女性の更年期とは、閉経の前後5年の計10年のことです。
ということは、更年期に差しかかっていてもまだ閉経は迎えていないわけですから、気付かないことが多いはずですね。
例えば頭痛や肩こりがあっても、その不快感は更年期が原因かどうかはわからないでしょう。
更年期の兆候はあるのでしょうか。
また、閉経の前触れはどのようなものなのでしょうか。
まだ閉経には時間があると思っている人も、知識があれば安心して更年期や閉経を迎えられるはずです。
更年期の兆候や閉経の前触れについてご紹介していきます。
はじめは月経不順から
更年期に差しかかった前兆としてはじめに実感するのは月経不順です。
閉経に向かっているということを考えると、出血の量が減り月経の間隔は長くなるのではないかと想像しますよね。
ところが、産婦人科医によると更年期になって出血量が増える人もいるのだそうです。
また、月経周期も最初は24日より短くなる傾向にあるのだとか。
その後徐々に出血量は減少し、月経の間隔も長くなって閉経を迎えるそうです。
1年以上月経がなければ閉経となります。
もともと生理不順気味だった人にはわかりにくいことですが、のぼせや発汗(ホットフラッシュ)など更年期で思いあたる症状があるようなら病院で血液検査をして女性ホルモンの値を調べてもらえば更年期かどうかわかりますよ。
エストロゲンの分泌が減少することで起きるのは?
更年期に入ると急激に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少します。
ある産婦人科医の説明によると「崖から落ちるように急激に減る」のだそうです。日本人はホルモン療法に抵抗がある人が多いそうです。
女性ホルモンを補充することは自然に反するように感じるからでしょう。
しかしこの「崖から落ちるように」減ってしまう女性ホルモンを「クッションを差し出すようなかたちで」ゆっくりと減少させるのがホルモン療法だという説明を受けると納得してもらえるようです。
さて、急激に女性ホルモンが減少するとどのようなことが起きるのでしょうか。
- 肌のハリがなくなり、たるみやしわが目立つようになる
- 肌の再生が遅くなるので、しみやそばかすができやすくなる
- 髪のコシがなくなり細くなるために髪全体が薄くなる
- 食欲が抑制されず代謝が悪くなり、太りやすくなる
自分の身体にこうした症状が起きてきたことに気付いたら、更年期の前触れといえるでしょう。
なんだか女性としては悲しくなるようなことばかりですね。
しかしご存じの通り、年齢を重ねても美しく輝いている女性はたくさんいます。
見た目は好まない方向へ変化しても、内面は良い方向に磨き続けたいものです。
更年期を迎える前にできることは?
更年期障害という更年期特有の不快症状は、生活習慣の改善によって軽減されることがあるといいます。
ご存じのように、生活習慣というくらいですから長い時間をかけて習慣になっているわけです。
いざ更年期になってから「規則正しい生活」「充分な睡眠」「質の良い食事」「適度な運動」などを一気に改善することはほぼ不可能です。
実際に更年期といわれる年齢になると、想像以上に仕事は忙しくなり責任が重くなります。
当然それに比例してストレスも溜まりますし飲酒の機会も増えます。
家事は家族分までこなさなくてはなりませんし親もどんどん高齢化していくため面倒をみなくてはならないことが増えていきます。
やっと育児が終わったと思った子ども達は結婚し出産する時期になるため場合によっては孫の面倒までみる必要があるかも知れません。
ちょっと、脅かし過ぎたかも知れませんね。
でも本当に更年期というのは女性にとってもっとも忙しく充実したときなのです。
ストレスを溜めないように過ごすには生活習慣を簡単に変えることはできなくなっています。
しかし、まだ更年期の症状がまったくないという若いうちなら、生活習慣を少しずつ改善することができるのではないでしょうか。
運動の習慣や睡眠時間などは今のうちからしっかり意識して確保すると良いですよ。
また、ビタミン、ミネラル、とくにカルシウムを多く含む食事を摂ることを心がけてそれも習慣にしてしまえると良いですね。
パートナーがいるなら理解を求めましょう
すでに結婚している、これから結婚する相手が決まっているという女性なら、パートナーとじっくり話をして理解を求めることも必要です。
これから更年期を迎える自分にはどのようなことが起こるのかを説明し、肉体的な辛さや精神的な辛さがあるかも知れないと伝えます。
ただし、あまりに自分がそのことにこだわっていると実際に症状が重くなってしまう原因になりかねません。
パートナーに話すときは意識して明るく「私の場合は大丈夫だと思うけど」という言葉を口にしてから、更年期障害で起こり得る症状について説明してくださいね。
必ず辛い症状に見舞われるわけではないと強く自分の心にも言い聞かせておくことは重要ですよ。
また、更年期障害の症状のひとつに、女性ホルモンの分泌が減ることによって膣が乾きやすくなり性交時に痛みを伴うようになることがあります。
こうしたことも前もって話をしておくことで、二人で解決する方法をみつけていくことができるでしょう。
今現在、自分の家事負担が大きいと感じていたり、二人の間、家族の間にストレスの元になることがあったりするとしたら、それについても話し合い、今のうちに解決しておくことも大切です。
体力や気力が充実している若いときにはトラブルを避けるために「自分がやれば済むこと」と考えてしまいがちですが、更年期になってくるとそうしたストレスの元が気にかかるようになってきます。
家事で手伝って欲しいことや分担して欲しいことなど今のうちからお願いすることで更年期を迎えたときにストレスまみれになることを防げます。
病院に持って行けるものを準備しておく
女性の多くは、妊娠・出産を終えて避妊し、妊娠の可能性がなくなれば若い頃にくらべて月経周期などを記録しなくなっていきます。
毎朝体温を測って記録するといったように、これから妊娠したいというときほど細かくなくて良いですから生理の始まった日終わった日、出血が多かったなどなにか特徴があったかどうかは記録しておきましょう。
また、のぼせや発汗(ホットフラッシュ)といった更年期特有の症状ではなくても、頭痛や肩こりといった不快な症状があれば「いつ、どんなときに」その不快な症状が起こったのか記録しておくと良いですね。
婦人科では月経周期や既往症(これまでにかかった病気)、今飲んでいる薬は必ず尋ねられますから、いざ婦人科にかかったときに「なにもわかりません」ということにならないようにしておきましょう。
ある産婦人科医が話してくれたのですが、最近の若い女性は生理のことを手帳に記していないことも多く、診察に困ることがあるのだとか。
昔の母親は「月経周期がわからないのは女性として恥ずかしいこと」といって娘にしつけをしたものですが、今は少々違うようです。
妊娠、出産の時期が終わっても、女性として自分の身体を知るためにも月経周期は手帳に記しておきましょう。
まとめ
更年期の前兆や、女性ホルモンの分泌が減少することによって女性の身体に起きることをご紹介してきましたが、更年期を迎える準備ははじめられそうでしょうか。
女性にとって「肌のハリがなくなってしわが目立つ」「髪が薄くなる」などと説明されるのはつらいことですよね。
でも本当は、健康な身体でこうした変化を受け入れられることに対して感謝すべきなのかもしれません。
いつ婦人科のお世話になるかわかりませんから、生理の周期は手帳などに性格に記しておくことも大切ですね。
