辛い冷えは漢方薬で解決!

日常生活の中で悩みが尽きず、ストレスを抱えてしまいがちな現代社会。ストレスフルな毎日を送っていると、健康に支障をきたす症状が体に現れますよね。そんなことから、優しく諸症状に効果を発揮する漢方に注目が集まっています。しかし、下記のような漢方のイメージから、興味はあるものの実際には使ったことがない人が大勢いるのではないでしょうか?

・漢方といえば苦くて飲みにくそう

・体に優しいだろうけど、続けないと効果が得られなさそう

・効き目が遅いイメージだから、どうしても即効性のある薬に頼ってしまう

実は、漢方は処方によっては即効性を得られるものがあるうえに、「冷え性」のような慢性的な体の不調を根本的に治療できるものが数多く存在します。こちらでは、「漢方薬とは一体どういうものなのか」「漢方薬と一般的な薬との違いは何なのか」といった漢方薬の基本とあわせ、冷え性に効果的な漢方薬の数々を分かりやすく解説します。

漢方薬ってどういうもの?

患者の症状や体質に合わせ、多くの効用がある生薬を2種類以上組み合わせて調合したものが漢方薬です。古来中国で発達し日本に伝来されてから独自の発展を遂げた漢方は、昔から医療に用いられている伝統医学になります。

また、漢方では病気を「体全体での調和を乱すもの」とみなし、本来あるべき調和を漢方薬によって取り戻そうという考え方が行われています。つまり、患者それぞれの自覚症状や体質に合った漢方薬を処方し、患者が持つ抵抗力を高めることで諸症状を改善することを目的としているのですね。

ですから、処方される漢方薬は、患者の数だけ複雑多岐に渡る症状や体質などの違いに合わせ、200通り以上にものぼる処方数から寄りすぐられたものとなります。

また、患者の好みやライフスタイルに応じ、煎じ茶、粉薬、錠剤などの多彩な服用方法の中から選べることも特徴のひとつです。

このような漢方薬は、現在も多くの医師によって医療現場に用いられており、現代医学でも必要不可欠な治療法です。

東洋薬と西洋薬の違いって?

西洋薬と東洋薬とでは、薬の選び方や含まれる効用成分の数といった点において異なります。

ピンポイントで速く効く西洋薬

まず西洋薬は、純粋なひとつの効能のみを持ち、その効能に特化しています。ですから、ひとつの病気や症状に、速くピンポイントに強い効果が働きます。そのため、西洋薬が処方される際には、医師が患者の体質や症状から病名を決めた後に選ばれます。

体全体の不調を根本的に解決する東洋薬

一方で東洋薬では、多種多様な効能を持つ複数の生薬を2種類以上組み合わされているので、ひとつ処方で体全体の様々な不調に効き目があります。

また、病名を決めてから処方を選ぶ西洋薬に対し、患者の体質や症状そしてその時の体の調子に合わせた処方が行われることも東洋薬の特徴です。

したがって、東洋薬は西洋薬ほどの即効性が得られませんが、ゆっくりとマイルドながらも症状を根本的に改善します。体が持つ本来の抵抗力を高め、体全体の調子を整えることを目的とした東洋医学ならではの考えが反映されているのですね。

様々な効能を併せ持つ東洋薬は、慢性的な病気や体全身の不調が重なり合って生じた複雑な症状に有効であるといえます。

つまり、西洋薬と東洋薬にはそれぞれ異なる優れた特徴があるものの、慢性的な症状を自然治癒力によって根本的に解決しようとする東洋薬のほうが、冷え性の改善に有効的に働きかけます。

冷え性に効く漢方薬は?

