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引越しで荷物が紛失してしまった場合はどうするの?

引っ越しをしているときに、大切な荷物がなくなった!となれば、多くの人が驚くのではないでしょうか。

しかし、このようなことは、頻繁ではないもののありうるトラブルなのです。そのようなときにはどうしたらよいのでしょうか?

目次

引越しが終わってから荷物がないことが発覚!

「引っ越しが終わった後に、荷物がないことに気づいた!」ということであれば、まずは業者に連絡しましょう。

引っ越しのときに業者に頼んだ荷物が紛失……こんなことはあってはならないことではありますが、まったくないトラブルではありません。こうなった場合は、まずは業者に連絡すること。

なお、その際は、喧嘩腰ではなく、あくまで「問い合わせ」という形をとることが重要です。

なぜなら、「荷物がなくなった」といっても、それは引っ越し業者の過失ではないこともよくあるからです。

自分が間違ってゴミに捨てた、荷物を全部開封してみたらそのなかに紛れ込んでいた……ということもあり得ると念頭においておきましょう。

また、仮に引っ越し業者のミスだったとしても、頭に血が上った状態では冷静な話し合いはできません。まずは、丁寧に問い合わせましょう。

紛失した荷物の補償はできるの?

恐らく、大手の会社の多くでは、「荷物の紛失が業者側のミス、もしくは犯罪行為による紛失の場合は、その損害を補償する」としているはずです。大手の会社は保険に入っていますし、そのなかから、適当と考えられる分の補償金がもらえるはずです。

しかし、これはあくまで、「タテマエ」。

実際には補償されないケースがほとんどだと言われています。

それはいったいなぜなのでしょうか。

そこには、「誰のせいかを判然とさせにくい」という理由があります。

荷物の破損の場合は、入れるときに傷がついていなかったのであれば、「引っ越し業者の責任である」としやすいでしょう。

しかし紛失の場合はこれもなかなか難しいです。

そもそも、それが「本当にあったのかどうか」を立証するのは、極めて困難です。ピアノやベッドのように、だれの目から見ても「それがそこにあること」がわかり、見積書でもその項目が盛り込まれているのならいざしらず、細かい荷物、ダンボールに入れた荷物の中身までは、引っ越し業者は知りません。

そのため、利用者側が、いくら「これがなくなった!」と叫んでも、引っ越し業者からすれば、「本当にあったかどうかわからないものを保障するわけにはいかない」となるのです。

また、上でも触れたように、「紛失」は利用者側の積み残しや誤って捨ててしまったなどによるところが多く、業者側には責任がないことが多いのです。

紛失による補償を、と考えるのであれば、

・それがそこにあったこと

・利用者側ではなく、業者側(あるいは犯罪)なくしたと立証できること

が必要になるでしょう。

これは、利用者側からすれば、非常に不公平なことのように思われます。

しかし、業者側の視点からすれば、これは当然のことです。

たとえば、悪意のある第三者が、「うちには100万円の宝石があった。それをダンボールに入れて運んでもらったのに、なくなっていた。業者側がなくしたか、あるいは盗んだに違いない。弁償しろ」と訴えることも考えられるからです。

「あったこと」が証明できないのに、このような訴えに対してすべて「弁償」という形で答えていたのなら、引っ越し業自体の存続が危うくなってしまいます。

引越しの荷物紛失トラブルの対策方法

このように、「たしかに紛失した」と立証することは困難です。また、紛失の証明ができなければ、補償を受けることは難しいと言えます。

ただ、これは、言い換えれば、「紛失したこと」を証明できさえすれば、補償の適応が見込めるということです。

そのため、事前に、「紛失するかもしれないこと」を想定した荷造りをしておけば、万が一のときにも対応がしやすくなります。

ダンボールに番号をマジックで書く

もっとも簡単な方法は、「ダンボールにマジックで番号を振っておく」ということです。

この方法は、簡単ながら、非常に効果のある方法です。

たとえば、1~50番までの数字を振っておいた場合、48番などのように、途中の番号のダンボールがなくなっていたら、すぐに「紛失だ」とわかるのです。

この「番号を振る」というやり方は、自分たちで行います。しかし確認作業は、業者にも行ってもらいます。

そうすれば、業者の方にも「これだけの数のダンボールがあり、通し番号が振ってある」と伝えることができます。

万が一、業者側のミスでなくした場合、利用者側が「通し番号を振ってあることを、業者側も確認していた」と主張することができます。

また、この方法は、荷物の運搬にも便利です。1番~10番は子ども部屋、11番~20番はキッチン……しておくと、運び込みがラクになります。

ダンボールの中身を撮影

上記の「ダンボールに番号を振る方法」は非常に有用ですが、これが対応できるのは、あくまで「ダンボールそのものがなくなったとき」のみです。

あまり考えたくないことではありますが、悪意のある引っ越し業者のスタッフが、「このダンボールに、利用者が宝石を片付けているのを見た。ダンボールごと盗んだら発覚しやすいから、中身から宝石だけを抜こう」と考えたとします。

このような悪意に対しては、「ダンボールに番号を振る方法」は無力です。「中に何が入っていたのか」を立証することができないからです。

たとえダンボールの外側に中身を書いてあったとしても、「ルビーが1個、サファイヤが2個、ダイヤモンドが1個……」というように詳細を書くことはしないでしょう。

そのため、別の対策が必要となります。

もっとも確実なのは、中身を写真で撮っておくことです。こうすれば、「中身」が紛失しても、補償に応じてもらえる確率がぐっと高くなります。

また、業者側も、誤って貴重品などを運んでしまうというリスクから身を守ることができます。

ちなみに、アリさんマークの引越社の「アリさんスペシャルフルパック」では、引っ越し前の状態を写真で納めてくれます。紛失の際にも有用に使えるので、利用してください。

旧居やトラックの積み荷のおろし忘れをしっかりとチェック

ほとんどすべての引っ越し業者では、おろし忘れの荷物がないかを確認しています。これは業者側の作業と思われがちですが、利用する方でも、おろし忘れがないかをチェックするようにしてください。

また、旧居から引っ越す場合も、旧居に積み忘れの荷物がないかを、業者と利用者、双方の視点から確認することが大切です。「確認する人間の目」が多ければ多い程、ヒューマンエラーは少なくなります。

どうしても大切なものは自分で運ぶ

貴重品などは、自分たちの手で運ぶようにします。これは引っ越し業者でも、利用者にお願いしていることです。

貴重品、特に「お金」に直結するもの(権利書や貯金通帳、実印など)は、引っ越し業者に任せるべきではありません。

自分たちで大切に管理し、カバンなどに入れて運ぶようにしましょう。

引越し契約書の中身をきちんと確認しておこう

最後になりましたが、引っ越しの契約書をチェックしておくことが必要です。

ごくまれな事例ではありますが、小さな引っ越し業者の場合、紛失補償がない可能性もあります。

このような場合は、どれだけ利用者がしっかり証拠を確保していたとしても、補償は受けられないと考えるのが妥当でしょう。

大切な荷物の紛失は、引っ越しにおけるトラブルのなかでも、非常に重いものです。

また、引っ越しの大変さに紛れ、「紛失したこと」に気づくのが遅れ、証拠を確保できなくなってしまうこともあります。

このような事態を避けるためには、早めに荷ほどきをし、中身を確認することも重要です。

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