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トヨタのイストを売りたい!特徴や買取相場を徹底解説

 

ホンダフィットに対抗して販売されたイストは、低価格戦略で人気を博し、歴代トップの月間42,000台という販売台数を記録しました。この記録は、3代目プリウスがデビューするまで誰も到達できなかった驚異的な記録です。

しかし、2代目以降の販売低迷もあり、現在ではヴィッツに統合されて販売終了となっており、現在ではなかなか手に入らない車種になっているかもしれません。それはつまり、高く買ってもらえるかもしれないということです。

目次

トヨタのイスト基本情報

まずは、トヨタイストの基本的な情報をおさらいしておきましょう。使い勝手や魅力を再発見できることでしょう。

新車価格

現在イストはヴィッツに統合されて国内販売は終了しており、新車を購入するのが難しい状況です。そんなイストの直近(2014年モデル)の新車価格を紹介しましょう。

過去、1.8L車も存在していましたが、最新型はすべて1.5Lとなっており、オプション以外で価格に大きく影響するのは、駆動方式になります。

  •  FF  …… 169万円から194万円程度
  •  4WD …… 190万円から216万円程度

月間販売記録をもっていた初代の価格は118万円から165万円程度でしたので、当時大きく値引きされていたことがうかがえます。

型式

イストの形式は以下の2つに分かれています。この分類は主に駆動方式の違いだけです。

  • DBA-NCP110 …… FF
  • DBA-NCP115 …… 4WD
排気量

イストに搭載されているエンジンは「1NZ-FE」という直列4気筒DOHCのエンジンで、排気量は1,496ccです。

イストの見た目の雰囲気からすると、1.5Lのエンジンでは小さく感じるかもしれません。しかし、4WD車でも車体重量が1.2t程度になっていますので、十分なパワーでキビキビと走ってくれます。

グレード

直近の2014年モデルでは、駆動方式とオプションによって、次の4種類のグレードが存在しました。

グレード名 駆動
方式
装備
150G FF 標準装備
150G 4WD 4WD 標準装備
150X FF 16インチアルミホイール
本革巻き3本スポークステアリングホイール&シフトノブ など
150X 4WD 4WD 16インチアルミホイール
本革巻き3本スポークステアリングホイール&シフトノブ など
150X Cパッケージ FF 150Xの装備を抑えた廉価版
150X Cパッケージ 4WD 4WD 150Xの装備を抑えた廉価版
駆動方式

上述しているように、イストの駆動方式はFFと4WDの2種類です。

4WDについては、フルタイム4WDですので、常にすべてのタイヤに駆動力がかかっています。しかし、街中などでの通常走行時には、前輪に駆動力を集中させることでFFのような操作性を実現しています。

また、路面や速度などに合わせて、前輪と後輪や左右のタイヤの回転数を調整してくれますので、急な悪天候や悪路などでも、安定した操作が可能になっています。

燃費

SUVに似た見た目によらず、車体は比較的軽量ですので、燃費についてはこのクラスとしては悪くはないでしょう。しかし、良いとも言い切れません。

また、4WDはFFに比べて車体重量が重くなってしまいますので、どうしても燃費がよくありません。そのため、駆動方式によって燃費が違っています。

  • FF  …………………… 17.2km/L
  • 4WD …………………… 15.0km/L

全幅以外のサイズが5ナンバー車並みの3ナンバー車ですので、実車を見れば「そんなもんか」と感じるかもしれません。しかし、コンパクトカーとして見ると、良い燃費性能とは言いにくいでしょう。

ハイブリッド仕様

イストには、ハイブリッドモデルはありません。最終的に統合されたヴィッツには2017年3月頃にハイブリッドモデルが登場するようですので、そこにイストの面影を見ることができるかもしれません。

エコカー減税

イストが搭載してる「1NZ-FE」エンジンは、「平成17年排出ガス基準50 %低減レベル」を達成しています。また、イスト自身も、2009年のマイナーチェンジで「平成22年度燃費基準+15%」を達成しました。

