更年期の体の不調を更年期障害といいます。嘔吐、悪寒、咳など風邪のような症状に悩まされている人も多いのではないでしょうか。更年期を元気に乗り切りたいと思わない人はいないでしょうが、なかなか難しいようです。どうすれば更年期を快適に過ごすことができるのか、その症状や対策はあるのか気になりますね。
更年期の体の不調を更年期障害といいます。
嘔吐、悪寒、咳など風邪のような症状に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
更年期を元気に乗り切りたいと思わない人はいないでしょうが、なかなか難しいようです。
どうすれば更年期を快適に過ごすことができるのか、その症状や対策はあるのか気になりますね。
更年期とは?
更年期って?
更年期とは、閉経の前後五年の10年間のことをさします。
閉経年齢は平均で50歳といわれていますので、およそ45歳から55歳が更年期といわれています。
更年期になると様々な症状、いわゆる更年期障害がでてきます。
更年期障害は人によっても違いますが、仕事を続けられなくなるほどひどい人もいれば、何事もなく過ぎていく人もいます。
更年期の症状は、風邪のような症状の他にも急に頭や顔が熱くなって汗が流れるホットフラッシュ、訳もなくイライラする、めまい、頭痛などがあります。
しかし、更年期が辛いのはその症状だけではありません。
「周囲の人にわかってもらえないということが一番辛い」
と更年期障害に悩む人が言っていました。
周囲の人の対応が、更年期障害を重くし、本人に辛い思いをさせるのだということをわかってもらう必要がありますね。
風邪に似た症状
吐き気
胃腸風邪の時によくある「吐き気」ですが、更年期の吐き気は「つわり」に症状が似ているといわれています。
また、吐き気だけが起こるわけではなく、次のような症状から誘発されるものなのです。
- 頭痛
- めまい
- 下痢
- 耳鳴り
- 食欲不振
逆に言うと、このような症状があるのなら、更年期障害による吐き気の可能性が高いというわけです。
つわりは二日酔いや暴飲暴食によるものとは違い一過性のものではありませんが、更年期障害による吐き気も同様に長く続きます。
吐き気に加えて、胃もたれや、食欲不振の症状もある人は、胃腸の働きが悪くなっていることも考えられます。
吐き気と食欲不振で家事や仕事もできないので、さぼっているように見られて辛いという人もいます。
また、吐き気を全て更年期障害のせいだと自分で判断するのはよくありません。
吐き気を伴うメニエール病や本態性低血圧など他の病気が隠れている場合もありますので、ひどいときには必ず病院に行きましょう。
悪寒
悪寒は、体が発熱している場合に起こりやすいものです。
風邪を引いて免疫力が落ちている時は、特に悪寒が起こる回数は増えます。
また、更年期の代表的な症状であるホットフラッシュの起こる前後に悪寒を感じることも多いようです。
ホットフラッシュで滝のような汗と顔と体の熱さを感じるのに、その前後には悪寒があるなんて本当に辛いことです。
血管が収縮し血流が悪くなることで、体が冷えるために悪寒が起こります。
悪寒には個人差があり、手足の冷え程度に感じる人もいますが、全身に寒気を感じ震えが止まらなくなる人もいます。
通常は長くても1時間以内で収まるものですが、中には丸一日経っても悪寒が止まらない、という人も。
そうなると起きあがることも難しくなり、日常生活に支障をきたします。
咳
更年期の女性は、喉に違和感があることが少なくないようです。
具体的には喉に異物感があるような感覚、あるいは喉の渇き、喉が狭くなったような感じがするなどの症状です。
女性ホルモンのエストロゲンは、皮膚や粘膜を保護して潤いを保っています。
そのため、更年期になってエストロゲンが不足すると喉が乾燥し、粘膜も弱くなるために咳がでます。
また、精神的なストレスから不安感がつのると喉が乾燥し咳を誘発する事もあります。
発熱
風邪や病気でもないのに、微熱が続くと心配ですね。
また、微熱と平熱が繰り返し起こることもあります。
こうした症状の他に、のぼせや発汗、頭痛、肩こりなどがあったら更年期障害の可能性が高くなります。
微熱が出ている間、本人は辛いものです。
頭がボ-っとして、体がだるく思うように動けません。
微熱は、ストレスや不安の原因となりますので、早めに改善したいものです。
ただ、更年期の微熱は解熱剤を使っても根本的に治すことはできません。
また、白血病など重大な病気が隠れている可能性もありますので、気になる場合は病院で検査してもらいましょう。
原因
ところで更年期の風邪のような症状はどうして起こるのでしょうか。
一言でいえば女性ホルモンの影響です。
更年期になると卵巣機能が衰えるために、女性ホルモンの量が徐々に減っていきます。
女性ホルモンの分泌量が少なくなると大脳の視床下部から女性ホルモンを出すよう指令が送られます。
しかし、卵巣の機能が低下しているため女性ホルモンはつくられません。
指令を出しているのに女性ホルモンが分泌されないことで、視床下部はパニックを起こします。
視床下部は、人の自律神経とも深い関わりがあります。
視床下部がパニックを起こしたことで自律神経が乱れ様々な症状を引き起こすのです。
発熱や悪寒などの風邪のような症状も自律神経の乱れが原因で起こります。
改善・対策
改善方法
更年期障害は女性ホルモンの減少による自律神経の乱れが原因です。
症状を改善するために次のようなことを試してみてください。
トリプトファンを摂取する
自律神経の乱れとは、交感神経を副交感神経の切り替えがうまくいっていない状態です。
ストレスや緊張している状態では交感神経が優位に立っています。
そこで、副交感神経を優位にすることが必要なのです。
そこで、トリプトファンというアミノ酸の一種を摂取する事をお勧め。
トリプトファンは幸せホルモンといわれるセロトニンという物質に変化し、発熱の抑制にも効果があります。
安静にする
微熱でだるいとき、吐き気や食欲不振で起きあがれないときは、安静にしましょう。
悪寒がするときは、血行が悪くならないように下着は締め付けのきついものはやめて、ゆったりしたインナーに着替えるのがお勧めです。
更年期の症状を改善するためには心身ともに休養する事も大切です。
ツボを刺激する
急に吐き気をもよおしたときは、ツボを押すと一時的に吐き気を止めることができるといわれています。
また、自律神経の乱れを整えるツボも効果があります。
食欲不振には、中院(へそとみぞおちの真ん中)をペンで5回軽く押します。
頭痛を伴う吐き気には、天柱(首の後ろの左右のくぼみ)をペンで押し込みます。
めまいを伴う吐き気は、血海(ひざを伸ばすと,ひざ上の内側にできるくぼみの上端)を刺激します。
ツボの刺激は手軽にできますので、是非試してみてください。
対策
様々な対処法を試しても、効果が見られなかった場合は、病院に行きましょう。
血液検査などで更年期障害であることがわかれば、薬を処方してもらえます。
漢方薬、もしくは女性ホルモン補充療法のための飲み薬、貼り薬、塗り薬などの種類がありますが、自分が使いやすいものや生活スタイルにあったものを処方してもらうように医師と相談してみてください。
漢方薬は薬局でも購入できますが、体質によって合うものと合わないものがありますので、病院で処方してもらう方が安心です。
まとめ
更年期障害で体調が悪いときは、周囲に遠慮しないで休むことが大切です。
また、周囲の人も本人の辛さを理解し精神的に追いつめたりしないような配慮が必要です。
どうしても辛くて我慢できないのならば、迷わず病院に行きましょう。
