うつ病と便秘は関係する!?原因と対策は? 

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精神的な不調が生じる「うつ病」と腸内でのトラブルである「便秘」とは、それぞれの症状の違いから何の関係もないように思えますよね。

しかし、最近ではうつ病と便秘とは非常に密接な関係にあり、うつ病であれば便秘が生じやすく、便秘であればうつ病になりやすいというようにそれぞれ互いに作用していると考えられています。

 

こちらでは、「なぜうつ病と便秘とが意外に関係し合うのか」というメカニズムについて分かりやすくご紹介します。

うつ病だと便秘になりやすい原因

近年では、うつ病が深刻な社会問題として取り上げられることが多くなりました。

やる気が出なかったり気分が落ち込んだりと精神的不調が生じるうつ病では、慢性的な便秘が併発することも珍しくありません。

うつ病だと便秘になりやすい原因としては、服用する抗うつ剤の副作用に加えて、運動する機会の極端な減少や食生活の乱れなどが考えられます。

抗うつ剤の副作用

うつ病と診断された際に処方される抗うつ剤には様々な種類がありますが、その多くが副作用として便秘を引き起こすとされています。

しかし、抗うつ剤の全てに便秘になる副作用があるというわけではありませんから、「抗うつ剤を服用すると必ず便秘になる」と勘違いしないようにしてください。

運動量の極端な減少

うつ病ではやる気が出なかったり気分が落ち込んだりと精神的な不調から、どうしても外出が億劫になります。

しっかりと心や体を休めることを目的とした自宅療養では、運動量が減少するのは無理もありません。

こうした運動量の極端な減少によって生じる運動不足もまた便秘の原因となります。

排便の際に大きく使う腹筋が弱まれば、便を押し出す力も比例して減少し便秘になりやすくなります。

また、運動自体から得られる体の揺れや動きが腸への刺激となって排便を促すのですから、運動不足になるとそうした排便効果も得られなくなります。

食生活の乱れ

精神的な不調があれば自炊をする気にもなりません。

特に、うつ状態にありストレスを多く抱え込んでいる場合には、脳が甘いものや炭水化物などの糖質が多い食べ物を欲するように司令を出しています。

これらの食べ物には、腸内環境を整えるための菌や腸内の善玉菌が餌となる食物繊維がほとんど含まれていません。

当然、善玉菌が減少して腸内環境が悪化し、便秘が引き起こされることに。

「自炊する気力もないものの、糖質が多い食べ物が欲しい」と感じられると、簡単に入手できかつ糖質が多い出来合いのものに頼ることが多くなり、結果として「腸内環境の悪化に繋がる食生活の乱れ」を招いてしまうのです。

便秘だとうつ病になりやすい原因は?

うつ病から便秘が生じる一方で、便秘の状態が続くと今度はうつ病になりやすいのです。

これは、うつ病の原因として挙げられる「セロトニンの不足」が腸内環境の悪化から引き起こされるほか、便秘自体から日常的にストレスを受けてしまうからです。

腸内環境の悪化からセロトニンが不足する

うつ病が生じる原因の1つとして、セロトニンという脳内物質の不足が挙げられます。

別名「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンは神経伝達物質の1つで、気分を前向きにしたり幸せを感じたりと心のバランスを安定させる働きを担っています。

心身の安定には欠かせないセロトニンが不足すれば、ストレスを感じやすくなったり気分が沈みがちになったりして結果的にはうつ病という精神的不調に陥るのです。

うつ病とは切っても切れない関係にあるこのセロトニンは、全体の約95%が腸内で作られて腸によって脳に運ばれていることが近年の研究で明らかになりました。

便秘から腸内環境が悪化すれば腸が本来持つ機能が低下し、もれなく「セロトニンの生成」「セロトニンを脳まで運搬する」といった心の健康に直接関わる働きも正常に行われなくなりますよね。

便秘から腸の機能が低下すれば、当然トリプトファンのみならず様々な栄養素の吸収率が減少します。

つまり、セロトニンの生成を促進するトリプトファンを上手に吸収できなくなることでも、セロトニンの生成・分泌がスムーズに行われなくなるのです。

便秘自体からストレスを受ける

便秘自体から「出したいのに出ない」「お腹の張りが辛い」と不快感を抱くようになりますし、便秘によって生じる肌荒れや体の不調が日常的なストレスとしてうつ病の原因となります。

ストレスを感じると腸が刺激され、大腸菌や悪玉菌の増殖を促進するカテコラミンという神経伝達物質が分泌されます。

大腸菌や悪玉菌が増殖すると腸内を健やかに保つ善玉菌の働きやその数が低下し、腸内環境の悪化という便秘の原因が引き起こされます。

つまり、便秘から受けるストレスから腸内環境が悪化し、腸内環境の悪化から便秘が酷くなり、酷くなった便秘からさらに大きなストレスを感じるようになる……という悪循環になるのです。

対策は?

