日本人ならではのおかずのひとつに納豆があります。
ご飯のおかずとして、麺類への和え物としても人気な納豆は、「身体に良い」食品というイメージも強いですよね。
そんな中、実は納豆には便秘解消効果があると言われていることをご存知でしょうか?
今回は、納豆がもたらす便秘への効果を紹介しながら、食べるときのポイントなどを詳しく紹介していきたいと思います。
納豆が便秘対策になるのはどうして?
どうして納豆が便秘に効くかと言いますと、これには食物繊維や納豆菌、ミネラルなど納豆に含まれるいろいろな成分が関係していると言われています。
そもそも便秘を解消するためには、水分不足で硬くなってしまう便へ十分水分を含ませてあげたり、悪化している腸内環境を整えたりする必要があるのですが、納豆を食べることでその両方の効果が期待できるようなのです。
そこでまずは、納豆が便秘に効果的な理由を、含有されている成分と併せながら紹介していきましょう。
豊富な食物繊維
まず、納豆には食物繊維が豊富に含まれています。
ご存知の通り、納豆は大豆を加工して作られた食品のひとつ。
もともと大豆には食物繊維が豊富に含まれているのですが、納豆へ加工してもその量は依然として多く、1パック(50グラム)当たりおよそ3.35グラムもの豊富な含有量を誇っています。
これはリンゴ1個あたりに含まれている食物繊維量よりも多いようです。
納豆には食物繊維の中でも「不溶性食物繊維」という便へ水分を与える作用があるタイプのものが多く含まれているため、硬くなった便を柔らかくし、排便を促す効果が期待できます。
生きたまま腸まで届く納豆菌
納豆に含まれている「納豆菌」には、生きたまま腸まで届くと言う特徴があります。
納豆菌が大腸まで届くと、腸の中をカバーし守る効果があるほか、納豆菌に含まれている大豆オリゴ糖が善玉菌を増やす作用もあります。
また、納豆菌自体も腸内で善玉菌となるので、便秘で悪化している腸内環境を整える効果が期待できます。
腸の運動を活性化する成分も!
便秘で思うように排便がなされないのは、腸の蠕動運動が低下していることも原因として考えられます。
そもそも腸の蠕動運動とは、腸が収縮や弛緩を繰り返すことで生まれる便を肛門へ押し出すための動きのこと。
蠕動運動が通常通り機能していれば問題はないのですが、動きが弱くなることで便が肛門まで行き届きにくくなり、排便もスムーズに行われなくなるのです。
納豆には、そんな低下した腸の蠕動運動を活性化する効果がある成分も多く含まれていると考えられています。
例えば納豆に多く含まれているマグネシウムやカルシウムといったミネラルは腸の働きを促す作用があると考えられています。
そのほか、大腸の免疫細胞のエネルギー源となるポリグルタミン酸は納豆のネバネバに多く含まれていますし、腸管運動を促す作用があるトリプトファンも納豆に豊富に含まれています。
便秘以外には?
納豆には便秘以外にも美容・健康面でうれしい効果が期待できるようです。
それぞれ効果別に詳しく見ていきましょう。
多方面での美容効果
納豆にはいろいろな種類のビタミンが含まれていますが、その中でもビタミンB2は美容効果が高い成分として知られています。
実際に抗酸化作用や皮膚や粘膜の保護、細胞の再生など、美肌には欠かせない作用が多く期待できる成分なので、高い美容効果が見込めます。
また、納豆に含まれている「ナットウキナーゼ」と「サポニン」という成分は血液をサラサラにする作用があることから、老廃物を排出し代謝を高める効果が期待できるようです。
そのほかにも、髪の毛や爪、筋肉を美しくする作用があるたんぱく質や、肌細胞を活性化させる作用がある亜鉛などが含まれていることから、納豆にはさまざまな美容効果が期待できると言えます。
女性特有の悩みにも◎
納豆に含まれている大豆イソフラボンは、女性特有の悩みに効果を発揮する作用があるようです。
と言いますのも、大豆イソフラボンは女性ホルモンのバランスを正常化させる作用があることから、生理に関連した悩みや、生理前の便秘、妊娠中の便秘への効果も期待されているのです。
酵素でダイエット効果も
巷で酵素ダイエットというものが流行していますが、納豆にも酵素は豊富に含まれています。
そのため、ダイエットにも効果があると考えられています。
がんや骨粗しょう症予防
先述したように、納豆には抗酸化作用を持つビタミンB2が豊富に含まれています。
そのためがん予防としても功をなすようです。
そのほか、納豆に含まれているビタミンKは骨の生成に欠かせない成分でもあるため、摂取することで骨粗しょう症予防にも役立つと言われています。
食べるときのポイント
便秘解消のために納豆を食べる際は、ポイントを踏まえるとより効果を得られるかと思います。
食べる組み合わせやアレンジ方法、回数、タイミングなどを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
食べる組み合わせやアレンジ方法
普段納豆をどんなふうに摂取していますか?
ご飯にかけて食べたり、おかずとして別々に分けて食べたりと、ご飯に合わせて食べる人が多いかと思いますが、毎日それだけだと飽きてしまいますよね。
冒頭でも説明した通り、納豆はうどんやおそばのトッピングとしても良いですし、パスタと併せて「納豆パスタ」として食べても美味しいかと思います。
また、より便秘に効果を見込みたいのなら、おくらやキムチと合わせて食べることで腸内をきれいにする作用が強まるでしょう。
そのほか、納豆はそのまま単品で食べると言う人も多いかと思いますが、その際一緒についてくるたれではなく、オリーブオイルをかけてみてはいかがでしょうか?
オリーブオイルには腸で吸収されにくく、そのうえ腸への刺激となり排便を促す作用がある「オレイン酸」という成分が豊富に含まれています。
また、オレイン酸には乳化作用もあるため、便を柔らかくし排便をスムーズにすることも見込めるようです。
納豆1パックにからしを加え、さらにオリーブオイル大さじ1杯を入れ混ぜて食べるという「オリーブ納豆」は便秘外来の医師である松生恒夫先生も推奨しています。
ちなみに、よりオリーブオイルの効果をとりいれるためには、エキストラバージンオイルを選ぶようにしましょう。
エキストラバージンオリーブオイルは品質も良いですし、オレイン酸も多く含むので、便秘により効果的に働くでしょう。
週に3日は食べる
納豆で便秘解消を図る際は、週に3回以上は食べるようにしましょう。
納豆は3パックセットで売っているものが多いので、冷蔵庫に常備して1週間で食べきることを目安に摂取しても良いと思います。
3パックのものを買っても100円前後のものがほとんどなので、下剤やサプリなどに頼るよりも経済的ですよ。
食べるタイミングは夜がオススメ
和朝食に納豆がセットとなっていることが多いように、納豆は朝食べるおかずというイメージがありますよね。
しかし便秘解消のために納豆を摂取するのなら、食べるタイミングは夜がおすすめです。
夜に納豆を食べておくと寝ている間に食物繊維や大豆オリゴ糖などが腸に到達し、機能し始めるからです。
そのほかナットウキナーゼやビタミンB2、Kも寝ている間に活性化し作用するので、便秘以外の効果のためにも夜に納豆を摂取した方が良いと言えます。
納豆を上手にとって効果を実感!
いかがでしたか?毎日の食生活に効率よく納豆を取り入れることで、便秘とおさらばできるどころかうれしい効果をいろいろ実感できるかもしれませんね。ぜひ試してみてください。