「生理が来たはずなのに、妊娠していた?!」こういった現象を引き起こすのは、「着床出血」と呼ばれるもの。
生理だと思っていた出血が、実は妊娠したことをあらわす「着床出血」だったということがあります。
そんな着床出血について、じっくりみていきましょう!
着床出血とは?
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる軽い出血のことを指します。
しかし、どうして着床するときに出血が起こるのか、不思議に思われる方もいるでしょう。
着床というと、受精卵が子宮内膜というベッドにふんわりくっつくイメージですが、実は、このとき受精卵は自ら化学物質を分泌して、子宮内膜の表面を溶かしています。
単純にぴったりくっつくのではなく、中へと深くもぐりこんでいるのです。
これは、子宮内膜に通っている血管を溶かして受精卵につけ、栄養を取り込めるようにするために行われている現象。
まだ人として成立しておらず、意思すら持たない受精卵がこんなことまでできるなんて驚きですよね。
こうして溶かされた血管から血液が漏れると、着床出血として外に排出されます。
これこそが着床出血で、妊娠した瞬間を間接的に知ることができる生理現象なのです。
とはいえ、この奇跡的な瞬間に気がつく人はごくわずか。
ほとんどのひとが着床出血が無かったり、気づかなかったりするので、着床出血が無いからと言って心配する必要はありませんよ。
着床出血の状態
では、実際にどのような出血が起こるのか、気になる人も多いでしょう。
しかし、着床出血が起こる確率はごくわずかで、症状にもかなり個人差があります。着床出血が起こる時期や症状を、具体的に見ていきましょう!
着床出血が起こる時期はいつ?
着床出血は妊娠超初期症状にも挙げられるほど、かなり早期に始まります。
生理予定日の1週間前~数日前のため、「いつもより生理が早く来たかな?」と思われる人も多いでしょう。生理不順が多い人は、特にわかりにくいかもしれません。
実際に、生理だと勘違いして「生理が来たのに妊娠してる?!」と驚く人もいるようです。
着床出血の期間は?
着床出血が起こる期間は、ほんの数日。1~3日という人がほとんどですが、まれに1週間近く続く人もいます。
頻度も人それぞれで、1度だけという場合もあれば、何度も…という人も。
「生理不順で経血の期間や量もまばら…」という人は、着床出血か生理か見分けるのは困難です。
着床出血の色は?
「いつもよりピンク色のおりものがついている」「経血の色が普段より鮮やか」など、着床出血の場合、色も個人差が激しいよう。
おりものの色が茶色く見えることもあるので、着床出血とは気づかないパターンもあるでしょう。
特に、鮮血の場合は生理との見分けはかなり難しくなるでしょう。
着床出血の量は?
こちらも人によって違いはありますが、生理よりもきわめて少ないことがほとんど。おりものに色がついたほど微量のときは、さして気にも留めないでしょう。
生理と同程度という人もまれにいるようですが、そうなってくるとなおさら生理と勘違いされやすいですね。
痛みはある?
先ほど、受精卵が子宮内膜を溶かして着床すると説明しました。
このとき、痛みを感じる人もおり、痛み方もそれぞれ異なりますが、チクチクした痛みを感じる人が多いようです。
ところが、着床出血と同様に痛みを感じる人もほとんどいないそうで、軽い生理痛のような症状を感じる人がまれにいる程度のようです。
生理との見分け方は?
先ほど挙げたように、着床出血は生理と比較して期間も短く、色や量も大きく異なります。こういった部分で、生理と着床出血を見分けることは可能でしょう。
しかし、着床出血らしき兆候があったからといって、妊娠検査薬を使うのはNG。
妊娠検査薬が使用できるのは、生理予定日の1週間後からですので、早く結果を知りたくてもそれまでは我慢してくださいね。
この時期にフライング検査をしても正確な結果が得られないことが多いので、かえって不安をあおることにもなりかねません。
しかし、生理と同じくらいの期間で、生理と同程度の出血があった場合、着床出血と生理を見分けるのはとても困難…。
でも、ある部分に注目すると、簡単に見分けることができるんですよ。
体の変化で見分けることができる!?
着床出血かどうかを見分ける方法は、基礎体温の変化やニオイに敏感になるといった、妊娠初期症状の有無です。
おりものの色や量が違うと「もしかしたら着床出血かも!」と気持ちがはやるのもわかりますが、その前に高温期に入っていないか、腰痛や下腹部痛など、妊娠初期症状と思われる症状がないか、チェックしてみましょう。
1、高温期が続く
2、風邪っぽい
3、腰痛・下腹部痛がある
4、眠気が取れない
5、胸が張る・乳首が敏感になる
以上のような症状がある場合、着床出血の可能性が高まります。
特に基礎体温はわかりやすい基準となりますので、妊娠を望む場合もそうでない場合も、日ごろからつけておくとよいでしょう。
最近は体温を測るだけで自動記録してくれたり、妊娠しやすい時期をお知らせしてくれたりといった機能性豊かな基礎体温計もあるので、チェックしてみてくださいね。
妊娠の兆候が確認できたら、禁酒・禁煙や、食生活を見直すなど妊娠に備えながら、妊娠検査薬でチェックできる日を待ちましょう!
着床出血があった場合の注意点
着床出血は痛みもほとんどなく、出血の量も少ないため軽視されがちですが、流産にも似たような出血があります。
出血が長引いたり痛みを感じたりする場合には、切迫流産や子宮外妊娠などの可能性も…。
また、着床出血と間違われやすいものでは、婦人系疾患(子宮頸がん・子宮筋腫・子宮内膜症)も考えられます。
たとえば、子宮頸がんの不正出血では、ほんの少量のものからナプキンが必要になるような出血まで量や頻度も異なるなど、着床出血とよく似ています。
自覚症状もほとんどないため、生理以外の出血が長引くようなら、必ず婦人科を受診しましょう。
まとめ
妊娠を望んでいると、体のちょっとした変化にも敏感になりがち。
“妊娠した瞬間”に起こる「着床出血」も、そんな妊活中の女性だからこそ気づける兆候なのかもしれませんね。
日ごろから基礎体温をチェックしたり、おりものの色や量に気をつけたりして、わが子の“妊娠の瞬間”を見つけて見るのもいいかもしれません。
参考文献:タケダ健康サイト 不正出血
