好みや目的に応じて自由に選んだ野菜や果物を、牛乳などと共にミキサーにかけて作るスムージー。
嬉しい効果を美味しく得られることから注目を集めていますよね。そんなスムージーは便秘にもおすすめです。
お腹のモヤモヤをすっきりさせたいがためにスムージーを飲み始めたのにも関わらず、なかなか変化がない……とお悩みの人も少なくはないはずです。
実は便秘にはいくつかのタイプがあり、中にはスムージーが適していないケースがあるのです。
こちらでは、スムージーが便秘におすすめな理由のほか、スムージーが向いている人・向いていない人をご紹介します。
また、最後には便秘におすすめなレシピやスムージー作りでのポイントをご紹介しますので、慢性的な便秘にお悩みの人は是非スムージーで美味しく内側からスッキリしてみてくださいね。
スムージーが便秘におすすめな理由
はじめに、スムージーが便秘におすすめとされている3つの理由をご紹介します。
野菜ジュースではなくスムージーだからこその特徴から、カラダの内側からモヤモヤをすっきりさせてくれるのです。
一度に、たくさんの野菜やフルーツがとれる
野菜や果物は便秘におすすめだということは分かっていても、毎日の生活の中で様々な種類のものを口にするのは難しいものですよね。
多くのおかずを作るのも大変ですし、毎日忙しく自炊が難しい人にとっては「様々な種類の野菜や果物を摂る」というのは非常にハードルが高くなります。
しかし、果物や野菜を牛乳などと共にミキサーにかけるだけで完成するスムージーであれば、たくさんの野菜や果物を簡単に得られます。
コップ一杯に凝縮されている野菜や果物を、美味しく摂取できるのも嬉しいポイントですね。
料理を作る暇がないほどに忙しい時だけでなく、食欲がない時にもスムージーから便秘対策に必要な野菜や果物を得られます。
食物繊維がとれる
野菜や果物をミキサーにかけて作るスムージーでは、食材に含まれている食物繊維を余すこと無く摂取することが可能となります。
確かに野菜や果物を使用しているジュースにも、たくさんの栄養素がギュッと詰まっています。
しかし、ジュースを作るために材料を絞り、液体と搾りかすとを分離する過程で、食材に含まれる豊富な食物繊維が失われてしまいます。
製造過程で除去される搾りかすにこそ、食物繊維がたっぷりと含まれているからです。
つまり、食物繊維をきちんと摂取してカラダの内側からスッキリするという点では、野菜ジュースではなくスムージーこそが非常に理にかなった飲み物と言えるのです。
酵素がとれる
果物や野菜をそのままミキサーにかけるスムージーでは、加熱や加工によって失われる酵素をそのまま摂取することが可能です。
酵素には腸内環境を整えて便秘を解消する働きがありますから、食物繊維の効果と相まってより早く腸内環境を健やかな状態にできますよ。
スムージーが便秘対策に向いてない人は?
様々な種類の野菜や果物をたくさん摂取し、その中に含まれる豊富な食物繊維や酵素を余すことなく得られるスムージーだからこそ便秘のモヤモヤをカラダの内側からスッキリさせてくれます。
しかし、便秘のタイプや便秘が生じている原因によっては、スムージーでのアプローチが適していない場合もありますから気を付けなければなりません。
実は便秘には3つのタイプに分類される
「スムージーが便秘対策に適しているかどうか」を知るうえで、まずは「弛緩性便秘」「直腸性便秘」「痙攣性便秘」の3つのタイプの症状や特徴について見ていきましょう。
1.弛緩性便秘
便秘の中でも最も多いタイプがこの弛緩性便秘です。
便が腸内に溜まることにより、便を外に排出するための筋肉や腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱まり、腸の動き自体が悪くなることで生じる便秘で、ポッコリお腹になることが特徴として挙げられます。
特に筋肉がもともと弱い女性や高齢者そして産後に多く現れるほか、ダイエットでの食事制限で食事量を減らしている人にも多く見られる便秘です。
2.直腸性便秘
直腸性便秘とは、腸の筋肉が弱まり排便反射(便を排出するために自律神経によって行われる働きのこと。
便意こそが排便反射にあたります)が起こらないため、腸内に便が溜まってしまう便秘で、筋力が弱まった高齢者の人に多いタイプです。
腸内に便が溜まっている間に多くの水分が吸収されるので、コロコロとした固い便が出てくることが特徴として挙げられます。
