マイホーム検討者が悩む「頭金」は多い方が良い?0円でも良い?

マイホーム購入を検討する時直面するのは、「住宅ローンの頭金をいくらにしょうか」という問題です。

何千万円もするマイホームですから、ほとんどの人が住宅ローンを利用します。しかも、その支払い期間は複数年。

ローン支払いは金利や年数によって支払う総額は大きく違います。それが金額の大きいマイホームであればなおさらです。だから、最初に支払う「頭金」は非常に重要です。

頭金は多いとその分負担減

単純に頭金を入れるのと入れないのでは、総返済額に大きく差が出ます。例えば3,980万円の家を購入したとしましょう。

35年ローン、金利0.550%、ボーナス払いなしで計算します。

頭金を400万円にすると借入額は3,580万円。月々の支払いは101,646円、総返済額は3,925万3,748円です。

では頭金0円で考えてみます。借入額は購入額の3,980万円。そうすると月々の支払いは113,002円、総返済額は4,363万9,697円となります。

その差額は438万5,949円です。頭金0だと、頭金400万円に比べると実質約40万円という金額を多く支払うことになります。

毎月の支払額負担も軽減するので、頭金は入れた方がお得に感じますね。

また、頭金が多いとマイホーム購入の選択肢が広がるとも言えます。例えば、世帯収入と生活費などから計算して月々の支払いが7万円だとした場合、頭金0円だと約2,400万円の借り入れが可能でした。

そうすると頭金が500万円だと約3,000万円、頭金が1,000万円だと約3,500万円の物件が購入可能ということなります。

「本当は欲しい家ではなかったけど、この家しか買えなかったから」という妥協は後悔を生みます。

「欲しいけど買えないもの」にはそもそも購入意欲が湧きません。

やはり、「欲しい家を買える」という状況であることが失敗しないマイホーム購入には重要になってきますね。

生活が逼迫するケースも

しかし、頭金を入れることがデメリットになることも考えられます。それは、頭金を用意することで貯金に余裕がなくなるというケース。

夫婦と5歳の子ども一人の3人家族を例に挙げましょう。貯金総額が500万円。ご主人の月収は30万円で、奥さんは専業主婦です。

子どもが小学校に入学する前にと、マイホームを購入します。総返済額を安くしたいからと、400万円を頭金にしました。貯金額は100万円となります。

「100万円もあれば十分だろう」という考えは危険です。マイホームは購入後もお金がかかります。

固定資産税などの税金関係。生命保険、火災保険といった保険料。マンションであれば管理費や修繕積立金もかかります。

さらに、5歳の子どもがいるなら入学金も発生します。

そうなると、奥さんもパートで働かなければならなくなるかもしれませんし、子どもを習い事に通わせる余裕がなくなるかもしれません。

頭金を入れる際は、マイホーム購入後も諸々の費用がかかることを想定して、貯金残額に十分な余裕を持ちましょう。

ちなみに一般的には借入額の1〜2割を頭金として入金するというのが相場です

繰り上げ返済、期間短縮を賢く利用

「この不景気でそんなに貯金はない」、「親の支援も期待できない」という人も多いはず。

そんな人の為に「頭金0円」プランがあることをうたった不動産広告も増えています。

さて、頭金0円でも繰り上げ返済すれば、頭金を多く入れた人とほぼ同等の支払いで済みます。

繰り上げ返済はローンの元金返済分を前倒しで返済するので、その分の利息が軽減されるのです。

マイホーム購入時は余裕がなくても、「5年後に給料が増えた」「貯金に余裕ができた」という人は利用するとお得です。

また、実は頭金が少ない方が多い方よりお得になる場合もあります。繰り上げ返済には月々の返済額を少なくする「返済額軽減型」と返済期間を短くする「期間短縮型」の2つがあります。

後者の「期間短縮型」を利用すると当然、ローンを返済する期間が短くなります。例えば35年ローンだったのを30年に短縮すれば5年分の利息を軽減することになります。

総借入額と年利を考えると、返済期間を短縮することが一番効果的に利息をカットできる、というケースもあるのです。

頭金0円のメリット・デメリット

マイホームはある種、「運命の出会い」でもあります。特に建売や分譲マンションだと、その土地のその区画、その間取りは世界で一つ。

それが気に入っても、先に売れてしまっては2度と手に入れることはできません。

頭金0円でマイホームを購入することは、そのタイミングを逃す可能性が低くなるというメリットがあります。

「頭金500万円を用意してから購入しよう」と考えている中どうしても購入したいというマイホームに出会ったら。

500万円を貯めるのに何年かかるでしょうか。その間にその家が売れてしまって、後悔することにならないでしょうか。

貯金額を減らさずに、のちに繰り上げ返済を使って臨機応変に返済額や期間を減らせば、頭金を用意しなくても賢く、自分が欲しい家を手に入れることができます。

反対にデメリットは、先述の通り、金利や毎月の負担額は大きくなりますね。それだけでなく、頭金0円ということは住宅ローン審査のハードルが上がることにも繋がります。

住宅ローンを借りるのは思っている以上に難しいです。

よく不動産広告で「キャンセル住戸」という言葉を見かけると思いますが、ほとんどの場合、住宅ローンの審査が通らず、泣く泣くキャンセルしたというケースなのです。

そもそも「頭金とは何か」を正しく理解しよう

住宅ローンを借り入れる際、必ず議論される「頭金は多い方が得か、好きない方が得か」問題。

その答えは「ケースバイケース。人による」が一番正しいでしょう。

頭金の大小による特性はどれも一長一短。収入に余裕があり貯金額も十分な人は、総返済額軽減のために多めに入れるのが妥当です。

貯金はあるけれど収入が不安定な人は、頭金は少なくして収入が安定してから繰り上げ返済に切り替えれば効果的。

どうしても欲しい家があって、是が非でも住宅ローン審査を通したい時は一定額の頭金を額入れますし、将来的な収入や貯金額が不透明で、とりあえず生活水準を保ちたければ頭金は少なくして、手元にお金を残しますね。

「お金の運用」も大事な要素。住宅ローンは、金融機関からお金を借りること。つまり借りた分だけ利息がかかります。

その額が多ければ多いほど、借りる期間が長ければ長いほど負担は増します。でも、借りなければマイホームは購入できない。

もう一つは手元にお金を残すという考え。銀行にお金を預ければ運用益を得られますね。

住宅ローンの金利よりも高い金利のところで運用すれば、将来的に手元に残るお金が多くなることも考えられます。

買うために借りるのか、現在の生活に負荷をかけないようにするのか、将来的なことを考えるか。

人それぞれのライフスタイルによって価値観は違うので、自分にあった頭金を設定するべきです。

つまり、頭金を多く入れればお得ではなく、頭金0 円でマイホーム購入がNGな訳でもないのです。

頭金の目的は「マイホーム購入における住宅ローン返済を可能にするための資金」

つまり、欲しい家のローンを問題なく返済できるだけの金額を準備する、という考えが大切なのです。