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塾講師からモデルに転身したHitomiさんが明かす決意と仕事の楽しみ方

華やかなイメージのある「モデル」という仕事をされているHitomiさん。
会社員と違って、モデルってどうやってなったらいいのかも分からない人が多い職業だと思います。
今回インタビューさせてもらったHitomiさんは、会社員の経験を経てからモデルへ転身した、異例の経歴をもった方です。
現在はモデルとウォーキング講師をされている彼女に、モデルの仕事のことから仕事の楽しみ方などお話を伺いました!

 

目次

モデルHitomiさんの幼少期から学生時代

Hitomiさんは小さい頃はどんな子どもでしたか?
小学生2年生のころに引っ越しをして、上手く友達を作れなかったんです。
言いたいことや意見があっても、なかなか主張ができない子でした。
国語の本読みでも「声が小さい」と言われたり、「○○したい人〜?」って話でも「はいは〜い!」と参加できなかったり、そんなタイプでした(笑)
参観日の日にお母さんが観に来てくれて「わかってるなら手を挙げなきゃ」と言われたことを今でも鮮明に覚えています。
一見、引っ込み思案なタイプですね。
でも実際は友達とも明るく遊びたかったし、自分の意見も持っていたし、人に対して自分を上手く出せなくて苦労しました。
そんな子どもだったHitomiさんが変わったタイミングはいつですか?
高校に入ったタイミングです。小学校・中学校からメンバーがガラッと変わったことで、だんだんと自分が出せるようになってきました。
特に普通科でなく英語がメインの学科に入ったので、生まれた国が違ったり話せる言葉が違ったりする友達に囲まれて、人と違うことが素敵だと思える環境だったのが大きかったです。
そんな学科だったので、英語での発表が多かったんです。その時に「伝わるのが嬉しい」という感覚を覚えました。自分から発信することが積極的にできるようになりました。それまでのフラストレーションもあって、とても楽しく感じていました。
なので、高校時代からむしろ活発な子になったと思っています
高校時代には何か部活動をされていたんですか?
軽音楽部に入っていました。同じメンバーと曲を合わせたり、人前で発表することがとても楽しかったんです。「人前に立って自分がこんなに楽しくなるんだ!」と自分自身でビックリしながら、楽しんでいました。

「モデルになろう」と決めた転機

そんな幼少期を過ごしたHitomiさんが「モデルになろう」と決心したタイミングはいつですか?初めから「モデルになろう」と決心したわけではないんですか?
そうですね。小さいころからメイクやファッションが好き!というタイプではありませんでした。
それに「モデルを仕事に選んでいい」という許可が、なかなか自分自身におりてなかったんです。
私の両親はマジメな考え方をしているタイプなので例えば「モデルや歌手になりたい」と言えばきっと「どうやって食べていくの?」と言われるだろうな、と勝手に思っていました。
なので進路を考えるタイミングでは「モデルを仕事にする」ことは考えていませんでした。というよりも、「モデルを仕事にしたいかどうか」すら考えていなかったですね。
以前はモデルとは別の仕事をされていたんですか?
「子供と関わる仕事をしたい」と思い、塾講師をしていました!
この仕事も自分の好きなことから選んだ、とても大好きな仕事でした。
全然別業種ですね(笑)塾講師からモデルに転身したキッカケは何だったんですか?
塾講師の仕事をしている中で、生徒の子供から「先生はなんで『先生』になったの?」と聞かれたことがあったんです。
その時に「自分ももう大人だし、自分のしたい仕事をしていいのかな?」と、枠組みを取っ払って考えることができたんです。
自分がフラットな状態でやりたいことを考えた時に「モデルがしたい」と思えたんです。
子供って、純粋に好きなことを言えるじゃないですか。そこに感化された部分は大きかったですね。
塾講師が嫌だったとかそういうことではなく、本当にやりたいことを考えた結果、モデルの道を考えました。
「モデルをしたい」と思えるようになってから、大きく変わったことはありましたか?
本気で考え出すと、街中のファッションショーのポスターも目につくし、本屋さんの雑誌のコーナーも気になるし、いろんな情報をキャッチするようになりましたね。
ここまでやりたいんだったら「一度本気でやってみよう」と思うようになり、ウォーキングレッスンに通い始めることになりました。

