確定申告

確定申告をしなかったらどうなるの?罰則・ペナルティについて

確定申告は一定以上の収入がある人の義務です。

もし、確定申告を期限内に行わず放置すれば「無申告者」として様々な金銭的ペナルティを受けることの他、事業において融資を受けようとする場合にも必要書類が出せず銀行融資を受けられないなど、さまざまな不利益をこうむることになります。

では、具体的にどのような事態になるのか、対処方法は何かを考えてみましょう。

確定申告をせずに期日を過ぎてしまった

税金の還付や控除が受けられなくなる

そもそも確定申告をしなくてはならないのはどのような人なのか確認してみましょう。

① 給与収入が2000万円を超える人

サラリーマンはすべて確定申告しなくていいと誤解している人もいるかも知れませんが、年間の給与収入が2,000万円を超えると年末調整はできないので確定申告することによって税の過不足を精算することになります。

② 複数の会社などから給与をもらっている人

メインで働いている会社では上記のように給与収入2,000万円を超えていなければ年末調整ができますが、2つめの会社の給与収入については、所得税が源泉徴収されていても年末調整はできず、確定申告をして精算します。

③ 給与所得がある人で他の所得の合計が20万円を超える人

最近ではサラリーマンが夜や土日を使って副業をすることも増えましたが、このような副業による収入があったり、何らかの年金をもらっている場合はこれについて申告義務が発生します。給与所得以外は年末調整されないので、確定申告による精算の必要があるからです。

ただし、他の所得(給与所得と退職所得以外の所得)の合計が20万円以下の場合は、確定申告の必要はありません。

④ 個人事業者で所得税額を納めなければならない人

個人事業主で事業所得や不動産所得がある人が課税所得(所得の合計-所得控除など)に税率を掛けた税額が税額控除(配当控除)より多くの所得を得ていれば確定申告が必要です。

⑤ 給与から所得税を源泉徴収されていない人

⑥株式や不動産関係などの売却で譲渡所得があった人

⑦ 給与などの源泉徴収について災害減免法の適用を受けている人

災害を受けたために、その年の給与についての所得税の源泉徴収猶予や還付を受けている人は確定申告して精算しなければなりません。

⑧ 退職所得について20%の税率で所得税を源泉徴収され、その税額が本来納めなくてはならない税額より少ない人

確定申告は「義務」であると同時にそれによる恩恵を受けるための「権利」でもあるのです。

つまり、控除できるものは控除して税額を安くする、儲かっていなければ税金の還付を受けられるなど、確定申告することでさまざまな特典がありますが、無申告でいればそのような特典も放棄してしまうことになります。

もし、還付や控除の申告をし忘れていたとしても、過去5年間の分は遡って申告することができます。

しかし、申告しないことにより納税義務を果たしていない場合、そのペナルティは深刻です。具体的にどのようなものがあるか見てみましょう。

確定申告をしなかった際のペナルティ

無申告加算税

申告するべき所得があるのに、所定の確定申告期限(前年の所得に対して翌年3月15日まで)を過ぎても申告しないことが「無申告」という状態です。こうなると「無申告加算税」がかかってきます。

無申告加算税の具体的な金額は、原則として、納付すべき税額に対して「50万円までは15%」「50万円を超える部分は20%」の割合を乗じて計算した金額となります。

もし期限を過ぎていても、税務調査の前に自主的に期限後申告をした場合には無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

ただ、期限を過ぎて申告した場合でも、以下の要件をすべて満たす場合は無申告加算税は課せられません。

  • 1.法定の申告期限から1カ月以内に自主的に申告した場合
  • 2.期限内に申告する意思があったと認められる一定の場合に該当する場合

具体的には次のア、イのいずれにも該当することが必要です。

ア.その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。

イ.その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。

「ア」で言うところの「期限後申告にかかる納付すべき税額」についての納期限は「申告書を提出した日」となります。

つまり、遅れてした申告と納税を同時にしなければ「期限内に申告する意思があった」とは主張できないわけです。

なお、申告期限後の納付にあたっては次の項で説明する「延滞税」も併せて納付しなければなりません。

延滞税

延滞税とは、法定納付期限(支払わなくてはならない税金を納める期限)までに税金を全額納付しない場合に課せられる罰金と考えればよいでしょう。

計算方法としては、納付期限の翌日より納付する日までの日数に対し、本税(本来納めるべきだった税額)に対して一定の割合を掛けます。そのようにして算出された利息分を延滞税として納めるのです。

納付期限までに全額を納めていないとは具体的にはこのような場合になります。

  1. 申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しないとき。
  2. 期限後申告書又は修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額があるとき。
  3. 更正又は決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税額があるとき。

延滞税の税率についてはこのように定められています。

(1) 納期限の翌日から2月を経過する日まで


原則として年「7.3%」ですが、平成26年1月1日以後の期間は、年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合となります。

平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は、年2.8%となっています。

※特例基準割合とは?

「各年の前々年の10月から前年9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の年平均とし、各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に年1%の割合を加算した割合」とされていますので、毎年変動することになります。

(2)納期限の翌日から2月を経過した日以後

原則として年「14.6%」ですが、平成26年1月1日以後の期間は、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合となります。

平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は、年9.1%となっています。

故意に申告書を提出しないと「ほ脱犯」になる

もし、確定した税額を何らかの不正な手段によって免れようとした場合、それは「ほ脱犯」として刑罰の対象になります。

10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、またはこれらの併科とされています。

ちなみに、「ほ脱」とは確定した税額を不正に納付しないこと、「脱税」とは納税義務の確定を免れることと定義されています。

税務署が勝手に税額を決める事態も起こりうる

確定申告せずにいたら税務署が調査に来た。

このような時に売上や経費を確認するための書類を一切保管しておらず、「わからない」という状態になっていたらどうなるのでしょうか。

最悪の場合、税務署側が勝手にその人の売上を推定して税額を決めてしまうこともありえるのです。そうなると実際の売上より多くカウントされてしまうという事態のあるということです。

住宅ローンなどの銀行融資が受けられなくなる

事業をするにあたって、銀行などの融資を受けなければならない業種もあるでしょうが、融資審査の際に決算書類の提出は不可欠です。

そして融資を受けた後も次年度の決算書を出すよう求められることもあります。

つまり、決算書がない状態では事業が立ち行かないことも十分に考えられます。

確定申告をしなかった場合の対処方法

無かったことにはできないが、罰則の軽減はできる

確定申告をしなかった場合、いずれにせよ無傷では済みません。延滞税は避けられませんが、上記で説明したように一定の要件を満たせば無申告加算税だけは免れられる、あるいは軽減されることもあります。

忙しくて申告できなかった、間に合わなかったという場合でも1日でも早く済ませることが鉄則なのです。

確定申告をしていないことを自主申告する

とにかく心象が悪いのは「税務署からチェックが入って初めて申告する」ことです。

逆に申告していなかったことを自主的に告げてすみやかに申告すれば無申告加算税も5%で済みますのでかなりダメージは軽くなります。

自主的にというのは税務署から連絡が入る前に申告することで、連絡があってから税務署員に訪問される前に申告したという場合は5%にはならない可能性が高いと考えておかなければなりません。

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kumi
元証券会社勤務で現在は3人の子供を育てながらライターとして活動中。nanairoでは主に、お金・節約術に関する記事を執筆しています。