実は簡単!和食の基本「昆布」と「かつお」の美味しいだし汁の作り方

無形文化遺産にも指定され、類をみない上品な味わいが世界中を魅了している和食。

 

和食は「食材9割、技術1割」と言われ、日本の美しい四季に合わせて、どの食材を選び、その食材の味わいをどう際立たせるのかが問われる料理です。

食材にうまみを加え、食材そのものの味わいを際立たせるのが、和食の要と言われる「だし汁」なのです。

 

やさい料理研究家であり管理栄養士の「ちーこ先生」こと大畑ちつるの「季節のやさい和食レッスン」の記事。

今回の最初の記事では、和食の基本となるだし汁のとり方を説明します。

和食の「だし汁」の基本

だし汁とは?

だし汁

タイトルにはわかりやすいように「作り方」と書きましたが、一般的には「だし汁をとる」「だし汁をひく」と言います。

 

和食における「だし汁」とは昆布やかつお節、煮干し、干し椎茸などから、アミノ酸を始めとするうまみ成分を引き出した汁のことです。

粉末だしと手作りだしの違い

引き出し方法は食材によって違い、作り手によっても十人十色。

 

最近はその手軽さから「粉末だし」を使われる方が多いです。

しかし、粉末だしは塩分が高いこと、材料の産地や作り方が不明確なことが、気になってしまう方も多いのではないでしょうか。

やっぱり素材からだしを引き出した方が、塩分も少なくてすみ、香りもうまみも豊富です。

昆布だし作りの失敗談

昆布からだし汁を引くことは難しいように思われます。このような失敗をしたことはありませんか?

  •   味が薄い
  •   ぬめりがある
  •   素材のエグミを感じる

せっかく丁寧にだし汁を引いたのに、出来上がりが美味しくなければ「昆布だし作りは難しい」と感じるのも無理はありません。 これらの失敗の原因は、「素材の特徴を知らない」ことで起こります。

昆布の特徴

昆布の特徴

  • 100度以上の熱湯で加熱すると滑りが出る
  • 昆布1gに対し、昆布だし100ccができあがる
  • 昆布から旨みを引き出す最適温度は60度
  • 水で戻しておいた方が旨みは出やすいが、戻しておかなくてもよい

上記の4つの特徴を押さえた、基本の「昆布だしのとり方」をご紹介します。

基本の「昆布だし」の取り方

材料(出来上がり分量500cc分)

  • 昆布 5g
  • 水 550ml

昆布の選び方

昆布には、真昆布、利尻、日高、羅臼、と4種類の昆布があります。

ご家庭用でしたら、パッケージに銘柄が大きく記載されていない「切り出し」「お徳用」と書かれている乾燥のだし用昆布で十分美味しいだし汁ができます。

お求めやすいため、気軽に普段の食事に取り入れやすいのも特徴です。

取り方

昆布撮り方

  1. 鍋に水を入れ、火にかける。沸騰したら、火を消し、昆布を入れて蓋をする。
  2. 15〜30分置いたら、出来上がり。

昆布を鍋にかける時の温度が重要

鍋で昆布をグラグラする必要はありません

一般的な方法だと、うっかりすると鍋の水が沸騰して100度以上になり、昆布のぬめりが引き出されます。

その結果、味に昆布独特の雑味を感じてしまいます。

 

そこで、一旦沸騰させた水に昆布を浸し、蓋をして100度以下の状態を最低15分間保つこと方法がおすすめです。

昆布のぬめりが引き出されることなく、上質な昆布だしができあがります。

保存方法

多めに作って、ペットボトルにいれ、冷蔵庫や冷凍庫で保存できます。

冷蔵庫の場合は3日間、冷凍庫の場合は1ヶ月を目安にしてください。

昆布だしは冷蔵庫で3日間保存可能です。

だしをとったあとの昆布の使い方

だしをとった後の昆布は食材として料理にお使いください。

おすすめは煮物に入れること。昆布にはまだまだうまみが残っています。2cm角の角切りにして、煮物に使うことで、だし汁いらずの煮物を作ることができます。

上品なうまみ「昆布とかつおの合わせだし」の取り方

上品なうまみ「昆布とかつおの合わせだし」の取り方

昆布のうまみ成分は「グルタミン酸」といい、かつおが持つ「イノシン酸」と合わさると、ひとつだけの時より旨味を4~8倍に強く感じられるようになることが科学的に証明されています。

 

昆布だしは、煮物や肉や魚を使った汁物など、食材を生かす料理に使われます。

一方、かつおを合わせると旨味が増すことから、昆布とかつおを使った合わせだしは、野菜1つだけの料理や、だし汁そのものを味わう料理に使われます。お雑煮、おひたし、あんかけ、麺つゆがその代表です。

では、料理の基本となる「昆布とかつおの合わせだし」の取り方を紹介します

材料(出来上がり分量約500cc)

  • 昆布だし 500cc
  • 削り節 5g(小袋2つ分)