モデルを目指してからの取り組み

モデルへ転身することへの、金銭的な不安ってなかったんですか?
もちろん、初めから食べていける業界とは思っていませんでした。なので貯金はしていました!
そして、モデル活動を目指すために必要なものを買ったり、レッスンに通ったり、自分に投資をしていい上限を決めてから活動を始めました。
そこまでやってみて、ダメならすっぱりと辞めるつもりでいてました。
現実的に状況を考えていたんですね
やりたいとは言え、食べていけるだけの仕事にできない人も世の中には多いじゃないですか。「やりたい」って気持ちだけでは生きていけないことは分かっていたので。
それでも挑戦しようと考えたのはなぜですか?
そこまでは考えていたんですけど、だからと言って「やらない」ことも後悔してしまうと感じていたんです。
その気持ちを天秤にかけた時に、自分で一定の条件を付けて取り組むことを決めました。自分が出たいショーに出るとか小さな目標をいろいろと立てて、それに向かって一生懸命やっていました。
Hitomiさんがモデルを目指す上でまず取り組んだことってなんでしたか?
塾の講師を3月までしていたので、受験シーズンもあり他のことをする余裕が全く無かったんです(笑)
なので、4月からレッスンに通うスクールを探しだして、4月末にはウォーキングレッスンを始めていました。
仕事がまだ取れていない期間に「モデルらしく」なることが一つ目のハードルと考えていました。町を歩いている普通の人と「モデルかな?」と思われる人の差って、もちろんファッションや姿勢といったものもあると思うんですが、気持ちとして自分のことをモデルと思えているかどうかの差が大きいと思うんです。
銀行員をやっておられる方はどこか銀行員っぽさがあるし、アパレルをやっている方から「アパレルやってます!」と聞くと、確かに!と思えることってあるじゃないですか。
「モデルをやってます!」って言った時に、初めは「あ、そうなんですか?」となっていたのですが、自分で自分をモデルと思えていないことにも大きな原因があるんですよね。
なので仕事が取れるようになるまでは、とにかく自分のことを「モデルなんだ!」と思い込むことからスタートしました。
なるほど、自分自身を「モデル」だと思わえることって大切なんですね
そうですね。そうなっていないと、オーディションに行ったとしても「プロのモデルさんと一般人の私」と比べてしまうので、いい結果を残すことも難しくなってしまいますね。
自分で思う「気持ち」から伝わるものって何かありますもんね!
思い続けることで、自分の日頃の振る舞いも変わってきますからね!
オーディションでは10分程度の時間で判断をされるんですね。審査される方から ウォーキングや自己PRを求められるんですが、その材料だけで結果が決まっている訳ではないんですよ。部屋に入ってきた時の空気感とか、笑っている時の表情とか、トータルで評価されていると思うんです。
何気ない動作から出てくるものが、普段から意識をすることで変わるのだと考えています。
日頃の振る舞いや仕草、醸し出す雰囲気で特に気をつけている点はありますか?
「常に幸せそうな人」でいられるように気をつけています。
事務所に入っていたとしても、会社員の頃とは違って常にお仕事があるわけではありません。ひとつひとつ、オーディションを受けなくてはいけなくて、それっていつも「就活」をしているような感じなんですよ。「一緒に仕事がしたいな」と思われる人になるためにはどうしたらいいかな?と考えた時に、「常に幸せそうな人」でいることが一つの答えだと思いました。
私はモデルとして背が高い訳ではないし、子役のころからやってきた経験がある訳でもないので、それ以外の部分でも一緒にしたいと思ってもらうために、見ていてワクワクするような人を目指しました。
具体的なこととしては、日常生活の中で普通にやっていることを丁寧に、綺麗にやったり、楽しんでやったりすることを心がけてやっています。
そう考えると、モデルの仕事って休む暇がないですね!
そうですね!実際に日常生活全てが仕事に関係してくるんですよ。
仕事の現場に来た時にストレスで肌が荒れていてもダメだし、いっぱい食べて太っていてもダメですからね。
日焼けをしているとか、虫刺されをしているとか、脚を出す仕事で脚を怪我しているとか、あってはいけないことなので注意する必要があります。
そういったことのためにも、ケガをしないように、ストレスを貯めないように、日常生活の動作を丁寧にしたり、幸せなことをより「幸せ」と噛み締めて過ごしたりすることが、仕事につながってきますね。
何時から何時までが仕事で、その時間を過ぎたら別の自分!という訳にはいかないですからね。生活の全てが仕事につながっていると考えています。
一日中忙しくて大変そう…(笑)
テレビでもタレントさんやモデルさんが「普段から何か特別なことをされているんですか?」と聞かれて「特に何も」って応えられる場面ってありますよね?
あれは多分、日頃から気をつけていることが「当たり前」になってしまっていて、自分では特別になにかしている気がしていないなんだと思います。
頑張って取り組んでいるという段階を超えてしまっている状態なんでしょうね。
意識せずにもやってしまうことって、プロなら誰でもやってしまう職業病としてありますもんね。

