妊娠に気づいたキッカケとして、生理が遅れたことを挙げる人は多いのではないでしょうか?
昔から「妊娠したらすっぱいものが欲しくなる」というように、妊娠初期にはさまざまな症状が表れます。
ここでは、「もしかして、妊娠かも?」と思ったときに役立つ、妊娠初期症状についてご紹介します。
妊娠初期症状とは?
妊娠初期症状とは、妊娠成立後に体内のホルモンバランスが変化することによっておこる兆候や症状のことを指します。
女性ホルモンには生理後~排卵時期に増えるエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
これらのホルモンは妊娠中も分泌され続けるため、妊娠初期においても生理前のような症状がでるのです。
さらに、受精卵が着床すると、ヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンが一気に分泌され始めます。
妊娠初期のつわりは、このホルモンの影響によって引き起こされているとも言われています。
毎月の生理が遅れることで妊娠に気づく人がほとんどだと思いますが、妊娠初期症状が表れたことから妊娠に気づき、妊娠検査薬でチェックする方も多いはず。
「早く妊娠を知りたい!」というときは、初期症状にどのようなものがあるか理解しておくと、とても役立ちます。
妊娠判断チェックリスト
妊娠初期には、どれだけ寝ても眠気が取れない、匂いが気になるようになったといった症状があります。
人によって表れ方に差はありますが、こういったささいな出来事も妊娠の初期症状なんです。
妊娠にいち早く気づくためには、以下の症状がないかチェックしてみましょう!
嗜好やニオイなど、ちょっとした変化
□食べ物の好みが変わった(ジャンクフードが無性にほしくなる、すっぱいものが食べたくなるなど)
□ニオイに敏感になる(ご飯が炊けるニオイを気持ち悪いと感じてしまう、夫の体臭をキツイと感じるようになったなど)
□食欲の変化(食べる量が増えた・減った)
□疲れやすいと感じるようになった
□感情がコントロールしにくくなる(涙もろい・イライラする・やる気が起きにくいなど)
体の変化
□しっかり睡眠時間を確保しているのに、眠気が取れない
□乳房の張りや、乳首の痛み
□高温期(基礎体温が高い期間)、微熱が3週間以上続く
□風邪のようなだるさがある
□吐き気や胃痛、頭痛、めまいなど
□腰痛
□ニキビ・肌荒れが起こりやすい
□便秘になりやすい
□排尿回数が増える
□足の付け根に痛みやだるさがある
生理・おりものなどの変化
□生理前に少量の出血がみられる(着床出血)
□生理が来ない
□おりものの量が多い・サラサラしている
□生理痛のような下腹部の違和感(痛み・張り)
妊娠の可能性が高い場合は?
上記に当てはまる項目が多かったという人は、妊娠の可能性があります。
しかし、生理前も同じような症状が見られるので、セルフチェックだけでは妊娠かどうかはわかりません。
そんなときは、自分で妊娠検査薬を買って調べてみましょう。
薬局やドラッグストアなどで手に入り、検査結果もすぐ出るので、いち早く妊娠を知ることができます。
妊娠検査薬で陽性の場合は産婦人科へ!
妊娠検査薬は、生理開始予定日の一週間後から使用できます。
検査をして陽性反応が出たら、妊娠はほぼ確実!できるだけ早く産婦人科を受診しましょう。
なぜ早期の受診がよいかというと、妊娠初期は流産や子宮外妊娠などの可能性も考えられるからです。
下腹部の違和感や出血は妊娠初期症状のひとつですが、流産の兆候にも同じものがあり、素人では判断がつきません。
自分のからだを守るためにも、早めの受診を心がけましょう。
陰性反応なら、100%妊娠していない!?
