お灸と聞くとどんなイメージを抱きますか?
肩こりや腰痛を解消する方法、年配の方が行う健康法など、人によって抱くイメージは異なるかと思いますが、実は最近、女性の中で便秘やむくみ、月経関連の症状を改善するためにお灸をする若い人が増えているそうです。
ここでは、便秘にお灸が効果的な理由やお灸の使い方、具体的なツボなどを詳しく紹介していきたいと思います。
便秘とお灸
そもそも便秘になる原因というのは、人によって異なります。
例えば不摂生な食生活、運動不足、無理なダイエット、ストレスのほか、仕事や勉強が忙しいことでトイレに行くのを我慢することで便秘になる人も多いようです。
また、現在便秘に悩まされている人の7割が女性と言われているほど、便秘の女性は多いようですが、これは女性特有のホルモンバランスが関係していると考えられています。
女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが女性の体内で減ったり増えたりすることで、便秘を始めとしてさまざまな影響を体に及ぼしているそうです。
では、どうして便秘にお灸が効果的かといいますと、これには東洋医学の考え方が関係しています。
東洋医学では人体に経絡、いわゆるツボというものが無数に存在すると考えられており、これを刺激することで体の部位の不調を改善できるとされています。
腸の消化・吸収を促すツボというものも存在するので、そこを刺激することで便秘の改善が見込めるというわけです。
また、東洋医学では便秘の症状を改善するというよりは、便秘になりやすい体、体質を改善することに重きを置いているそうです。
そもそも東洋医学の中で便秘というものは、腸の活動が活発になってしまい熱が溜まることで起こるタイプと、腸の活動が弱体化し冷えてしまったことで起こるタイプの2つに分類できると言われています。
それぞれお腹を冷やしたり温めたりする必要があるのですが、程よく調整できるできる方法として、お灸が効果的であることから、便秘にお灸が良いと見込まれているのです。
お灸の使い方
続いては、自宅でできるお灸のセルフケア方法を紹介していきましょう。
最近はドラッグストアなどで簡単にできるお灸が販売されていますし、なかには煙が出ないタイプやアロマの香りがするタイプなどもあるので、ぜひいろいろ試してみてください。
具体的なお灸の方法は以下の通りです。
- ツボを見つけて目印をつけておく
- お灸に点火したらツボの上に載せる
- 5分ほどおいておく
- 台座が覚めたら水を張った容器にお灸を入れ、火を消す
初めての人は特にツボが見つかりにくいと思います。
次項で便秘のツボについてはお話しますが、ツボを見つけるコツとしては押してみて痛さと気持ちよさがある場所を探すということが挙げられます。
また、体調不良を起こしている部位につながっているツボはへこんでいることが多いので、大体の場所に目星をつけたらへこんでいる場所を見つけるという方法も有効かと思います。
点火したお灸をツボに載せると、じわじわ温かくなっていきます。
しかし中にはお灸をかなり熱く感じる人も多いようです。
この場合は我慢せずにお灸を取り外してしまいましょう。
お灸を置くのにおすすめの便秘のツボ
神門
手首にあるツボの中に「神門」というものがあります。
具体的には、手のひらを上に向けたときにある小指側の端っこの骨のでっぱりと手首の間にあるへこんだ場所が神門です。
神門は自律神経の乱れを改善することで、腸の働きを良くするだけでなく、精神的な不府庁へも働きかけると言われています。
腸の神経につながっているツボとも言われており、便秘解消のツボとしてもっとも有名なツボでもあります。
天枢
「天枢」はおへそから左右に指3本分ほど外側のところにあるツボです。
お腹にあるツボなので、刺激することで便秘解消への即効性があると言われています。
また、天枢はいろいろなタイプの便秘へ効果があると言われており、お灸はもちろん押すだけでも便秘解消が期待できるツボだそうです。
関元
「関元」は、おへそから指4本分くらい下にあるツボのことを指します。
便秘の中でも冷えから来る便秘に特に効果的に働くと言われています。
合谷
「合谷」は、手の親指と人差し指の間にある、手の甲の付け根にあるツボのことをいいます。
体に溜まった老廃物を排出する作用があるツボなので、便通を良くするほかに体に溜まった余分な水分や老廃物を排出し、むくみを解消してくれる効果も期待できます。
支溝
「支構」は手首から指の幅4本くらい肘側の、手首の中心と筋の交わる部分にあるツボのことを指します。
あらゆる便秘に効果があると言われているツボで、お灸をすることで便意が促されるそうです。
足三里
膝のお皿の外側にあるツボから親指を除く指の腹4本分下、すねの際にあるツボを「足三里」と呼びます。
「天枢」など同じくあらゆる便秘に効果があるツボと言われており、胃腸の働きを改善する作用が期待されています。
そのほか、疲労回復効果もあるようです。
注意点
最初は1日1回から
お灸を初めて行うという人は、最初から無理に回数を増やしたり、お灸の数を増やしたりすることは避けましょう。
基本的には最初は1日1回、お灸は1個から始めるとベターです◎
熱さを我慢しない!
先ほどもちらっと述べましたが、人によっては我慢できないほどお灸を熱く感じることもあります。
その場合は、無理して厚さを我慢する必要はありません。
ひどく熱く思った時点で、お灸が燃えきっていなくても中断することをおすすめします。
というのも、お灸を熱く思った時点でもう効果は発揮されていることになるからです。
処理はきちんと行おう
お灸はどうしても熱を伴うものなので、お灸を行った後はきちんとしかるべき処理を行うようにしましょう。
点火したものは特に、火が消えたように見えてもしっかりと水が入った容器に浸し、熱を除くことが大切です。
また、煙が出るタイプのお灸を使用する際は、換気扇を回しながら行うようにしましょう。
妊娠中はお灸を控えた方が良い?
妊婦さんの中には、ひどい便秘に悩まされていることも珍しくはないようです。
しかし、妊婦さんには便秘解消のためのお灸はおすすめできません。
妊婦さんの身体はとてもデリケートなので、ツボへの刺激もあまり勧められていないのです。
もしどうしてもお灸をしたいという際は、安定期に入ってから行うようにしましょう。
お灸を行う時間帯
お灸はいつでもどこでも行って良いというものではありません。
例えば食事の直後、飲酒後、入浴前後のほか、熱が出ているときはお灸を控えるようにしましょう。
お灸は、慣れると簡単!
お灸は便秘解消だけでなく、血行を良くすることで冷えの改善や美肌などいろいろな効果が期待できる健康法です。
セルフケアとして自宅でお灸を行う方法を紹介していきましたが、もし本格的にお灸の効果を実感したいのであれば鍼灸院で専門家の方にしてもらってみても良いかと思います。
ぜひ毎日の生活にお灸を取り入れてみてください。