3.痙攣性便秘
ストレスや睡眠不足などから引き起こされた自律神経の乱れが原因となって、腸が過敏になって必要以上に反応して痙攣してしまっている状態にあるタイプが痙攣性便秘です。
大腸が細くなり、便が通りにくい状態に陥っています。
ストレスや睡眠不足からの自律神経の乱れが原因となりますから、年齢を問わず比較的若い人にも多く見られます。
便秘と下痢を繰り返すほか、食後に腹痛や下痢が生じることもあります。
痙攣性便秘の人にはスムージーはおすすめできない
弛緩性便秘や直腸性便秘が大腸に関係した不調が原因となっているのに対し、痙攣性便秘はストレスや睡眠不足から生じる自律神経の乱れが根本的な原因となっています。
したがって、痙攣性便秘の場合にはスムージーをはじめとした食生活の改善よりも、ストレスや睡眠不足への対策が必要となります。
下痢や便秘を繰り返していたり、自律神経の乱れに繋がる原因に心当たりがあったりと痙攣性便秘の可能性が考えられる人には、スムージーはおすすめできません。
不溶性食物繊維の摂り過ぎの人にもスムージーはおすすめできない
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維との2種類があります。
効率良く便秘を解消する際には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を1:2の割合での摂取がベストな方法となります。
しかし、不溶性食物繊維のみを過剰に摂取してしまうとかえって便秘になってしまう恐れがあります。
そもそも不溶性食物繊維には、胃や小腸で消化吸収されずに大腸にたどり着き、大腸内の水分を吸収して膨張するという性質があります。
腸内で膨張した不溶性食物繊維は便の量を増やすことで、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にすることができます。
こうした不溶性食物繊維は確かに便秘の解消には嬉しい作用と言えますよね。
しかし、不溶性食物繊維を過剰に摂取すると便の中の水分を必要以上に吸収し、かえって固く排出しにくい便へと変化させてしまうのです。
こうした不溶性食物繊維の過剰摂取によって排出しにくい固い便から生じる便秘には、食物繊維や酵素の働きからスムージーはあまりおすすめできません。
スムージーのおすすめレシピ
使用する野菜や果物の数だけスムージーのレシピが存在するため、その種類は多岐にわたります。
以下では、便秘に特におすすめなスムージーのレシピをご紹介します。
どれも飲みやすいので、美味しく楽しみながらモヤモヤをスッキリさせたいですね。
なお、自律神経の乱れからくる痙攣性便秘や不溶性食物繊維の過剰摂取による固い便が原因の便秘には、スムージーはおすすめできませんので注意してくださいね。
1.ブルーベリー&バナナのスムージーレシピ
材料(2~3カップ分):バナナ1本、冷凍ブルーベリー20g、水100ml
- バナナ1本を適当な大きさにカットしてミキサーにかける。
- 1に冷凍ブルーベリー20gを加える。
- 水を入れて均等に滑らかになるまでミキサーにかけたら完成!
目の健康に良い効果を発揮するポリフェノール成分アントシアニンで有名なブルーベリーですが、実は食物繊維もたくさん含むフルーツです。
また、消化吸収に優れていて体内でエネルギーに変換されるスピードが早いバナナは、朝からアクティブに活動したい人にぴったり♪
フルーティーで飲みやすいスムージーで、食物繊維をたっぷり補給しながら1日のスタートを良いものにしましょう。
2.リンゴ&レモンのスムージーレシピ
材料(2~3カップ分):リンゴ4分の1個、牛乳150ml、レモン果汁大さじ1、はちみつ大さじ半分~
- 適当な大きさにカットしたリンゴをミキサーに入れる。
- その他の材料も全て加え、全体が滑らかになるまでミキサーにかければ完成!
リンゴには水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれているので、善玉菌を増やしたり悪玉菌の働きを抑えたりといった腸内環境の正常化に欠かせない効果を得られます。
また、ペクチンは腸内で消化物やコレステロールを包み込んで腸を刺激する作用から、排泄を促進する作用もあります。
ビタミンCが豊富なことで有名なレモンからは、疲労回復効果や解毒作用の促進効果が得られますよ。二日酔いで辛い朝にいかがでしょうか?
