焼きイモに大学イモなど、秋に旬を迎えるサツマイモは子供も大人も大好きな食材ですよね。
一方で、サツマイモは「食べるとおならが出る」とよく言われますが、便秘解消に効果がある食材であることはご存知でしょうか?
今回は、サツマイモが持つ便秘解消の効果や、摂取の際の注意点、効率の良い食べ方などを詳しく紹介していきたいと思います。
サツマイモの便秘を予防する働き
サツマイモが便秘解消に効果がある理由の一つに、食物繊維が豊富に含まれていることが挙げられます。
食物繊維が便秘に良いというのはよく言われていますよね。
食物繊維は腸内で栄養素として吸収されはしないものの、便に作用することで排便をスムーズにさせることで便秘に効果があると考えられています。
したがって、食物繊維を多く含むサツマイモは、便秘解消に効果があるとされているのです。
また、サツマイモにはほかにも便秘解消に役立つ成分が多く含まれていることもわかっています。
それが「レジスタントスターチ」と「ヤラピン」です。
レジスタントスターチ
レジスタントスターチは日本名で「難消化性でんぷん」といいます。
その名の通り、消化されにくいという特性を持つでんぷんで、サツマイモを加熱することで発生することが分かっています。
レジスタントスターチは腸内細菌によって発酵されると有機酸に姿を変え、腸内で善玉菌を増やすことで腸内環境を整える効果が期待できます。
腸内環境が整えられることで、便秘解消と便秘予防の両方に効果があると考えられてるのです。
ヤラピン
サツマイモには「ヤラピン」という成分も多く含まれています。
サツマイモを包丁で切ると、皮の付近からにじむ白い液体がヤラピンであり、サツマイモに含まれる脂質の半分以上はヤラピンが占めていると言われています。
ヤラピンは腸の蠕動運動を促進する働きを持つうえ、便を柔らかくする作用もあることから、便秘にダブルで効くとされています。
また、熱に強い特性があることから、調理の際に熱処理しても成分が失われることがないため、おいしく便秘解消が図れると言えます。
ちなみにヤラピンを含む食材はサツマイモだけだと言われています。
サツマイモには紹介した成分以外にも、ビタミンBやビタミンCが含まれていることから体質改善が期待できるほか、ポリフェノールやβカロチンなどの栄養素も豊富であることが分かっています。
食べ方を間違えると便秘になる!?
ここまで見ると、サツマイモは抜群の便秘解消効果があるように思えますよね。
しかし実は、一歩間違えればサツマイモは便秘を引き起こす可能性もある食べ物でもあるのです。
先ほどちらっと紹介した通り、サツマイモには食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は一般的に便秘に効果があると言われていますが、実は食物繊維と一概に言っても、「水溶性食繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類あることをご存知でしょうか?
これらはそれぞれ、特性も含有されている食物も異なることが分かっています。
水溶性食物繊維
まず水溶性食物繊維について見ていきましょう。
水溶性食物繊維はその名の通り水に溶けやすいという特性があります。
摂取されると腸内の水分に溶け、便や老廃物を吸収し、体外への排出させる働きがあることで便秘に効果的に働くとされているのです。
ちなみに海藻の表面にあるヌルヌルとしているものが、水溶性食物繊維にあたります。
実際に見てみるとわかると思いますが、あのようにヌルヌルとしているのは、水分を吸収し、閉じ込める作用が水溶性食物繊維にあるからだとされています。
不溶性食物繊維
一方で、不溶性食物繊維は腸に届くと、腸内の水分を吸収することで便の容積を増やし、排便を促す作用があると言われています。
サツマイモに含まれている食物繊維は不溶性のものなので、排便を促すという面では便秘に効果的に働くとは言えます。
しかし、不溶性の食物繊維を多く摂取しすぎると、便の水分も吸収してしまうことでコロコロとした硬い便が作られることもあります。
硬い便はスムーズに排出されにくいですし、出してもあまりスッキリしませんよね。
また、長い間便秘が続いている人の場合、不溶性食物繊維を摂取することで逆に便秘を悪化させることも考えられます。
便秘が続くと腸内に便が溜まってしまうので、そこに不溶性食物繊維を摂ってしまうことでさらに便を膨らませてしまい、排便につながらないこともあるのです。
したがって、ひどい便秘の場合はサツマイモが必ずしも便秘解消に役立つとは言えません。
便秘に効果的な食べ方は?
最後に、便秘解消のためのサツマイモの効果的な食べ方やポイント、注意点などを紹介していきましょう。
ちなみに先ほどひどい便秘の時のことを紹介しましたが、通常の便秘の場合はサツマイモは便秘解消に効果的に働くと言えるので、積極的に摂取しても良いと思います。
とは言っても、サツマイモは白米と同じくらいの熱量があるので、食べ過ぎは注意が必要です。目安としては1日100グラムを心がけて摂取すると良いでしょう。
皮ごと調理して食べる!
先ほど紹介した通り、便秘に効果的に働く成分のひとつである「ヤラピン」は、サツマイモの皮付近に多く存在しています。
したがって、より高い便秘効果を得るためには、サツマイモは皮ごと摂取した方が良いでしょう。
もちろん、実と違って皮は苦みがあるので、無理して食べる必要はありませんが、もし平気だという人は積極的に皮も摂取してみてください。
水分も大量に摂る
サツマイモを摂取するときは、水分を大量に摂取することも便秘解消のためには欠かせません。
水分をたくさん補給しておけば、サツマイモに含まれる不溶性食物繊維が腸内の水分を吸収しすぎてしまうことも防げるからです。
サツマイモを食べながらたっぷり水分補給を心がけても良いですが、サツマイモを煮物として、汁物として調理するという方法もおすすめです。
おいしく調理すると抵抗なく摂取できますし、味のバリエーションも増やせば飽きずに続けられると思います。
水溶性食物繊維も一緒に摂ると効果もアップ
ひどい便秘の場合、不溶性食物繊維だけではなく、水溶性食物繊維も併せて摂取することで効果が実感できると言われています。
水溶性食物繊維はキウイやバナナ、海藻などに多く含まれているので、サツマイモと併せて摂取してみると良いでしょう。
おならが出やすくなることも!
冒頭でも説明した通り、サツマイモはおならを出やすくさせる作用もあります。
どうしてサツマイモを食べるとおならが出やすくなるのかと言いますと、これはサツマイモに含まれている食物繊維が腸内で分解されることでガスを発生させることが原因とされています。
逆に言えば、それだけサツマイモには、便秘解消に効果がある食物繊維が多く含まれているということなのですが、人前でおならは避けたいですよね。
もし心配ならば、サツマイモは休日前や予定がない日の前に多く摂取してみると良いかもしれません。
都合に合わせて無理のない程度に摂取することをおすすめします。
食べ方を一工夫してお腹すっきり!
いかがでしたか?寒い時期に食べたくなるサツマイモも、たっぷりの飲み物と一緒に食べれば便秘解消効果があるようです。
ひどい便秘の人は避けた方がいい他、摂取方法に注意は必要ですが、おいしいサツマイモで便秘も解消できるとあればうれしい限りですよね。ぜひ試してみてください!