多くの女性を悩ませる便秘の中でも、運動や食事などの方法から解消されない頑固なものがありますよね。
便秘の状態が続くと、吐き気・肌荒れ・食欲低下・めまいといった思いもよらぬ症状を併発する恐れもあります。
したがって、「たかが便秘」と軽んじるのではなく、便秘はできる限り早く解消しなければなりません。
特に、頑固な便秘を効果的に解消するには、便秘薬の上手な活用が必要になることもあります。
こちらでは、市販されている便秘薬の選び方やオススメのものなど、便秘に苦しむ人であれば知っておきたい知識についてご紹介します。
今では市販の便秘薬でも様々な種類・タイプのものが多くのメーカーから展開されていることもあり、選ぶ際には非常に悩んでしまうものです。
目的に応じた、合った効き目のものをきちんと選べるようになるためにも、こちらでご紹介します内容を参考にしてみてください。
便秘薬はどれがいいの?
市販の便秘薬を活用する前に、まずは便秘薬に多数存在するタイプとそれぞれの特徴、それらを踏まえた選び方について知っておく必要があります。
買う前に知っておきたい事
市販の便秘薬は得られる効果によって「刺激タイプ」「膨張タイプ」「浸潤タイプ」「浸透圧タイプ」の4つに分類されます。
それぞれの便秘薬に含まれる成分やアプローチの方法などの違いに着目し、タイプ別にその特徴をご紹介します。
1.蠕動運動を促す刺激タイプ
まず、刺激タイプでは「腸の粘膜を刺激することで、排便に必要な腸の蠕動運動を促進する」というアプローチから便秘の解消を目的としています。
刺激タイプに分類される便秘薬は、さらに「小腸刺激タイプ」と「大腸刺激タイプ」とに分類できます。
ひまし油やオリーブ油などが使用されている小腸刺激タイプでは、比較的短い時間で小腸を刺激して排便を促します。
油を使用しているので大量の服用は厳禁ですし、骨盤内の出血が生じる恐れがあるため妊婦の人は使用できません。
一方、大腸刺激タイプは便秘薬として使用されることが最も多いタイプで、「センナ、ダイオウなどを使用した生薬タイプ」と「ビサコジルやピコスルファートなどの成分が配合されたタイプ」との2種類があります。
どちらも服用してから6~12時間後に効果が現れます。
刺激タイプの中でも生薬タイプは、連用によって効果が薄くなる「常用性」がありますから、長期・高頻度の服用は控えなければなりません。
2.便の量を増やす膨張タイプ
膨張タイプとは、腸に届くと水分を吸収して膨張する食物繊維が配合されたものです。
膨張した食物繊維によって便の量が増え、かさが増えた便から腸が刺激されて蠕動運動が活発になり排便が促されるのです。
膨張タイプには「天然の食物繊維タイプ」と「合成された食物繊維タイプ」との2種類がありますが、市販の便秘薬はプランタゴ・オバタ種皮が使用されているものがほとんどです。
腸に直接アプローチする刺激タイプに対し、膨張タイプの作用は緩やかで常用性がなく長期の服用も可能です。
その効果は服用してから12時間以上の経過で現れ始め、最も効果が現れるのは2~3日後だとされています。
便が柔らかく排出に適した質に変化させるので、排便の際に苦労する心配がありません。
しかし、腸内で膨張する食物繊維を利用したタイプで、腸管が狭くなっている場合には逆効果となる恐れがあるので注意が必要です。
3.便を柔らかくする浸潤タイプ
腸内にある便に水分を浸透させ、便を排泄しやすい柔らかな状態にするものが浸潤タイプになります。
浸潤タイプにはジオクチルソジウムスルホサクシネートという界面活性剤が配合されており、便を柔らかくすると同時に便をコーティングすることで腸内での滑りを良くする働きがあります。
市販の便秘薬に界面活性剤に加えて、大腸刺激タイプに分類されるセンナやビサコジルなどの成分が併用されていることが多いです。
そのため、刺激が強い場合もありますが、服用量を調節することで効き目の度合いを変えられます。
4.腸と便を柔らかくする浸透圧タイプ
腸内の浸透圧を調整し、便だけでなく腸内の水分を増やす働きを持つのが浸透圧タイプになります。
さらに浸透圧タイプは「塩類(酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムなど)を含むタイプ」と「糖類(ラクツロース、ソルビトールなど)を含むタイプ」との2種類に分類されます。
塩類を含むタイプでは、塩類の成分が持つ浸透圧の働きから便の水分量を増やして柔らかくしたり量を増やしたりします。
服用してから1時間後には効果が現れはじめますが、その際には腹痛がなく自然に近い排便となります。
服用する中で次第に効果が実感できなくなる「常用性」がないので、長期間の服用が可能なのもメリットの1つです。
