初めて出産する初産婦と出産経験がある経産婦では、経験値の差はもちろん、妊娠から分娩の過程や症状が違う場合があります。
一度出産を経験した経産婦は、どのような妊娠・出産を迎えるのでしょうか?
初産婦との違いを比べてみていきましょう。
この記事の目次
経産婦とは?
経産婦とは、以前にも出産を経験したことがある妊婦のことを指します。
経験者だからこその余裕がメリットといえますが、「1人目のときはこうだったから」という余裕から生み出されるトラブルも。
初産婦との違いを知らないと、思わぬハプニングに見舞われる可能性もあります。
経産婦と初産婦は精神面での違いがある!?
経産婦と初産婦の大きな違いは、やはり精神面。
初産のときは何もかもが初めてのため、「胎動を感じられないのは異常が原因?」「陣痛はどんな痛みなの?」と、心配もつきません。
しかし、2度目以降は心にゆとりが持てるため、リラックスしたマタニティライフを送ることができます。
また、妊娠・出産の経験から自分の状態を把握しやすいことも、心にゆとりが生まれる理由といえるでしょう。
経産婦のつわりは重い?
妊娠期の一番つらい症状といえば、やはりつわりではないでしょうか?
しかし、つわりは個人差が激しいもので、初産の場合でも軽い人やひどい人など、症状もまちまち。
経産婦だからといって、つわりが楽というわけではありません。
1人目は何か口にしていないと気持ち悪い、いわゆる「食べづわり」だったけれど、2人目はとにかく吐いてしまう「吐きづわり」になったなど、その子ごとに症状が変わることもあります。
そのため、経産婦だからといってつわりが楽になるとは、一概に言えないのです。
経産婦は胎動に気づきやすい?
おなかの中に宿った命を実感できる、胎動。
これも個人差がありますが、一般的に経産婦の方が初産婦よりも気がつくのが早いといわれています。
これは、決して赤ちゃんの成長速度が違うというわけではなく、経験者だからこそわかる感覚といえるでしょう。
ただし、経産婦でも体型や体質によって胎動を感じにくい人もいます。
1人目を生んだときから時間が空いてしまうと、胎動の感覚を忘れてしまうこともあります。
しかし、胎動を感じるのが遅いからといって赤ちゃんの成長速度が遅いわけではありませんので、医師から指示がない限りは安心して大丈夫。
あまりにも胎動を感じられないときには、病院で相談してエコー検査で赤ちゃんの様子を見てもらいましょう。
経産婦はおしるしがない?
「おしるし」とは、出産の直前に見られる出血のこと。
経産婦はおしるしがないという話もよく聞きますが、これは真実でしょうか?答えはNOです。
おしるしは、初産婦の場合でも現れない人もいます。
おりものがピンク色になった程度で気づかない人もいるので、初産婦でもおしるしがない人、気づかない人は大勢いるのです。
個人差が大きな症状ですので、経産婦におしるしがないということはありません。
したがって、「経産婦にはおしるしがない」というのは嘘!
おしるしないからといって不安になる必要もありませんので、心配しすぎないようにしてくださいね。
経産婦は子宮口が開きやすい?
経産婦は出産を通じて子宮口や産道が広がったことがあるため、初産婦よりもお産の進行が早いといわれています。
初産の場合はお産の進行に合わせて子宮口が徐々に開きますが、2回目からは子宮口が開きやすい状態となるのです。そのため、出産にかかる時間にも大きな差が生じます。
しかし、子宮口が開きやすいからといって出産予定日が早まるのかというと、そうではありません。
経産婦であっても予定日を過ぎても陣痛が来ないこともありますので、一概にはいえないのです。
経産婦の陣痛は痛い?
経産婦の陣痛は初産婦より軽いといわれていますが、痛みの感じ方は人それぞれです。痛みに耐性のない人は強い痛みを感じ、耐性のある人はそれほどでもありません。
しかし、なぜ「経産婦の陣痛は軽い」と考えられているのでしょう?
これは、経産婦の分娩にかかる時間が初産婦よりも短い傾向であることが1つの要因として挙げられるでしょう。
分娩にかかる時間が短いと、それだけ陣痛の起こる時間も短くなります。そのため、「2人目の方が陣痛が軽かった」と感じる経産婦が多いのかもしれません。
ただし、後陣痛に関しては経産婦の方が痛みを感じやすいといわれています。
後陣痛とは、妊娠して肥大した子宮を元の状態に戻すために起こる、不規則な収縮のこと。
2回目からは初産の時よりも子宮が大きくなりやすくなっているため、後陣痛の収縮も強くなるといわれています。
そのため、出産経験者だからと動き回らずに、ゆっくりとケアすることが大切です。
経産婦の分娩は?
初産の場合、陣痛が始まってから分娩が終わるまでの時間は約15時間。
しかし、経産婦は7時間前後のことも多く、初産の半分ほどしか分娩時間がかからないケースがほとんどです。
ただし、これも個人差が激しいもので、1人目が無事に生まれたからとのんびり構えていると、2人目では苦労をしたという人もいます。
経産婦だからと安易に考えず、医師の指示にきちんと従い、出産に向けた体調管理をしておきましょうね。
また、「1人目が○○だったから」という経験が、かえってミスを生むこともあります。
初産の時は陣痛の感覚が10分ほどになってから病院に向かいますが、2人目は分娩にかかる時間が短くなる傾向があるため、予想以上に早く出てきてしまい、「危うく自宅出産になるところだった!」という人も。
こういったハプニングに備えて、きちんと初産との違いを理解しておきましょう。
上の子のケアも必要!
経産婦と初産婦の最も大きな違いは、上の子がいること!
育児をしながら妊娠生活を乗り切ることは、予想以上に大変です。
上の子にかまってあげられないことからつらい思いを抱えていたり、反対に無理をして体に負担がかかったりといったケースもあります。
しかし、すべてをママ1人で抱え込むのはNG。家族や民間サービスを活用して、できる限り負担を取り除くようにしましょう。
子育て支援センターでは、子どもの誕生日会やほかのママとの交流事業などもあり、母子ともに息抜きになります。
一時預かりや送迎の委託などを行うところもありますので、こういった施設に相談してみるのもおすすめです。
小さな子どもには、妊娠はなかなか理解しがたいことですが、できるだけわかる言葉に置き換えておなかの中に赤ちゃんがいることも教えてあげましょう。
赤ちゃんだけに意識が集中してしまうと、上の子が精神的に不安定になり、赤ちゃん返りしてしまうこともあるので、赤ちゃんと同じくらい大切に思っていることを言葉や態度に出して伝えてくださいね。
まとめ
初産婦と比較すると、妊娠生活や分娩も楽だと認識されがちな経産婦ですが、子どもの面倒を見ながらの妊娠生活は予想以上に大変です。
何歳差で生まれたかによっても異なりますが、1歳ほどしか違わない場合は妊娠を理解することも難しいので、ママも対応に追われることでしょう。
お産にかかる時間が短くなる分、陣痛は楽に感じられるかもしれませんが、個人差もあるためすべてが楽になるとはいえません。
ですが、経産婦の強みは何より「出産経験がある」ということ。
初産婦と経産婦の違いを理解し、経産婦のメリットを生かしたマタニティライフを送れるよう、工夫を凝らしましょう!
