土地活用を始める前に!利益が出ないリスクに備えて利回りを考えよう

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土地活用を成功させるためには、きちんと利益を生み出せる、実現性のある事業計画を立てることが不可欠です。

そのためには、基本となる考え方をしっかりおさえておかなければなりませんね。

ここでは、土地活用で必要な利回りの考え方や、事業にリスクを及ぼす要因について解説したいと思います。

土地活用の目的を再確認する

土地活用の方法や事業計画を具体的に決める前に、土地活用の目的を再確認しておきましょう。

土地活用についていろいろ調べたり、話を聞いたりしているうちに、「お金儲けの手段」というイメージだけが先行してしまいがちです。

そのために、無理な資金計画を立てるなど、とる必要のないリスクをとってしまう危険性があります。

そもそも自分は何のために土地活用をおこなおうと思ったのかを見直すことで、それを達成するためにはどれぐらいの利益を得たいのか、もしくは得る必要があるのか、どのような方法が好ましいのかを考えることができます。

税金対策を行うこと

固定資産税や都市計画税は更地の場合と住宅用地の場合では、課税額が大きく異なります。

例えば、賃貸住宅を建てると、住宅用地の課税標準の特例措置を適用できます。

1戸当たりの敷地面積が200㎡以下の場合、固定資産税の課税標準額が6分の1、都市計画税の課税標準額が3分の1に軽減されます。

この特例措置はあくまでも住宅用地に対して適用されるものですから、土地を別の用途で活用した場合はメリットを享受できません。

しかし、相続税対策であればちょっと事情が違ってきます。

減額幅は少なくなりますが、住宅用地でなくても小規模宅地等の特例の適用を受けられる場合があります。

不動産の貸付や駐車場業を営んでいる場合は、評価額の50%が減額されます(上限200㎡)。

眠っている土地で利益を生み出すこと

土地から収益が生まれる事業をおこない安定収入を得たい、主の目的がこの利益を生み出すことであるなら、不動産投資の意味合いが強くなります。

土地の立地条件や事業計画に大きな収益が見込めれば、たとえ自己資金が少なくてもアパートローンなど事業向けのローンを利用して、多額の融資を受けることができます。

支出を抑えて規模の小さな建物を建てるより、多額の融資を受け収益性の高い建物を建てる方が、はるかに多くの利益を生み出す可能性があります。

あえてリスクをとって、いわゆるレバレッジ効果を狙う方法を選択するのも手です。

土地活用を行う際の利回りを考えよう

投資や事業を行い利益を生み出すために、しっかり理解しておかなければならいことのひとつに「利回り」があります。

「利回り」を把握することで、その投資や事業の優劣を見極めることができるからです。

ここでは、利回りの基本的な考え方と、不動産投資ならではの考え方をご説明したいと思います。

 

「利回り」とは、投資した金額に対する、年間で得た利益(利息含む)の割合のことです。

例えば、100万円を投資して20万円の利益を得た場合、その利回りは20%になります。

利回り = 年間利益 ÷ 投資金額 × 100

利回りの数字が大きいほど利益効率が良くなります。

投資にはいろいろな種類がありますし、投資規模も利益を確定できるまでの期間も全て同じではありません。

投資方法や投資先を選ぶ際に、想定できる利益額だけを伝えられても、どれが一番効率よく儲けられるのかを比較することは難しいですね。

そこで利回りという共通した指標を儲けることで、比較ができるようになります。

 

例えば株式の配当と国債を比較してみましょう。

1株あたりの配当が50円の株式を100万円で500株購入した場合

2.5%(利回り)= 50円(株あたりの配当) ÷ 2000円(1株あたりの購入金額) × 100

額面金額100万円、利率2%の債券を95万円で購入、償還までの5年間保有した場合

15万円(5年後の利益)= 2万円(1年毎の利息)× 5年 + 5万円(償還差益: 額面金額-投資金額)

 

3.15%(利回り)≒ 3万円(年間利益) ÷ 95万円(購入金額) × 100

このケースだと、国債の方が利回りが高いので、効率の良い投資だと判断できます。

 

土地活用を検討する場合も、利回りを考えることは大切です。

さまざまな土地活用方法から、自分たちの目的にあった方法を選択するための、重要なファクターになるからです。

不動産投資では利回りの概念が2種類あります。

表面利回り

「表面利回り」とは、運用に必要な経費や初期費用を考慮にいれず、家賃収入(満室想定)だけをもとに算出される利回りです。

グロス、グロス利回りと呼ぶこともあります。

 

表面利回り = 家賃収入(満室想定) ÷ 物件価格 × 100

 

ここでいう物件価格は、投資金額のことですから、所有地に賃貸住宅を建てたのであれば、その建築費用が該当します。

土地の活用方法によって、必要な費用(投資金額)や収入が変わりますので、それらをまずは横並びにして比較する場合に利用します。

収益不動産の広告に使われる利回りもこの表面利回りです。

実質利回り

「実質利回り」とは、必要経費を考慮に入れて算出する利回りです。

ネット、ネット利回りと呼ぶこともあります。

 

実質利回り = (家賃収入(満室想定)- 必要経費) ÷ 物件価格 × 100

 

必要経費には下記のような、運用経費(ランニングコスト)と初期費用が該当します。

 

[運用経費(ランニングコスト)]

固定資産税、都市計画税、管理代行手数料、管理費、修繕費、空室損失費など

 

[初期費用]

登記費用、印紙代、司法書士報酬など

 

実質利回りは必要経費を考慮することで、表面利回りに比べかなり実態に近い数字になります。

しかし、実質利回りを算出する際に悩ましいのが、ランニングコストをどう見積もるかです。

 

