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駐車場経営のメリットとデメリットは?リスクについても解説!

 

比較的手軽に始められる土地活用で、副業としても人気があるのが駐車場経営です。

しかし、いくら手軽といってもリスクやデメリットもあるはず…。

こんな風に「興味はあるけどちょっと不安」という方は、意外と多くいらっしゃるかもしれません。

ここでは、駐車場経営のメリットとデメリット、どんなひとに向いているかなど、始める前に知っておきたいポイントをご紹介いたします。

この機会にぜひ、理解を深めていただければと思います。

 

目次

駐車場経営のメリット

運用できる土地が豊富

一般的に土地活用で人気があるのは賃貸住宅経営ですが、それに向かない土地でも需要次第で、駐車場として活かすことができます。

例えば以下のような土地が該当します。

  • 狭すぎる土地
  • いびつな形の土地
  • 日当たりの悪い土地
  • すでに建物が建っているが空きスペースがある土地
  • 市街化調整区域内のため建物を建てることが規制されている土地

など

このような土地であっても、接道できてクルマを数台停められるスペースさえあれば、可能性は十分あります。

別の土地活用への用途変更や売却が簡単

駐車場は建物を建てることなしに運用できるという特徴があります。

そのためアパート・マンション経営に比べると、金融機関からの借入れが少なくて済みます。

土地を担保にして融資を受けていたとしても、借金さえ返してしまえれば、土地の転用も容易におこなうことができます。

平面駐車場であれば、設備を撤去するための費用や時間をかけずに、売却することも可能です。

また、建物を貸していないということで、借地借家法の借家人保護の影響を受けることもありません。

賃貸住宅では、借家人保護の影響で、土地を転用したくても借家人が容易には退去してくれない可能性があります。

しかし、駐車場経営では、契約書に規定を明記しておけば、1~3ヶ月前に事前通知することで退去してもらうことができます。

少ない初期費用からでも始められる

建物を建てる必要がありませんから、初期費用は格段に少なくて済みます。

立体駐車場にしたり、整地してアスファルトを敷く、ロック式コインパーキングにするという場合ですと、いくらかの資金は必要ですが、更地に砂利を敷いてロープで区割りしているだけの駐車場であれば、費用はほどんどかかりません。

事実、駐車場経営は融資を受けると、返済と税金で利益が消えてしまうからと、手持ちの資金で始めるひとが多いのです。

もしも、思っていたより利用者が集まらず、収益が出せなかったとしても、借金がないのであればダメージは少なくて済みますね。

また、業者に土地を貸して賃料を受け取るだけで、駐車場経営に関することは全て業者に任せてしまうという方法もあります。

この方法を選択すれば、オーナーの費用負担は全くありません。

管理の手間が少ない

駐車場の管理で主に求められることは、集金、敷地内の清掃、不正利用や事故対応になります。

規模の小さい駐車場であれば、オーナー自らおこなうことも可能なレベルです。

駐車場の規模や方式によっては、管理会社に委託する方法もありますが、それでもアパート・マンション経営の管理に比べれば、手間も費用も少なくて済みます。

駐車場経営のデメリット

節税対策の効果が薄い

土地活用の目的に節税対策を挙げるひとも少なくありません。

黙って持っているだけでも、土地には税金が掛かってきてしまうからです。

しかし、残念ながら、駐車場経営では、節税対策の効果はあまり期待できません。

賃貸住宅のように「住宅用地の課税標準の特例措置」を適用できないため、固定資産税や都市計画税を節税することができないのです。

駐車場は更地と同等の扱いになりますから、注意してください。

ただし、相続税については小規模宅地等の特例の適用を受けられる場合があります。

不動産の貸付や駐車場業を営んでいる場合は、評価額の50%が減額されます(上限200㎡)。

高収益を狙うことは難しい

初期費用や運営にかかる費用が少ない分、収益も多くはありません。

立地条件や駐車スペースを何台分確保できるかにもよりますが、賃貸住宅や賃貸オフィスのように、高利回りを狙える活用方法に比べればリターンは少ないです。

車所有者の減少の影響が考えられる

将来的な問題として、車の保有台数の減少が懸念されます。

若者の車離れ現象が指摘されだしてから、すでに数年が経過していますが、

2015年06月に野村総合研究所が公表した調査結果によると、全国の乗用車保有台数(軽自動車を除く)は、2030年には2014年3月末時点に比べ、9%減少し約3,600万台になるとされています。