妊娠検査薬で陰性だったからといって、100%妊娠していないとは言い切れません。
実は、検査薬で陽性反応が出るのは、着床後。それより前にフライング検査をした場合、妊娠検査薬では反応が出ないこともあります。
そのため、「検査したけれどまだ生理がこない…」というときには、もう一度検査薬でチェックする必要があります。
また、この頃は初期症状もほとんどなく気づく人も少ないのですが、早く妊娠したいと考えている人は、わずかな変化で「妊娠したかも!」とわかることが。
確実に結果を知りたい場合は、産婦人科を受診するのが間違いないでしょう。
生活習慣に気を付けよう!
妊娠を望んでいる場合はいつ妊娠してもよいように、生活習慣にも気を配る必要があります。
飲酒や喫煙はもちろん、薬や食生活なども一度見直してみませんか?
たとえば、自身はタバコを吸っていなくても、旦那さんが喫煙者ならば受動喫煙に気をつけた方がよいでしょう。
タバコに限らず、食事や生活面での家族の協力は不可欠なので、負担のかからない範囲で協力をお願いしてみましょう。
また、妊娠初期に気をつけるべき項目もまとめてみましたので、合わせてチェックしてみてください。
□飲酒・喫煙をしない
□ビタミンAの過剰摂取に気をつける
□コーヒー・紅茶・緑茶など、カフェインを多く含む飲み物を控える
□重い物を持たない
□旅行は控える
□ダイエットや激しい運動を控える
□市販薬の服用を控え、薬を飲むときは医師に相談する
飲酒・喫煙・カフェインによる胎児への影響
お酒やたばこはやめられなくて困る人も多いほど、依存性の高いものです。
しかし、妊娠中にアルコールを摂取すると胎児にも影響があり、『胎児アルコール症候群』になる可能性も…。
大量に飲み続けると、胎児異常の原因となってしまいます。
また、妊娠中の喫煙は、流産・早産・発育遅延などにもつながります。
どうしてもやめられないときは、担当の医師に相談し、一緒に対策を練っていきましょう。
ビタミンAの過剰摂取はなぜいけないの?
お酒やたばこはともかく、なぜビタミンAの過剰摂取に注意が必要なのか、首をかしげる人もいるのではないでしょうか?
実は、ビタミンAを摂りすぎると『催奇形性(さいきけいせい)』が起こる可能性があるのです。
『催奇形性』とは、心臓や脳、目・鼻などを形成している間に起こる形態異常のこと。
妊娠中に薬に注意が必要な理由も、この『催奇形性』の可能性があるからです。
ビタミンAの過剰摂取では、『水頭症』や『口蓋裂』などのリスクが挙げられるでしょう。
特に、「妊娠中はしっかり栄養のあるものを食べないと!」と張り切りすぎてしまい、ビタミンAを摂りすぎていることがあるので要注意。
特にビタミンAを多く含むのは、鶏・豚・牛などのレバーや、ウナギ、緑黄色野菜といった食品です。
ただし、あくまでも“過剰摂取”に注意が必要なので、推奨量を食べるのは大丈夫。
妊娠初期~中期には、700μgRE、後期には760μgREが推奨量とされています。
たとえば、鶏レバーは100g中、約14,000μgREものビタミンAを含んでいるので、「焼き鳥のレバーが好き」というような方は、注意した方がいいでしょう。
サプリメントで栄養を補っているという人も、ビタミンAの含有量をチェックしてみてくださいね。
まとめ
妊娠初期症状は個人差があり、なかなか気づかない人もいます。
しかし、妊娠に気づかず飲酒・喫煙をしていると、赤ちゃんに思いがけないリスクを背負わせていることも。
初期症状を理解することは、妊娠に早期に気づくだけでなく、こういったリスクを避ける意味でも重要ですので、しっかりチェックしておきましょう。
また、妊娠に早く気づくことで子宮外妊娠などの異常をいち早く見つけることができます。
自分の症状から、「もしかして妊娠かもしれない」と思った場合は、すみやかに産婦人科を受診してくださいね。
参考文献:福岡産婦人科情報館 妊娠初期症状
参考文献:食品安全委員会 お母さんになるあなたへ