かつおは「削り節」という名前で販売されています。

取り方

  1. 鍋に昆布だしを入れて強火にかけ、沸いたら火を消す。
  2. 削り節をそっと加える。菜箸等でかき混ぜない。
  3. 30秒後、すべてのかつお節が水に浸って沈んでいることを確認したら、細かめのザル、またはキッチンペーパーでだしをこす。

削り節をおさえない

自然にしたたり落ちる水分をだし汁として使います。ぎゅっぎゅっと削り節をおさえて、一滴残らず水分を絞り出そうとすると、エグミが出てしまいます。

削り節をおさえない

保存方法

昆布だしの保存方法と同様です。

だしをとった後のかつお節の使い方

しっかり水分を絞り、醤油と砂糖を合わせて、ごはんのお供にするだけで十分美味しいです。

きんぴらのような、醤油と砂糖を使う炒め物に加えることもおすすめです。

合わせだしを使った麺つゆレシピ

合わせだしを使った麺つゆレシピ

昆布とかつおの合わせだしはお吸い物、あんかけ、おひたし等、料理のバリエーションが多彩です。

市販に頼りがちな麺つゆなら、「調味料を全て加熱するだけ」で出来上がります。

材料(400cc分)

  • 昆布とかつおの合わせだし 350cc
  • 濃口しょうゆ 大さじ3
  • みりん 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1

作り方

  1. 鍋に全ての材料を入れ、中火にかける。
  2. 沸騰したら火を弱め、1分間煮立てて火を消す。

できあがりは、市販の麺つゆストレートと同じ濃さです。

合わせだしを使わない麺つゆレシピ

合わせだしを使わない麺つゆレシピ

合わせだしを作る手間を省いて、麺つゆを作ることもできます。

麺つゆは年々たくさんの食品メーカーから新製品が発売されていて、1本は必ず自宅にある方も多いようです。

せっかくなら、麺つゆも市販でなく手作りをしてみましょう。

香りが高く、手作りならではの「安心安全」な麺つゆをより簡単に作ることができるレシピを紹介します。

材料(400cc分)

  • 水 450cc
  • 昆布 5g
  • 濃口しょうゆ 大さじ3
  • みりん 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1
  • 削り節 5g(小袋2袋)

作り方

  1. 鍋に削り節以外の材料を全て入れ、蓋をして中火で5分加熱する。

(もし大きく沸騰したら、少し火を弱め、小さな泡がフツフツと立っている状態を保つ。)

  1. 火を消して、蓋を開けて削り節を入れる。粗熱が取れるまで置く。
  2. 粗熱が取れたら、細かめのザル、またはキッチンペーパーでこす。

保存方法

粗熱が取れたら、清潔なビンやペットボトルに入れて保存してください。

冷蔵保存は5日、冷凍保存は1ヶ月が期限です。

残った昆布と削り節の活用方法

作り方3.で残った昆布と削り節は、醤油が香る甘辛い味がします。

昆布は細かく刻み、削り節はしっかり水気を絞り、ご飯を炊く時に加えたり、キノコや玉ねぎなどと炒め物にしたり、和え物の具にするのがオススメです。

まとめ

和食の要と言われる「だし汁」の取り方、熱湯に昆布を15分浸すだけの手軽さで驚いた方も多いのではないでしょうか。

 

私がやさい料理研究家として仕事をしている中で感じることは、美味しい昆布だしを取ることができれば、和食の定番の煮物や和え物、おひたしを作ることができます。

それは和食の基礎が身についたことになります。そうすると、自分に自信がつきます。

さらに、手料理を人に振る舞えるほどになると、「私は料理ができます」と言い切ってもいいと思うのです。

まとめ

無形文化遺産に登録され、和食は世界が注目している今だからこそ、というわけではなくて、日本人に生まれてきたからには「和食って美味しい」「和食は作ることができて当たり前」と多くの人が和食を大切に想う社会を作っていきたいと考えています。

定期的に野菜が主役の和食レシピを掲載します

定期的に野菜が主役の和食レシピを掲載します

これから定期的にnanairoで、旬の野菜が主役の和食をご紹介します。

昆布だしや薄口しょうゆ、白味噌などと使った、日本の和食発祥の地である関西仕立てのレシピが中心です。

定期的に野菜が主役の和食レシピを掲載します

昆布だしをとる

今後、ご紹介するレシピを楽しく、美味しく、簡単に作ることができるように、まずは「昆布だしをとる」ことから

チャレンジしてみてください。

やさい料理研究家・管理栄養士

大畑ちつる

 

ちーこ先生主宰

なにわの料理教室 健彩青果

この記事を書いたユーザー

ちーこ
「ちーこ先生」で親しまれる、やさい料理研究家・管理栄養士です。nanairoでは主に「料理・レシピ」の記事を担当しています。 なにわの料理教室「健彩青果」主宰 http://kensai-seika.com/ ちーこの記事一覧

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