引っ越しのときの荷造り。この荷造りにも、コツがあります。危険なく、効率よく、荷造りを進められるポイントをお教えします。
荷運びに強いダンボールの組み立て方
ダンボールを組み立てるとき、多くの人が採用するのが、H字にガムテープを貼る方法でしょう。
中央とサイドにガムテープを貼るものであり、「素直な」貼り方です。
この貼り方でも、ぬいぐるみや衣服といった、軽いものを運ぶ場合は問題ありません。
しかし、食器などのように重いものを入れるときは、この貼り方は危険です。
もっとも重みがかかる中央部分の補強がうまくいかず、底が抜けてしまう可能性があるからです。
割れ物を入れるときは特に注意が必要です。このような場合は、「十字貼り」にするようにします。
十字貼りは、中央にもガムテープを貼るもので、強度を出す効果があります。荷物の搬送のときに危険な「底抜け」を防止することができるので、この方法で止めるようにするといよいでしょう。
また、重いものは分散して入れるなどの工夫も加えて行えば、底抜けを起こすリスクはさらに低くなります。
効率のよい荷造りの順番
荷造りをするにも、「効率」が問われます。効率のよい荷造りとは、どのようなものなのでしょうか。
普段使わないものから始める
引っ越しの荷造りをするときに、まずは徹底したいのがこのポイントです。
日常生活において、「現在はなくても困らないもの」から荷造りをしていくのが鉄則です。
具体例としては、衣替え後の服や季節用品(スノーボードやスキーの道具、浮き輪やひな人形など)が挙げられます。
これらはごく一時期しか使いませんし、今なくてもまったく困らないものです。
これらを先に荷造りをしてしまいましょう。物が少なくなると、それ以降の荷造りもラクになります。
毎日使うものを最後に詰める
普段使わないものを先に荷造りする」というところからもわかるかもしれませんが、毎日使うものは最後に詰めた方が効率のよい引っ越しをすることができます。
包丁や各人の皿、必要最低限の衣服、下着類などがその代表例です。これらは、一度片付けも、また取り出すことになってしまいます。
それでは非効率ですから、引っ越し当日~前々日くらいになって初めて片付けるようにします。最小限の量にしておけば、ダンボール箱が追加で増えすぎることもありません。
いらないものが出たらドンドン処分しよう
引っ越しは、「物の処分」の絶好の機会です。押入れの荷造りをする過程で、不要なものはどんどん処分します。
このときのポイントは、「必要なものだけを残す」ということ。「どうしようか迷う」「捨てるのも惜しい」と思ったものは、残しておいても結局使いません。思い切って処分しましょう。
ただし、絶版になってしまった本など、「買い直そうと思っても、二度と買い直せないもの」に関しては、もう一度考えてみるのもよいかもしれません。
失敗しないダンボールへの詰め方のコツ
さて、ここからは、実際にダンボールに入れるやり方について見ていきましょう。
重いものは下へ、軽いものは上へ詰める
重いものの下に軽いものを入れてしまうと、当然軽いものはつぶれてしまいます。そのせいで破損が起きることもしばしば。
軽いものは重いものの上にのせる、と決めて荷造りをしていきましょう。
ただ、「下にはつぶれても困らないタオルを入れる、上からは壊れては困るパソコンを入れる」というように、「壊れやすさ」「壊れたら困るものの優先順位」で詰め方を変えることは有効です。
重いものは小さな箱へ、軽いものは大きな箱へ詰める
大きなダンボールがあるのなら、そこに入れるものは軽いものにしてください。重いものは、意識して小さなダンボールに片付けるようにします。
重いものを大きなダンボールに入れてしまうと、持ち上げられなかったり、引きずって移動させたりしなければならなくなることがあります。
こうなると、中身が壊れてしまったり、床が傷ついてしまったりしますので注意すべきです。
