便秘解消に高い効果を発揮する食べ物や飲み物は様々なものがありますよね。
便秘解消効果が高い飲み物の中でも、身近なものとして挙げられるのがコーヒーです。
仕事中の眠気覚ましやデザートと一緒に飲むことが多いコーヒーには、優れた便秘解消効果が秘められています。
しかし、コーヒーを飲みすぎるとかえって便秘を招いてしまうというデメリットもありますから注意が必要です。
こちらでは、コーヒーが便秘に効果的な理由と、コーヒーの飲み過ぎによって便秘が引き起こされてしまう原因についてご紹介します。
便秘薬に頼る前に、まずは身近な飲み物であるコーヒーを上手に使ってお通じを改善したいですね。
コーヒーが便秘に効果的な理由
コーヒーが便秘解消に適しているのは、豊富に含まれているカフェインの作用やオリゴ糖の効果、そしてコーヒーにプラスする乳製品が嬉しい効果を発揮するからです。
それぞれの成分からどのような効果が得られるのかを具体的に見ていきましょう。
カフェインが腸を動かす
コーヒーに含まれている成分として有名なカフェイン。カフェインで眠気を覚まそうとコーヒーを飲んでいる人も多いですよね。
このカフェインには、蠕動(ぜんどう)運動(腸の収縮運動)を促進する神経を刺激し、大腸の収縮を活発にする働きがあります。
その効果は非常に高く、普段コーヒーを飲まない人が口にした場合には腸が急激に動き、下剤に似た効果を得られるとされています。
コーヒーに含まれるオリゴ糖が善玉菌の餌に
あまり知られていませんがコーヒーにはオリゴ糖が含まれており、コーヒーに含まれるオリゴ糖を特に「コーヒーオリゴ糖」と呼ばれています。コーヒー豆のカスから抽出されるコーヒーオリゴ糖は、通常の砂糖よりも低カロリーかつコーヒーの味わいを高められることからコーヒーの甘味料として使用されています。
そもそもオリゴ糖は、体内に摂取され大腸まで届くと腸内に存在する善玉菌の餌となり、その数を増やす働きがあります。
善玉菌には悪玉菌の働きや数を抑えるという嬉しい効果から腸内環境を健康な状態へと導きますから、オリゴ糖は腸内環境の正常化から便秘を解消するには欠かせない成分でもあります。
腸の動きを活発にするカフェインのほか、このようなオリゴ糖による善玉菌へのアプローチから腸内環境を整えられるので便秘の解消に効果を発揮するのです。
コーヒーにプラスする乳製品にも良い効果が
コーヒーに何も入れずにブラックで飲む場合には、上記のようなコーヒー自体からの優れた便秘解消効果が得られます。
加えて、カフェオレやカフェラテのように、コーヒーに乳製品をプラスして楽しむ飲み方では乳製品からも嬉しい効果がUP!
乳製品には腸の働きを促進する作用があるため、カフェオレやカフェラテなどの種類からは便秘に対するさらに高い効果が得られますよ。
飲みすぎると逆効果
ご紹介しましたように、コーヒーに含まれる成分やコーヒーならではの飲み方によって高い便秘解消効果を得られます。
しかし、「便秘を解消するためにコーヒーを飲んだら、さらに便秘が酷くなった」というように、良かれと飲んだコーヒーが原因となって便秘を悪化させてしまうこともあります。
コーヒーには嬉しい便秘解消効果がある反面、飲みすぎてしまうと以下のような作用から便秘のリスクが高まってしまうことも……。
胃腸の働きを抑えるクロロゲン酸が影響
コーヒーにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸という成分が含まれています。
クロロゲン酸自体は体に良い成分ではありますが、胃腸の働きを抑制するという作用が便秘には適していません。
特に、腸が十分に動かずに生じる弛緩性便秘に陥っている人の場合には、コーヒーのクロロゲン酸の作用によって便秘が酷くなってしまいます。
とはいえ、コーヒーに含まれているクロロゲン酸の量は非常に少なく、適量のコーヒーの飲料では問題ありません。
しかし、コーヒーを飲みすぎてしまった場合には、クロロゲン酸の過剰摂取から便秘に陥ったり便秘の状態が悪化したりしますから注意が必要です。
水分不足から便秘になることも
