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「転職は逃げだ!甘えだ!」と言われても、自分の気持を大切にしよう

 

仕事を辞めたい、転職したいと思うことを、逃げや甘えだと思ってしまう。もしくは、転職について相談したときに、友人や家族から逃げや甘えだといわれて悩んでしまうという経験をもつ人は多いです。

たしかに、逃げや甘えで転職すると苦労することもあります。しかし、逃げや甘えを許さなかったばかりに、病気になってしまっては手遅れです。

今回は、転職を前向きに考えるための考え方や、転職に失敗しない方法をご紹介します。

 

目次

仕事を辞めたいと思うのは逃げや甘えなの?

もし、どの会社に就職しても3日で辞めてしまう、引き継ぎもなく突然こなくなる、といった転職を繰り返す人なら、逃げや甘えで転職している可能性もあるでしょう。しかし、ほとんどの場合において、仕事を辞めたいと思うことは、けっして逃げや甘えではありません。

なぜなら、辞めたいと思うだけの理由があるからこそ、「仕事を辞めたい」と思うからです。

がんばることのできる限界点は人それぞれ

仕事をがんばることのできる限界点は、人によって大きく違います。だれもが朝の6時から夜の22時まで休みなく毎日働くことができるわけではありません。たとえば、一日7時間の勤務で心身ともにくたくたになってしまう人もいます。

問題は、長時間タフに働く人をすごいとみなす価値観が、社会で一般的になっていることです。7時間で限界を迎える人に、16時間働く人と同じくらいの努力を求めたら体調を崩してしまいます。

仕事量や働き方が合っていない人が「転職したい」と思うのは、逃げでも甘えでもなく当然の話なのです。

自分の気持ちにふたをして無理ができるのは短期間だけ

人間には理性があるため、感情や本能に逆らって我慢をすることができます。仕事がいやだ、合っていないと感じていても、「すぐに辞めるのは甘えだから」「他人に迷惑がかかってしまうから」と考え、我慢して働き続けることができるのです。

しかし、自分の気持ちにふたをしつづけることできません。多くの場合、我慢をしすぎたことのツケは、病気や体調不良という形で返ってきます。

まじめで責任感の強い人ほど「逃げ」や「甘え」と考えがち

「仕事を辞めたいだなんて、自分の逃げや甘えなのではないか」と悩むのは、たいてい責任感のあるまじめな人です。本当に責任感がなければ、いやだと思ったつぎの日から連絡なしで職場にこなくなります。

まじめであればあるほど、責任感があればあるほど、転職を否定的に考える人は多いです。しかし、仕事を辞めたいという気持ちから目をそらし、とりあえずいまの仕事をつづけるという選択を取るのも、ある種の逃げに違いありません。どうせ逃げるなら、健康的な生活を送ることができる方法を取るのが、生物として正しい選択です。

意見をいってくる他人は責任を取ってはくれない

転職を考えている、仕事がつらいと他人に相談したとき、「仕事がつらいのはだれだって一緒」「すぐに転職するなんて甘えているだけだ」といった意見をいってくる人がいます。

転職や退職を否定する意見が、根拠のない感情論の場合は聞き流しましょう。他人は好き勝手なことをいうだけです。たとえ、アドバイスを信じて体をこわしても、アドバイスをした人は間違いなく責任を取ってはくれません。自分を守ることができるのは、自分ひとりしかいないのです。

うつ病にでもなったら、取り返しがつかない

もし、無理をしすぎた結果うつ病になってしまったら、転職して働くことも難しくなります。そして、仕事のストレスが原因でうつ病になってしまう人は少なくありません。

自分を守るための転職は、甘えや逃げとは無縁の合理的な判断です。

自分を追い込んだ結果自殺する人も少なくない

転職したいと思っているのに、逃げや甘えだと思ってしまって行動に移すことができない人のために、「うつ病」と「自殺」のデータを集めました。

仕事のストレスで追い詰められる人は、想像以上に多いです。

うつ病などで悩む人は日本に80万人以上いる

厚生労働省が公表している、「平成26年の患者調査」によると、「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」に悩んで病院にきた人の数は、一年間に「834,000人」となっています。

恐ろしいことに、約83万人という数字は、あくまでも「実際に病院にきた人の数」です。うつ病になっているものの病院にきていない人、うつ病の兆候があるけれど気づいていない人を含めれば、もっと多くの人がうつ病に苦しめられていることになります。

うつ病などが原因で自殺する人は1万人を越えている

警察庁が調査している「平成28年の自殺者数」によれば、年間の自殺者数「21,897人」のうち、「11,014人」がうつ病を含む「健康問題」を理由に自殺したとされています。

デリケートな問題なので、簡単に「これが原因だ」とは断言できないのですが、自殺者のおよそ半数が健康に悩んでいるというのは見過ごすことができない情報です。

うつ病の症状には、突発的に自殺したくなるというものもあります。もし、仕事をがんばりすぎてうつ病などになってしまうと、仕事どころか生活や自らの命までも危険にさらす可能性があるのです。

常に逃げ道を確保しておくのは大切

最終的に転職しなくても、転職できるように準備をしておくと、心に余裕ができます。

逃げ道があるだけで気持ちはずっと楽になる!

