凝り固まった体をほぐしてくれるストレッチは、疲れている体にはたまらなく気持ちが良いですよね。
一方で、実はストレッチの中には、体をほぐすだけでなく便秘に効果を発揮するものもあると言われています。
ここではそんな便秘に効果があるストレッチを紹介していくとともに、妊娠中でも安心して行えるものやストレッチを行う際の注意点なども併せてみていきたいと思います。
便秘解消のストレッチ
便秘を解消するための方法はいろいろありますよね。
その中でもストレッチは、便秘に効くだけでなく、血行を改善することで肩コリや腰痛を和らげるほか、ストレス解消や自律神経のバランスを整えると言った効果も期待できるようです。
そこでまずは、便秘解消に効果が見込まれているストレッチを7つ紹介していきましょう。
大腸わしづかみストレッチ
「大腸わしづかみストレッチ」は、特に弛緩性便秘の方におすすめのストレッチです。
- 左手を肋骨の下に、右手を骨盤のあたりに置く
- それぞれを強くつかんだら腰をぐるぐるとまわす動作を20回ほど繰り返す
肋骨の下と骨盤あたりはちょうど便が詰まりやすい場所だと言われています。
この2か所を刺激することで便のつまりを解消する作用が期待できるのです。
便座でねじリッチ
「便座でねじリッチ」は、直腸性便秘の方におすすめのストレッチです。
その名の通り、便座の上に座って行います。
- 便座の上に腰かける
- 右ひじと左ひざをくっつける
- 左ひじと右ひざをくっつける
- 左右交互に20回繰り返す
左右交互の肘と膝をくっつけることで、体をねじることになり、直腸を刺激する作用が見込めます。
特に左側に詰まった便の排出を促す作用があるようです。
骨盤底筋のストレッチ
骨盤底筋とは、骨盤の最も下にあり、内臓を支える働きをする部位のことをいいます。
骨盤底筋が正常に機能していると、直腸から肛門へ便がスムーズに移動することが可能なのですが、骨盤底筋が衰えてしまうと便が通る道が塞がれてしまい、排便が困難になるそうです。
その解決策として考えられているのが骨盤底筋のストレッチ。
最近は「ひめトレ」という骨盤底筋エクササイズ専用のアイテムも販売されており、これを使用することで飛躍的に骨盤底筋を鍛えることができると言われています。
今回は、「ひめトレ」を使用せずに、骨盤底筋の動きを意識するストレッチを1つ紹介しましょう。
- 仰向けになり膝を立てる
- できるだけお腹をへこませるように息を吐き、吸う(腹式呼吸)
- 息を吐きながらお腹をへこませ、骨盤の下の部分を中に引き込むように意識する
- 5回行ったら、次に息を長く吐きながらお腹を膨らます(逆腹式呼吸)
- 息を吸いながらお腹をへこます
- 呼吸に慣れてきたら骨盤の下の部分を引き上げるように意識する
- 5回行う
腸の引き上げ
最近は腸が下がっている女性が多いと言われています。
腸が下がっていると腸の活動にも支障をきたし、便秘を引き起こしやすくなります。
しかしそこで腸を引き上げる作用があるストレッチを行うことで、腸の運動を活性化させ、便秘の改善につながります。
- 仰向けになる
- 膝を立て、腰を持ち上げる
- 息を吐きながら恥骨からおへそまで腸を引き上げていく
- 1分間に3~5回ほど行う
ポイントは腸を引き上げる際に熊手のようにぐっと力をこめること!
