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予定帝王切開になるケースとは?時期はいつ決まるの?

出産というと自然分娩のイメージがありますが、最近は帝王切開で出産することも多くなってきています。

帝王切開にはあらかじめ出産日を決定して行われる「予定帝王切開」と妊娠中や出産中のトラブルによって行われる「緊急帝王切開」の二つに分けられます。

いずれにせよ、自然分娩では母子に危険が及ぶ場合に赤ちゃんとママを守るための手段として行われる手術です。

今回は、帝王切開のなかでも予定帝王切開についてみていきましょう。

予定帝王切開とは?

予定帝王切開とは、妊娠中から経膣分娩(自然分娩)が難しいと考えられた場合に行われる手術で、あらかじめ手術日を決めて実施する緊急性の低いものを指します。

たとえば、妊婦検診で母体や胎児に異常が見つかった場合、自然分娩では赤ちゃんとママが危ない状態に陥る可能性があります。

そういったリスクを避けるために、予定帝王切開が行われるのです。

予定帝王切開になるケース

予定帝王切開になるケースはいくつかあります。そのなかでも主なケースをみていきましょう。

逆子

逆子とは、頭を上にした姿勢で赤ちゃんがいる状態のこと。

逆子の状態で自然分娩を行うと頭が最後になるため、へその緒が赤ちゃんの頭と産道に挟まれてしまい、酸欠状態になる恐れがあります。

以前は逆子であっても条件によっては自然分娩を行っていましたが、2000年にイギリスの医学誌『Lancet』で「逆子の場合、帝王切開を行う方が経膣分娩より安全」という調査結果が発表されてから、世界的に帝王切開が選択されるようになりました。

多胎妊娠

多胎妊娠とは、簡単にいえば双子や三つ子など複数の胎児を妊娠しているケースを指します。

多胎妊娠の場合、胎児が問題なく成長し母体も安定していれば自然分娩が行われますが、発育状態がよくない場合や胎盤・子宮の状態などにより自然分娩ができないケースでは予定帝王切開が行われます。

また、多胎妊娠は1人を身ごもるときよりも切迫早産や妊娠高血圧症候群などのリスクが高くなることから、予定帝王切開が選ばれることもあります。

巨大児

巨大児とは文字通り大きな赤ちゃんのことで、出生体重が4,000gを超えている子のことを指します。

これの主な原因は母体が妊娠糖尿病になってしまったことによる糖の代謝異常や、必要量以上の体重増加などが考えられます。

超音波検査で胎児の推定体重が4,000gを超える場合難産になることが予測され、狭い空間を通り抜ける胎児にも外傷や後遺症が残る可能性があります。

この場合、病院によって対応は異なりますが、巨大児になることがあらかじめ妊婦健診で予測されているときには、予定帝王切開となるケースがあります。

児頭骨盤不均衡

赤ちゃんの頭がお母さんの骨盤よりも大きいときや、骨盤の形に問題がある場合、赤ちゃんが骨盤を通り抜けられないことがあります。

具体的には、ママが小柄な体形なときや超音波検査で赤ちゃんの頭が大きいとわかったときに児頭骨盤不均衡が疑われます。

児頭骨盤不均衡が疑われる場合は、超音波検査で赤ちゃんの頭を測り、レントゲン検査でママの骨盤の広さを確認します。

そこで赤ちゃんが通れると診断された場合には自然分娩に、難しいと判断されると予定帝王切開となります。

前置胎盤

前置胎盤とは、胎盤が正常より低い位置にあって子宮の出入り口をふさぎ、赤ちゃんが出てこられない状態を指します。

頻度としては全分娩の0.3~0.6%ですが、胎盤と子宮が癒着してはがれない「前置癒着胎盤」になる可能性も。

このような状態で子宮口が開くと子宮と胎盤の間の血管が破たんし、大出血を起こす可能性もあります。

いずれにしても母子ともにリスクの高い妊娠ですので、帝王切開が選ばれます。

重度の妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群では、高血圧やたんぱく尿といった症状がみられます。

軽度な場合は自然分娩が可能ですが、重症化すると胎盤から赤ちゃんへ十分な酸素が送られなくなったり、肝機能の著しい低下や出血を止める働きをする血小板が減少したりといった症状が見られます。

そこで、これらの分娩時のリスクを必要最小限に抑えるためにも、早期に予定帝王切開をすることがあります。

前回帝王切開

1人目を帝王切開で産んだ場合、以前メスを入れた部分から子宮が裂けてしまう「子宮破裂」を引き起こす可能性があります。

このリスクを避けるために、帝王切開を経験した方は2人目以降も帝王切開で産むことが多いようです。

しかし、なかには「1人目は帝王切開だったから、2人目は自然分娩で産みたい」と考える人もいるため、病院によっては帝王切開後に自然分娩で出産する方法(VBAC)を行っているところもあります。

ただし、子宮破裂のリスクを伴うため、きちんと医師の説明を聞いたうえで判断するべきでしょう。

妊娠何週目で帝王切開はするの?

