妊娠もいよいよ臨月になって、身体のむくみが気になっていませんか?妊娠中はむくみ安くなりますが、臨月はさらにむくみがひどくなる時期です。
お腹の中で赤ちゃんが大きくなっている妊娠中のむくみを完全になくしてしまうことは難しいですが、症状を和らげる簡単な対処法は色々あります。臨月のむくみの原因や、症状、むくみの原因を知ることで、正しい対策をしてむくみを最小限に抑えましょう。
主なむくみの症状
靴がきつくなる
妊娠期のむくみの症状で多くの人が最初に気づく症状は、靴がきつくなることです。
通常は心臓から出た血液は、足の先まで流れて重力に逆らって心臓まで戻ります。しかし、妊娠時期は、血液が増え、血流も悪くなります。
そのため、重力の力に負けてしまい一番下にある足に血液が溜まって、足が腫れてしまいます。足がパンパンになると、今まで履けていた靴が入らないということが起きてしまいます。
指輪が抜けない
手は足や顏に比べるとむくみがひどくなりにくい場所ですが、臨月近くなって全体的にむくんでくると手も握りにくくなったり、細かい作業がしにくくなったりということが起きます。お気に入りの指輪も、抜けなくなってしまうということも起きることがあります。
通常起こりにくい手のむくみは、横になっている時間が多いことや、寝ている時の姿勢が良くないことが原因で起きます。お腹のはりが大きくなると、横向きで寝ることが多くなるため、腕の血流が阻害されてしまいます。それが長時間続くことで、むくみが起きてしまいます。
手のむくみが原因で、しびれが起きてしまう場合もあります。手の神経が手首の狭いところを通っているために、むくみで神経が圧迫されてしびれが起きます。
足がゾウのように腫れる
臨月になると、子宮が大きくなり下半身に負担がかかります。骨盤や血管が圧迫され、血液やリンパ液の循環を阻害し、脚の血行が悪くなってしまいむくみが起きます。
むくみがひどくなると、「ゾウ足」といわれる症状が起こります。ゾウの足のように足首と足の甲の境目がわからなくなってしまう症状です。
むくみによる痛み
むくみで腫れがひどくなってしまっている場合、痛みが出てくる場合があります。むくみによって、血液循環が滞ってしまうと酸素不足になり痛みが出てしまいます。
横になった状態で足を心臓より高く上げると、下半身の血行が改善してむくみも和らぐので痛みが軽くなります。横になれない場所では、足首を回したり、足の筋肉を動かしたり、軽くマッサージするなど、血流が改善するようにケアしてみましょう。
顔やまぶたが腫れる
臨月には、朝起きた時に顔やまぶたがむくんでしまうことが多くなります。寝る時は、心臓と水平になるために身体に溜まった水分が顏に流れてきてしまうからです。
肩や首の凝りがある場合は、むくみやすくなります。ひどい場合は、目が開けにくくなるということもあります。
朝の顔のむくみが気になる場合は、塩分を減らしたり、寝る前に水を飲む量を減らしたりするなど調整してみてください。ただ、むくむからと言って普段から水分を減らしてしまうのは逆効果です。
臨月のむくみの原因は?
血液量の増加
大きな原因は、妊娠による血液量の増加です。妊娠中は、血液中の血漿(けっしょう)が増えます。この血漿90%が水分で、そのため妊娠中は皮下組織などに多くの水分が溜まってしまいます。
子宮の拡大
臨月に近づくと子宮がどんどん大きくなり、下半身の骨盤や血管を圧迫してしまいます。そのために、血流が悪くなり血液が心臓に戻りにくくなってしまいます。この血流の悪さと、血液量の増加が臨月のむくみの大きな原因です。
塩分の過剰摂取
妊娠時に限らずですが、塩分の取り過ぎはむくみの原因となります。塩分に含まれるナトリウムを過剰に摂取すると、血中のナトリウムが過多になってしまいます。そのため、血液内のナトリウム濃度を低く抑えるために、水分をとり込むので体内の水分量が多くなりむくみの原因になります。
ストレス
ストレスもむくみの原因といわれています。ストレスがかかると、自律神経が乱れ体内の水分量のバランスが崩れたり、血管が収縮したりして血流が悪くなるなど悪影響があります。また、ストレスがかかっているときは、呼吸が浅くなりがちで、血流が悪くなってしまいます。
妊娠時は、不安なことも多くなってしまいがちなので、うまくストレスを発散して溜まらないように気を付けましょう。
その他の生活習慣
普通の生活の中でも、むくみを引き起こしてしまうものがあります。
きつい服や下着は血管を締め付けてしまうので、むくみの原因となります。また、同じ体制で身体を動かさずに座ったり、横になったりしていることも、血流を阻害してしまい、むくみを引き起こしてしまいます。
また、冷えも身体全体の機能を下げてしまい、血液の循環も悪くなるのでむくみの原因になってしまいます。お風呂に入ったり、ウォーキングなど軽い運動をしたりするなど温める工夫をしましょう。
むくみを解消するためには?
