押すことでいろいろな効果が期待できるツボは、中国で発達した東洋医学の中で確立されたものひとつです。
東洋医学では、人体に360以上のツボが存在すると考えられており、そのなかには便秘に効くものもあるそうです。
そこで今回は、便秘解消に効果があるとされているツボを部位ごとに紹介していくとともに、ツボ押しの注意点も説明していきたいと思います。
部位別のツボ
手
手のツボは比較的押しやすいので、通勤中や通学中など思い立った時に刺激できるというメリットもあります。
手にあるツボで便秘に効果があるとされているものは以下の通りです。
神門
「神門」は小指側の手首の付け根、骨と筋の間のくぼみにあるツボのことを指します。
親指でぐりぐりと押したり、ペンの先で刺激したりと、比較的力を強く入れても大丈夫なツボです。
神門は便秘に効くほか、ストレスを軽減する効果も期待されています。
支溝
「支溝」は手首から指3本分くらい肘側にある、真ん中あたりにあるツボのことを指します。
あらゆる便秘を解消する効果が期待されています。
合谷
手の親指と人差し指の付け根、手の甲側にある骨と骨が交わっているところのくぼみを「合谷」と呼びます。
「万能のツボ」と呼ばれることもある合谷は、便秘解消だけでなく肩こりや精神的な不調などへも効果を発揮するそうです。
反対側の手の指で挟んで刺激すると良いでしょう。
間使
「間使」は、手首の付け根から指4~5本肘側、2本の筋の間にあるツボです。
便秘の方が押すと圧迫感を感じることが多いので、わかりやすいかと思います。
間使は胃腸の働きを活発にする効果があるツボで、即効性も期待されています。
したがって、少しでも便意を感じたらトイレの中でいきみながら間使を押してみると効果が期待できることでしょう。
手首をつかむようにし、親指で痛気持ち良いくらいの力を入れて押すとベターです。
足
足の三里
「足の三里」は膝から親指を除く指4本分くらい下、外側にあるツボのことを指します。
万能のツボと言われることもある足の三里は、便秘以外にもむくみ解消や体力増強などに効果があるようです。
親指や中指で、やや強めに力を入れてぐりぐりと刺激すると良いでしょう。
三陰交
くるぶしの内側の骨から指4本分くらい上の、すねの骨の後ろ側のくぼみにあるツボを「三陰交」と呼びます。
消化器官をはじめとする内臓の働きをサポートしてくれる働きがあるツボなので、便秘以外にも生理痛や生理不順などに効くそうです。
ツボに親指を当て、押すというよりは左右に動かすように刺激するようにしましょう。
厲兌(れいだ)
「厲兌」は足の第二指の爪の横、第三指側にあるツボで、便秘以外にもむくむ解消に効果があると言われています。
胃腸の働きが悪くなっているとかなり痛むので、痛んでいる部分を持ち上げるようにして押したり、綿棒の先端でぐりぐり押しながら刺激したりすると良いでしょう。
お腹
大巨(だいこ)
「大巨」はおへそから左右に指2~3本分くらい外側、さらに指2~3本分くらい下にあるツボのことを指します。
便秘が長く続いていると、この部分がかなり硬くなっているので見つけやすいと思います。
大巨は左右2つありますが、硬くなっている場合は指を使って1つずつ押し込むように優しく刺激しましょう。
硬くなっているとついつい強く押してしまいがちですが、押しすぎは禁物です。
天枢
おへそから指2~3本分くらい外側にあるツボを「天枢」といいます。
天枢は内臓系の働きを促す作用があることから、便秘や下痢に効果があるツボとされています。
人差し指、中指、薬指の3本を使って、両方のツボをお腹が軽くへこむ程度まで押してあげましょう。
気海
「気海」はおへそから指2本分くらい下にあるツボで、消化器系のトラブルを解決する作用が見込まれています。
便秘以外にも、消化器系のトラブルに効くツボと言われているので、生理不順や生理痛、EDなどの効果があるようです。
ツボに指をまっすぐ当て、両手の指で押してあげると良いでしょう。
背中
便秘点
便秘点は背中の肋骨の一番下の骨から指2本分くらい下、さらに背骨から指4本分くらい外側にあるツボで左右に2つあります。
その名の通り便秘に効果的に働くツボですが、それ以外に腰痛にも効くと言われています。
ウエストのくびれに手を置き、親指でツボ押しながら体にひねりを加えると良いでしょう。
左右にひねることで指に力が入り、ツボへの刺激となります。
大腸愈
「大腸愈」は腰骨のあたり、背骨から指2本分くらい外側にあるツボで、左右に1つずつあります。
大腸関連にトラブルに効くツボなので、便秘や下痢、腰痛などに効果があるようです。
刺激する際は、大腸愈にこぶしを置いた状態で仰向けになり、膝を曲げ足を立てたら左右にゆっくりと動くと良いと思います。
この時こぶしのとがった部分をツボに置き、体重を乗せるように刺激するようにしましょう。
耳
内分泌点
内分泌点は耳の穴の下のくぼんでいる部分にあるので、こするようにして刺激すると良いでしょう。
新陳代謝を活発にしてくれるので、便秘のほかむくみ解消などに効くとされています。
便秘点
また、耳には背中にもある「便秘点」というツボがあり、同じく便秘に効果があるとされています。
耳の付け根の当たり、上から最初のくぼみにあるのですが、便秘が長引いているとかなり痛むので、見つけやすいツボでもあります。
頭
百会
「百会」は頭のてっぺん、正確には両耳の穴から頭部に伸ばした線の交点にあるツボです。
「万能のツボ」と言われるほど全身の不調に効くツボでもあり、便秘以外にも頭痛や肩こりなどに効果を発揮するようです。
刺激する際は、人差し指と中指を立てた状態で押してあげると良いでしょう。
風池
「風池」は首の真ん中に通っている筋の両端のくぼんだ場所にあります。
血行を促進させ、自律神経を整える作用があるツボで、便秘や肩こり頭痛に効果があるようです。
刺激する際は、両手でしっかり頭を固定しながら、左右にあるツボを親指で押してあげると良いでしょう。
ツボ押しの注意
ツボ押しは誰でもどんな時でもできるというわけではありません。
なかにはツボ押しを控えた方が良いケースもあります。
妊婦
妊婦さんの身体はとてもデリケートだと言われています。
そのため、特に安定期前はツボ押しを控えるようにしましょう。
飲酒時や体調が悪い時
飲酒時は血行が良くなっているので、酔いが回りやすくなるので、ツボ押しは控えるようにしましょう。
また、ツボ周辺にけがをしていたり、いつもより体調が悪かったりするときもツボ押しはおすすめできません。
子供やお年寄り
子どもやお年寄りの方にツボ押しをする際は、無理は禁物です。
できるだけ優しい力で無理のない程度にツボを刺激するようにしましょう。
どこでも刺激できるツボ押しで美しく!
ツボ押しを日常生活の中に採り入れることで、便秘解消だけでなくいろいろな健康や美容効果が得られるかもしれませんね。
ぜひツボの位置を抑え、適切な方法で刺激してみてください。
