確定申告

結婚をしたら確定申告が必要なの?

結婚したら戸籍の届出や各種の氏名住所変更など煩雑な手続きが待っています。

では、税務の関係では何か必要になるのでしょうか?結婚したことにより確定申告が必要になるのかどうか、さらに様々な注意点について考えてみましょう。

結婚後に「退職」をした場合は確定申告が必要

退職して年末調整を出していない場合、確定申告は必要

結婚と確定申告は直接には関係していません。つまり、結婚するにしてもそのまま

今までの仕事を続けるのであれば確定申告する必要はないのです。

また、いったん今までの会社を退職したとしても他の会社に再就職した場合は新し

い会社に前の会社の源泉徴収票を出して年末調整をしてもらえますので、この場合も自分でする必要はありません。

しかし、ひとつだけ確定申告が必要なケースがあります。

結婚によって退職して専業主婦になる人の場合、自分で税務署に行って手続をしなくてはならないのです。

結婚を機に退職をすれば、確定申告を忘れずに

会社勤めをしている人は年末に会社の総務や経理の方で「年末調整(簡易な確定申告のようなもの)」をしてもらえます。

会社員は、あらかじめ給与から所得税が源泉徴収されている形になっていますが、年末調整によって各種控除などを正確に反映させれば払い過ぎていた所得税が戻ってくる可能性も十分あるわけですから、税額を適正にするためにもこの作業は大切です。

しかし、結婚を機に(他の理由でも同様ですが)年の途中で退職した場合は、少なくともその会社の方での年末調整を受けることはできません。

ですからこの場合は自分で確定申告をすることになりますが、どのようにすればよいかは【仕事を退職したら要チェック!】確定申告が必要なケース」にまとめているので、こちらも参考にしてみましょう。

本人だけでなく結婚相手もチェックするべきポイントがある

配偶者の所得によって受けられる控除

では、税務的な手続をしなくてはならないのは仕事をやめる本人だけなのでしょうか?

決してそうではなく、働き続ける側の人も確認するべき控除や、しておくべき手続があります(サラリーマンは年末調整によって手続きできます)。

具体的には「配偶者控除」「配偶者特別控除」の2つがとても大切です。それらの内容を見てみましょう。

配偶者控除

自分が養っている家族が多い人は、その分だけ出費も多くなります。そこで、そういった人たちの税額を優遇する意味で設けられているのが配偶者控除や扶養控除といったものです。

配偶者控除というのは、一般的には「103万円の壁」などと呼ばれ、年間103万円の所得を超えないように働くという認識が広まっています。

しかし、税務上の正式な決まりでは「合計所得金額38万円以下」なら配偶者控除を受けられる、つまり最大限に税金の優遇が受けられるとされています。ここに、「ただし、給与のみの場合は給与収入が103万円以下であること」という条件が入っているわけです

103万円の給与所得者の場合、基本的に給与所得控除として65万円を差し引くことができます。

ですから、103万円-65万円=38万円となるため、配偶者控除を受けられるという理屈なのです。

つまり夫に扶養される主婦は給与所得者であろうという前提のもとに103万円という数字が独り歩きしているところがあるのですが、あくまで給与所得者に限った数字ということになります。

103万円が給与所得を前提としたものですから、給与所得以外の所得がある人の場合では他にも配偶者控除を受けられる場合があります。

たとえば公的年金の受給者であれば65歳以上の人は最低120万円の控除を受けられることになっていますが、158万円の年金がある人でれば158万円-120万円=38万円となります。

つまり、158万円までの年金なら配偶者控除を受けられることになるのです。

少々誤解されやすい点が、青色専従者給与との関係です。事業の手伝いをして専従者給与をもらっている配偶者は重ねて配偶者控除を受けることはできません。

配偶者特別控除

配偶者の所得が38万円を超える場合であっても、前年の配偶者の所得が38万円超え

76万円未満の場合には「配偶者特別控除」といって段階的に税の優遇を受けることができます。つまり給与所得控除として65万円差し引く前の金額で「103万円を超えて141万円未満」という状態なら控除を受けられるということなのです。

