わが国の健康食品と言えばなんといっても梅干しです。
梅の木がなっていれば自分で作ることもできますし、好みで味を変えることもできます。
あれだけ酸っぱいのですから健康効果もきっとありそうですが、下痢についてはどのように働くのでしょうか?
今回は、意外と知らない梅干しのパワーについて紹介します。
梅干が苦手な人もぜひ参考にしてみてくださいね。
梅干しが下痢に効果的な理由は?
梅干はご飯のお供としてよく利用されていますが、梅干しが食卓に上るようになったのは江戸時代と言われています。
ただ、梅干しは奈良時代から食べられていて、平安時代には薬、鎌倉時代には縁起物として愛されていました。
この時は梅を生菓子として食べたりお茶菓子として梅干しを使ったりするくらいの利用だったそうです。
そして、戦国時代にも梅干と米を混ぜた梅干丸と呼ばれる携帯食用が使われていたようです。
そんな梅干しが健康に良いと言われる理由は制菌効果と抗酸化作用にあります。
制菌作用
実は梅干がご飯と一緒に食べられるのは食が進むだけではなく、食あたりになりづらいというのも理由でした。
実際に調べてみたところ食中毒に関わる細菌である黄色ブドウ球菌や大腸菌の増殖を抑えることが分かりました。
これは菌を増やさないことから制菌作用と呼ばれています。
このような細菌が胃腸の中で増えると体は異物を排出しようとして下痢になるので、梅干が下痢に効果があるのは間違いなさそうです。
ちなみに、健康な人の場合は多少の細菌が入っても胃酸で消毒されてしまいます。
さらに、胃がんの原因となるヘリコバクターピロリ菌も梅リグナンと呼ばれるポリフェノール成分で押さえることが可能です。
さらに、梅の中に含まれる成分がインフルエンザウイルスを増やさないように働くことも分かりました。
ウイルスも細菌と同じく増殖できなければ減っていくだけなので、梅干しは毎日食べたいものですね。
抗酸化作用
そして、抗酸化作用とは体に害を与える活性酸素を除去するもので、エイジングケアや代謝の向上の効果が期待されます。
こちらも梅の中に含まれるポリフェノールが関わっています。
そもそも活性酸素とは体を参加させやすい物質のことで細胞へのストレスが病気や免疫低下のもとになると考えられています。
活性酸素は胃腸を攻撃することで内壁にダメージを与えます。
傷ついた胃腸は食べ物をうまく消化できないのでこちらも下痢を引き起こす原因となるわけです。
梅はカテキンも含んでいます。梅干しの他の効果としては脂肪燃焼や糖尿病予防、血液の浄化なども挙げられます。
何気なく食べていた梅干しにこれだけの効果があるとは驚きですね。
クエン酸
また、梅干しと下痢の効果を紹介するうえではずせないのがクエン酸です。
クエン酸は制菌ではなく殺菌作用のある成分で腸の悪玉菌を殺す働きがあります。
さらに腸の中を酸性にすることで善玉菌を増やすうえでも役に立つ成分と考えられています。
腸には善玉菌と悪玉菌がいるのですが、善玉菌が好む環境が酸性で、悪玉菌が好む環境がアルカリ性です。
よって酸性状態を保つと悪玉菌が繁殖できないわけです。
胃の中を掃除する働きもあるので嘔吐に対しての効果も期待できます。
どんな摂り方がおすすめ?
例え効果の高い梅干しでもむやみに食べることは返って体によくありません。
味も効力も強いからこそ、適量でとどめておきましょう。
食事中に食べること
梅干しを食べる時は食事中がおすすめです。
食事と一緒に摂ることで梅干しの酸っぱさが和らぎますし、クエン酸の強い刺激も和らげることができます。
また、唾液を増やす効果もあるので食べ物の消化を助けてくれることも食事と一緒に梅干を食べたい理由です。
おかゆと梅干しの組み合わせが◎
さらにクエン酸は体内のエネルギーを効率よく生み出す働きもあるので梅干しとご飯は実に合理的な組み合わせだと言えます。
体調がよくない時もおかゆと梅干の組み合わせにすることでエネルギーを効率よく作れるわけです。
梅肉エキス
梅肉エキス、舐めたことありますか?
梅を煮詰めて煮詰めてあのような黒い液体になったもので、非常に酸っぱいです。
ただ、成分が凝縮されていることから梅干より少ない量で効果が期待できます。
また、塩分が少ない点や、料理に使いやすい点も便利といえますね。
どれくらい食べていいの?
梅干しの適量を考えるうえで大切なのは塩分です。
梅干は塩分が多いので1日に1~2粒くらいにとどめておくのが良いでしょう。
そもそも、日本人は厚労省が定めた塩分の基準よりも多く塩分を摂っていますし、WHOの推奨する塩分摂取量よりも2倍近く摂っています。
もしかしたら、塩分は必ずしも悪者じゃないのかもしれません。
塩分が下痢に作用するときはとても多くの塩を摂った時で通常は腎臓で処理されます。
また、塩分を摂りすぎた時の症状は下痢よりも先に高血圧やむくみという形で現れるでしょう。
ちなみに、先に紹介したインフルエンザへの効果に関しては1日5粒相当の成分が効果を発揮すると考えられているので、梅肉エキスでの摂取をおすすめします。
買うときのポイントは?
梅干しを買う時に注意したいのは添加物です。
梅干は意外と保存料や着色料が含まれているので、可能な限り塩のみで味つけされた梅干を選びたいものです。
砂糖も控えた方が良いですがはちみつに関しては一概にそうと言えません。
なぜなら、ハチミツは糖分が入っていながらもさまざまな栄養が含まれていますし、強い殺菌効果も持ち合わせています。
よって、酸っぱいものが苦手という場合はハチミツ梅干しで妥協しましょう。
他にはシソの入った梅干しもよくありますね。
シソは整腸作用と殺菌作用を持っているのでこちらも合理的な組み合わせと言えます。
カリカリとした食感の梅干しについても添加物が心配なので、時間と場所に余裕があれば自分で作ってしまいましょう。
単純に梅干を長い間干せばカリカリになっていきます。
自分で作った梅干しなら成分を気にしなくて良いですね。
注意点は?
クエン酸の摂りすぎ
梅干しの適量は1日1~2粒と考えられますがそれ以上食べたらどんなことが心配されるのかを紹介します。
もちろん、こちらに述べる内容は良質な梅干しに対しても同じことが言えます。
まず、気を付けたいのがクエン酸の摂りすぎです。
クエン酸は殺菌作用が強いため、胃や腸にとって刺激物になります。
かんきつ類もクエン酸の摂りすぎがあるので下痢の時は控えた方が良いです。
意外かもしれませんが梅干しにはレモン以上のクエン酸を含んでいます。
塩分の摂りすぎ
2つめに気をつけたいのが、塩分の摂りすぎです。
上述の通り塩分を摂りすぎるとむくみや高血圧、そして腎臓にとってもよくありません。
塩分には水をため込む性質がありますし、私たちの体も塩分を薄めようと水分量を増やします。
その結果血液の量が増え、腎臓にも負担がかかるわけです。
日本人は和食などで、知らない間に塩分をたくさん摂っていることから肥満でないのに高血圧が多いと言われています。
梅干しで下痢を予防しよう!
このように、適量を守れば下痢を改善する効果が期待できる梅干し。
毎日の健康のために習慣づけてみませんか?梅干を食べてお腹の調子を保ち、風邪をひきづらい体を作りましょう。