便秘の状態が続くと上記のような理由からうつ病のリスクが高まるほか、うつ病から便秘に陥っている場合にはうつ病の悪化に繋がりかねません。

うつ病を予防・改善にはやはり便秘の解消が欠かせないと言えます。

最後に便秘からうつ病を予防する、あるいは抗うつ剤やうつ病から生じている便秘を少しでも解消するために必要な対処法をご紹介します。

抗うつ剤は自己判断で絶対に止めないこと

抗うつ剤はうつ病治療のためには必ず服用しなければならない大切な薬です。

「酷い便秘を解消したいから」と抗うつ剤の服用をやめるなんてことは絶対にしないでください。

うつ病を発症している場合には、まずはあなたの心や体を苦しませるうつ病の治療を第一に考えなければなりません。

副作用としての便秘に悩まされているからとうつ病の治療を疎かにしてしまっては、治るはずの病気も治らなくなりますよ。

もしも抗うつ剤の副作用による便秘が酷い場合には、担当の医師に相談して薬を変えてもらったり便秘薬を処方してもらったりと便秘への対策を考えてもらいましょう。

独断で抗うつ剤の服用を中止するようなことは絶対にしないでくださいね。

食事による便秘解消法を

便秘を解消するためには食生活の見直しから善玉菌を増やし、腸内環境を整えるという根本的な改善のアプローチが欠かせません。

便秘に効果のある食材を積極的に摂るといった心構えは、うつ病による便秘の解消でも重要となります。

1.善玉菌を食事から摂り入れよう

ヨーグルトや納豆そして漬物などの発酵食品には乳酸菌が豊富に含まれています。

この乳酸菌が腸まで生きて届くと善玉菌として作用したり、腸内に既にいる善玉菌と協力したりと腸内環境をより良い方向へと改善する働きを発揮します。

しかし、こうした働きを得るには、乳酸菌が生きて腸まで届く必要があります。

したがって、生きて腸まで届く乳酸菌を豊富に含む食材を積極的に摂取するようにしましょう。

また、食材から摂取した乳酸菌は腸内にずっと定着することはなく、排便や時間の経過とともに自然に失われます。

そのため、腸内環境を整えその状態を保つには、乳酸菌を豊富に含むものを継続的に食べる必要がありますから注意が必要です。

ヨーグルトや納豆そして漬物などは普段の食事にプラスしやすいものばかりですから、継続的な摂取も難しくはありませんよ。

朝ごはんとしてヨーグルトを食べるようにしたり食事に漬物や納豆を付け加えたり、と普段の食事スタイルに応じた工夫を行ってみてはいかがでしょうか?

2.善玉菌を活発にする食材も一緒に

食事から摂取する乳酸菌や腸内の善玉菌の働きを活発にするものとしてオリゴ糖が挙げられます。

オリゴ糖は腸内で善玉菌や乳酸菌の餌となるので、より効率良く腸内環境を整えられます。

野菜や豆類に豊富に含まれているオリゴ糖ですが、スーパーやドラッグストアで簡単に入手できる甘味料としてのオリゴ糖を活用するのも手ですよ。

3.水分摂取をこまめに

腸内に長い間とどまった便は、水分量が失われて固くポロポロの状態へと変化し便秘の原因となります。

このような固い便はいきむ際にも大きな力が必要となるように、柔らかい便と比べても排出が極めて難しくなりますよね。

便秘の原因となる固い便を防ぐためにも、水分補給をこまめに行って便の水分量を増やしましょう。

喉の渇きを感じてからたくさんの水分を摂るのではなく、日常的にこまめに水分補給を行ってくださいね。

また、温かい飲み物は胃や腸を温めてそれぞれの機能を高めるほか、腸内の便を柔らかく解すという効果があります。

ですから、水分補給の際には冷たいものではなく、極力温かい状態で飲むようにしたいですね。

運動で便秘を防止

排便の際に大きく使う腹筋を鍛えることは、便秘の解消には大切になります。

仰向けに寝そべって上体を起こすトレーニングであれば自宅でも簡単にできますし、ウォーキングでも腹筋を鍛えられます。

体を動かすこと自体が腸への刺激となって自然な排便に役立ちますよ。

無理のない範囲で問題ありませんから、便秘解消のために全身や腹筋を動かすことのできる運動を続けて行うようにしましょう。

ストレッチやトレーニングそしてウォーキングなど、できる運動から始めて少しずつ習慣として続けられるようになれば自然と便秘も解消されていきますよ。

まとめ

全く別の病気で互いに作用し合わないように思える便秘とうつ病とが、実は大変大きく関係していることが分かりました。

うつ病から便秘が生じている場合には、抗うつ剤の副作用に加えて毎日の暮らし方が便秘の原因として考えられますから、食事を改善したり少しでも運動を取り入れたりといった対処療法が非常に大切になります。

決して便秘を解消したいからと抗うつ剤の服用を独断で中止しないでくださいね。

うつ病の改善・予防のほか不快な便秘を少しでも改善する際にも、毎日の生活習慣や食事の見直しから腸内環境を整えていくアプローチは欠かせません。

すぐに便秘が解消されるということはありませんが、毎日コツコツと続けていく中で確実に便秘が解消されますし便秘が改善された後には便秘予防に効果を発揮しますよ。

心身の健康に大きく関わる腸の状態を健やかなものにして、うつ病の改善・予防に少しでも役立てたいですね。

参考文献 ヤクルト

参考文献 上岡田医院

参考文献 沖縄県保健医療福祉事業団

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