配偶者特別控除を受けるためには、配偶者の所得以外にも次のような要件があります。

  1. 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1000万円以下であること
  2. 民法の規定による配偶者であること(つまり内縁関係だと認められない)
  3. 配偶者が控除を受ける人と生計を一つにしていること
  4. 配偶者がその年の青色専従者として給与支払いを受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと
  5. 配偶者が他の人の扶養親族となっていないこと

配偶者の分もまとめて受けられる控除

医療費控除

医療費控除は、確定申告の前年にかかった医療費が一定の金額以上の場合に税金の優遇を受けられる制度で、生計を一つにする配偶者や子供の分まで合算して適用することができます。

簡単に言えば、実際に負担した医療費が10万円を超えている場合(所得が200万円未満の人は所得の5%を越えた場合)に、その超えた金額に所得税率を掛けた金額が還付されるという制度です。

ここで気をつけたいのは、「実際に負担した医療費」を計算するということです。

つまり、保険金で補てんされた場合にはそれを差し引いて考えなくてはならないということです。具体的には以下のようなケースが考えられるでしょう。

  1. 出産等の際に健康保険から支給される「出産育児一時金」
  2. 一定以上の医療費がかかった時に健康保険から支給される「高額療養費」
  3. 損害賠償金などとして支払われたもの
  4. 医療保険、入院給付金などとして支払われたもの

また、「医療に関連するもの」ならすべてが医療費控除の対象となる医療費なのではなく、一応の線引きがされていますので、どこまでの範囲なら認められるかを知っておきたいものです。

医療費控除の対象となるもの

  1. 医師に支払った治療費(歯科医院の治療や歯列矯正も含む)や医薬品代
  2. 医師の判断で作成した診断書
  3. 治療目的でのマッサージや鍼灸
  4. 医師の指示による差額ベッド代
  5. 治療に必要な義足、松葉づえの購入費用
  6. 特定健康検査や保健指導
  7. 入院時の食事代
  8. 入院や通院に必要な交通費
  9. 公共交通機関での通院等が困難な場合のタクシー代
  10.  出産の際の定期健診や出産費用(ただし上記のように一時金が出た部分を除く)
  11.  助産師の介助料
  12. 流産の場合の手術費用等

医療費控除の対象とならないもの

  1. 美容整形など、治療目的でないもの
  2. 医師への謝礼
  3. 予防接種の費用
  4. 自己の判断でかかった差額ベッド代
  5. 保険会社などに提出する診断書代
  6. 定期的に行う人間ドッグ費用
  7. 入院時のパジャマなどの実費
  8. 通院の際に利用した車のガソリン、駐車場代
  9. 出産の際に里帰りする費用
  10. 美容のための歯列矯正費用
  11. 歯石除去の費用
  12. (栄養ドリンクのように)健康増進のために購入した医薬品

要するに、「医師の指示で行った」「治療のために不可欠である」といった点が判断の分かれ目になるでしょう。

もし、判断に困るものがあれば税務署にあらかじめ問い合わせておくようにしましょう。

医療費控除は年末調整で行うことができないため自分で確定申告しなくてはならないのですが、その際には上記の「超えた金額」を証明する必要があるのです。

ですから、自分や家族が病院にかかった際の領収書やそれぞれの病院でかかった費用が記載されている「医療費の明細書」をしっかり保管し、整理しておくことが大切です。

名前が変わることで手続きをする時に気をつけておくこと

手続きは新姓で行うこと

結婚によって姓が変わる側の配偶者は、銀行やカード会社、不動産名義、免許証など、様々なものの変更手続きを行わなくてはなりません。

そして確定申告の際にも、当然戸籍上の新しい姓で行わなくてはならないのです。

そして、前年の源泉徴収票発行の時点では旧姓だった場合には確定申告をしている人との同一性がわからないため住民票の提出が必要となるケースもあります。

もし、確定申告によって何らかの還付金が発生した場合には申告した人の口座に振り込まなくてはなりませんから、受取口座の名義変更手続を済ませているか、新姓で新しい口座を作るというどちらかになります。

ただ、還付金の受取方法というのは口座への振込を受けるか、郵便局の窓口に行って受け取るか、どちらかを選ぶことができるようになっていますので、どうしても口座の氏名変更手続きが間に合わない場合は後者を選択するとよいでしょう。

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kumi
元証券会社勤務で現在は3人の子供を育てながらライターとして活動中。nanairoでは主に、お金・節約術に関する記事を執筆しています。