Hitomiさん流のモデルとしての悩みと解決方法

先ほども少しお話が出ていましたが、モデルとして身長が高くないといった課題ってどう解決しておられるんですか?
生まれ持った骨格って、整えることはできても変えることができないじゃないですか。それこそ「生まれ変わる」しかないですよね(笑)
できる限り身長が高く見えるように姿勢に気をつけたりといった最低限の努力はもちろんしていますけど…人と比べられて選ばれる仕事ではあるんですが、私が人と比べても仕方がないので、気にしないようにしている部分もあります(笑)
なるほど!(笑)
その分、自分が選ばれた仕事は自分が合っているんだと思って一生懸命やれるようになります!
身長が無いからとモデルを諦めてしまっている人って多いと思うんですが、励みになるお話ですね!
でも、やりたいならやってみるべきですよね!「やりたい」と思ってから、いまの瞬間が一番若いわけですよ。一日考えたら一日分の歳をとってしまって、経験できることもそうやって少なくなってしまいますからね。
私の場合、自分の身長がモデルとして厳しいということすら分からないまま飛び込んだんです。とにかく「できるのかどうかやってみたい!」「やりたいことが自分でもできるのか知りたい!」という気持ちが強くて始めました。
すごい行動力!!
モデルの仕事を始めてから、身長が高くないと出られないショーがあったり、オーディションの結果で自分よりモデルらしいスタイルの人が決まったりして、羨ましく思ったり悔しい思いをしたことももちろんありました。
でも、悩んでも解決することでもないし、それならウォーキングの練習をしようとか、表現力のためにいろんなものを観てみようとか、他のことで自分を成長させることに時間を使うようになりましたね。
悩むだけ無駄!って前向きな姿勢がすごいですね
私の中で「悩む」と「考える」って別だと思って区別しているんですよ。
嫌なことに対して「悩む」はストレスになるだけですが、「考える」は別の答えが見つかるものだと思っています。
身長が低い事で悩んでもストレスがたまる一方ですけど、「じゃあどうしようか」と考えれば「身体のバランスがよく見える服を探しに行こう」とか解決策がいろいろと出てくるので、一緒にしないようにしています。

Hitomiさんが考えるモデルという仕事の魅力

塾講師とモデルって一見全く違う仕事に思えるんですけど、共通する部分ってありますか?
モデルを始めてすぐの頃は、ショーに出ても自分の事で精一杯だったんですが、ランウェイを歩いている時の会場の空気だったり、着ている服の揺れ具合とかを感じられるようになってきたら、「いますごく伝わった!」わかる瞬間があるんです。
なんとも言葉にできない感覚なんですけど、この感覚があるからこそ仕事をしてるんだと思います。
逆に「ここは全然違うな」という所はありますか?
モデルの仕事に終わりが無い所ですね。仕事のたびに場所も違うし仕事をするメンバーも違うし、商品だって違ってきます。
最初は一般的な会社員としての仕事とのギャップに苦労したこともあったんですが、今ではそこがおもしろくなってきました。
仕事によって大事にしたいことや、正解となることも違うし、常に挑戦をしている感じですね。
モデルって1人の仕事でなくて、いろんなプロの仕事の掛け算でできている仕事なんですよ。
撮影一つにしても、照明を微妙に調整する前とした後とか、カメラマンさんがアングル調整をする前とした後、ヘアメイクさんが手直しをする前とした後とか、ビ フォーアフターを見ると「これがこうなるのか~!」と驚かされることが多いんです。
プロに囲まれる現場って、楽しそうですね!
その分、自分もプロとして頑張らなきゃいけないな!と励みになりますね。
モデルに限らず、人と仕事をするおもしろさはこんな所にあるんじゃないかと思います。
どのような点がモデルの仕事の魅力だと考えられていますか?
会社員と違って、仕事があることが当たり前の環境じゃないので、ひとつの仕事ができる喜びがとても大きく感じられます。仕事に対するありがたさって言うんですかね?
仕事をすると「生きた心地がする」と感じられるんです。

最後に

大胆な転職をされたHitomiさんから、転職に悩むかたに一言お願いします。
転職をしてみて「あの仕事をやってみたいな」という気持ちを無視しなくて良かったと思いました。
自分の意思でチャレンジしてみたからこそ、いまの結果にも納得ができていますね。
やりたいことで経験を積むには、少しでも若いうちにチャレンジをした方がやれることも増えると思います。
勇気を出して踏み出してみてください。

勇気の出るメッセージ、ありがとうございました!

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