引越しの料金を決定づけるものは、大きく分けて、「日時(時間・季節)」「荷物の量」「距離」です。
ただ、これ以外にも、実は、「住宅環境」にも関わってくるのです。今回は、住宅環境による引越し料金について見ていきましょう。
引越し費用は階数やエレベーターの有無が影響する
見落としがちなポイントなのですが、引っ越しの料金を左右するものは、「日時(時間・季節」「荷物の量」「距離」以外にもあります。
オプションサービスの有無などもそうなのですが、「部屋の階層やエレベーターの有無といった住宅環境」も大きな影響を及ぼしています。
基本的には、住居が高層になるに従い、料金はあがっていきます。また、エレベーターがないところとあるところでは、料金が異なります。
なぜ階数などで見積もり費用が変わるの?
では、なぜ、階層などで見積もり費用が変わるのでしょうか。
その理由を紐解いていきましょう。
作業時間が長くなるから
部屋の階層が高くなると、部屋への搬入にかかる作業時間が長くなります。拘束時間が長くなることは、「料金の値上げ」に繋がってしまいます。
スタッフの人数に関わるから
階層が高いところであっても、大きなエレベーターがある場合は、まだよいでしょう。
実際、値上がり金額も、エレベーターがあるときとないときでは異なってきます。(詳しくは後述します)
しかし、エレベーターがないとなると一大事です。
スタッフは、重い家電製品や家具を持ち上げて運ばなければなりません。
そのためには、スタッフの数を増やす必要があるでしょう。
「人件費」は、費用のなかで、もっとも大きな割合を占めるもののうちの一つです。
人が多くなれば多くなるほど、料金は高くなります。
物損の確率が高くなるから
どれほど優秀なスタッフであったとしても、移動距離が長くなり、、しかも階段を使って荷物を上下移動させるとなると、物損のリスクは跳ね上がります。
引っ越し業者は物損事故に対して保険をかけているため、たとえ破損したとしても、お客側はその補償を受けることはできます。
しかし、「保険を使用しなければならない可能性」があがれば、当然のことながら、業者はそれを織り込んだ費用設定にしなければなりません。そのため、料金があがる可能性が高くなるのです。
階数が上がると引っ越し費用はどれくらい高くなるの?
では、実際に、どれくらいの費用が加算されることになるのでしょうか。
階数による上乗せ費用の計算方法は、引っ越し業者によって異なります。しかし、ある程度の「目安」を出すことは可能です。
エレベーターありの場合は、1階層につき、1000円程度の加算額である、と考えられています。
対して、エレベーターなしの場合は、1階層につき1500円~2000円も加算されます。
この料金は、荷物を運び出す「引っ越し前の住居」と、荷物を運び入れる「引っ越し後の住居、両方に加算されます。
例を出してみていきましょう。
たとえば、引っ越し前の住居が、エレベーターなしの2階だったとします。そして、引っ越し後の住居が、エレベーターありの15階だったとしましょう。
その場合の加算額は、
引っ越し前の住居:1500円~2000円×1階層
引っ越し後の住居:1000円×14階層
合計:1500円~2000円+14000円=15500円~16000円
となります。
階数以外にも同じ理由で料金が高くなるケース
今までは、「階数とエレベーターの有無」による料金の加算について見てきました。
しかしそれ以外にも、料金が高くなるケースがあります。
それが、「道路幅の狭いケース」です。
道路幅が狭いと、トラックで乗り付けることができません。どこかに車を停めて、荷物を運び入れることになります。
この場合、階数やエレベーターがない場合と同じで、作業量と時間が増えます。この結果として、これでも、やはり、料金は高くなるのです。
引っ越し見積もりを取る時に注意したいこと
階数やエレベーターの有無、道路状況などは、事前に必ず引っ越し業者に伝えておいてください。もちろん、内容も、包み隠さず正直に話します。
本来別料金が発生する条件を伝えずにおくことは、当日のトラブルのもととなります。
さらに言えば、物によっては、運び込みに制限が出ることもあります。
また、現在は、複数の会社に見積もりをとるのが一般的です。
このときには、すべてを同条件で、かつ正確な情報で比較しなければなりません。
そのためにも、すべての業者に、きちんと住居環境についてお伝えしておきましょう。
ちなみに、ここまでお話してきた「階数料金」は、原則として、業者の見積書には明記されていません。作業料金のなかに含まれる、という考えだからです。
実はこの階数料金については、オプションサービスではないため、値下げ交渉ができます。
もちろん無理な要求は避けるべきですが、金額的に厳しい、ということであれば、値下げ交渉をするとよいでしょう。
ちなみに、値下げ交渉の方法は「見積もり金額からの値下げ交渉術」に記載されています。こちらにも一度目を通しておいてくださいね。