便が溜まっている人ほど腸への刺激が強くなり、便意を感じやすくなるそうです。
おしりをほぐすストレッチ
お尻の筋肉をほぐすことで、腸の蠕動運動を活発にする作用が期待できると言われています。
固まったお尻の筋肉をほぐすストレッチのやり方は以下の通りです。
- 椅子に座り、両膝を屈折させる
- 両手を後ろに回したらお尻の片側に体重をかける
- お尻を回しながら、1か所につき30回ほどほぐす
- 痛いところがあったらその部分もほぐしていく
お腹と腰のストレッチ
お腹と腰のストレッチを行うことで、腸に刺激を与えるほか下半身の血行を良くし、むくみや冷え解消といった効果も期待できます。
- 床に座る
- 左足を立て、右足は伸ばしておく
- 左足を右ひざの外側に置いたら右手の肘を左足の外側に置く
- 息を吐きながら体を左側へねじったら、4回呼吸する
- 反対側も同様に行う
股関節のストレッチ
股関節のストレッチを行うことで、便秘の解消だけでなく、女性の場合生理不順の改善も期待できるようです。
- 床に座る
- 両足の裏を合わせ、かかとをできるだけ手前に引き寄せる
- 大きく息を吸いながら背筋を伸ばし、息を吐きながら上半身を前に倒す
- 数秒間キープしたら、息を吸いながら体を起こす
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、身体を左右にゆっくり揺らす
朝におすすめのストレッチ
1日の中で、朝は最も便意が催される時間帯だと言われています。
そんな朝に行うことで、便秘により効果的に働くストレッチもあるので、いくつか紹介していきましょう。
背伸び
朝起きて、布団の中でできるストレッチです。
寝ころんだまま手を伸ばし、上下に伸びるように背伸びをします。
こうすることで朝緩やかになりやすい体を動きやすくする効果が期待できます。
バタ足
布団の中で手を頭の下においてうつぶせになり、膝を伸ばしたまま足全体でバタ足をしましょう。
10回くらい行うと便秘に効果があるようです。
お尻たたき
バタ足の時の姿勢から膝を曲げた状態でお尻を足の裏でたたくようにすると、腹筋を鍛えることができるそうです。
20回くらいを目安に行いましょう。
だるま体操
仰向けになって膝を胸につくくらい抱え込むようにしましょう。
何回も繰り返すことで、便秘に効果的に働くようです。
つま先のぞき
仰向けの状態で両手を頭の下で組み、つま先をのぞくようにします。
5~10回くらいを目安に行いましょう。
足揚げ
仰向けの状態で両手を体の脇に置き、膝を伸ばしたまま足を持ち上げます。
30センチくらい上に持ち上げたら、10秒ほどキープしましょう。
5回ほど繰り返すと効果的です。
この字起き
仰向けに寝た状態から両腕、両足を上にあげ3秒ほどそのままにします。
その後息を吐きながら手足を思いっきり振り下ろし、起き上がりましょう。
5回ほど繰り返してみてください。
腰叩き
上半身を起こし、腰を軽くたたきます。こうすることで腸へ刺激が与えられ、活動開始が促されます。
妊娠中におすすめのストレッチ
妊娠中に便秘に悩まされる女性も多く、その原因は人によって様々です。
例えばホルモンバランスの乱れや出産への不安からくるストレスなど、いろいろな理由があるようですが、その中でも実は「普段の姿勢の悪さ」から便秘を引き起こす人も多いと言われています。
実際に妊娠してお腹が大きくなっていくと、それまでとは違った姿勢でいることも多くなるので、骨盤をゆがませてしまい、腸の活動を妨げる原因となることもあるそうです。
そこで便秘に悩む妊婦さんにおすすめしたいのが正しい姿勢を心がけるためのストレッチ。
無理は禁物ですが、できる範囲でぜひ行ってみてください。
ねじりのポーズ
あぐらをかいて座ったら、背筋を伸ばしまっすぐ前を見ます。
そのままの状態で息を吸い、吐きながら腰をひねり、前と後ろに両手を回します。
体を戻したら、反対側も同様に行いましょう。
腰回し
足を肩幅に開いたら、まっすぐ前を向いて立ちます。
そのまま両手を腰に回し、時計まわりに腰を2~3回大きく回します。
その後逆方向も同様に行います。
背中伸ばし
四つん這いになったら顔を下に向け、息を吸いながら背中を上方向に丸めます。
その後真正面を向いた状態で、息を吐きながら背中を下に戻したら、状態を反らします。
これを5回くらい行いましょう。
無理なストレッチは注意
ストレッチは比較的軽い運動となりますが、無理は禁物です。
無理にストレッチを行うと体を痛めてしまうことも十分にあり得ます。
どこか痛めてしまうとその部分をかばって別の場所に負担をかけてしまい、便秘解消どころか症状を悪化させることになりかねませんので、自分のペースで続けるようにしましょう。
お風呂上がりの10分だけでもやってみよう
便秘解消のためのストレッチは、続けることで便秘を根本から治すことも可能と言われています。
一時的に薬に頼るのではなく、日常生活にストレッチを取り込むことで便秘とは無縁な生活を送ることも可能かもしれませんね。ぜひ参考にしてください。