そのため、イストは2009年のマイナーチェンジ以降のモデルについては、自動車取得税と自動車重量税が50%になるエコカー減税対象車となりました。(2009年のマイナーチェンジ前のモデルは、エコカー減税対象車ではないため、注意が必要です)

また、エコカー減税対象車ですが、50%減税で、かつ自動車税はそのままですので、年間維持費としては相応の金額が必要になっています。イストの維持費としての税額を計算してみましょう。

経年 自動車
重量税 合計
初年度〜
13年目
34500 4,100円 38,600円
14年目
〜18年目
5,700円 40,200円
19年目〜 6,300円 40,900円

エコカー減税で50%減額されているとはいえ、自動車税の金額が大きいため、負担は小さくありません。

乗車定員

イストは見た目は大きなSUVですが、あくまでもコンパクトカーです。そのため、定員は5名になっています。

ただし、特別に窮屈なわけではありません。特にリヤシートについては、ドアの内側がえぐれるような形状になっているため、膝の周りに余裕があり、長時間のドライブでも快適です。

ボディカラー

イストの最新モデルについては、以下の9色が展開されています。

  •  パール系 :ホワイトパールクリスタルシャイン
  • ブラック系:ブラックマイカ
  • シルバー系:シルバーメタリック
  • グレー系 :グレーメタリック
  • その他  :レッドマイカメタリック、ブロンズマイカメタリック、ダークブルーマイカ、ブルーメタリック
最高出力

エンジンの詳細を見ていきましょう。

まず最高出力ですが、FFが80kW(109ps)/6,000、4WDが76kW(103ps)/6,000となっています。見た目が大きく見えるために、少しもの足りなく感じるかもしれませんが、おおよそ100馬力程度ということで、バランス良くなっています。

そのため、高速道路での遠出などでも特に不満が出ることはないでしょう。

最大トルク

排気量や馬力同様に重要なのがトルクです。トルクが高ければ、坂道や高速道路での加速などをスムーズに行えます。

イストの最大トルクは「14.1kgm(138Nm)/4,400rpm」(4WDでは「13.5kgm(132Nm)/4,400rpm」)となっています。

トルクについても、このクラスにしては可もなく不可もなくバランスの良い数値になっており、こちらも大きな不満が出るような数値ではありません。

歴史

2002年に、初登場で驚異的なセールスを記録した人気車種「イスト」は、最終的にはヴィッツに統合される形で2016年にその幕を閉じました。その流れを振り返ってみましょう。

1.登場

イストは、2001年の東京モーターショーで出展されたコンセプトカーのままのスタイルで2002年に市販開始されました。

イストの市販開始でもっとも注目されたのは「価格」です。

当時、このクラスでもっとも人気のあったホンダ「フィット」が106万円から144万円でした。そこに118万円から165万円という低価格の最新車種が投入されたわけですから、人気が出ないわけがありません。結果、発表後1ヵ月の受注台数は約42,000台を記録する大ヒットとなりました。

この価格は、トヨタがホンダに対抗するための戦略的赤字だったと思われますが、それだけではなく、イストの開発方法に理由があります。

イストは「フルデジタル設計」で製作された車で、実車での走行実験を省いて大幅なコストダウンを図ったのです。(合わせて、開発スピードも格段に早くなっています)

なお、2005年には、イストを改造した「ピカチューカー」が登場し、話題になりました。これは、名古屋トヨペットがプロモーションカーとして作成したもので、「愛・地球博」でも展示されました。

2.2007年、2台目

2007年のフルモデルチェンジで、イストは大きく方向転換し、SUV風のプレミアムコンパクトカーから、コンパクトカーを超えるコンパクトカーとして一新されています。

2BOXとSUVのクロスオーバーを図って16インチのタイヤをはかせた分、サイズが大きくなったために3ナンバー車となり、機能的にもコンパクトカー以上のものに仕上がっていました。

