食べ物、ウイルス、緊張、冷え、下痢の起こる理由はいろいろありますよね。
それでも、下痢は原因となるものが解決すればすぐに治る病気です。
むしろ、食べ物やウイルスを出すことが下痢の役目と言えますね。
ということは、「下痢しやすい」「下痢が続く」という場合は体質や生活習慣に問題が起きている証拠です。
下痢の人に見直してほしい、5つの生活習慣
下痢は、ある要因によって一時的に引き起こされるものが多く、いわゆる急性下痢と呼ばれています。
下痢になっても腸の活動が回復すれば元通りになるので基本的には大したことになりません。
では、どうして下痢になりやすい人とそうでない人がいるのか?
主な理由は体質と生活習慣です。
ここでは、普段の心がけで回避することができる下痢になる生活習慣とその対処法を紹介します。
1 バランスの良い食事
下痢になった時にまず疑われるのは食事です。
消化しづらいものを食べたり、アルコールを飲んだりといった腸に良くないものが消化不良を引き起こします。
例えば糖質の多いものを食べ過ぎると消化吸収しきれずに大腸に至ります。
糖質は水分をため込む性質を持っているので、便を固くすることができません。
正常な大腸は便から水分を吸収することで水分比率を60%程度に整えます。
対して、下痢の水分比率は90%にも及びます。
塩分も、糖質と同じく水分を引き寄せる性質を持っていますが基本的に尿として排泄されます。
つまり、塩分が下痢に結びつくときは想像を絶するほどの量を摂っていることを意味します。
そして、肉類は単純に消化しづらいです。
特に脂肪分は胃腸に負担をかけるので脂ぎった肉は下痢の時には、絶対に食べてはいけません。
赤身の肉でも消化に時間がかかるうえ、悪玉菌であるウェルシュ菌のエサになってしまいます。
腸内で悪玉菌の勢力が広がれば、便が腐敗して腸から有害物質が全身に流れます。
そこで、健康な腸を保つためにはこんな食生活をすることが大切です。
よく、健康業界では頭文字をとって「まごわやさしい」といわれますが、さらに米とヨーグルトをついかした「まごこはやさしいよ」が推奨されます。
ま 豆類(豆は豆腐でもOK。イソフラボンを摂る場合も大豆にこだわる必要はありません)
ご ごま(黒ゴマでも白ゴマでもOK)
こ 米(マクロビオティック業界では玄米が推奨されますが、体質によっては玄米にこだわる必要はありません)
わ わかめ(海藻類)
や 野菜
さ 魚(魚の脂肪はダイエットにもお勧めですが、下痢の時は消化不良のリスクがあります)
し しいたけ(キノコ類)
い いも類(栄養を考えるならジャガイモよりサツマイモや里芋がおすすめです)
よ ヨーグルト(発酵食品の一部にはβグルカンという免疫成分が入っています)
食の分野は健康とは切っては切れない関係なので、ウソの情報もたくさん出回っています。
「まごこはやさしいよ」は大切ですが、人間はもともと肉食ですし、玄米は万能ではありません。
また、小麦を否定する意見も多いですが栄養価の高い食物です。
2 体を冷やさない
体が冷えると細胞の活動も落ちます。
そのため下痢だけでなくダイエットや美容の面からもよくありません。
よく、おなかが冷えると腸の活動が弱まって下痢をすると言われますが必ずしも正しいとは言えないのです。
たしかに、体が冷えるとその刺激で腸の活動は乱れます。
さらに、腸は「体を温めるため」に下痢をしていること、ご存知でしたか?
水を出す行為と言えば汗やおしっこですが、汗の場合は気化熱で体を覚ましますし、尿は熱と一緒に水を出します。
では下痢はどうなのか?げりは水分を減らすことで体を暖まりやすくしています。
例えばコップ1杯の水とお風呂一杯の水だったらどちらの方が早く温まるか、考えなくても分かると思います。
つまり、体を温めるためには水分量を減らした方がいいわけです。
冷えからくる下痢は体の防御反応ということですね。
そこで、冷えを改善するために何ができるのでしょうか?
まずは体を温かい状態にすることです。その上で体を温める食べ物であるショウガやトウガラシを摂ってみたり、半身浴をしてみたり、軽い運動やマッサージも効果を発揮するでしょう。
当面は正常な体温と言われる36度5分が目標です。
細胞の動きが活発になると疲れづらくなり、老廃物も流れやすくなります。
そのため、毎日の倦怠感や、肌荒れ、むくみにも良い効果が期待できます。
また、お腹だけでなく背中を温めることも効果的です。
いざという時は腹巻で温めると動きやすく便利です。
3 ストレスの解消法を見つける
ストレスは自律神経を乱すことで腸のぜん動運動も狂わせます。
そのせいで腸がうまく水分を吸収できなくなります。
特に腸のぜん動運動が水分吸収が追い付かなくなるほど速くなる状態を過敏性腸症候群といいます。
そこで、ストレスを解消する方法を見つけます。
誰も見ていないところであればどんな方法でも構いません。
世の中はストレスがつきもので、その殆どが人間関係によるものです。
逆に、人付き合いが楽しくなればストレスも大きく減ってきます。
よって、心理学やコミュニケーション術を学んでみるのもそれなりに有効と言えます。
ストレスによって引き起こされる病気には精神疾患や自律神経失調症、ドライマウス、胃潰瘍、蕁麻疹、生理不順など体の部位を選びません。
ということは、ストレスが原因の下痢の場合他の症状もストレスが原因と考えられます。
4 運動不足を解消する
下痢と運動は関係なさそうに見えます。
便秘対策にも運動が有効と言われますが、どうして腸と運動は関わるのでしょうか?
実は、運動不足によって内臓を正しい位置に収められなくなっています。
私たちの内臓は腹壁と呼ばれる筋肉で囲まれています。
この腹壁が衰えると内臓の位置を保てず腸がゆがんでしまうことが下痢を引き起こします。
また、運動をしていない時は腸の活動が活発になるので運動不足が続くと過活動になります。
血行が悪くなることも下痢とつながりがあります。
運動不足を解消するためには、ジムに通うより前に歩く歩数を増やすことです。
時間に余裕があるときは歩いて移動する、かがむ際には前屈でなく膝をしっかり曲げると言ったところが大切です。また、常にお腹をへこませ続けるドローイングも筋トレとして有効です。
もし、運動不足が解決されると下痢を予防するほか姿勢がよくなることや息切れしづらくなること、免疫機能が高まることなどが期待されます。
また、神経が程よく刺激されることでストレス解消にも役立ちます。
5 禁煙する
タバコに含まれるニコチンは自律神経の動きを害するため、腸の動きを乱します。
ニコチンによる効果は唾液を減らすためドライマウスにも関わります。
また、タバコには有害物質であるタールが含まれているため肺がんや咽頭がんのリスクを上げるほか、口臭や歯の着色の原因となります。
まずは、できることから心がけましょう!
このように、下痢になりやすいと言う人は普段の生活を見直すだけでトイレを意識しない毎日を過ごせるかもしれません。
特に喫煙が習慣になっている人はすぐにタバコを止めると健康だけでなく経済的にも大きな利益があります。
食生活についても、基本は腸内細菌のバランスを意識することです。
善玉菌が増えやすいものを取り入れ、悪玉菌が増える食事はほどほどにします。