例えば融資を受けて1億円で建てた賃貸マンションの年間家賃収入が1000万円の場合

 

表面利回り:10.0% = 1000万円 ÷ 1億円 × 100

 

年間必要経費を250万円と見積もった場合

 

実質利回り:7.5% = (1000万円 – 250万円) ÷ 1億円 × 100

 

年間必要経費を500万円と見積もった場合

 

実質利回り:5.0% = (1000万円 – 500万円) ÷ 1億円 × 100

 

このように必要経費によって実質利回りが変わってくるのは当然のことなのですが、

空室損失費、管理費、修繕費をどのぐらい組み込むかは、いわばリスク管理に相当するものであり、かなり難しい問題です。

これらは立地条件、間取り、周辺環境、設備などに大きく左右されます。

 

さらにここでの必要経費には、ローンの返済金額が組み込まれていませんね。

つまり実利益として手元にいくら残るのかは、まだ数字としてみえてきていないということです。

経験のない素人がこれらの要素を全て考慮して、実態に近い数字を算出するのは、ハードルが高すぎると言っても過言ではありません。

ここは専門家の知恵を借りて、検討してゆくのがよいでしょう。

いずれにしても、必要経費を少々厳しめに設定しても、採算の取れる利回りが確保できる資金計画を立てるように心がけてください。

事業にリスクを及ぼす要因も理解しておこう

「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」ということが、かつてよく言われていました。

アメリカの動向に日本の経済が大きく影響を受けることを揶揄するたとえですが、2008年のリーマンショックのことを思うと、今後もそのようなことが起こらないとも限らないと思えてきます。

アメリカの動向に限らず、自分のまったくあずかり知らない出来事で、懐事情がガラッと変わってしまうことがあります。

事業者はそういったリスクをある程度想定して、事業計画を立てなくてはなりません。

賃貸住宅や駐車場経営などの土地活用も立派な事業ですから、リスクを及ぼす要因をある程度は理解しておく必要があります。

そのうちのいくつかをご紹介しましょう。

原材料費の高騰

皆さんもご存知のように、日本で建てられる建物の建築資材は、そのほとんどを輸入に頼っています。

国土の3分の2は森林であるにもかかわらず、木材でさえ輸入品の方が安価ですから、需要がそちらに流れ、日本の林業は低迷し続けていますね。

円安になると輸入する原材料や資材の価格が高くなりますので、それがそのまま建築費用に反映されれば、支出が大きくなり利益率は下がります。

同様に人件費の高騰も利益率の低下を招きます。

特に東日本大震災以降は人手不足による人件費の高騰が目立っています。

復興関連工事、国策による公共事業増加、東京オリンピックに向けた建築ラッシュと建築需要が増しているのが原因です。

景気による環境の変化

大企業の事業所や工場が、その地域の産業の中心になっている地方都市はけっこうありますね。

そのような地域では、賃貸住宅の入居者やコンビニエンスストア、スーパーの利用客が、そこに勤めるひとやその家族が中心ということも少なくないでしょう。

景気の悪化やその企業自体の業績低迷などにより、事業所や工場が閉鎖されたり、規模を縮小されると、地域からの人口流出が起こります。

そうなると、いっきに空室が増えたり、買い物客が減って採算がとれなくなる可能性があります。

金利の変動

2016年2月に導入されたマイナス金利の影響で、今は超低金利時代といわれるほど金利が下がっています。

住宅ローンやアパートローンも例外ではなく、固定金利の方が変動金利より低いという、従来と逆の現象が発生しているほどです。

このように経済情勢や日銀の金融政策の影響を受けて、金利は常に変動しています。

変動金利で融資を受けていた場合、今後金利が上がれば、借入額の利息も上昇しますから、返済金額が増えて負担が大きくなります。

税制や法の改正による変化

土地活用が特に注目されるようになった理由のひとつに、2015年に相続税の制度が変わったことがあげられます。

基礎控除の算出方法が変わり、控除額は4割減、課税の対象の最低ラインが6000万円から3600万円に変更になりました。

この改正により、今まで自分には関係ないと思っていたひとにも、俄然身近な問題となって相続税がのしかかってくることになりました。

土地を親からもらっても、相続税として支払う現金が捻出できない場合があるからです。

このように税制改正によって、ライフプランの変更や事業の見直しなどを余儀なくされる可能性があります。

また、法改正で言えば、度重なる地震災害の影響で、さらに建築基準の改正がおこなわれるかもしれません。

基準に合わせた改修をしなければ、入居者が現れないというような事態がおこらないとも限りませんね。

 

また、周辺環境の変化も影響します。

例えば、自分が運営する賃貸住宅の近くに、同じような賃貸住宅が建ったというような周辺環境の変化もリスクになります。

需要がまだまだ見込めるというのであれば問題はありませんが、供給過剰になれば空室リスクは高まります。

空室が増えれば、それを埋めるために家賃の値下げ競争が始まるかもしれません。

ローンの返済は、家賃収入からおこなうよう計画しているはずですから、空室や家賃の値下げは大打撃になりかねません。

隣に建物が建って日当たりが悪くなった、近くに工場ができて騒音がするようになったなども同様に空室リスクを高めます。

まとめ

土地活用を始める前に、事前にさまざまなケースを想定して、利回りやリスクを比較検討することはとても大切です。

その場合は、できるだけ現実に則したものであることが望ましいのはいうまでもありません。

見当違いの方向で比較することがないよう、所有している土地の特徴や都市計画、建築基準法などの法規制についても確認することを忘れないでください。

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