自分の母親や妻が更年期に差しかかっても、実は気付いていない子どもや夫は多いものです。
例えば更年期と呼ばれる45歳~55歳の母親の娘や息子は、思春期~青年期ですよね。
思い出してみてください。
自分が高校生~20代前半の頃は、「進学や就職といった将来のこと」「思春期の身体の変化」「恋愛のこと」「マンガや映画、音楽、アイドルなどの趣味」などなど、自分のことで精一杯ではありませんでしたか?
夫も同様です。
40代、50代といえば「責任が重くなる」「後輩を育てる」「リーダーシップを発揮する」「数字で結果を出す」「人脈を広げる」など、男性の仕事がもっとも忙しくなる年代でしょう。
夫は夫で、自分のことで精一杯なのです。
そんな状態では母であり妻である女性はますますストレスを溜めていくことでしょう。
母親であり妻である、一家の太陽であってほしい女性が更年期を迎えたときに家族でどう乗り切るかその方法をご紹介していきます。
はじめは気遣うだけでも充分です
母親や妻が更年期と呼ばれる年代に入ったことを家族が意識して、気遣ってあげることだけでも女性は充分に優しい気持ちになりストレスが解消されます。
もちろん、家事を手伝ったり分担したりという具体的な行動が伴えばもっと助かるでしょう。
けれど、これまで自分の体調など誰も気遣ってくれなかった家族が、ちょっとしたことで「大丈夫?」と言ってくれるようになるだけでも、ずいぶん効果はあるのです。
とくに夫は、長年付き合ってきた妻の機嫌が悪かったり良かったりするところを見てきているだけに「女は理解できない」「女は難しい」などと思っている人もいます。
それは大きな間違いですよ。
女性は案外単純で可愛らしいものです。
そう信じて優しい言葉をかける、ちょっとした気遣いをすると言ったことを実践してみてくださいね。
受診は無理に勧めず寄り添う気持ちを伝えて
子どもを生んだことのある女性でも、内診のある婦人科を受診するのは少々抵抗があるものです。
多くの日本女性は更年期障害の症状を我慢してしまうようです。
日本産婦人科医会では更年期障害の症状について「約8割は2年以内に自然軽快(何もしなくても治る)する」とまとめています。
つまり、女性にとって更年期障害は「そのうち治る」症状だとわかっているから、受診はしたくないのです。
おそらく更年期障害の症状だろうと思える身体の不調を訴えている女性に対して「具合が悪いなら病院へ行けば?」などと冷たく言うのは少々残酷ですよ。
優しい言葉をかけてあげて
「痛い」「つらい」と母親や妻が言っていたら、まずは優しく「大丈夫?」「少し休む?」「お布団敷こうか?」など優しい言葉をかけてあげてください。
病院を勧めなくて良いということではありません。
自分では更年期障害の症状だと思い込んでいたけれど他の病気だった、ということもありますから不安ですよね。
若い人や男性というのは、問題があればまっすぐ解決へ向かおうとしますから、つらいと言いながらぐずぐずしている母親や妻を見るとイライラするかもしれませんね。
「そんなにつらいなら病院へ行けばいいじゃない!」「病院で診てもらえばいいだろう!」などと強い口調で言ってしまうこともあることでしょう。
「お母さんの身体の調子が悪いと私も不安になるから一緒に病院に行こう」
「僕たちふたりともそろそろ年齢が年齢だから、気がかりなことがあったら検査した方が安心だと思うんだ」
というように、母親や妻が「病院に行こうかな」と思えるような優しい言葉で受診を勧めてみてくださいね。
更年期の母親に子どもができること
基本的に母親というのは怒りっぽくて自分勝手なものです。ただしそれは家庭内での表面的なこと。
ほんとうはそこに深い愛情があることは多くの子どもは気付いていますよね。
はじめに書いたように、更年期の女性の子ども達はまだ自分のことで精一杯という時期でしょう。
おそらく母親の不調にも気付かない人が多いと思います。
あるいは母親が不機嫌で怒っていてもイライラしていても、あまりにもいつものことすぎて変だとも思わないかも知れませんね(笑)。
今のあなたのままで良いと思います。
「今母親は更年期!!大変!!」なんて必要以上に大騒ぎしなくても大丈夫。
更年期と言われる期間は10年もあるのですから、気を遣いすぎてはあなたも母親も疲れてしまいますよ。
「いつものあなたらしく」にプラス思いやりを
ただ、もしも母親が口に出して身体の不調を訴えているようなときには優しくしてあげてください。
自分にできる家事はしてあげましょう。
そして、横になって休むほどつらい様子だったり、普段とはあまりに違う様子だったりしたら、父親にメールなどで知らせておくと良いでしょう。
母親のストレスを減らして嬉しい気持ちになってもらうために、母親にとって何がいちばん嬉しいかをお話しましょう。
それは、あなたが楽しそうにしていることです。
もちろん、今がいちばん多感な時期でしょうし勉強に恋愛に大忙しという時期でしょう。悩みもたくさんあるかもしれません。
それでも、今日あった「楽しかったこと」「面白かったこと」や、「友達のこと」「自分の趣味のこと」などをみつけて、夕食のときでも朝食のときでも母親と一緒のときに少しでも話してあげてください。
何もかも話す必要はないですよ。
母親に話してもかまわないという程度のちょっとしたことでかまいません。
あなたがニコニコ楽しそうにしていることはお母さんにとって最高の癒やしになるはずです。
更年期の母親に夫ができること
近年は保健体育などできちんと教育を受けてはいるものの、男性は女性の身体についてあまり理解していないままの人も多いようです。
もう思春期の保健体育の授業ではありませんから、恥ずかしがらずにきちんと女性の身体について少し調べるなどして学んでください。
調べながら不順なことまで考えて、セクシーな気持ちになってもOKです。
妻をもっと大切にしようと思えますものね。
閉経や更年期という言葉は、女性にとってあまり聞き心地の良いものではありません。
できれば夫には知られたくないという人もいるかもしれません。
改めて奥さんと向き合って
妻がどういうタイプの女性か見極めて、なんでも分かち合いたいタイプなら、更年期障害の症状について話をしたり何をして欲しいか尋ねたりすると良いでしょう。
でも、あまりそれに触れて欲しくなさそうなタイプの妻ならあえて話し合う必要はないとおもいますよ。
ただし、夫に向かって更年期障害の症状を「つらい」と訴えているときには優しい言葉をかけ、自分にできる家事を手伝うなどの努力を。
仕事で日々忙しく、ストレスが溜まっているのは自分の方だと言いたいかもしれませんが、ここで男気を見せてくださいね!
また、更年期になって女性ホルモンが減少すると、膣が乾きやすくなって性交痛が起こることもあります。
仲良し夫婦なら、専用のジェルなどを買っておくと良いでしょう。
まとめ
これは偏見だったら申し訳ないのですが、日本の一般的な家庭の母親は「肝っ玉が据わっていて」「プンプン怒るときがある」ように思います。
一昔前のドラマのように優しくておとなしいお母さんって実際には見たことありません。
だからイライラしている母親や怒っている妻を見ても家族はあまり何も感じないかも知れないです。
それはそれで仕方のないことだとも思います。
でも、そんな母親も女性です。
優しくしてあげて欲しいと思います。
「つらそうなら休ませてあげる」「優しい言葉をかけてあげる」といった簡単で単純なことでも女性は本当に嬉しいものです。
症状がひどいようなら受診を勧めるのも大切ですが、それも優しい言葉で言ってあげてくださいね。