腸の動きを活発にする作用のあるカフェインには、利尿作用があります。「コーヒーを飲むとトイレが近くなる」というのは、カフェインの利尿作用によるものです。
利尿作用によって体内の水分が必要以上に尿として排出されると、便を柔らかくするために必要な水分も体から失われてしまいます。
すると、水分が少ないうえに固く排泄し辛い便になってしまい、結果として便秘が引き起こされるのです。
便通に効果的な飲み方
コーヒーには便秘の解消に嬉しい効果を発揮する一方で、便秘の悪化に繋がりかねない作用があることがわかりました。
したがって、便秘の解消を目的としてコーヒーを飲む際には、飲む量や飲み方に気を付けなければなりません。
そこで、辛い便秘をコーヒーで解消する際には必ず踏まえておきたいポイントについてご紹介します。
コーヒーの嬉しい効果を損なわず、得られる効果をさらに高めるためにも以下のポイントを試してみてくださいね。
1日2~3杯程度にとどめておく
コーヒーの飲み過ぎはカフェインやクロロゲン酸の過剰摂取によって、かえって便秘に陥りやすくなりますから、ブラックで飲む場合には1日2~3杯程度にとどめておきましょう。
過剰なコーヒーの飲用は胃もたれや腹痛の原因になるほか、排泄しやすい便に必要な水分が奪われるうえに腸内環境のバランスの乱れに繋がります。
加えてカフェインには便秘薬に似た常習性があるため、飲む量が増えるとそれに比例してカフェインによる便秘解消効果が得られにくくなります。
便秘解消効果を継続して得るためにも、コーヒーは1日に2~3杯までにとどめておきたいですね。
コーヒーが好きで多くの回数を飲みたい場合には、ミルクを入れるようにしたり1回に飲む量を減らしたり薄めのコーヒーにしたりといった工夫を!
飲むベストタイミングは朝
1日に2~3杯までがコーヒーの適正量で、この量であれば1日のうちどのタイミングでも大丈夫です。
あえて1日のうちに飲むベストタイミングとして挙げるとすれば、朝になります。
というのも朝は腸を刺激して動かし、排便を促しやすい時間帯だからです。朝にコーヒーでの腸の動きを促し排便のリズムを形成することで、慢性的な便秘の予防にも効果を発揮します。
また、朝にコーヒーを飲む際には、できる限りホットで飲むようにしましょう。
温かい飲み物には腸内にある便を柔らかくほぐす効果があるうえ、胃や腸などの消化器官を温めて朝から活発に動かすことができますよ。
砂糖ではなくオリゴ糖をプラス
コーヒーに砂糖など甘みをプラスして飲むことが多い人は、是非砂糖の代わりにオリゴ糖を使用してみてください。
先述の通り、オリゴ糖には善玉菌の餌となり、その数を増やして腸内環境を整える作用があります。
コーヒーの便秘解消効果を高めるためにも、ティースプーン1杯程度のオリゴ糖を!
入れすぎてしまうと下痢になったり便が緩くなったりしますから、ティースプーン1杯程度にとどめてくださいね。
コーヒーゼリーでも同様の効果が得られる
「コーヒーから便秘解消効果を得たいけれど、コーヒーが苦手……」という人には、朝食のデザートやおやつにコーヒーゼリーを取り入れる方法がお勧めです。
特に、カフェインが含まれているコーヒーゼリーであれば、コーヒーの飲用と同様の効果が得られます。
ゼリーの食物繊維には便通を解消する効果が得られますし、ゼリーという固形で口にすることから満足感もUP!
ただし、コーヒーゼリーで便秘解消を試みる場合には、冷えたものではなくできる限り常温に近い状態で食べましょう。
冷えたゼリーは胃や腸を冷やし、動きを鈍くさせてしまうからです。
大好きなコーヒーを便秘に役立てよう!
身近な飲み物であるコーヒーからは、カフェインやコーヒーオリゴ糖そして飲む際に加える乳製品から便秘解消効果が得られます。
しかしながら、飲みすぎてしまうと便秘の状態が悪化してしまいますから、コーヒーを毎日の生活に上手に取り入れることこそ便秘を解消する際に大切になる心掛けです。
多くの人が仕事中や朝の目覚ましにコーヒーを口にしているはずです。飲む量やタイミングなどのポイントを踏まえ、効率良く便秘を解消してみてはいかがでしょうか?
参考文献
