スーパーやドラッグストアなどでよく見かける「オリゴ糖」。便秘に良い効果があると言われていますが、どんな成分なのか、どんな性質を持っているのかなど、詳しくはご存知ではない方も多いかと思います。
そこで今回はオリゴ糖について、その種類やカロリー、便秘に良い理由、安全性なども含めていろいろなことを細かく紹介していきたいと思います。
この記事の目次
オリゴ糖ってなに?
オリゴ糖とは、3種類以上の糖類が結合している化合物のことを指します。
したがって、特定の糖類のことをオリゴ糖と呼んでいるわけではないので、オリゴ糖と言ってもいろいろな種類のものがあるのです。まずはその種類やカロリーなどを見ていきましょう。
オリゴ糖の種類と多く含む野菜
オリゴ糖は、「消化性タイプ」と「難消化性タイプ」という2つに分類することができます。
小腸で吸収される「消化性タイプ」と違って、「難消化性タイプ」は消化されずに大腸まで届くので、便秘に効果的に働くと言われており、美容やダイエットのサポート食品としても用いられています。
特定保健用食品(トクホ)に認定されているのも「難消化性タイプ」のオリゴ糖となります。いくつかその種類を見ていきましょう。
フラクトオリゴ糖
まろやかな甘みが特徴のオリゴ糖。ビフィズス菌の増殖、ミネラルの吸収を促す効果がある。ゴボウや玉ねぎ、にんにくに多く含まれている。
大豆オリゴ糖
大豆に含まれているオリゴ糖。少量でもビフィズス菌を増殖させる力が強くいほか、免疫力をアップさせる働きがある。
ガラクトオリゴ糖
母乳や牛乳に多く含まれている。ビフィズス菌の増殖やタンパク質の消化・吸収のサポート効果がある。
イソマルトオリゴ糖
お酒やしょうゆ、みそに多く含まれており、虫歯の原因になりにくく低カロリーという特性を持つオリゴ糖。
乳酸菌やビフィズス菌の働きを活性化させるほか、腸内環境を整える効果がある。熱や酸に強いので、料理にも使用できる。
ラフィノース
天然のオリゴ糖。アレルギー症状の緩和や整腸作用、免疫力向上効果がある。キャベツやアスパラガスに多く含まれており、熱に強いので加熱調理にも使用できる。
乳果オリゴ糖
ショ糖と乳糖を発酵させて製造されたもので、ラクトスクロースとも呼ばれる。
ビフィズス菌を増殖させる力が強いほか、低カロリーなので美容やダイエットにも効果的に働く。
キシロオリゴ糖
キシランと呼ばれる食物繊維から作られたオリゴ糖。虫歯になりにくく低カロリーなうえ、少量でもビフィズス菌を増殖させる働きを持つ。
オリゴ糖が便秘に良い理由は?
オリゴ糖は便秘に良いと言われていますが、実はオリゴ糖自体が便秘を改善してくれるわけではありません。
具体的にはオリゴ糖が持つビフィズス菌を増やす働きが功をなしているのです。
オリゴ糖は胃で吸収されにくいため、そのまま大腸へ行き渡ります。大腸に届いたオリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、増殖・活性化させ、整腸作用を促します。
これにより悪玉菌が抑制され、腸内環境が整うことで便秘や下痢などの症状の緩和につながるのです。
一方で、「乳酸菌やビフィズス菌だけを摂取すれば良いんじゃないの?」と思う人もいるかと思います。
たしかに乳酸菌やビフィズス菌だけを摂取する方が楽に見えますが、実はこれらはほとんどが胃で吸収・分解されてしまうので、腸までたどり着くことが難しいのです。
また、オリゴ糖は保水性を持つ成分でもあるので、便を柔らかくする効果も期待できます。
オリゴ糖のカロリーと一日の摂取量は?
オリゴ糖を摂取する際、カロリーが気になるという人も多いと思います。
オリゴ糖は1グラム当たりおよそ2カロリー。大人の場合1日のオリゴ糖摂取量は3~5グラムと言われていますので、1日に直せば全体で6~10カロリー程度になります。
ちなみにお砂糖は1グラム当たり4カロリーほどなので、オリゴ糖はお砂糖のおよそ半分のカロリーということになりますね。
どのくらいで変化を実感できるの?
オリゴ糖を摂取し始めると、早い人だと2~3日で実感できると言われています。
長くても2~3週間たつと変化が期待でき、1カ月以上たつと便秘の解消を実感できるようです。
上手な摂り方は?
市販のオリゴ糖の場合
市販で販売されているオリゴ糖は粉末状のものと液体状のものがあります。
これらを活用するのなら、ヨーグルトと併せて摂取すると良いでしょう。
ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれているので、オリゴ糖と一緒に摂取することで腸内の善玉菌を増やすことができ、頑固な便秘の改善も期待できます。
そのほか、ご飯を炊くときやお味噌汁に混ぜて使う人も多いようです。
野菜から摂る場合
一方で、オリゴ糖はいろいろな食べ物にもともと含まれているものでもあります。
例えばバナナや玉ねぎ、キャベツ、ジャガイモ、アスパラガス、トウモロコシ、大豆、ニンニクなどはオリゴ糖を多く含む食材と言われています。
しかしこれらには微量のオリゴ糖しか含まれていないので、調理することでその量を増やしてあげましょう。
特に加熱することで、デンプンがオリゴ糖へと変わる酵素が良く働くようになると言われています。
日常の調理にプラスでとる場合
また、研いだお米を40~50度くらいのお湯に1時間つけておくことで、お米に含まれるオリゴ糖の量が倍になることもわかっています。
そのほか、ゴボウも調理の前に5分位同様に浸けておくと、オリゴ糖の量が増します。
ちなみに玉ねぎは炒めることでオリゴ糖の分子が細かくなり、ビフィズス菌のエサになりやすくなるようです。
早速試してみたいけど注意点は?
オリゴ糖が便秘に効果的に働くことが分かったところで、摂取の際の注意点をいくつか紹介していきましょう。
液体オリゴ糖は注意が必要!
液体オリゴ糖はスーパーでも購入できるほか、料理にも活用しやすいことから使用している人も多いのではないでしょうか。
しかし実は、液体オリゴ糖にはオリゴ糖以外の甘味料が含まれていることが多く、オリゴ糖そのものはあまり含まれていないことがあります。
したがって、真剣に便秘対策としてオリゴ糖を摂取しようとするならば、純度が高いオリゴ糖を選んで使用することをおすすめします。
ちなみに粉末のものは純度が高いものが多く、便秘対策としても高い効果が期待できます。
摂取量に注意!
先述した通り、オリゴ糖は摂取しすぎるとお腹を緩くさせ、下痢を引き起こすこともあります。
オリゴ糖は甘さが控えめなのでついつい多く入れてしまいがちですが、1日の摂取量をしっかりと守るようにしましょう。
医師の判断を仰ぐ必要も
特に常時服用している薬があるという人は、オリゴ糖の摂取を始める前に医師の判断を仰ぐ必要があります。
また、飲み始めてから体調が悪くなった、体に合わないと感じたら、一度オリゴ糖の摂取を控え、医師に相談してみることをおすすめします。
自分に合ったオリゴ糖の摂り方で便秘対策を!
オリゴ糖は薬ではないので摂取の際にそれほどリスクは伴いませんが、しっかりと注意点を守って続ける必要があります。
つらい便秘対策のためにも、ぜひ食生活にオリゴ糖を組み込んで摂取を続けてみてください。
参考文献 オリゴ糖 e‐ヘルスネット