これは同じ期間における全国世帯数の減少率(2.8%)の約3倍で、高齢化による運転者の減少と都市部への人口集中が原因だそうです。

この先、調査結果のとおり保有台数が減少していけば、賃料の値下げ競争の激化や、どうしても駐車場が埋まらないという事態が発生する可能性があります。

駐車場経営のリスク

事故やトラブルのリスク

駐車場経営をするにあたっては、事故やトラブルのリスクは避けて通れません。

駐車場内で事故も起きるでしょうし、契約者や利用者同士のトラブルもあるかもしれません。

また最近は、車上荒らしも増えてきています。

そのあたりのリスクは覚悟しておきましょう。

災害のリスク

駐車場経営には、災害のリスクもあります。

駐車場は、舗装をしているだけの土地ですので、地震によって液状化が起こったり、集中豪雨で陥没する可能性もあります。

保険に入ったり、何かしらの対策をしておく方がよいでしょう。

滞納のリスク

賃貸経営でつきまとうのが、賃料の滞納リスクです。

保証人をつけてもらうか、保証会社と契約してもらう等してリスクヘッジをするのが大切です。

駐車場経営に向いているタイプの人

初期費用をかけずに土地活用を始めたい

メリットでもご説明しましたように、駐車場経営は少ない初期費用からでも始められる土地活用です。

遊んでいる土地があるので、そんなにお金をかけないで、とりあえず始めてみたいという場合に向いています。

低リスクで短期間の運用をしてみたい

駐車場経営は、将来別の目的で土地を利用する予定があるけれど、それまでの間、有効活用したいという場合にも向いています。

例えば、子供が結婚したら家を建てるつもりにしている場合や、相続税のためにいずれは売却して現金化したいという場合などですね。

駐車場は計画から最短2週間程度で開始できるケースもあるほど、準備期間が短くて済みます。

また、運用コストもあまりかかからない上に、転用も容易ですから、リスクを抑えた短期の運用に適しています。

住宅地やオフィス街に土地を持っている

月極駐車場かコインパーキングかで変わってはきますが、おおむね駐車場に向いているのは以下のような場所にある土地です。

  • 繁華街や大型商業施設の周辺
  • オフィス街
  • アパートやマンションなどの集合住宅が多い地域
  • ある程度交通量の多い道路に接している
  • 接道との間口が広くて車が出入りしやすい

このような条件の場所に、土地を所有しているのであれば、駐車場経営を検討してみるのもよいでしょう

経営に手間をかけたくない

例えば、平面の月極駐車場であれば、経営にほとんど手間をかける必要はありません。

しかしコインパーキングになりますと、集金・保守・修理の必要がありますから、サラリーマン大家さんのように、別に職業を持っている場合は両立は難しいかもしれません。

その場合は、業者に管理を委託したり、土地を貸して賃料を受け取るという方法があります。

月極駐車場かコインパーキングにするかを検討する

皆さんご存知のように、駐車場には2種類あります。

「月極駐車場」と「コインパーキング」ですね。

「月極駐車場」とは、月額を定めて契約する駐車場のことで、賃貸借契約書を交わして締結するものです。

常時駐車が可能であれば、車庫証明における保管場所として登録することが可能です。

「コインパーキング」とは、不特定多数のひとが駐車スペースを利用できる駐車場です。

時間単位で料金が定められており、利用者は利用した時間分の料金を、出庫する際に支払う仕組みになっています。

出入り口にゲートがあり、発券機と精算機が設置されている「ゲート式コインパーキング」と、各駐車スペースにフラップ板が設置されていて車両をロックし、精算機で駐車料金を支払うことでロックが解除される「ロック式コインパーキング」があります。

「駐車場経営に向いているタイプの人」のところで少し触れましたが、月極駐車場とコインパーキングでは適している立地が異なります。

一般的に、月極駐車場は、アパートやマンションなどの集合住宅が多い住宅地に、コインパーキングは繁華街や大型商業施設の周辺に需要が多いです。

まずは所有している土地がどちらに向いているのか、リサーチしてみましょう。

周辺を実際に歩いてみるのもよいですが、インターネットで駐車場情報を検索してみるのもよいでしょう。

周辺1キロ程に、月極駐車場やコインパーキングがどの程度あるかを確認します。

同時に駐車場の形態(平面、立体、自走、機械など)や稼動状況、賃料についても調べてみます。

どのような土地活用でも、その土地でその活用方法を実行したら、どの程度収益を得ることができるか、予測を立て経営計画を練ることが大切です。

個人でおこなうのが難しい場合は、駐車場運営会社に相談してみるのもよいでしょう。

インターネットには駐車場経営の一括見積サービスもあります。

相談する際は、いきなり一社に絞るようなことはせず、必ず複数社に相談するようにしてください。

駐車スペースのレイアウト、機械をレンタルする場合はレンタル料、賃料設定などは各社によって異なります。

複数の意見を聞いて、十分に吟味しましょう。

運用会社を入れる場合、運用会社を選定する

駐車場経営の形態には、管理運営をオーナー自らおこなう方法のほかに、運営会社に委託する方法があります。

委託の方法にはいくつか種類があります。

一括借上(サブリース)方式

オーナーが整備した駐車場を駐車場運営会社に丸ごと貸す方法です。

オーナーは毎月一定の賃料を運営会社から受け取ります。

土地賃貸方式

土地を駐車場運営会社に貸す方法です。

駐車場の整備から運営まで、全て運営会社がおこないます。

オーナーは毎月一定の賃料を運営会社から受け取ります。

管理委託方式

オーナーが整備した駐車場の集金・管理・運営を駐車場運営会社に委託する方法です。

運営会社への管理費の支払いは発生しますが、駐車場の売上げは全てオーナーのものになります。

部分的管理委託方式

基本的に運営管理はオーナーがおこないますが、緊急時の対応や機械のメンテナンスなど一部の業務を駐車場運営会社に委託する方法です。

運営会社へ委託した部分の契約料は発生しますが、駐車場の売上げは全てオーナーのものになります。

駐車場運営会社によって採用している方式やサービスの内容も異なりますから、複数社をよく比較して、自分たちの目的にあった会社を選びます。

500㎡を超える広さの場合、自治体への届出をする

駐車場を経営するために必要な免許や資格、地目変更手続きはありません。

ただし、500㎡を超える広さの駐車場の場合は、駐車場法に基づいて、工事着手前までに図面を添付して自治体へ届出をおこなう必要があります。

造られる駐車場の出入口、車路、換気、照明、警報装置などが、法令に準じて設置されていなければなりません。

まとめ

本文中でも触れましたが、車の保有台数の減少は駐車場経営にとっては深刻な問題です。

不景気になれば車を手放すひとが増えます。

リーマンショック以降は、駐車場の賃料競争が激しくなり、数年前の半値程になったところもあるようです。

しかし、政府の政策如何によっては、例えば減税などの政策の影響で、保有台数が増える可能性がないとも限りません。

駐車場経営者としては、これから先の自動車市場の動向はもちろん、景気や政策にも十分注視していく必要があります。