手術の日は、出産予定日が近いと陣痛が来てしまい緊急帝王切開になる可能性が上がり、早すぎると赤ちゃんの呼吸障害リスクが高まります。

そのため、正期産になる妊娠37週目~38週目頃に予定が組まれます。

ただし、「赤ちゃんがこれ以上おなかの中にいることが難しい」と医師が判断した場合には、妊娠28週目以降に帝王切開を行えるよう事前に入院し、観察しながら時期を待つこともあります。

予定帝王切開の手術の流れ

それでは帝王切開の手術はどういった流れで行われるのでしょうか?

事前に心構えができるように、手術の流れについてみていきましょう。

前日入院

症状や経過によって入院日数は異なりますが、ほとんどは前日に入院して手術の説明を行い、同意書の記入、採血や心電図、胎児のチェックなどをして手術に耐えられる状態であるかどうかを判断します。

シャワーやおなかの剃毛なども必要に応じて行い、食事は21時までに済ませます。

緊張や麻酔の影響で吐き気が起こることもあるので、夜21時以降は絶食となります。

手術開始

翌日にはいよいよ手術。産婦人科医数名と、麻酔科医・看護師・小児科医・助産師などが立ち会うなか、帝王切開が行われます。

名前を確認したら手術着に着替えて、ストレッチャーで手術室に移動。

心電図モニターを装着して、排尿が自動で行われるよう排尿カテーテルを挿入します。

その後、麻酔の流れを麻酔科医か看護師から受けて、麻酔をかけたら手術がスタート。

麻酔をする

帝王切開では緊急の場合は全身麻酔ですが、ほとんどは下半身麻酔で行われます。

下半身麻酔は、「腰椎麻酔(ようついますい)」と「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」の二種類に分けられ、前者は即効性があるが効果が短い、後者は持続性があり長時間の手術に適しているといった特徴があります。

どちらになるかは、麻酔科医や医師の判断によります。

切開する

切開パターンは2つ。「縦」か「横」かのどちらかです。これは、医師の考えやママ・赤ちゃんの状態、緊急度によってどちらが選ばれるか変わります。

たとえば、緊急の場合は医師の判断で「縦」が選ばれることがほとんど。それは、縦に切開する方が手術時間も短く、出血量が少ないため赤ちゃんを安全に取り出せるからです。

横は縦に比べて時間がかかるため、トラブルの起こる確率が低い予定帝王切開で多く用いられる方法で、傷跡が目立ちにくいというメリットもあります。

赤ちゃん誕生

切開してから赤ちゃんが取り出されるまでは5~10分ほど。

状態によっては時間がかかることもありますので、手術前にきちんと確認しておきましょう。

2人目の出産である場合、1回目の手術で引き起こされた癒着箇所を取り除く必要があるので、1人目よりも時間がかかることもあります。

下半身麻酔なら赤ちゃんの産声も聞こえるので、「生まれた!」という実感もありますよ。

処置、縫合

胎盤を取り出して子宮内をきれいにしたら、あとは縫合するだけ。

縫合には、糸か医療用ステープラーを使います。ステープラーはいわゆるホチキスなので、縫うよりも時間がかからないうえ、針を抜くときの痛みも感じにくいのが特徴。

一方、糸は抜糸が必要なものと、溶けてなくなるタイプの2つがあり、溶けてなくなる方は抜糸が必要ありません。

どちらになるのかは病院や医師の方針によって異なりますので、気になる場合は事前に問い合わせておくとよいでしょう。

麻酔をかけてからここまでは大体1時間程度で終わります。

術後はどうなる?

術後は、麻酔科医が血圧・脈拍を見てママの体調に問題がないと判断されれば入院室へ移動します。

もちろん、赤ちゃんとの面会も可能ですが、麻酔がまだかかっていてうまく体が動かせなかったり、反対に麻酔が切れたことで痛みを感じたりしてしまうので、赤ちゃんのお世話をするのは2日目からというところが多いようです。

麻酔が切れたときには、相談すると痛み止めをもらえるので大丈夫ですよ。

帝王切開も立派な出産方法です!

よく、「医者に出してもらうのだから自然分娩より帝王切開の方が楽」と考える人がいますが、おなかを切ることだって“大変”なんていう一言で片付けられないほどつらいもの。

産後の痛む場所は違うものの、どちらも立派な出産方法です。

帝王切開に抵抗感のある人は「母子ともに健康でいるための手段」と捉えれば、不安もぬぐえるのではないでしょうか?

自然分娩を希望している場合は特につらいと感じるかもしれませんが、赤ちゃんを元気に生み出すためにも、しっかり勉強して挑みましょう。

参考文献:日本産科婦人科学会 日産婦誌60巻5号研修コーナー D.産科疾患の診断・治療・管理

参考文献:All About 暮らし 予定帝王切開になるケース・手術時期

参考文献:帝王切開ナビ 選択(予定)帝王切開が行われる主なケース

参考文献:たまひよnet 帝王切開分娩の基礎知識~手術の流れを把握しよう

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