むくみを軽減する方法として、一番簡単なのがマッサージです。マッサージでリンパの流れを良くすることで、体内に溜まった老廃物を排出してむくみを和らげます。お風呂に入って、温めながらマッサージもおすすめです。脚や足裏のツボのマッサージも、むくみ改善の効果が期待できます。
食事に気をつける
むくみ改善のためには、食生活も見直すことをおすすめします。特に塩分は、これまでもご紹介したように、むくみの原因となります。ハムやベーコンなどの豚肉の加工品や、かまぼこなど魚肉系の加工品など意外に塩分が多いものもあるので、気を付けましょう。
塩分を控えると同時に、塩分を排出してくれるカリウムが含まれる食品を多めに食べるのもおすすめです。カリウムが多い食品は、リンゴやバナナ、里芋、ホウレンソウ、豆類などがあります。
漢方を試してみる
むくみが気になっていても、妊娠中は薬の服用は気をつけなければなりません。漢方であれば、服用出来るものもあります。漢方を試す場合は、事前にかかりつけ医に相談して、漢方薬局などで処方してもらいましょう。
適度な運動
適度な運動も、血行を良くしてくれるのでむくみ解消に繋がります。
軽い散歩程度のウォーキングや簡単なストレッチでも十分運動になります。特にウォーキングは、脚の筋肉を刺激して動かすのでおすすめです。また、マタニティーヨガ、マタニティースイミングなど様々な運動があるので、無理なく楽しめる物を選びましょう。
足を高くする
足は身体の一番下にあるため、心臓から循環した血液が溜まってむくみやすい場所です。テレビを見ている時や、横になっている時などに、足を心臓より高くしておくことで、心臓へ血液が戻りむくみが改善されます。
足湯
足湯も簡単にできるむくみ対策です。むくみの原因となる冷えを解消し温めることで、血行がよくなり足に溜まった血液が心臓へ戻りむくみが解消されます。
足湯の温度は40~43℃くらいがおすすめです。塩を適量入れると発汗作用が高まって皿に効果的です。寝る前に行うと、リラックスしてゆっくり寝られるのでおすすめです。
むくみ取りのソックス
妊娠時やむくみには、締め付ける服はよくないといわれていますが、むくみ対策の圧着靴下はおすすめです。締め付けが強い靴下で、血管に圧力をかけることで溜まった血液が心臓へ戻ります。医療用のものもあり、医療用は効果が高いのですが処方が必要なのでかかりつけ医に相談しましょう。
ストレスを減らす
ストレスもむくみの要因になるので、ストレスを軽減することでむくみが改善される場合もあります。
ストレスを減らす方法は色々ありますが、手軽なものではアロマテラピーがあります。アロマの香りを部屋でたくことで、リラックスして睡眠も深くできることがあります。ただし、アロマによっては妊娠中に向かないものもあるので、専門家などによく相談して使用しましょう。
夏場のクーラーに注意
臨月になると体温が高くなるため、夏場は暑さ対策が必要です。しかし、身体が冷えてしまうと胎児を守るために羊水が増えてむくみの原因になってしまいます。クーラーを使う場合は、温度設定を高めにしたり、長時間使わないようにしたりして注意が必要です。
水分はいつも通り摂る
むくみは水分が原因で起こりますが、むくみが気になるからと言って水分を減らすのはよくありません。妊娠後期から臨月は、体内の水分が増えた状態にならなければいけないので水分を減らさずいつも通りに摂取しましょう。水分を飲む時は、身体を冷やさないように常温かホットがおすすめです。
無理をしない
臨月は身体が重くなりますし、不安やストレスを感じやすい時期です。疲れた時には、無理をせず横になるようにしましょう。横になると、子宮によるリンパ節の圧迫が減るので体内の水分が循環しやすくなります。
お茶をのむ
利尿作用があるお茶を飲んで、体内の余分な水分を排出することもむくみ対策としておすすめです。カフェインが無いお茶がおすすめで、ハーブティーも妊娠中に飲めるものもあります。
【利尿作用があるお茶】
- どくだみ茶
- はと麦茶
- 杜仲茶
- コーン茶
- 黒豆茶
- あずき茶
- ルイボス茶
臨月のむくみは気にしすぎないで大丈夫!
臨月のむくみは多くの人が経験します。様々な対策がありますが、妊娠中に完全にむくみを解消することは難しいのであまり気にしすぎないのも大切なことです。
産後は、ほとんどの場合むくみがなくなりもとに戻ります。臨月まできたら、出産まであと少しです。足湯をしたり、簡単な運動をしたり、利尿作用があるお茶を飲むなど、ストレスがかからずにできる対策をして、リラックスして過ごしましょう。