重さの基本は、「大人が1人で1箱持てる程度」です。
詰めるもの別!失敗しない上手な梱包方法
詰めるものによって、「どのように入れるか」は異なります。それについて紹介します。
割れ物の梱包方法
割れ物、特に食器は、新聞紙や梱包材で包んで片付けます。食器は食器と触れ合うことで欠けてしまうことが多いため、皿と皿の間に挟み込むようにして緩衝材を入れるのがポイントです。
緩衝材に余裕があるようなら、ぐるっと巻いてしまいましょう。
皿はダンボールに立てて詰めるのが基本です。ビンも同様です。この際は、底にも緩衝材を引いておきましょう。
また、郵送途中でがちゃがちゃと揺れることでも皿は破損してしまいます。そのため、隙間ができないように、新聞紙を詰めておくことをおすすめします。タオルや洋服でも代用できます。
引っ越してすぐに使うものは専用の箱にまとめておく
引っ越してすぐ使う洋服や洗面用具、マグカップなどは1つの箱にまとめておくと便利です。これは引っ越し業者に頼まず、自分で移動させるとよいでしょう。
また、引っ越しのときに、意外と困るのが「トイレットペーパー」。これも確保しておきましょう。
パソコン
買った時の箱があれば、迷わずそれに入れます。もう処分してしまった、ということであれば、梱包材に包んで慎重に運びます。
毛布で包むのもよいのですが、その際は、「中にパソコンが入っている」ということを、引っ越しに携わる人全員が知っておいた方が安全です。
現在のパソコンは非常に頑丈でクオリティが高いので、一般的な引っ越しの場合は、壊れる可能性はほとんどないでしょう。
しかし、念のためデータのバックアップはとっておいた方がいいと思われます。
貴重品
貴重品は引っ越し業者には運んでもらえません。また、紛失した時はかなり大きな被害になってしまいますから自分で移動させるようにします。
また、引っ越し後に業者に払うお金も、別口で用意しておいた方がよいでしょう。
布団
さまざまな運び方がありますが、圧縮袋を使うのがもっとも簡単で効率がよいでしょう。
ただ、当日に処置することが前提となるので、ちょっと早起きをした方がよいかもしれません。
衣類
緩衝材としても使える衣類ですが、これはやはり、業者が提供するハンガーラックを使った方がよいでしょう。
特に、型崩れしやすいスーツなどは、折り曲げないように運びたいものです。
注意が必要な大型家電
引っ越しのときに手を焼かせられたり、注意したりしなければならないのは、以下のようなものです。
冷蔵庫
何よりもまず、中身を片付けてしまうことが重要です。前日の間にすべて処分しましょう。残していいのは、原則として調味料だけです。それ以外のものは、出来るだけ排除します。
もしどうしても残ってしまう、ということであれば、クーラーボックスを使います。
前日にコンセントを抜き、冷蔵庫はきれいに掃除しておくことをおすすめします。結露が出ないように、しっかりとふきあげてください。
洗濯機
難関は、なんといっても洗濯機です。給水口を閉じた状態で脱水にかけると、洗濯槽の内部の水も抜けます。部品は中に入れて運びます。
なお、絶対に横倒しにしないこと!
その他にも注意が必要なもの
ここまでは「基本の梱包」について見てきましたが、特に注意が必要なものもあります。
観葉植物
引っ越し業者のなかには、観葉植物は運んでくれない、というところもあります。こうなると自分の車で運ばなければいけなくなります。
どうしても自分の車では入りきらない、ということであれば、トラックを借りてもよいでしょう。
石油ストーブ
引越着業者は灯油の運搬はできません。そのため、使い切る必要があります。
冬場の場合、暖はすべて石油スト―ブから得て、灯油を使い切った状態で運んでもらうようにします。
どうしても使い切れない場合は、ガソリンスタンドにいって処分してもらいましょう。
このように、引っ越しの荷造りにもコツがいります。しっかりマスターして、大変な荷造りを乗り切っていきましょう!