転職するにしろ、しないにしろ、「選択肢」をもっていることは重要です。ほかの会社に転職するあてが一切なければ、無理をして仕事をつづけるか、仕事を辞めて無職になるしかありません。

多くの場合、無職になると生活ができないため、「いやいや働いているのに、仕事を辞めることすらできない」という状態に追いこまれてしまいます。そこで、逃げ道としての転職準備が役立つのです。

「いざとなったら、ほかの会社にいつでも転職できる」という選択肢をもつだけで、心に余裕ができ、ストレスが緩和されます。

業務に必須の資格をもっていればいつでも転職できる

転職の準備として、資格の取得はおすすめの方法です。とくに、医療事務や不動産関係など、資格がなければ働くことができない仕事の場合、資格をもっていると一気に転職しやすくなります。

資格を必要とする仕事の場合、経験や技術さえあれば、日本全国どこに行っても働くことができるのです。いまいる会社にこだわる必要がなくなります。

困ったときに働き口のあっせんをお願いできるような人脈をつくろう

転職において、もっとも確実に採用される方法は「紹介」です。人脈を通じて転職先を紹介してもらった場合、ほぼ間違いなく採用してもらうことができます。

人脈を転職に活用するためには、働いている間に多くの人と知り合い、仲良くなることが大切です。自社の上司や取引先とは、積極的に仲良くしておきましょう。社外で行われているセミナーや交流会に参加するのもおすすめです。

日頃から転職情報に触れておくことでミスマッチを防ぐ

すきま時間を使って、求人情報に触れておきましょう。転職活動において、もっとも時間をかけた方が良いのが、「どの求人に応募するかを考える選別作業」です。

自社の給料が業界平均より高いのか、それとも低いのか、同業他社と比べてどれくらいの位置にいるのか、転職できそうな業界や会社の求人がいくつ出ているのかといったことを知っているのと知らないのでは、転職活動のスタートダッシュに大きな違いが出てきます。

退職したあとや転職を急いでいる状態で求人を探すと、待遇の落ちる企業やブラック企業を選ぶ可能性が高くなってしまうのです。

求人情報に触れる機会が多いと、好みの求人を見つける力が高くなります。ミスマッチのない、良さそうな求人をピックアップしておけば、いざというときすぐに応募することも可能です。

転職して失敗しない方法は?

「転職なんて逃げだ、甘えだ」と自分で思ったり、誰かに批判されたりしても、自分に合った会社に転職することができれば、後ろめたい気持ちは消えてなくなります。

転職することをポジティブにとらえる

転職することを、逃げや甘えではなく、新しい仕事やキャリアのための挑戦だと考えましょう。

採用の面接や選考を行う企業の担当者は、応募してくるまでどういった考えで、どういったことに悩み、どういった生活をしていたかまったく知りません。書類と面接での印象、2点で採用を決めることになります。転職に対してネガティブな表情や意見、気持ちを見せると、印象が悪くなってしまうのです。

転職に関する悩みや問題は、すべてポジティブにいいかえてしまいましょう。ポジティブな言葉を使うと、表情や考え方も明るくなります。

就職に失敗した原因を突き止めてつぎに活かす

どうして自分が転職を決意したのか、時間を取ってよく考えてみるのもおすすめです。まえの会社に入社するにあたって、当時の自分がどういうふうに求人を探し、内容を理解したのかが重要な手がかりとなります。

当時、自分に合った求人を見つけることができなかったからこそ転職するのです。求人選びに失敗した理由を突き止め、次の転職先を探すときに気をつければ、同じ失敗を繰り返すことはありません。

ハローワークに相談する

ハローワークは、すべてのサービスを無料で利用することができます。タダで利用できるものを使わない手はありません。ハローワークで転職を考えていることを相談し、どういう求人があるのか、転職活動においてどのような準備が必要なのかを確認しましょう。

履歴書の書き方や面接対策を学ぶこともできるほか、職業訓練の紹介を受けることもできます。

ハローワークには無料で求人を出すことができるため、大量の求人が集まっているのもポイントです。ブラック企業や自分に合わない求人をさけるコツを身につけるには、できるだけ多くの求人を見るという経験を積む必要があります。

転職サイト・転職エージェントを上手に利用する

転職活動をするなら、ハローワーク以外にも転職サイトと転職エージェントを利用するのがおすすめです。どちらのサービスもインターネット上で利用できるため、働きながら転職の準備をすることができます。

転職サイトなら、24時間いつでも求人を確認することができるため、仕事でハローワークに行く時間が取れない人も気軽に利用可能です。転職エージェントでは、求人を探すだけでなく、専任の担当者からアドバイスを受けることもできます。面接のテクニックや心構え、転職事情なども教えてもらうことができるため、うまく使いこなせば効率よく転職することができるのです。

転職サイト・転職エージェントを併用するのもアリ

転職サイトや転職エージェントは、サービスごとに扱っている求人が違います。多くのサービスを併用し、希望の会社が見つかる可能性を高めましょう。

まとめ

転職することを、逃げや甘えだとネガティブにとらえる必要はありません。うつ病になる人や自殺者の多い日本において、合わない職場から転職することは、自分を守る手段のひとつなのです。

転職という逃げ道をもつだけで、仕事のストレスは楽になります。資格や人脈を活用し、普段から転職サイトや転職エージェント、ハローワークの求人を見ていれば、転職の失敗も予防可能です。転職サポートを上手に利用して、いまの自分に合った会社を見つけましょう。