対して同月の交通費・出張旅費が20万円だったとすれば、キャッシュバック金額は20万円×1.5%=3,000円となります。

 

こうしたキャッシュバックを毎月受け続ければ、年間ではかなりの金額になるはず。

ちなみにJCBビジネスプラス法人カードには、一般カードとゴールドカードがラインナップされています。

 

一般カードの限度額は最高100万円ですが、ゴールドカードの限度額は最高250万円。

多額のキャシュバックを目指すなら、ゴールドカードの利用がおすすめです。

まとめ

本文で述べたとおり、法人クレジットカードのポイントについての税制上の取扱いは、現状では定まっていません。

このため、現在は比較的自由にポイントを利用できます。

 

ただし今後は、より厳格な会計基準が定められる可能性が大。

経営者および個人事業主の方は、本記事を参考にしてポイントの取扱いを見直してみることをおすすめします。

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