住宅ローンの返済方法は元利均等返済と元金均等返済どちらを選ぶべき?

住宅ローンを借りる時に意外に見落としがちな所が返済方法です。住宅ローンの返済方法には元利均等返済と元金返済方法の2つの方法があります。

この2つの返済方法は、実は総返済額と月々の支払額に大きな影響を及ぼします。

今回は、この2つの返済方法について深く掘り下げ、どちらが自分にとって適切な返済方法かを判断して貰えればと思います。

元利均等返済とは?

元利均等返済とは、元金(借入した金額)と利息を均等に返済するという返済方法になります。

言い換えると、「毎月返済額が一定」になる住宅ローンの返済方法です。

つまり、元利均等返済を選択すると、金利が変わらないという前提であれば、借入1か月目で支払う返済額と20年後に返済する返済額が同じという事になります。

多くの人は返済金額一定であることを望みますので、マンションや一戸建てを購入する時は、営業マンはこの元利均等返済を勧めます。

もっと言うと、元利均等返済と元金均等返済の説明はせずに、元利均等返済の前提で話を進める事が多いです。

そのため、そもそも元金均等返済という返済方法の存在を知らないと、住宅ローンの返済方法を選択する事すら出来ません。

元利均等返済のメリットとデメリット

  1. (メリット)金利が変わらない限りは返済額が同じなので、返済計画が立てやすい
  2. (デメリット)最初の方の月は元金の返済額の割合が少ないので、元金均等返済と比較して、総返済額が増える

元利均等返済は、あくまで「返済額を一定にする」という点を目的に置いています。

最初に元金を多く支払った方が返済額は減少していきますが、それでは返済額が変わってしまいます。

そのため、元利均等返済では毎月返済額を一定にするために、最初の期間での返済は元金の割合を少なくし、利息部分を多く払っています。

そのため、結果的に元金均等返済よりも利息が増えて、総返済額上がってしまうのです。

元金均等返済とは?

一方、元金均等返済とは、元利均等返済とは異なる考え方になります。

元利均等返済は「返済額」を毎月同じにしていましたが、元金均等返済は「毎月支払う元金の額」を同じにします。

例えば、5,000万円を25年ローンで組んでマンションを購入したとします。単純に5,000万円÷25年の計算をすると、1年ごとに200万円、毎月約16.6万円の元金を返済することになります。

つまり、初年度が終われば元金は4,800万円、二年目が終われば元金が4,600万円・・・と段々と元金が減っていきます。

そうなると、当然、初年度の元金残高が最も高いです。しかし、元金をどんどん返済していくことにより元金は徐々に減っていくので、その元金額に応じて支払い利息額も減ります。

つまり、最初の月の返済額が最も高くなり、年を経過するごとに元金が減っていき利息が減るので、返済額は減っていくのです。

元金均等返済のメリットとデメリット

  1. (メリット)元金をどんどん返していくので、元金均等返済に比べて総返済額が少なくなる
  2. (デメリット)年々減っていくとは言え、最初の月の支払い額が多い

元金均等のメリットは何よりも総返済額が少ない点です。しかし、最初の支払額が多く、返済計画が立てにくい点がデメリットになります。

住宅を購入する時に、多くの人は物件価格というよりも「毎月の返済額」をベースにして考えます。

例えば「毎月12万円以内に抑えたい」などのようにです。

そうなると、元金均等返済だと「初月は14万円だけど10年後からは12万円になる」など、「将来的には目標金額になるけど、最初の5年間は予算オーバーだな・・・」という事態になり、物件価格を定めにくくなってしまいます。

元利均等返済と元金均等返済の支払額の違い

前項でお話したように、元利均等返済と元金均等返済の、月々返済額と総支払額は違ってきます。

具体的にどのくらい違うのかを見ていきましょう。

「元利均等返済 借入金額3,000万円 借入期間35年 金利1.5%」の場合

この条件でローンを借りた場合は以下のような月々返済額と総返済額になります。

月々返済額「91,885円」総返済額「38,579,013円」

金利が変わらない限りはこの月々返済額と総返済額は変わりません。利息額で言うと、8,579,013円の利息が掛かっているということになります。

「元金均等返済 借入金額3,000万円 借入期間35年 金利1.5%」の場合

同じ条件でローンを借りた場合は以下のような月々返済額と総返済額になります。

月々返済額「1年目108,928円」「10年目98,213円」「20年目87,500円」「30年目76,786円」となり、総返済額は「37,893,570円」になります。

つまり、利息額は7,893,570円になります。

このように10年の節目で見ると、返済額は約1万円ずつ減少していき、総返済額も元利均等と比較すると約68万円もお得になります。

しかし、1年目の返済額は元利均等返済と比べても月々約1.7万円高いですし、10年経っても約7千円高いです。その月々返済額と総返済額を天秤にかけて元利均等返済と元金均等返済は選択する必要があります。

どちらが良いかは「理想の月々返済額」と「金利」によって変わってくる

元利均等返済と元金均等返済のどちらが良いかは、理想としている月々返済額と金利によって変わってきます。

予算ベースで考える場合

このケースは、例えば前項の例題のようなケースです。前項の例では、住宅ローンの支払額を「月々10万円以内」に設定していた場合は、元金均等返済では予算オーバー(初年度が108,928円の返済のため)になってしまいます。

しかし、良く考えてみると10年後には月々返済額は10万円を下回ります(10年後98,213円)ので、自分の理想としている返済額になります。

更に、元金均等返済の方が約68万円も総返済額がお得になるのです。

このような場合は、最初の10年間の支払が、自分の予算である月々10万円をオーバーした金額でも問題ないかどうかが焦点になります。

問題ない(多少無理できる)のであれば、総返済額が少ない元金均等返済の方が良いです。

しかし、この場合では金利上昇リスクも加味しなければいけません。仮にこのケースで金利が1.5%から2%に上がった場合には、月々返済額も1.2万円程度上がってしまいます。

つまり、当初は「月々返済が7千円くらい予算オーバーなら許容範囲だ」と思って元金均等返済を選んだのに、金利が上がった事により7千円どころか2万円近く予算がオーバーしていることになります。

そのため、元金均等返済にして予算がギリギリの場合で、金利上昇リスクが高い場合には、元金均等返済は避けた方が良いです。

金利が上がるかどうかは誰にも分かりませんので、判断は自分の自己責任となります。

勿論、元利均等返済でも金利が上がると月々返済は上がります。ただ、元利均等返済であれば、そもそも月々返済額は10万円以内(91,885円)と予算範囲内なので、返済額が上がることによるダメ―ジは少ないのです。

この点が元利均等返済の「月々返済額が一定で返済計画が立てやすい」というメリットが活かせる所です。

まとめ

元利均等返済が良いか、元金均等返済が良いかは、余裕のある資金計画を立てられるのであれば、総返済額が少ない元金均等返済の方が良いです。

しかし、多くの人は割とギリギリに近い返済計画を立てがちなので、元金均等返済にすると「10数年間は予算オーバーになるから、この物件は買えない」となってしまうのです。

だから、不動産会社も基本的には元利均等返済でしか話を進めないですし、購入者も違和感を覚えず話が進んでいくのです。

しかし、良い物件が見つかって住宅ローンのシミュレーションを行う場合には、必ず元金均等返済のシミュレーションを出してもらいましょう。その上で金利上昇リスクなども加味した上で判断する事をお勧めします。