そろそろ車の買い替えを考えているという方、やはり気になるのは今自分の車はいくらで売れるのかということが一番気なることでしょう。
工業製品である車は、年数が経ち、多く走れば走るほど、その価値は下がっていってしまうものですが、実際の査定額と、査定時の走行距離の関係はどのようになっているのかご存知でしょうか?
この記事では、一般の方にはあまり知られていない、走行距離と査定金額について詳しく解説していきたいと思います。
Ⅳクラスが基本となり、Ⅵクラスが最も低いクラスになります。
下記に代表的な車種の一部を抜粋して紹介します。
中古車の査定には、排気量を基準としたクラス分けがなされていることはご理解いただけたと思いますが、ここからは、どういった基準でプラスとマイナスが分かれているのかについてみていきたいと思います。
中古車の査定に限らず、車業界では1年間で8,000km~12,000kmを平均的な走行距離として見ています。
つまり、3年経過した中古車であれば24,000km~36,000km、7年経過していれば56,000km~84,000kmを標準走行距離とし、その距離よりも短ければ加点され、逆に長くなっていれば減点されます。
ただし、これはあくまで参考程度の距離であり、その車がどのクラスに属しているかによって加減点される割合は変化しますし、少ないことが必ずしも最良の結果になるとは限らないため、目安の1つと理解しましょう。
では、実際に1年間の平均走行距離と経過年数がどのような関係にあるのかを下記の表にまとめてみました。
経過年数 | プラス査定
年間走行距離(目安) |
マイナス査定
年間走行距離(目安) |
1年 | 5,000km以内 | 10,000km以上 |
2年 | 7,500km以内 | 12,500km以上 |
3年 | 約8,333km以内 | 約11,666km以上 |
4年 | 7,500km以内 | 10,000km以上 |
5年 | 7,000km以内 | 10,000km以上 |
6年 | 約5,833km以内 | 10,000km以上 |
7年 | 約5,714km以内 | 約7,857km以上 |
8年 | 5,625km以内 | 7,500km以上 |
9年 | 5,000km以内 | 7,000km以上 |
10年 | 5,000km以内 | 7,000km以上 |
上記の表は、査定士が単純にJAAIの査定基準に照らし合わせた際の判断目安になる年式と1年間の走行距離で、プラス評価とマイナス評価の関係を表したものです。
一見すると少々わかりづらいかもしれませんが、例えば、初年度登録から10年経過した車両の場合
5,000km(1年間の走行距離)×10年(経過年数)=50,000kmまでがプラス評価の多少になり、逆に、
7,000km(1年間の走行距離)×10年(経過年数)=70,000km以上はマイナス評価の対象となるということです。
ただし、上記の表はあくまで目安となる参考資料のであり、乗用車の場合の1例であることをご理解ください。
では、実際にクラス別の走行距離による加減点はどのようになっているのか、国産車を例にとり下記より詳しく解説していきます。
ちなみに中古車査定による点数の1点は1,000円であり、プラス10点であれば10,000万円が基本査定金額に加算され、マイナス100点は100,000万円が基本査定金額から引かれてしまうことになります。
クラス分けについて解説している上記の表でもわかるように、排気量が大きく、GT-Rやセンチュリーといったプレミアムスポーツや超高級セダンなどがこのクラスに属します。
最も加点が大きいのは、経過年数6年、走行距離が1万km未満で+315点ですが、逆に標準距離である5万km以上6万km未満は-75点になってしまいます。
つまり、年数から見た標準走行距離で、減点されない年数と距離は、経過年数5年5万km未満までとなります。
このクラスは、マジェスタやレクサスIS Fといった高級車が属しています。
特C特Bクラスと同じく点が大きいのは、経過年数6年、走行距離が1万km未満ですが、加点される点数は+250点と少なくなります。
ただし減点される点数も小さくなり、標準走行距離の2倍である、5年10万kmでは-400点になります。
クラウンやヴェルファイア、エルグランドといった車種が含まれるクラスです
特C特B特Aクラスと比べて、加減点される割合が小さくなってきたことがわかります。
マークXやエスティマ、スカイラインといった少し大き目の車種が含まれるクラスです。
他のクラスでも共通していることですが、10年経過しているにも関わらず、1万km走行していない場合はどうかというと、加算される点数は+90点で、距離が3万kmまでその点数は変わりません。
国産車のクラスではこのⅢクラスが標準的なクラスとなり、プリウスやヴォクシー、アコードといった2000㏄クラスの車が多く属しています。
これも、その他のクラスで同じ傾向と言えますが、走行距離が標準走行距離の2倍である、5年10万kmでは-190点となり、走行距離が増える分減点される割合は大きくなります。
ところが、経過年数が少なく走行距離が増えることの方が、経過年数が増していくのに比べ減点割合が大きいことが見て取れます。
カローラやヴィッツといった比較的小型な車種が属しているクラスです。
ここまで、各クラスの表を見ていただくと、軽自動車以外でⅣクラス以上の車種では、8万kmを超えると加点されないということが分かります。
軽自動車のクラスで特徴的なことは、他のクラスと違い、7万km以上になると、年式にかかわらず加点されなくなってしまいます。
今回の記事を読んでいただくと、車売却で走行距離が査定金額に及ぼす影響は無視できないということがお分かりいただけるかと思います。
また、車種によるクラス分けが存在することにより、同じ年式と走行距離でも、高級車と軽自動車では、加点される点数も減点される点数も大きく違うのです。
そして、上記の各表にご自分の車を当てはめていただくと、おおよその加減点は予想できるかと思いますが、あくまで1つの参考資料にしか過ぎず、例え10万km走行している10年経った車でも、買取る店舗によっては、走行距離以外の部分で十分なプラスが期待できる場合もあります。
そのため、もう古いからと諦めることなく、複数の買取店舗に査定を依頼し、少しでも高く買ってくれる業者に依頼することが大切です。