また、糖類を含むタイプでは塩類のものと同じような浸透圧による作用のほか、「腸内の善玉菌の餌となってその数を増やす」「腸内を善玉菌が住みやすい弱酸性に整える」という効果が得られます。
そのため、便秘解消のみならず「腸内環境の正常化」という便秘の根本的な改善にも役立ちます。
選び方
上記でご紹介しましたように、便秘薬には様々なタイプがあります。
それぞれ異なる作用から便秘の解消を目的としていますから、目的や得られる効果に応じてどのタイプにするかを選ぶことが大切になります。
しかし、紹介した便秘薬は、ストレスから生じる便秘の解消にはあまり適していません。そもそも便秘には、「腸の動きが悪くなったり弱まったりすることで生じる便秘」と「ストレスから生じた自律神経の乱れによって生じる便秘」の2種類があります。
市販の便秘薬はそれぞれが持つ効果やアプローチ方法は違うものの、どれも腸の動きを促進して便秘を解消します。
したがって、腸の動きの低下によって生じる便秘には優れた効果を発揮しますが、ストレスから生じる便秘で服用すると激しい腹痛が伴う恐れがあります。
とは言え、腸の動きの弱まりから生じる便秘の場合には、市販の便秘薬の服用は有効な手段となりますよ。
以下では、目的や得たい効果に応じた便秘薬の選び方についてご紹介します。
1.即効性が欲しい時には
「苦しいほどのお腹の張りを一刻も早く解消したい」と便秘薬に即効性を求める場合には、腸に直接作用して蠕動運動を活発にする「刺激タイプ」が最適です。
しかしながら、腸の動きを半ば無理やり引き起こすぶん刺激が強いため、下痢や腹痛が生じるリスクが極めて高いというデメリットがあります。
「即効性は欲しいけれど、刺激タイプほどの強い効き目のものはちょっと…」という人には、「刺激タイプ」の次に効果が早く現れて効き目がソフトな「浸透圧タイプ(塩類を含むタイプ)」がオススメですよ。
2.長く使いたい場合には
長期間に渡って使用したい場合には、常用性が少ない「膨張タイプ」がgood!
特に天然の食物繊維(プランタゴ・オバタ種皮)が主成分のものは、体への影響も少ないですよ。
その次にオススメのタイプなのが、「浸透圧タイプ(塩類を含むタイプ)」です。
先述の通り即効性がある上に、癖になりにくいので頑固な便秘にも適しています。
3.腸に優しいものが良い人には
最も腸に優しいものが「浸透圧タイプ(糖類を含むタイプ)」で、次が「膨張タイプ(天然の食物繊維が主成分のもの)」になります。
ただし、食物繊維の過剰摂取はかえって便が固くなったり便秘になったりすることがありますから注意してくださいね。
市販の便秘薬でオススメなのは?
効き目やアプローチ方法など幅広い種類が存在する市販の便秘薬の中でも、特にオススメの製品を5つ選りすぐりました。
それぞれの便秘薬が持つ特徴のほか、実際に試した人の口コミや体験談も合わせてご紹介しますので選ぶ際の参考にしてください。
タケダ漢方便秘薬
タケダ漢方便秘薬では、生薬の「大黄(腸の動きを活発にする)」と「甘草(大黄による腸の過剰な動きを抑える)」を配合した「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」が主成分として使用されており、就寝前の服用で翌朝には自然に近いお通じが実現します。
錠剤タイプの本商品には割線(かっせん)という手で半分に割るための線が刻まれているので、服用量を少量から始めて服用する中で調整できるというメリットもあります。
「就寝前の服用で、翌朝腹痛もなく見事に出ました。やっぱり便秘解消に効きますし、昔からある理由がわかります」
「穏やかでちゃんと出るものを探していて、この便秘薬にたどり着きました。就寝前に3粒の服用で、翌朝自然に出て朝だけで3回!でも、痛い!とか苦しい!ってことがなかったので、困ったときには頼ろうと思います」
「自分に合った粒の量に調整できるので、腹痛に悩まされることはありません。肌トラブルも減ったような気がします」
「痛みがなく自然なお通じでたくさん出る」「量が調整できる」という口コミが多く見られました。
主成分として自然由来の生薬を使用しているからこその嬉しい効果ですね。
スルーラックs
スルーラックSには、「ビサコジル(腸の働きを活発にする)」と「生薬のセンナ由来成分(スムーズな排便へとアプローチする)」という2つの有効成分が配合されており、頑固な便秘の改善にも役立ちます。
特に、センナ由来成分が便を柔らかい状態をキープしてくれるので、固い便に悩まされる心配もありません。
「パッケージに書かれた優しい効き目という文字に惹かれて試しました。就寝前に1錠飲むと、翌日の夕方に効果が現れました。腹痛はありませんでした」