また、安全性能についても強化され、6エアバッグ(運転席・助手席SRSエアバッグ、前席SRSサイドエアバッグ、両側SRSカーテンシールドエアバッグ)が標準搭載されています。

その後、何度かマイナーチェンジを繰り返し、その中で「平成22年度燃費基準+15%」を達成しています。

また、合わせていくつかの特別仕様車も発表し、30代男性への訴求に効果を発揮しました。

3. 販売中止

様々な試行錯誤を経ましたが、初代の大ヒットの見る影もなく、2016年3月にはオーダーストップし、同年4月にはトヨタの公式サイトから姿を消しています。ヴィッツへ統合される形で、販売終了されました。

特徴

爆発的な人気を博したイストですので、ネット上には様々な意見が見られます。そんな中から、メリットやデメリットと言えるものを紹介しましょう。

おすすめできるポイント

①視界が広めで、運転しやすい

全幅が広く、SUV風の高めの視点になっていますので、広い視界で運転がしやすくなっています。

②ノーマルでも十分走るエンジン性能

1.5Lのエンジンは、見た目のわりに小さいと思うかもしれませんが、車体が軽いため十分なパワーになっており、長距離ドライブなどでも快適に運転することができます。

また、サイズのイメージのわりに小さなエンジンを積んでいるため、思いの外車内が静かなのも利点です。

③エコカー減税で年間維持費が安い

2009年モデル以降であれば、エコカー減税対象車ですので、年間維持費が少し安くなっている点は、大きな利点です。

④外観の良さ

コンパクトカーと言えば、どうしてもファミリーカー的な丸い印象をもってしまいますが、イストはSUV風のスタイルで精悍な印象があります。

おすすめできないポイント

①燃費が良くはない

イストの燃費はカタログ上でも15.0km/Lから17.2km/Lとなっていますので、他のコンパクトカーと比べて特別良い値ではありません。むしろ、現在のエコカーブームの中にあっては、「燃費が悪い」と思われてしまうかもしれません。

②ノーマルではシガーソケットがない

イストには、標準でシガーソケットがありません。新車購入時はディーラーオプションで選択できるようでしたが、中古車の場合は注意しなければいけないポイントです。

③外観に反して狭く感じる

サイズアップしているとはいえ、他のコンパクトカーに比べると特別広いわけではなく、見た目のサイズに比べると狭く感じます。

トヨタイストの中古車オークション相場

販売終了している車種ですので、新車での入手が難しいですので、イストの実売価格は、中古、特にオークションでの価格を参考にすることになるでしょう。

※オークション相場についての注意点

以下の相場価格は買取業者が実際のオークションで落札した過去の買取落札額です。

2017年1月にオークションサイトで調べて算出したものであり、現在の査定価格と完全一致するものではございません。車を売ろうと考えている方、購入しようとしている方は、あくまで相場価格の目安としてご参照ください。

 

  • 年式:約3年前(平成26年)走行距離:約3万kmの場合

65~67万円

  • 年式:約5年前(平成24年)走行距離:約5万kmの場合

データなし

  • 年式:約7年前(平成22年)走行距離:約7万kmの場合

43~73万円

  • 年式:約10年前(平成19年)走行距離:約10万kmの場合

データなし

上記の通り実際の過去のオークション相場のデータが存在しない年式もありましたので、分かり次第、改めて記載します。

また、少しでも高い買取相場を狙うのであれば一括査定サービスに出してみるのがおすすめです。

一括査定サービスで他社と競合させていくことにより、オークション相場に近い買取額で上手に車を売却しましょう。

まとめ

初登場でいきなりトップセールスを記録するという快挙を成し遂げたイストですが、その後はそれほど振るっていません。

しかし、5ナンバー級の全長に3ナンバーの全幅、SUV風の外観、16インチタイヤという特徴的な外観は、人によってはとても魅力的に写ることでしょう。

そんな特徴的な外観で、2016年に販売中止されたばかりの車種ですので、まだ多くの人の記憶に新しい車です。欲しいと思う人もまだまだいることでしょう。売却するのであれば、今のうちかもしれません。