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お世話になった会社を辞めて転職!円満退職するための方法は?

 

転職を行うには、必ず「前の職場の退職」がついて回ります。新しい職場で気持ちよく新生活を送ろうというのですから、前の職場にわだかまりを残したまま退職するのはもったいないことです。転職のために会社を辞めるにあたり、「円満退職」を成功させるためのポイントをご紹介しましょう。

目次

円満退職とは?

円満退職とは、退職する人とそれまでの勤務先が双方合意の上で退職を行うことです。たとえば、職務上のトラブルや失態が原因で「社員が望んでもいないのに会社を辞めさせられる」のは円満退職とはいえません。逆に、「会社としては勤め続けてほしいのに、社員が一方的に退職してしまう」のも円満退職ではありません。

退職を希望する人が己の意思を伝え、勤務先の人々も「そういう理由なら気持ちよく送り出してあげよう」と考える…。円満退職とは、そうした関係者の間に何のわだかまりもない、気持ちのいい退職のことを指すのです。

退職意思の伝え方は?

退職するにあたっては、まず勤務先にその意志を伝えなければいけません。円満退職が成功するかどうかは、この退職意志の伝え方にかかっているといってもいいでしょう。具体的にどんなことに気をつけたらいいのかご説明します。

退職理由はなんて伝えるべき?

まずは、「退職理由」の伝え方です。退職を考える一般的な理由としては、「条件がもっといい会社に就きたい」、「ほかにやりたいことができた」、「現在の労働環境が厳しすぎる」といったものが考えられます。おそらく、多くの人の退職理由もこれらのうちのいずれかに当てはまるでしょう。

しかし、労働環境や給料といった条件面を退職理由として伝えると、相手に交渉の余地を与えてしまうことになります。つまり、「待遇を改善するから、辞めないでくれ」と言われる可能性があるのです。ですから、退職理由としては会社側ではどうにもならない個人的な都合、将来の夢や今後のキャリアプランといったものを伝えるほうがいいでしょう。

タイミングはいつがいい?

退職にあたっては、仕事の引き継ぎ等にある程度の時間がかかります。よって、実際に退職したい日よりもある程度前のタイミングで退職の意志を伝えなければいけません。できれば、退職したい日の3ヶ月前には退職の意志を会社側に伝えておきたいところです。どんなに遅くとも、退職の1ヶ月前までには会社側に意思を伝えておくようにしましょう。

場所はどこがいい?

退職は個人のプライベートにもかかわるデリケートな問題です。よって、大勢の前で「退職したいのですが」などといきなり言い出すのはNGです。まずは、「ちょっとご相談したいことがあります」などといって、伝える相手と二人きりになれる場所へ移動しましょう。会議室など、どのオフィスにもある個室を利用するのが便利です。

メールでアポイントを取るのは失礼?

退職の意志を面と向かって伝えるのは勇気がいる行為です。そのため、「できればメールでアポイントメントを取りたい」と考える方もいるかもしれません。基本的には重要な問題なので、直接顔を合わせてアポイントメントをとる方が適切ですが、メールで連絡するのも決して失礼な行為ではありません。

このときも、直接会って伝えるときと同様、まずは退職のことは匂わせず「折り入ってお伝えしたいことがある」などというふうに「改まった場で個人的に話したいことがある」という意向を伝えるようにしましょう。

誰にどういう順番で伝えたらいいのか?

これまで、退職の意志を「会社に伝える」という表現をしてきましたが、実際には上司など「勤め先の誰か」に伝えることになります。正しい順序としては、まず自身の「直属の上司」に伝えるのが適切です。その後、部門長などほかの人にどのように伝えるべきか、直属の上司の指示に従って行動してください。

退職の意思を伝えて強い引き留めにあったらどうしたらいい?

退職の意志を伝える際、会社側から引き留めにあう場合があります。引き留めにあったまま退職を強行したのでは、円満退職とはいえません。会社側からの強い引き留めにはどのように対処すればいいのでしょうか?

退職の意志はすでに決まっていることを示す

会社側が引き留めを行ってくるのは、「会社の戦力を減らしたくない」という想いがあるからです。しかしそれに加えて、「引き留めれば、諦めてくれるのではないか?」と考えているからでもあります。

あなたの方は明確に退職の意向を伝えたつもりでも、相手は「仕事を辞めようか悩んでいて相談を受けた」と解釈しているかもしれません。こうした勘違いが生じないよう「こういう理由で退職したいので、今後の指示をお願いします」というふうに、余計な解釈の余地が加わらないような伝え方をする必要があります。

条件交渉には応じない

会社側は引き留めに際して、給料などの労働条件を見直すから残ってくれるように伝えてくるかもしれません。退職を実現したいなら、こうした条件交渉には一切応じないようにしましょう。相手が自分を引き留めるために四苦八苦している姿を見ると同情してしまうかもしれませんが、初志を貫徹するためにも余計な同情心はおこさないようにしましょう。

退職日はどのように決めたらいい?

