住宅ローン返済額を把握する「シミュレーション」の活用法と注意点は?

住宅ローンの返済プランを立てる時に活躍するのが、「住宅ローンシミュレーション」です。IT社会の現代では、インターネットで気軽に返済シミュレーションができるようになりました。

もっともポピュラーなものは「住宅保証機構株式会社」が運営しているこちらのサイトです。

https://www.hownes.com/loan/sim/

Yahoo!でもGoogleでも、「住宅ローンシミュレーション」で検索すればトップに上がりますし、「住宅ローン」と打っても上位に出てくると思います。それほど多くの人が利用しているシミュレーターなのです。

このサイトでは以下の6つを計算することができます。

  1. 返済額の試算
  2. 借入可能額の試算
  3. ローンの繰り上げ返済
  4. 返済プランの比較
  5. 複数ローンの組合せ
  6. 住宅取得 諸費用の試算

住宅保証機構のローンシミュレーションが多く利用されている理由として、用語解説の閲覧性に優れていること>が挙げられると思います。

特にローン返済は専門的な金融用語が多々見られるので、しっかりと理解していないと大きな計算ミスの元になってしまいます。

実際にシミュレーションしてみよう

それでは、スタンダードな返済額の試算をしてみましょう。最初に入力する項目は「ご希望の借入額は?」です。

こちらは明白だと思います。例えば新築一戸建ての建売分譲住宅を購入するとしましょう。

価格は3,500万円です。頭金として300万円を貯金から捻出しました。残りは今後の生活費などに充てます。すると3,200万円を借入れることになりますね。

次に「(うちボーナス分は?)」という項目があります。借入額の一部をボーナス月に払う場合はこちらに入力します。ここは必須項目ではないので空欄でも可です。

ボーナス月の返済額を多く設定すると通常月より負担が大きくなるので、万が一ボーナスが出なかったり支給額が減った場合、返済が厳しくなるケースもあります。

今回はボーナス併用払いを利用しないと仮定します。

続いて「返済方法は?」。ここで「元利均等」と「元金均等」のどちらかを選択しますが、まず手が止まるのはここでしょう。

元利均等は、金利を計算した上で毎月の支払額が一定となるようにする方法です。そのため返済計画が立てやすくなるというメリットがあります。

一方、元金均等は元金を毎月均等にしていく計算方法です。返済期間が進むにつれて利息分の金額は減少していきます。

元金の減少が早いので、同じ返済期間であれば元利均等よりも総返済額は少なくなりますが、取り扱っている金融会社は限られています。

ということで元利均等を選択します。

「返済期間は?」の項目は、一般的な35年を選んでみます。「金利タイプは?」は、変動金利ですと不明瞭なので固定金利とします。

「当初金利は?(%)」はフラット35ホームページを参考に、2016年9月時点で、取扱金融機関が提供する中でもっとも多い金利の1.460%としましょう。

全期間固定金利と仮定するので「第二金利は?(%)」「第三金利は?(%)」の項目は飛ばします。

次に頭を悩ますのがその下にある「融資手数料は?」という項目です。融資手数料は金融機関によって様々で、大きなバラつきがあります。

融資手数料は「定額型」と「定率型」があります。定額型は融資額の大小に関係なく、決まった金額を一律に適用しており、3万円ほどが相場になります。

定率型は、借入額の何%かを手数料にするもので、安くても0.6%くらいです。

となると、先ほどの例で見ると3,200万円借り入れているので19万2千円の手数料がかかります。

「それなら定額型が断然お得では」と思うかもしれませんが、そうではないのです。定額型は定率型に比べ、金利が高く設定されます。大体の金融機関が広告でうたっている金利何%というのは、融資手数料を定率型にした場合です。

初期費用としては定率型の方が多くなりますが、仮に35年という返済期間を考えた場合、金利が優遇されているプランの方がメリットは大きいです。定額型は極力初期費用を削減したい場合や、返済期間が非常に短いケースであれば恩恵を受けられるでしょう。

ということで、楽天銀行のフラット35を利用した場合の融資手数料を計算します。

ホームページでは借入額×1.404%となっていますから、融資手数料は44万9千280円です。

「保証料は?」のところは、楽天銀行のフラット35を利用する場合、必要ありません。

これら項目を入力して「試算実行」をクリックします。すると、毎月返済分「9万7千353円」という数字が出ました。

この条件だと毎月の支払いで約10万円が必要である、というような算段がつきますね。ちなみに総支払額は約4,133万円となります。

シミュレーションする時の注意点

シミュレーターの正確性については、「ほぼ正確」と解釈して良いと思います。

完全に正確でない理由の一つは「金利」。金利は固定にするにしても融資が受けられる時期によって違います。

ましてや変動金利となるとあくまで推測での計算となるのです。

融資が受けられるかどうか分からないまま、一番安い金利で計算してしまうことも大きな誤差が生じる原因になります。

また、先述の通り融資手数料も金融機関によって様々。特に定額型と定率型は何十万と違うので注意が必要です。

さらに、今回紹介したシミュレーションサイトは入力が必須でない項目があります。

「ボーナス分を入力する項目」、変動金利を選択した場合の「平均金利1」、「平均金利2」。期間選択とした場合の「1回目の見直し」、「2回目の見直し」。そして「融資手数料」と「保証料」です。

これらも必須項目ではないからといって、未入力で試算すると結果は大きく違ってきます。

全体像を掴むために積極的に活用を

住宅ローンシミュレーションを活用することで、雲を掴むような話だったマネープランがより現実味を帯びてきます。

「何を把握しなければならないか」「どんな準備が必要か」も見えてくるので、マイホーム購入を検討する段階から利用して慣れることをおすすめします。

先ほど紹介したサイトは「借入可能額の試算」もできます。うっすらと「住宅ローンを利用してマイホームを購入したい」と思っている人は、まずこちらを算出してみてはいかがでしょうか。

自分の年収や連帯債務者の年収などを入力すると、いくら借入が可能なのかを計算してくれるのです。

そこで出てきた金額をベースに、自身が購入できる物件を探してみるというアプローチも良いかもしれません。

また、「返済プランの比較」も便利なツールです。「損をする」というリスクを回避するには、なるべく多くのケースを考えてシミュレーションすることです。

固定金利と変動金利など複数の返済プランを比較してみて、どれほどの違いが生まれるのかを確認することは大事です。

住宅ローンシミュレーションはしっかりとした数字を入力すれば、かなり正確な数字は算出されることは確かですが、あくまで支払額の全体像を掴むためのものです。

計算している金額が大きいだけに、少しの間違いも後々大きな失敗になってしまうことを念頭に置いていた方が良さそうです。

ともあれ、自分のマイホーム選びやマネープランをサポートしてくれることに違いはありません。積極的に活用して、満足のいく暮らしを手に入れましょう。