冷え性が引き起こされる原因として、主に以下の3つが考えられます。

1.血液の流れが悪く、熱をうまく運べずに冷える

2.体の水分量が多い(あるいは偏っている)部分が冷える

3.エネルギーが足りず、十分な熱を生み出せずに冷える

上記3つの原因から分かるように、冷え性は「冷え性になりやすい体質」から引き起こされています。体全体の調和を保つことを目的とする東洋医学では、「冷え性になりやすい体質」は体のバランスが崩れていると捉えるので、漢方薬による治療を受けることができます。

冷え性の他に見られる自覚症状から、どの体質が原因となっているのかを判断した後に、それぞれの患者に合った漢方薬が決まります。冷え性に悩むひとりひとりの体質や症状によって処方される漢方薬は異なりますが、その中でも冷え性の改善によく用いられている漢方薬をご紹介します。

1.血液の流れが悪く、熱をうまく運べずに冷える

下半身の冷え、下腹部痛や腰痛そして頭痛を伴う冷えを感じる、便秘気味、月経痛、肩こり、肌荒れ、手足が冷えたりほてったりする、だるさ・疲れが酷い、夜間尿、勃起不全、といった症状を伴う人に当てはまる体質です。いわゆる血行が滞っている状態が原因となっている冷え性の改善には、こちらの漢方薬がよく使用されています。

・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

・八味地黄丸(はちみじおうがん)

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

・温経湯(うんけいとう)

・加味逍遥散(かみしょうようさん)

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

など

2.体の水分量が多い(あるいは偏っている)部分が冷える

こちらの体質では、むくみ、強いむくみ、全身の冷え、頭痛・頭重感、耳鳴り、めまい、口が乾く、尿の量が少ない、頻尿などを伴う、下痢をしやすい、といった症状を伴います。つまり、体内の水分量が多く、冷えと共にむくみを自覚する人には以下の漢方薬が用いられます。

・五苓散(ごれいさん)

・真武湯(しんぶとう)

・苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

など

3.エネルギーが足りず、十分な熱を生み出せずに冷える

疲れやすい、風邪を引きやすい、寒がり、胃腸が弱い、みぞおちにつかえた感じがあり食欲がわかない、虚弱体質、低下した体力により胃腸が弱り下痢や腹痛を起こしやすい、という様々な体の不調が伴っている人が当てはまる体質です。つまり、エネルギー不足で体の機能が弱まっている人の冷え性には、以下の漢方薬が処方されることが多いです。

・人参湯(にんじんとう)

・六君子湯(りっくんしとう)

・真武湯(新舞踏)

・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

・人参養栄湯(にんじんようえいとう)

・八味地黄丸(はちみじおうがん)

・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

など

原因となる体質それぞれに効果を発揮し、冷え性を根本的に改善する漢方薬は上記のように数多くあります。

しかしながら、多くの効能をきちんと得るためには、服用の際に気をつけなければならない注意点がいくつかあります。

注意点は?

漢方薬を利用する際には、飲み物や飲むタイミング、そして服用をやめるタイミングに気をつける必要があります。 

1.水やぬるま湯で飲む

まず、漢方薬を服用する際には、必ず水やぬるま湯で飲むようにしましょう。これは、漢方薬の効用をきちんと得るためです。というのも、お茶やコーヒーなどに含まれる成分が漢方に影響を与えてしまい、本来の効果を十分に得られなくなってしまうからです。処方された効能を十分に得るためにも、たっぷりの水やぬるま湯で飲んでくださいね。

2.飲むタイミング「食間」に気をつける

基本的に「食間」に飲む漢方では、この食間が示すタイミングをきちんと知っておかなければなりません。食間とは、食前30分以上前、もしくは食後2時間以降の空腹時にあたります。とはいえ、飲み忘れてしまう・飲む習慣が身につかなくては意味がないので、食後の服用でも問題ありません。しかし、漢方を吸収しやすく効能を最大限に得られる空腹時にあたる食間は、よりはやく改善したいのであれば守るべきタイミングとなっています。

3.勝手な判断で服用をやめない

漢方によってはゆっくりマイルドに効果を発揮することから、なかなか効き目を感じられないこともあります。しかし、だからと言って個人の判断で勝手に服用をやめてはいけません。効果が現れ始める時期や処方される漢方の種類は、個人の体質や症状によって異なります。ですから、やめる前にはかかりつけの医師への相談を忘れずにおこないましょう。しかし副作用が現れ、明らかに合ってないと判断できる場合には、ただちに服用をやめ、その旨を医師に伝えて下さいね。

最後に

少しでも、漢方に対するイメージがプラスになりましたか?漢方で、自然治癒力を高めて疲れにくい身体を目指しましょう!