退職日を決める上で重要なポイントは2つ。「繁忙期」を避けることとボーダーラインを決めることです。

企業によっては、1年のうち特別に仕事が忙しくなる「繁忙期」が存在するところもあります。ただでさえ忙しい時期に退職が重なってしまうと、会社に迷惑がかかってしまうので、繁忙期は避け、できるだけ仕事の量が少ない時期に退職日を設定しましょう。

実際の退職日は1日だけですが、候補日は「○月×日~△日まで」というふうにある程度のきかんを示すべきです。その方が、退職者・会社双方ともに都合のいい日を候補の中から選ぶことができます。この方法を使う場合、「どんなに遅くとも、この日までには退職する」というボーダーラインを決めておくと、退職後の生活への移行がスムーズに進みます。

有給休暇取得の意思を伝えて拒否されたらどうしたらいい?

有給休暇取得は労働者の権利なので、退職日までの間に残っている有給休暇は取得・消化することができます。しかし、「もう辞めるのだから」と会社から取得を拒否されてしまうこともあるかもしれません。そのような場合はどうすればいいのでしょうか?

事前に引き継ぎをしっかりする

会社が有給休暇取得を拒否する理由のひとつとして、「退職前に休まれると、仕事の引き継ぎに支障をきたすのではないか?」と懸念している可能性があります。そうした心配を解消するためにも、有給休暇を取得する前に仕事の引き継ぎは抜かりなく終わらせておきましょう。

有給休暇の日数を確認する

有給休暇をまとめて取得するのであれば、事前に日数を確認しておいてください。退職までの間に、「いつからいつまでの期間に取得すれば消化できるか」を計画して申請する必要があります。

有給休暇の「買取」を利用する

有給休暇は、社員に十分な休息を与えるのが目的の仕組みなので、原則として「利用するかしないか」しか選択肢はありません。

しかし、例外として「退職時、残った有給休暇を勤務先が買取る」ことも可能なのです。もし、「引き継ぎを終わらせるために有給は取れないが、十分な日数が残っている」という場合はこの「有給休暇の買取」を会社側に申し出ることも考えましょう。ただし、買取を実施するかどうかは会社側の判断に委ねられることになります。

拒否された場合の対処法

有給休暇を取得するには、会社側に正式な取得申請を出さなければいけません。正式な申請を出しさえすれば、有給取得は労働者の権利ですので、会社側は拒否することはできません。もしそれでも拒否してくるようなら、最終手段としてお近くの労働基準監督署に相談してみてください。

退職日までの期間を長めに取っておく

円満退職という目標からすると、労働基準監督署への訴えという最終手段はできるだけ取りたくないものです。ですから、有給休暇取得を拒否されないための予防策として、できるだけ退職日までの期間は長めに取っておきましょう。「退職の意向を伝えるタイミング」の説明でお伝えしたとおり、退職日までに3ヶ月程度の期間があれば、有給休暇も問題なく消化できるはずです。

会社でお世話になった人へのお礼メールを送るタイミングは?

退職前に、今まで仕事でお世話になった人にお礼のメールを送りましょう。こうした細かい気配りが円満退職につながります。

送る相手が社外の人か、社内の人化によって送るタイミングが異なります。社外の人に対しては退職日の2~3週間前、社内の人には最終出社日に送るようにしましょう。

最終出社日にすることは?

「最終出社日」とは、退職する会社に最後に出社する日のことです。「立つ鳥跡を濁さず」のたとえどおり、必要なことを行って円満退職を実現させてください。

お世話になった人への挨拶

お礼のメールだけでなく、直接会える人にはあって挨拶を済ませておきましょう。時間帯は勤務時間終了の少し前ごろ。会える人には全員に会っておいたほうが心残りはなくなります。

返却物の引き渡し

健康保険証、社員証、通勤定期券や制服など、会社に返却すべきものを返却します。社用パソコンやタブレットなども「会社のもの」なので返却しなければいけません。

特に親しかった同僚との懇親

同期入社や、同じ職場の人など特別親しかった人とは最後にランチを一緒にとるなど懇親を深めておくべきです。職場での最後の交流は、送別会などとはまた違った感慨があります。

デスクの片付け

オフィスであなたが使っていた席は、また別の人が使うことになります。整理整頓をして、私物などが残っていない状態で引き渡せるようにしましょう。

引き継ぎ終了の確認

業務の上では、これがもっとも重要なことかもしれません。自分が請け負っていた仕事がきちんと後任者に引き継がれているか最終的な確認を行います。

まとめ

今回は、「円満退職」をする方法について解説してきました。

円満退職を成功に導く第一歩は、退職の意向を上手に伝えることから始まります。直属の上司と2人きりの場所で伝え、その後の指示を仰ぎましょう。無理な引き留めに合わないために、「退職の意志はすでに定まっていること」、「個人的な都合による退職であること」を明確に伝えてください。退職日は繁忙期を避け、3ヶ月程度先にボーダーラインを設定しておきます。そうすれば残っている有給休暇を取得するのに十分な期間が得られるでしょう。

円満退職を目指すのなら、余計なしこりやわだかまりが残らないよう、お世話になった方々にお礼をいうのを忘れないように。直接会えない人や社外の人にはメールを送り、会って人には直接会って挨拶すべきです。そのほか、仕事の引き継ぎや返却物の提出も忘れないようしましょう。

入念な準備とお世話になった人々との綿密なコミュニケーション、この2つが円満退職を実現させる鍵を握っているのです。