確定申告

確定申告に関わるいろいろな控除の種類

所得税は所得に対してかかる税金ですが、所得の額が同じなら税額は同じというわけではありません。

所得税の計算をするときには、条件をみたすことにより、所得や税額から一定の控除額を差し引くことができます。

所得金額から所得控除額を差し引いたものが課税所得金額となり、これをもとに税金を計算しますから、控除を活用することで節税が可能になります。

どんな控除が受けられるかを知っておくことで、確定申告の際に税金を安くすることも可能になります。

このページでは、確定申告に関わるいろいろな控除について説明します。

所得控除

所得控除とは、所得税の負担を調整するために、社会・経済政策的観点から設けられているもので、所得金額から直接差し引くことができる控除です。

所得金額から所得控除額を差し引いたものが課税所得金額です。所得税は課税所得金額をもとに算出されますから、所得控除額が多いほど税金が安くなるしくみになっています。

所得控除には、以下のようなものがあります。

基礎控除

基礎控除はすべての人が一律に控除を受けられるもので、控除金額は38万円となっています。

医療費控除

自分および同一生計者である親族の医療費を支払った場合に受けられる控除です。年間に支払った医療費が10万円以上(年収200万円未満の場合には年収の5%以上)の場合には、医療費控除が受けられます。

医療費控除額は次の計算式で算出され、上限は200万円となっています。

医療費控除額=年間に支払った医療費総額-保険金などで填補される金額-10万円※

(※総所得金額等が200万円未満の場合にはその5%相当額)

社会保険料控除

自分または同一生計者である配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料(健康保険、国民年金、厚生年金、国民健康保険など)を支払った場合に受けられる控除です。

病気やケガの有無に関係なく、支払った全額が控除されます。

地震保険料控除

地震保険の保険料を払ったときに受けられる控除で、5万円を限度として支払った全額が控除されます。

小規模企業共済等掛金控除

個人事業主が退職金代わりに利用できる小規模企業共済の掛金を支払ったときに受けられるもので、掛金の全額が控除されます。

個人型確定拠出年金の掛金や、地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度の掛金を支払ったときにも、小規模企業共済等掛金控除が受けられます。

雑損控除

自分または同一生計者である親族の資産が、災害、盗難、横領によって損害を被った場合に、雑損控除として一定金額の控除が受けられます。

生活に通常必要な資産が損害を受けた場合に限られ、詐欺や強迫の場合には対象になりません。

寄付金控除

国や地方公共団体に対し寄付金を支出した場合や、ふるさと納税による寄付を行った場合に受けられる控除です。

その年に支出した寄付金の合計額と総所得金額の40%の少ない方から2000円を引いた金額が控除額となります。

寡婦(夫)控除

配偶者と離婚または死別した人を対象とした控除です。

控除額は原則27万円ですが、特定の寡婦に該当する場合には35万円の控除が受けられます。

勤労学生控除

所得税法上の勤労学生に該当する場合に受けられる控除で、控除額は27万円となっています。

学校教育法に規定する学校の学生・生徒等で、事業所得、給与所得、退職所得、雑所得の合計所得金額が65万円以下、給与所得以外の所得が10万円以下の場合に適用が受けられます。

配偶者控除

配偶者の合計所得金額が38万円以下(給与収入103万円以下)の場合には、配偶者控除が受けられます。

配偶者控除の金額は、配偶者が70歳未満の場合38万円、配偶者が70歳以上の場合48万円です。

なお、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満(給与収入103万円超141万円未満)の場合には、配偶者控除は受けられませんが、配偶者の所得金額に応じて一定の金額の配偶者特別控除が受けられます。

なお、配偶者特別控除を受けるには、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である必要があります。

扶養控除

所得税法の扶養親族がいる場合には、扶養控除が受けられます。一般の扶養親族(16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満)、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)、老人扶養親族(70歳以上)に分かれ、控除額は一般の扶養親族38万円、特定扶養親族63万円、老人扶養親族48万円(同居老親以外)または58万円(同居老親等)になります。

