「引っ越し」となると、やるべきことがたくさん出てきます。
遠方に引っ越す人の場合は、「あっ、これをやり忘れた!」と思っても、なかなか戻れないものです。
そのため、事前にチェックリストを作っておくことが重要です。
チェックリストで万全の準備をしよう!
引っ越しというと、多くの人が、「荷造り」「運搬作業」を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、それ以外にもやるべきことはたくさんあります。
きちんとチェックリストを作成し、1つずつチェックを行っていきましょう。もし漏れがあると、最悪、仕事を休んで手続きをしなければいけなくなることも……。
ただ、このような「チェックリストの作成」はとても大変です。時間もかかりますし、抜け落ちもあります。
そこでここでは、引っ越しの際にやるべきことをリスト化したものを用意しました。
時期別に分かれていますから、現在の状況に照らし合わせてチェックしていくことができます。
要点についてもまとめてみていきましょう。
1か月前
□賃貸住宅の解約
現在借りている賃貸住宅の解約手続きを行います。一般的に、解約手続きをした場合は1か月後に退去となるでしょう。ただし、契約の区切り(締日が15日だが、手続きに動いたのが30日だった、など)によって多少変わってくるので、この点は注意が必要です。
1か月分余計にお金がかかりますが、
- 忙しいなかでの転勤で
- 家族ごと引っ越し
- 元の家や実家に荷物を置かず
- かつ引っ越しに慣れていない
という人は、1か月間では引っ越しをしきれないこともあります。
この場合は、1か月半~2か月くらい後に契約を解除するようにしておくと安心です。
□転校届
学齢期のお子さんがいる場合は転校届けを出す必要があります。同一市内のときとそうではないときの場合では手続きが異なりますから注意が必要です。
□新居と周辺の下調べ
新居とその周辺の下調べも行っておきましょう。特に、学齢期のお子さんがいる場合は、「歩いて学校まで行けるのか」「道は危なくないのか」などのチェックが必要です。
また、夜と昼とでは、がらりと環境が変わるところもあります。このため、必ず、夜と昼、両方の時間帯に足を運んでください。
引っ越し先が賃貸住宅で、かつ夜の治安や周辺環境があまりにも悪すぎる、ということであれば、思い切って新しい転居先を考えてもよいでしょう。
□不要な物の処分
引越しに伴い、大量の不用品が出るはずです。1か月前から徐々に片付けていくことで、最終日に出すゴミの量を減らすことができます。
特に、大型家電や大型家具は、時間に余裕があるうちに処分してしまう方がよいでしょう。新しいものはリサイクルショップに、それ以外は自治体の定める方法で捨てるようにします。
□引越し業者選び
引っ越し業者選びもこの期間に行います。引っ越し業者はそれぞれに特色がありますし、金額も違います。相見積もりをとることで、金額の差やプランの違いを明確にできますから、多くのところにお願いしましょう。
理想的なのは、一度家に来てもらい、荷物の量を見てから出してもらう方法です。
□転居ハガキの作成
現在はメールで済ませてしまう人もいますが、ハガキでもお知らせしたい、という人は、この時期にやっておくとよいでしょう。ただし、引っ越し先が明確になっていることが条件です。
2週間前
半月前になると、金融関係の手続きや荷造りの準備に入っていきます。
□転送届けを出す
もっとも重要な連絡のうちの一つです。
これは郵便局のサービスであり、「旧住所についた郵便物を、1年の間、新しい住所に届ける」というもの。
これがあるかないかで、その後のやりやすさがまったく違ってきます。無料で行えるので、ぜひ利用してください。
ここで、注意点が1つあります。
このサービスは、あくまで「郵便局」のものです。宅配便には適用されません。宅配便については、各社で「転送」の考えが変わってくるため、都度、確認することが大切です。
□梱包資材を調達
引っ越し用のダンボールがもっとも理想的な梱包資材です。引っ越し業者が決まっているのなら、そこからもらうようにします。
引っ越し業者を使わないで行う、ということであれば、スーパーで買い物をした際にこまめにダンボールに入れて買った物を持ち帰ったり、ホームセンターで販売されているダンボールを購入したりすることになるでしょう。
ガムテープは複数個あると便利です。また、「何が入っているのか」を書くことのできるマジックもお忘れなく。
いわゆる「プチプチ」と呼ばれる緩衝材も手に入れるのが理想的ですが、どうしても手に入らない場合や、それほど食器に愛着を持っていないという場合なら、実はバスタオルやタオルを緩衝材替わりに使うこともできます。
□使用頻度の少ない物の荷造り
使用頻度の少ないもの、たとえば季節外れの洋服や本、複数個ある調理器具などは梱包してしまうとよいでしょう。少し不便になりますが、たった半月の我慢です。
□インターネットプロバイダーや固定電話回線への連絡
連絡をし、いつ切れるのかを確認しましょう。インターネットも電話も、多少不便ではありますが、スマートフォンなどである程度は代用できますから、少し早めに切ってしまってもいいと思われます。
ただし、「在宅ワークでずっとインターネットを使っている」というような人は別。この場合は、「引越した後に回線を切ること」も考えてうごくとよいでしょう。
□金融機関・保険会社・カード会社への連絡