「寝る前の1錠で翌朝に自然と出ました!苦しくないし、1錠から調整できるので良いかも」
「穏やかに効くかわりに効き目が現れるまで時間がかかかるような気がする」
「優しい効き目の1錠から」と謳われているように、1錠から多くでも3錠までと服用量を調整できる点とその穏やかな効き目が高評価の口コミが多くありました。
しかし、中には3錠を試した人の口コミで、即効性と腹痛に悩まされたというものもありましたから、服用量には気を付けたいですね。
新ウィズワン
天然の食物繊維である「プランタゴ・オバタ」と生薬成分「センノシド」が主成分として使用されています。
どちらも自然由来の成分ですから腸に優しいほか、自然に近いお通じで便秘を解消してくれますよ。
癖になりにくいという特徴も嬉しいですね。
「ほのかにチョコレート風味で飲みやすく、就寝前の1包で翌朝に腹痛もなく快適に出せました。パッケージに書かれていたどっさりという文字通り、便のかさが少し増していたような気がします」
「粉末タイプなのにチョコレート風味で苦くなく飲みやすいです。一袋全部飲むと下痢になるので、量を調整して飲むようにしています」
「服用時の状況によって効果が大きく異なるように思います。しっかりとお茶を飲みながら夕食をたくさん食べ、そのあと時間を置かずにたっぷりの水での服用がオススメです」
「腹痛がほとんどなく、スルッと柔らかいお通じがありました」
服用量や服用するタイミングによって効果が異なるようですが、口コミでは「腹痛がなく自然なお通じ」が共通していました。
コーラック
「ビサコジル」が配合されており、慢性的な便秘や辛い便秘にもしっかりとした効果を発揮します。
ピンク色の小粒は5層コートに包まれているので、胃で溶けずに腸まで届いた後に働きます。
「本当に便秘で困っている人にはお勧めできます。飲めば絶対に出ますが、腹痛がかなり辛く吐き気を伴うこともありました」
「説明書やサイトには就寝前に服用するようにと書いていますが、痛みで起こされて眠れなくなってしまうので注意が必要です。即効性と便秘解消の効果は絶大です」
「1粒で十分すぎるくらいに出るので、コスパ的には良いかも」
「効果はすごい。でも腹痛が辛い」という口コミが多く見られたのは、それだけ頑固な便秘にも効果を発揮する証拠でしょうか。
出た後にはお腹がペッタンコになっているのがひと目でわかるほどだとか。
大正漢方便秘薬
便秘の解消に用いられることの多い漢方「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」のエキスが使用されている大正漢方便秘薬は、便秘解消に加えて便秘に伴う肌トラブルの解消にも効果的!
就寝前の服用で、翌朝には自然に近い排便が可能となります。
「とてもマイルドな効き目で便秘に働きます。すっきりできる上に、後にも引きません」
「2~3日出ていない時に、夜2粒の服用で次の日の午前中には自然に出ます。お腹が猛烈に痛くなったりはしません」
「自然にすっきりできる」という口コミが多いなかで、「説明書に記載されている服用量だと下痢になる」という意見もありました。
体質や便秘の状態に応じた服用量を心掛けるのが好ましいと言えます。
注意点
自分に合った便秘薬にたどり着くと、便秘になるたびにどうしても頼りたくなります。
しかし、便秘薬に頼りきりの排便を続けていると、便秘薬なしでは排便することができなくなる「下剤依存症」に陥りかねません。
これは便秘薬を何度も服用することで、体が便秘薬による刺激に慣れる「常用性」という特徴も関係しています。
- 腹痛
- 痙攣
- 便秘の悪化
- 動悸や不整脈
- むくみ
便秘薬は優れた便秘解消効果を発揮する反面、やはり薬であることには変わりありませんから上記のような副作用のリスクも十分にあることもお忘れなく。
したがって、市販の便秘薬は入手しやすいですが、あくまでも便秘が辛くて仕方がない時の「最終手段」として使うようにしましょう。
自分にあった使い方を選んで!
市販の便秘薬には異なるアプローチから優れた便秘解消効果を発揮するものが数多くあることが分かりましたね。
辛く苦しい便秘に悩まされている時には、数多くの製品の中からそれぞれの便秘薬が持つ「効き目の度合い」や「アプローチの方法」などから自分に合ったものを選びましょう。
しかしながら、便秘薬はあくまでも「腸内に溜まった便の排出」に作用するものであり、便秘が生じる根本的な原因である「腸内環境の悪化」をはじめとした要因には作用しません。
食事内容を改善したり運動を取り入れたりといった生活習慣からのアプローチこそ根本的な便秘の改善ですし、便秘を解消するためには必要不可欠な心掛けですよ。