税額控除

税額控除は、税額自体を減少させる控除です。課税所得金額(所得金額-所得控除額)に税率をかけて算出した所得税額から、税額控除分を直接差し引きします。

税額控除には、以下のようなものがあります。

配当控除

配当控除は、配当所得がある場合に受けられる控除になります。

たとえば、国内株式の配当は、法人税が課税された後の利益を株主に分配していますから、所得税が課税されると二重課税になってしまいます。

これを回避するために、配当控除として一定額を所得税額から差し引きます。

外国税額控除

外国で生じた所得について、日本の所得税に該当するものが既に課税されている場合に、二重課税を回避する目的で設けられている控除です。

適用を受けるためには、海外での所得税課税証明書等が必要になります。

政党等寄付金特別控除

政党や政治資金団体に寄付金を支出した場合に受けられる控除です。

寄付金控除を受ける場合には、二重に受けることはできません。

認定NPO法人等寄付金特別控除

認定NPO法人等の活動のために、寄付金を支出した場合に受けられる控除になります。

寄付金控除を受ける場合は二重には受けられません。

公益社団法人等寄付金特別控除

学校法人、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、更生保護法人等に、一定の寄付金を支出した場合に受けられる控除になります。

寄付金控除の適用を受ける場合は、二重に受けることはできません。

住宅借入金等特別控除

住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、一定の要件をみたすことで受けられる控除で、住宅ローン控除と呼ばれています。

12月31日時点での住宅ローン残高に控除率1.0%をかけたものが控除額となり、控除期間は10年間になります。

サラリーマンの場合には、初年度は確定申告が必要になりますが、2年目以降は年末調整で控除が受けられます。

住宅耐震改修特別控除

1981年5月以前に建てられ現在も居住用とされている家屋に耐震改修をした場合に受けられる控除です。

住宅特定改修特別税額控除

住宅の省エネ工事をした場合や、バリアフリー工事をした場合に受けられる控除になります。住宅ローン控除を受けるときには、両方を重ねて受けることはできません。

認定住宅新築等特別税額控除

認定住宅(認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅)の新築等をして、その家屋を自己の居住用とした場合には、一定の要件をみたすことにより、税額控除が受けられます。

住宅耐震改修特別控除の適用を受ける場合には受けられません。

中小企業者が新しく機械等を購入、取得したときの所得税額に対する特別控除

青色申告者である中小企業者等が、新品の機械・装置などを購入し事業に利用した場合などに受けられる控除です。

雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除

青色申告者で、申告する年度とその前年度に離職者が出ていない状況で、雇用者が5人以上(中小企業者の場合2人以上)、雇用者増加割合10%以上などの条件を満たした場合に受けられる税額控除です。

試験研究費の総額に係る所得税額の特別控除

事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額の一定割合の金額を控除するものです。

エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除

青色申告者が新品のエネルギー環境負荷低減推進設備などを取得して事業に利用した場合に受けられる税額控除です。

雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除

青色申告者が国内雇用者に対して支払う給与等支給額が一定割合以上増加した場合に受けられる控除です。

その他控除

所得税については、上記の控除以外に、次のような控除も受けられますので覚えておきましょう。

青色申告特別控除

青色申告特別控除は、青色申告書による確定申告を行ったときに受けられる特典です。

青色申告特別控除では、所得の計算をする過程で、必要経費のほかに10万円(計算書等を作成しない場合)または65万円(貸借対照表と損益計算書を作成する場合)を控除することができます。

給与所得控除

給与所得を計算するときに給与収入から差し引くことができるもので、給与収入を得るために必要となる経費に相当します。

サラリーマンの場合には必要経費を計算するのが困難なため、給与所得控除額は収入金額に応じて定められています。

ABOUT ME
kumi
元証券会社勤務で現在は3人の子供を育てながらライターとして活動中。nanairoでは主に、お金・節約術に関する記事を執筆しています。