金融機関や保険会社、カード会社の場合、住所と紐づけて個人の情報を管理していることがほとんどです。
また、これらは誤配達を起こしてしまうととても危険なものでもあります。転送届けを出していても、これは1年で切れてしまいますし、一度バウンドしてから届くことになりますから、必ず連絡しておきましょう。
□新居での家具配置図の作成
それほど優先順位は高くありませんが、新居での家具の配置図も作成しておくとよいでしょう。
特に、「1人暮らしだ」「女所帯だ」ということで、「1度配置してしまうと、なかなか動かすことができない」という場合は有効です。これを作成しておけば、引っ越し当日、「ここに運んでください」と指示することが容易になります。
部屋の広さと尺をきちんと合わせて作ってください。
□新しく購入するもののリストアップと購入
引っ越しをすると、新しく買い足す物がたくさん出てきます。これらはリストアップしておくとよいでしょう。
洗濯機などを新しくする場合は、先に購入し、新居に届くようにしておくと便利です。
この「リストアップ」は、必ず、「後から書き加えられるツール」で行うこと。引っ越しで必要なものはたくさん出てきます。
1週間前
1週間前になると、公的な手続きやライフラインの手続きが必要になってきます。
□転出届
「転送届」と響きは似ていますが、これは自治体に出すものです。居を移すときに必要なものですから、必ず出さなければなりません。引っ越し後でも出せますが、引っ越し14日前から受け付けてくれるところが多いようです。
□印鑑登録の廃止
同一市内での引っ越しでない限り、印鑑登録の廃止と新しい登録が必要となります。
□電気・ガス・水道・NHKの住所変更
いわゆる「ライフライン」の手続きです。今使っている住所への配給を停めてもらい、新しい住所での配給をお願いするものです。
□国民健康保険の資格喪失手続き
国民健康保険は、実は「国」ではなく「自治体」での手続きが必要となります。重複や未納を防ぐために、必ず役所に相談するようにしてください。
□福祉関連の手続き
児童手当や年金関係の手続きです。特に、転入時は重要です。金銭面でも大きく変わってくるため、役所できちんと相談しましょう。
□ペット類の登録変更
鳥やハムスターの小動物の場合は、変更手続きは必要ありません。しかし犬などの場合はこの手続きが必要です。市役所などが受付口です。
前日
□冷蔵庫の電源を切り水抜き・庫内の整理
冷蔵庫の中身を空にして、電源を切ります。庫内の整理もお忘れなく。理想的なのは、この日までに、調味料以外の物をすべて食べきることです。
□洗濯機の水抜き
洗濯機は故障しやすいものです。防止するために、必ず水抜きを行います。
□石油ストーブの油抜き
万が一の事故に備えて、石油ストーブの油抜きも行っておきます。
□手荷物の整理
身の周りのものを集めて、整理しておきます。
□新居での挨拶の品の準備~ご挨拶
引っ越し当日でもよいのですが、どうしても引っ越しの時には「音」が出ます。そのため、事前にご近所の人に、うるさくする旨をご挨拶しておくことをおすすめします。
当日(旧居)
いよいよ引っ越し!まずは旧居編です。
□当日まで使用していた物の荷造り
ギリギリまで使っていた品物の荷造りを行います。手元に残すのは、携帯とサイフ、貴重品くらいが理想です。
□荷物搬出後の清掃・ゴミの処分
立つ鳥跡を濁さず。ゴミを処分し、清掃を行います。大きなゴミが出る場合は、事前に手続きが必要になることもあります。
□ガス使用停止の立ち会い・電気のブレーカーを落とす
ガスの使用を停止するための手続きに立ち会います。また、電気のブレーカーを落とします。
□退去の立ち会い
いよいよお別れ!退去の立ち合いを行います。
当日(新居)
ここからは「新居編」です。
□電気・ガス・水道の開栓立ち会い
ライフラインを使い始めます。ただ、これらの作業は、少し時間に余裕を見て行った方が無難ではあります。
□搬入した荷物のチェック
荷物や家に傷がないかをチェックします。搬入前に、内部の写真を撮っておくと、「新しくできた傷か」「それとも前からあった傷か」が判別できます。
□引越し業者への精算
引っ越し業者への支払いを行います。
1~2週間後
引っ越し後、半月以内にやるべきことをまとめました。
□転入届・印鑑登録・国民健康保険・国民年金の住所変更
すべて役所で行うことができます。この時期は、印鑑を常に持ち歩いておくことをおすすめします。
また、これらの手続きを行うために、平日には1日休みをとっておくとよいでしょう。
□運転免許証の住所変更・車庫証明の変更
新しい住所の郵便物などが必要です。最寄りの警察署に行ってください。車庫証明も、警察署でできますのでまとめてどうぞ。
□車検・原付・バイクの住所変更
基本的には必要はありませんが、車検が近々ある、という場合は手続きを必要しておくとよいでしょう。
ただ、「前の住所のナンバープレートで走っていたから」という理由で、罰則が科せられることはありません。
ちなみに、原付は市町村役場が、それ以外は陸運局が管轄となります。
□転校手続き
市町村役場に出します。なお、同市町村の場合は不要です。
□ペット類の登録変更
市町村の役所に行います。遅くても1か月以内には行いたいものです。
このように、引っ越しのときにやるべきことはたくさんあります。1つずつチェックしていき、漏れがないようにするのがもっとも重要です。