住宅ローンの親子リレー返済とは?メリット・デメリットを解説

住宅ローンは、基本的には一人で返済するパターンが多いです。ただし、中には連帯債務や連帯保証など二人で住宅ローンを返済する場合もあります。

一般的には夫婦二人で返済することが多いですが、実は親子で住宅ローンを返済することも可能です。

それが「親子リレー」という返済方法です。

この住宅ローンはメリット・デメリットがはっきりしているので、メリットを受けられる人にはお勧めです。>今回はこの親子リレーという返済方法をテーマにお話します。

親子リレー返済とは?

親子リレー返済とは、その名の通りリレー方式で親から子へと返済義務を繋いでいく返済方法です。

冒頭で言ったような、通常の「夫婦」での返済方法は住宅ローンを「同時」に返済します。

しかし、親子リレー返済は「同時」に返済しません。この点が、親子リレー返済とその他の返済方法と比べて最も異なる点です。

例えば、夫婦での連帯債務(ペアローン)の場合、2,500万円を夫、2,500万円を妻、のような形でローンを組みます。

そして住宅ローンを組んだ次の月から返済は始まり、リレー方式ではなく夫と妻は独立して同時に住宅ローンを返済していきます。

しかし、親子リレー返済では、まずは親や返済をしてその後に子が返済を受け継ぐのです。

例えば、「60歳の親が19年間ローンを支払い、28歳の息子が19年後の47歳にその住宅ローンを受け継ぎ返済する」のようなイメージです。

夫婦での連帯債務は住宅ローンを同時に半分ずつ受け持っていますが、親子リレー返済は、住宅ローン自体は1つです。その1つの住宅ローンを、時間で区切って親子2人で返済していきます。

住宅ローンの返済を引き継ぐタイミングは、親が高齢になり住宅ローンの返済が困難になった時、もしくは、子が住宅ローンの返済を行えるようになったタイミングになります。

親子リレー返済が利用されるケースとして最も多いのが、親と子で二世帯住宅を建築する時です。

しばらくは財力がある父親が住宅ローンの返済をして、その後は残債を息子が返済するというパターンが最も多いです。

親子リレー返済のメリット

  1. 申込者が高齢であっても住宅ローンが組める
  2. 借入期間を延ばす事ができる
  3. 借入金額を増やすことができる
  4. 毎月支払う返済額を減らす事ができる

親子リレー返済は上記の4点がメリットになります。基本的には、高齢者である親が一人で組むよりも条件が有利になることが多いです。

理由は、金融機関の審査に子供の信用性や安定性も加えて審査されるからです。

申込者が高齢であっても住宅ローンが組める

一般的な住宅ローンは、ローンを申し込み時の年齢は70歳未満を条件にしている金融機関が多いです。

しかし、親子リレー返済では親の後に子の返済が控えていますので、70歳を超えたとしても住宅ローンへの申込は可能です。

そのため、親が単体では金融機関の審査すら出来ない状態でも、子が加わることによって住宅ローンを組んで家を購入する事が可能なのです。

また、それとは逆のパターンもあります。子供だけでは信頼性が弱い場合に、親の信頼性を加える事で住宅ローンを組めるという場合です。

借入期間を増やす事ができる

また、例え申込者が70歳未満であっても、親子リレー返済は「借入期間」を延ばす事ができるというメリットがあります。

例えば、申込者が60歳だった時、一般の住宅ローンでは最長で20年までしか住宅ローンは組めません。

なぜなら80歳までしかローンを組むことが出来ない金融機関が多いからです。

つまり、80歳-60歳という計算をして20年間の借入期間が最長の借入期間になるという事です。

ただし、親子リレー返済は連帯債務となる子をベースに計算できます。

つまり、親が60歳でも子が45歳以下であれば、35年間のローン(80歳-45歳)を組むことが可能なのです。

しかし、いくら親子でリレー方式の返済を行うからと言って、親と子の返済期間の合計が35年を超えてはいけません。

例えば、親が15年間住宅ローンを返済したのであれば、子はその後20年以内(35年-15年)にローンを完済する必要があります。

借入金額を増やすことができる

住宅ローンで金融機関から借り入れが出来る金額は、住宅ローンの借入者の年収や会社の規模など様々な観点で審査をして決めます。

高齢者の場合には、会社員時代よりも少ない年金で審査されるので借入額も厳しく見られるケースが多いです。

また、仮に会社勤めをしていたとしても、年齢的に若いころよりも死亡リスクが上がるので、借入金額が中々伸びないケースもあります。

そんな中で親子リレー返済は、親だけでなく子供の年収も合わせた金額で住宅ローンの審査をしてくれます。

そうなると、子供が会社員であれば「安定性」がプラスされ、年齢的な「継続性」もプラスされます。

つまり、金融機関の審査も通り易くなり、借り入れ金額を増やす事に繋がるのです。

毎月支払う返済額を減らす事ができる

月々の住宅ローン支払額を減らす事が出来るという点は、前項の借入期間が長くなるという副次的な要因です。借入期間が長くなれば、自ずと返済額も減らす事が出来るのです。

せっかく住宅ローンを組んでも日々の暮らしを圧迫しては意味がありません。

また、高齢者の方は若い世代に比べると預貯金が多いですが、それでも例えば月々の住宅ローン返済が10万円以上あれば、一般的な家庭の年金だけでは賄い切れません。

そのため、親からしてみると、老後の安定した生活を送るためにも親子リレー返済を利用して毎月の返済額を減らす事は大きなメリットになります。

親子リレー返済のデメリット

完済までは子供が別の住宅ローンを組めない

親子リレー返済の唯一にして最大のデメリットは、子供が別の住宅ローンを組めなくなることです。

厳密に言うと、住宅ローンだけでなくその他のローンを組む時にも、審査が厳しくなります。

例えば、車のローンを組む時にも住宅ローンは加味されて審査されます。万が一住宅ローンで延滞が発生していれば、恐らくローンを組むことが出来ません。

親子リレー返済は、先ほど言ったように時間が経てば親から子へと返済義務が移ります。

そのため、例え自分がまだ住宅ローンを支払っていなくても、いずれはローンの返済義務が移りますので、金融機関からしてみれば「住宅ローンを組んでいる」という扱いになります。

ましてや、住宅ローンはあくまで「居住用住宅」なので住宅ローンを2つ同時に組むことは原則不可能です。

唯一自分が日常住む家だからこそ、住宅ローンという低金利でローンを組むことが出来るのです。

そのため、仮に親子リレー返済で住宅ローンを組んだ人が家を購入する場合には、投資用ローンやセカンドハウスローン(別宅という扱い)を組まなくてはいけません。

しかし、投資用ローンやセカンドハウスローンは、通常の住宅ローンよりも金利が数倍高くなります。

まとめ

このように、親子リレー返済はメリットが多い反面、子供にとってはデメリットになり得ます。

仮に二世帯住宅を建築したものの、途中でマンションに移り住みたいという状況になったらどうでしょうか。

そのような状況は「転勤」や「出産」または「離婚」や「別居」など、色々な面で可能性があります。

その状態になっても親子リレー返済をしているのであれば、新しい家を購入することは難しいです。

つまり親子リレー返済で家を購入する時には、ほぼ100%でその家に住み続けるという状態の時だけが望ましいという事です。

仕事面や家庭面を加味して、本当にそこに家を購入して住み続けるかは、慎重に検討しましょう。