3.小松菜&ヨーグルトのスムージーレシピ
材料(2~3カップ分):小松菜50g~、バナナ1本、オレンジ2分の1個、ヨーグルト50g、水50ml、はちみつはお好みで
- 皮を剥いたオレンジとその他の果物を適当な大きさにカットする。
- 全ての材料をミキサーに入れ、全体が滑らかになるまで混ざり合えば完成!
緑黄色野菜である小松菜を使用したこちらは、特に便秘におすすめなグリーンスムージーです。
腸内環境を整える作用のあるヨーグルトをプラスするとさらにおすすめです。
小松菜の青臭さが気になるかと思いますが、ヨーグルトのほかバナナやオレンジを使用しているので美味しく召し上がれますよ。
スムージーを作る際のポイント
「スムージーを作る際のポイント」を知っておきましょう。
1.使用する食材は熟したものを選ぶ
食物繊維が豊富な野菜や果物は、肉類や炭水化物と比べると消化に要する時間が長くなります。
そこで、スムージーを作る際には、熟した果物や野菜を使用するようにしましょう。
熟した果物や野菜は既に栄養素の分解が進んでいる分、消化の際に生じる体の負担を減らしながら、栄養素の吸収率を高めることが可能に!
ですから、購入した食材が「まだ熟していないような気がする」と感じられた場合には、すぐに使用するのではなく熟すのを待ってから使用すると良いですね。
2.作り置きはNG!飲むたびに作ろう
スムージーは手軽に作ることができるので、ついつい一度にたくさんの量を作り置きしたくなりますよね。
しかし、スムージーは生の食材をそのまま摂取する飲み物ですから、時間が経過すると傷んでしまいますし、夏場ですと雑菌が繁殖することも。
したがって、スムージーは面倒でも飲むたびに作るようにしましょう。
毎回毎回材料を切ったりミキサーにかけたりするのが面倒、あるいはそのような時間がない場合には、市販されている粉末状になったスムージーの素をお勧めします。
3.夜寝る前や朝がグッドタイミング
基本的にスムージーはどのタイミングで飲んでも良いですが、夜寝る前や朝に飲むとさらにおすすめです。
朝が弱く食欲がない人は、朝食の代わりにスムージーを飲むと良いですね。
4.体の冷やさないための工夫を
冷たいスムージーを大量にしかも一気に飲むと、内臓が冷えてしまいます。
胃や腸などの消化器官は、冷えると働きが鈍くなってしまいます。
内臓の冷えを避けるためにも、できる限りゆっくりと飲むようにしましょう。
体が冷えやすい冬には、スムージーを作ってすぐに飲むのではなく、少し時間を置いて常温にしてから飲むようにするという工夫も必要ですよ。
また、便秘には、氷を使用している冷たいレシピはあまり適していません。
自分でスムージーを作るのが面倒というあなた!
スムージーは飲みたいけど、毎日レシピを考えたり、作ったりするのってなかなか大変ですよね。
そんなときは、販売されているスムージーを購入してしまうのも1つの手です。
こちらのスムージーは、有名ダイエット・健康ランキングで1位獲得している、ミネラル酵素グリーンスムージーです。
モデルや芸能人の間でも愛好者が急増中のスムージーです。
約200種類の栄養素をコップ一杯に凝縮しており、酵素のパワーで体の内側からリフレッシュできるので便秘にお悩みの方に特におすすめです。
飲み方はいたって簡単で水やミルクを加えて混ぜるだけです♪
まずは便秘のタイプをみなおして!
野菜や果物に含まれる栄養素や食物繊維をまるごとそのまま得られるスムージーだからこそ、便秘におすすめできます。
しかし、ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れが原因となって生じる痙攣性便秘には、スムージーはおすすめできません。
したがって、スムージーを新しい習慣として始める前に、今一度どのタイプの便秘なのかを確認することが大切です。
もしも、痙攣性便秘の可能性がある場合には、ストレスを解消したり十分に睡眠をとったりと自律神経の乱れへの対策を行いましょう。
様々な栄養素や食物繊維を余すことなく得られるスムージーで、辛い便秘をカラダの内側からモヤモヤをすっきりできるといいですね!
参考URL
・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト “便秘と食事” e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html
・日本臨床内科医会“わかりやすい便秘のはなしシリーズ49 便秘”
http://www.japha.jp/doc/byoki/049.pdf
